マジック名カード集 ~『ストロングホールド』編~

晴れる屋メディアチーム

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はじめに

みなさま、「名カード集」へようこそ。

この「名カード集」では、時代を過去へと遡り、昔のエキスパンションの名だたるカードを紹介していきます。

今回は5色カードが初めてデザインされた『ストロングホールド』をご紹介しましょう。

『ストロングホールド』ってどんなセット?

『ストロングホールド』とは、1998年2月に発売されたテンペスト・ブロックの最初の小型エキスパンションであります。収録カードは全143種類。カードパワーが高く、攻撃的だった『テンペスト』からは大きく路線変更し、防御的なセットとなっています。誤解のないように申し上げますと決してカードの弱いセットではなく、どちらかといえばゲームを作る足場を固めるカードが多く収録されていました。

ショック

代表的なカードとしては、スタンダードの基本火力となる《ショック》が初登場しました。ローテンション落ちすることなく再録されている定番カードであり、現在も赤系デッキに使用されています。

スリヴァーの女王

また、『ストロングホールド』はマジック史上初めて5色カード入ったエキスパンションでもあります。美しく強い、5色カードの象徴たる《スリヴァーの女王》はスタンダードでも活躍し、現在では統率者戦にその姿をみることができます。

『ストロングホールド』の名カードたち

《ヴォルラスの要塞》

ヴォルラスの要塞

《ヴォルラスの要塞》

(T):あなたのマナ・プールに(◇)を加える。

(1)(黒),(T):あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚を対象とし、それをあなたのライブラリーの一番上に置く。

『ストロングホールド』の物語では、主人公であるジェラードたちが宿敵ヴォルラスの居城へと突き進みますが、その居城こそ《ヴォルラスの要塞》なのです。伝説の土地たるこのカードは、能力を使うとドローが固定化してしまうものの、すべてが有効牌となります。つまりは消耗戦に強く、当時は打ち消し呪文を多用する防御的なデッキに対してかなり有効なカードとなりました。スタンダードでは黒単コントロールをはじめ、ミッドレンジやコントロールなどさまざまなデッキで重宝されました。

強力な反面伝説カードのため複数採用することは難しく、さらに天敵《不毛の大地》が存在していました。こう聞くと対処されやすく影響がそれほどないように感じるかもしれませんが、当時の構築環境には《ヴォルラスの要塞》をサポートする環境が整っていたのです。

吸血の教示者ヨーグモスの意志生ける願い

前回紹介したヤコブ・スレマー/Jakub Slemr選手の黒単コントロールを例にしますと、1枚のカードを探し出すサーチ手段には万能な《吸血の教示者》が、破壊されれば《ヨーグモスの意志》のおかげで墓地からプレイできたのです。活躍の場をエクステンデッドに移すとゴルガリカラーのミッドレンジデッキ、マルカデスに採用され、《吸血の教示者》に加え《生ける願い》のサーチ先としてサイドボードにも採用されました。

《花の壁》

花の壁

《花の壁》

防衛

《花の壁》が戦場に出たとき、カードを1枚引く。

史上もっとも使用された壁といえば、《花の壁》はその候補としてあがるでしょう。ビートダウン主体の緑において一見ちぐはぐなデザインとなったこのクリーチャーは、5CGなど多色クリーチャーデッキの序盤を安定させるカードとなりました。手札を減らさずに防御網を構築できるため使い勝手が良く、さまざまなデッキに採用されたのです。

ジャッカルの仔ボール・ライトニング繰り返す悪夢

この年の世界選手権を制したBrian Seldenのナイトメア・サバイバルは、まさに序盤の防御をこのカードに頼っていました。当時は赤単色のビートダウンデッキ、スライの全盛期。《ジャッカルの仔》を止め、その身を挺して《ボール・ライトニング》のダメージを最小限に抑え、同時に《繰り返す悪夢》と強烈なシナジーを形成していたのです。

前兆の壁

後に『エルドラージ覚醒』で白へと転身した《前兆の壁》がデザインされ、《精神を刻む者、ジェイス》の守り手としてアゾリウスコントロールで活躍しました。

《投げ飛ばし》

投げ飛ばし

《投げ飛ばし》

この呪文を唱えるための追加コストとして、クリーチャー1体を生け贄に捧げる。

クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。《投げ飛ばし》はそれに、その生け贄に捧げたクリーチャーのパワーに等しい点数のダメージを与える。

防御的な『ストロングホールド』にあって、攻撃に全振りしたのが《投げ飛ばし》でしょう。クリーチャーのパワー分のダメージを与える火力ですが、代償として生け贄に捧げるため効率は悪め。ただし、パワーをあげるカードと相性が良く、コンボデッキやシナジー強めのアグロデッキで採用されました。

エイトグ電結の荒廃者願いのフェイ

モダンの最初期の赤単親和にて、その活躍をみることができます。《エイトグ》《電結の荒廃者》とパワーが上昇するクリーチャーが8枚あり、デッキ自体も軽く序盤の爆発力を重視していたことから中盤以降戦闘を介さずともライフを削りきる手段となったのです。

また、禁止改定前のティムールアドベンチャーでは、《願いのフェイ》によるウィッシュボードの1枚として採用されておりました。序盤にマナ加速として使用した《豆の木の巨人》を追加コストにあてることで、ライフの半分以上を削りきってくれたのです。

《水晶スリヴァー》

水晶スリヴァー

《水晶スリヴァー》

すべてのスリヴァーは被覆を持つ。(それらは呪文や能力の対象にならない。)

『テンペスト』で初登場したスリヴァーは、同じ種族間で能力を共有するクリーチャーです。『ストロングホールド』から多色スリヴァーが加わりましたが、全体に「被覆」を付与する《水晶スリヴァー》は極めて強力な1枚であり、序盤にキャストするスリヴァーとして最適な1枚となりました。自身だけではなくこれ以後のスリヴァーすべてが被覆を持つため、全体除去以外では対処できくなくなってしのです。

剣を鍬に炎の嵐

その活躍はDDカウンタースリヴァーに見ることができます。当時のエクステンデッドは、ネクロドネイトを筆頭にコンボ全盛期。《水晶スリヴァー》《剣を鍬に》《炎の嵐》を無効化し、ダメージクロックの安定化を図りました。これにより打ち消し呪文はすべて相手のコンボ阻止に使えたのです。

Demonic Consultation誤った指図

因みにデッキ名に付けられたこのDDは、DemonicとDirectionを意味しており、2つのキーカード《Demonic Consultation》《誤った指図》から取られています。《Demonic Consultation》は打ち消し呪文を探し出すも良し、《水晶スリヴァー》《筋肉スリヴァー》など必要なスリヴァーを探すのにも役立ちました。

《マナ漏出》

マナ漏出

《マナ漏出》

呪文1つを対象とする。それのコントローラーが(3)を支払わないかぎり、それを打ち消す。

《マナ漏出》は不確定カウンターでありながら、軽いマナコストとシングルシンボルが魅力の打ち消し呪文。不確定カウンターといいながらも要求するマナ数は3マナと多く、序盤はもとより中盤以降でも腐りにくいカードです。青単色のデッキはもちろんのこと、多色デッキやクロックパーミッションのような青の薄いデッキで真価を発揮しました。

否認神秘の論争

現在のスタンダードにある《否認》《神秘の論争》と似た立ち位置にあるカードですが、《マナ漏出》には裏目がありません。2マナであるため自身の展開を阻害しにくく、効果が状況によって左右されず無駄にならないため、環境を定義する打ち消し呪文として多くのデッキで採用されたのです。

まだある名カード

さて、『ストロングホールド』名カード集、お楽しみいただけたでしょうか。しかし、「あの有名カードなくない?」「もっといいカードあるよ!」と思われた方もいらっしゃるはず。

もっと『ストロングホールド』のカードについて知りたい方は、ぜひ、動画もご覧ください!

次回の「名カード集」では、『エクソダス』をお届けいたします。

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