(編集者注:この記事は『ストリクスヘイヴン:魔法学院』の全カード公開前に書かれたものです。)
Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2021/04/07)
イゼットフェニックス in パイオニア
みなさんこんにちは。3月末、Mana Taders Series(パイオニア)をイゼットフェニックスで優勝しました。今日はこのデッキのすべてをお伝えします!
一般的なリストの問題点
パイオニアの黎明期から浮き沈みのあるデッキでしたが、直近の禁止改定以降、メタゲームはイゼットフェニックスが本領を発揮できる状態にあります。
私の構築・カード選択をより深く理解してもらうため、まずはMagic Onlineのリーグやチャレンジでよく当たるイゼットフェニックスの構成について話させてください。デッキ内でもっともカードパワーが高いのは《弧光のフェニックス》と《宝船の巡航》です。とすれば、この2枚を軸にして構築して悪用するのが良さそうに思えますね。
ではそれを実現するとすればどうすれば良いでしょうか?墓地を肥やす速度を極限まで高めつつ、軽いインスタント・ソーサリーを連打して《弧光のフェニックス》を戦場に戻す方法が考えられますね。多くのリストに《秘本掃き》《マーフォークの秘守り》といった切削カードが入っているのはまさにこういう発想があるからです。さらに《イゼットの魔除け》も4枚採用し、《弧光のフェニックス》を手札から捨てられるようにしてあります。
ではなぜ私は一般的な構成に違和感を覚えているのでしょうか?それは上記のようなカードを唱えるとカードアドバンテージを失い、手札を減らしてしまうからです。《宝船の巡航》を引き込めなかったり、《弧光のフェニックス》があまり墓地に落ちずに速攻で勝負を決められなかったりすれば、いつの間にかガス欠状態に陥ります。こういったカードの採択がデッキを不安定なものにしてしまうのです。
(唱えても手札が減らない)キャントリップを増やすことで、高速かつ爆発的な初動が決められなくても問題なくなり、墓地対策への耐性も上がります。さらに、時間をかけてデッキの大部分を掘り起こしていける構成になるため、勝利に必要なピースをすべて揃えていけるのです。
優勝したデッキリスト
先ほどイゼットフェニックスの構築理念をお伝えしましたから、今度は私のカード選択を見ていきましょう。
理念に基づくカード選択
土地19~21枚
土地は少なくとも5~6ターン目まで滞りなく伸ばしたいものの、マナフラッドはしたくないという繊細なバランスが求められます。こういった事情があるからこそ、私は《棘平原の危険》を高評価しています。《山》よりも《乱撃斬》よりも弱いですが、そのどちらにもなれるという柔軟性こそ大きな利点なのです。
1マナ火力
《ラノワールのエルフ》デッキやほぼ全てのクリーチャーデッキに対して有効な部分です。相性をさらに良くするためにこの枠の枚数を増やしても良いですが、個人的には別の部分にその枠を当ててより広いメタゲームに対応したいなと思いますね。
キャントリップ
デッキの土台であり、毎試合ライブラリーの50%~90%を掘り起こせるゆえんです。それぞれの枚数を調整しても良いですし、別のキャントリップを試すのも良いでしょう。場合によっては《急かし》よりも《突破》が強かったり、《胸躍る可能性》よりも《発見/発散》が強いこともあるかもしれません。ただ、キャントリップの枚数は多めにしておくことをおすすめします。このデッキの安定性を支えている部分ですからね。
アドバンテージ源
《宝船の巡航》はゲームを一気に有利にしてくれる呪文ですが、《思考囲い》や打ち消し呪文を擁する相手はなかなか唱えさせてくれないかもしれません。そこで似た役割を果たせる5枚目の枠を設けることにしました。《パズルの欠片》のほかには《時を越えた探索》や《約束の終焉》といった選択肢もあります。デッキのプランに噛み合っている強力なカードではありますが、切削カードなしでは安定した運用が見込めません。
シルバーバレット
さまざまな状況を打破できるように入っているシルバーバレットです。デッキを掘り進めるのが得意なデッキですから、求めているカードを見つけられる可能性があります。そのためには前もってゲームプランを考えておくことが大切です!
ひとつ《非実体化》について言及しておくと、このカードは信じられないほど採用率が低いです。このデッキを使うプレイヤーは万能な解答の必要性を理解していますが、その枠に入れられるのはメインデッキの《厚かましい借り手》になっています。《非実体化》はクリーチャーでないパーマネントに触れないものの、スタック上の呪文に介入できるのは非常に大きいと思っています。
勝ち筋
《弧光のフェニックス》についてはもう語るべきことがありませんが、今も議論の的となっているのが《弾けるドレイク》です。《氷の中の存在》は(《致命的な一押し》に弱いので)除去の少ないクリーチャーデッキに対して効果的ですが、こういったマッチアップはすでに有利に戦えます。イゼットフェニックスがいまいち人気ない理由は、それ以外のアーキタイプを倒そうという意識が低いからでしょう。
4ターン目の《弾けるドレイク》はキャントリップしつつ、即座の解答を要求します。キャントリップせず、数ターンは放置できる《氷の中の存在》に比べれば、相手に苦しい対処を迫れることでしょう。それに《最大速度》との合わせ技は一撃必殺であり、《欠片の双子》コンボをデッキに内蔵できるようになります。
変な話だと思ったかもしれません。デッキの動きを見たことがないのであれば、1枚採用の《最大速度》と3枚採用の《弾けるドレイク》を適切なタイミングで揃えるなんてどれだけラッキーなんだと思うでしょう。しかし実際は思うよりも数段起きやすいことです。
5色ニヴやその他の遅いミッドレンジ/コントロールとのゲームは長期戦になるため、プレッシャーがかかっていないのであれば、ただキャントリップを連鎖させていくだけになります。そして中盤戦に《弧光のフェニックス》を戦場に戻すことでその対応に相手を奔走させ、その間にコンボによる1ターンキルの準備を進めていくのです。
《弧光のフェニックス》の対応にマナを使わせたターンに、《非実体化》という保険をかけながら《弾けるドレイク》に《最大速度》を唱えることもよくあります。ここで話題にしているのは、7~9ターン目にライブラリーが10~20枚のときですからね。
以前は《最大速度》ではなく《促進》を使っていました。キャントリップ付きですし、それゆえに必要ない状況でサイクリングできるからです(相手のクリーチャーを対象にとってもサイクリング可)。しかし、《促進》では不都合な状況が多すぎました。
序盤にキャントリップとして使わなくてはいけなかったり、《巧みな軍略》や《パズルの欠片》で他のカードの回収を優先させたりすると、もう速攻の《弾けるドレイク》を用意できない状態に陥ってしまい、相手が持っているであろうソーサリータイミングの除去に《弾けるドレイク》が引っかかってしまうのです。
そう考えるとイゼットフェニックスでは《最大速度》のほうが使いやすいです。序盤の《巧みな軍略》でめくれたとしても墓地に送ってしまって問題ないですし、《稲妻の斧》や《胸躍る可能性》で捨てても構いません。必要になった段階で「再活」すれば良いのですから。
サイドボーディングの基本方針
イゼットフェニックスは能動的なプランを用いるため、火力呪文を有効に使えるのであれば、多く入れ替える必要はありません。
打ち消しは《弧光のフェニックス》との噛み合わせが悪いものの、勝つためにはサイドインしなくてはいけないマッチはあります。そういう場合は《弧光のフェニックス》のサイドアウトによって勝ち筋が減ってしまいますが、《弾けるドレイク》が別の勝ち筋になります。《弾けるドレイク》が重要であるもうひとつの理由ですね。
《厚かましい借り手》はメインよりもサイドのほうが適正な居場所です。イゼットフェニックスの対策として《虚空の力線》や《墓掘りの檻》がサイドインされることがあるため、非クリーチャーパーマネントに触れない《非実体化》よりも《些細な盗み》のほうが効果的です。お互いに対策を積んでゲームがスローダウンしたときには、3/1のクリーチャー部分も価値を持ってきます。
サイド後は脅威を多様化することも重要になります。これまでに私が試したことある代表的なカードを紹介しましょう。
どれも一長一短であり、メタゲームや個人の好みに選択が委ねられるでしょう。現在はディミーアコントロールが人気なので、私は《若き紅蓮術士》を選択しています。マナコストが軽く、打ち消しをすり抜けやすいです。ディミーアコントロールはブロッカーが少ないため1/1のトークンが有用であり、急速に有利な状況を作り出してくれます。
マッチアップごとの戦い方
5色ニヴ
5色ニヴは非常に遅いデッキであり、通常ゲームは長引きます。相手がガス欠を起こすことはほぼないですが、重い呪文が多く1ターンに1枚しか呪文を唱えられません。《弧光のフェニックス》でプレッシャーをかけ、その対処にマナを使わせていくのが正攻法です。相手は解答を多く持っていますが、基本的にはソーサリータイミングのものばかりです。
《非実体化》と《イゼットの魔除け》は《白日の下に》の解決を遅らせます。仮に《ニヴ=ミゼット再誕》を着地させてしまったとしても、《稲妻の斧》に《弧光のフェニックス》の攻撃か2枚目の火力呪文を合わせれば突破できます。《ニヴ=ミゼット再誕》から2~3枚ぐらいアドバンテージを稼がれるでしょうが、《宝船の巡航》があるのでアドバンテージでは負けないはずです。どこか隙が生まれたら、速攻の《弾けるドレイク》で勝利を掴み取りましょう。
対 5色ニヴ
5色ニヴのサイドボードには《墓掘りの檻》と《運命の神、クローティス》が入っていることが一般的なので、《弧光のフェニックス》を1枚抜き、《無効》をサイドインするようにしています。
ディミーアコントロール
この純粋なコントロールデッキはイゼットフェニックスにとって悪夢です。こちらの数少ない脅威に対して豊富な解答を用意しており、《宝船の巡航》へのカウンターも持ち合わせています。
しかし現在採用されている除去は通常《致命的な一押し》《無情な行動》《英雄の破滅》《影の評決》なので、今のディミーアコントロールとの相性はそこまで悪くありません。これらの除去はどれも《弧光のフェニックス》を上手く対処できないため、《弧光のフェニックス》を戻して攻撃していれば勝つことも十分にあり得ます。
《絶滅の契機》や《ヴラスカの侮辱》の枚数が増えてくるようであれば1ゲーム目はかなり厳しくなるでしょう。しかし、これらの変更を加えればほかのデッキとの相性が変わってしまいますから、メタゲームでバランスがとられていくはずです。
対 ディミーアコントロール
《稲妻の斧》を1枚残しているのは《ゲトの裏切り者、カリタス》が入ってくる可能性を考えているためです。また、《サメ台風》のトークンや《概念泥棒》も対処できます。《概念泥棒》は念頭に置いておくべき1枚であり、相手がマナを構えているときは絶対にタップアウトしてドローしないようにしてください。《肉儀場の叫び》もサイドインされる可能性があるため、できることなら無防備に《弧光のフェニックス》を並べ過ぎないようにしましょう。
ディミーアコントロールはインスタントで動くデッキであり、《最大速度》でとどめを刺すのは難しいですが、5色ニヴに比べればアドバンテージを獲得できないためアドバンテージ争いで勝つのは比較的容易です。一旦リソースを消耗させたら、打ち消しを1枚構えつつ《弾けるドレイク》で勝てるでしょう。
《無効》の使い道を不思議に思ったかもしれませんが、《奔流の機械巨人》やエンチャントとしての《サメ台風》を打ち消すことができます。《アズカンタの探索》も普通は数枚入ってますしね。
オルゾフオーラ
相手は全ての火力呪文をかいくぐって序盤にクリーチャーを盤面に残すのに苦労するはずです。プロテクション効果を構えながらクリーチャーを育てていくチャンスを待つプランも通常は裏目に出ます。そのチャンスをうかがっている間にこちらはさらに危険なアクションを起こせるからです。
原則的に《上級建設官、スラム》はすぐに除去するのが正解です。ただ、そのほかのクリーチャーは1~2点のクロックを刻んでくるだけなら1~2ターン放置して問題ありません。オーラ呪文を唱えたら1:2交換をされるリスクをちらつかせる状況に相手を追いやりましょう。
対 オルゾフオーラ
4色ファイアーズ
相手のデッキの80枚という特性上、ゲーム展開はさまざま考えられます。テンポ良く脅威を連打してきて押し切られてしまうこともあれば、相手が大したこともできずに負けていくこともあります。
《覆いを割く者、ナーセット》は煩わしいですが、どうしようもないわけではありません。《巧みな軍略》は《覆いを割く者、ナーセット》の効果で封じられないので、できることなら温存しておきましょう。
《弧光のフェニックス》プランを頼りにするのは危険です。タップアウトした瞬間、《神々の憤怒》や《岩への繋ぎ止め》、トークンを生け贄に《異形化》を通されます(タップアウトしなければ《異形化》は対応して火力呪文で止められる)。サメトークン・《鴉の警告》のトークン・《空を放浪するもの、ヨーリオン》などの飛行クリーチャーがいるため実現は簡単ではありませんが、《弾けるドレイク》に速攻をつけるのが最善の勝ち筋です。
包み隠さずに言えば、相手が強めの手札を握っていたら勝つのはほぼ不可能です。しかし、上手く戦えるカードは揃っており、平均的な手札には勝てます。
対 4色ファイアーズ
このプランが正しいと断言できるほど試行回数は多くないものの、これまではこのプランでサイドボーディングしてきています。いまだ実験中ですが、先手なら《弧光のフェニックス》を2枚残すこともなくはないです。ただ、基本的には相手のアクションに解答する必要があると感じていています。妨害なしでぶつかり合えば勝てませんからね。
ジャンドサクリファイス
純粋なアグロデッキよりかはリソース獲得できるデッキですが、それでもイゼットフェニックスが食い物にできるデッキに含まれると思います。盤面を維持することは難しく、リソース勝負に持ち込むのは《弧光のフェニックス》と《宝船の巡航》の前では無謀です。
対 ジャンドサクリファイス
(《無効》をサイドインするのは《魔女のかまど》型に対してのみ。サイドインしないときは《急かし》のサイドアウトを1枚だけにします)
ジャンドサクリファイスはサイド後にコントロール要素が強くなり、攻撃性が下がります。そこで《稲妻の斧》を1枚サイドアウトし、リソース切れにならないようにしています。
黒単アグロ
綺麗なマナカーブで動かれて《思考囲い》を良いタイミングで使われると勝てませんが、基本的には相性が非常に良いマッチアップです。
対 黒単アグロ
《パズルの欠片》は抜きません。黒単は《マグマのしぶき》や《神々の憤怒》に弱い軽量クリーチャーを一部サイドアウトし、手札破壊や高マナ域の脅威を増加させてくるからです。
ラクドスアルカニスト
《戦慄衆の秘儀術師》と《若き紅蓮術士》は対処できるはずで、怖いのは《死の飢えのタイタン、クロクサ》だけです。とはいえ、4ターン目に「脱出」されても対応するのはそう難しくないでしょう。
このマッチアップで肝となるのは、相手が《弧光のフェニックス》を追放する手段を備えていない点です。そのため、アドバンテージでリードするまで《弧光のフェニックス》を戻してブロックし続けることができます。
自分のターンにクリーチャーを除去しようとする場合は、《村の儀式》を上手く使わせないようにしてください。相手にマナを構えさせ続けて嫌がらせしましょう。
対 ラクドスアルカニスト
サイド後は通常ゲーム速度が落ちます。《若き紅蓮術士》がサイドアウトされ、代わりに入ってくるのが追加の手札破壊や《魂標ランタン》です。《乱撃斬》は《戦慄衆の秘儀術師》を除去できないので、《マグマのしぶき》や《霊気の疾風》といった使い道の多い除去に変えていきましょう。
相手も勝つのに苦労するでしょうが、それはこちらも同じ。《魂標ランタン》が《弧光のフェニックス》を許しません。《宝船の巡航》のキャストを防ぐには《魂標ランタン》を強気に起動しなくてはなりませんが、相手がプレッシャーをかけてこないため再建する時間はあります。《宝船の巡航》の1枚目が通れば、そこからの道のりは安泰でしょう。
ナヤウィノータ
このマッチアップも非常に有利です。1ターン目のマナクリーチャーを除去すれば大幅に速度を落とせますし、除去によってまともな盤面を構築するのも苦労するでしょう。仮に数体のアタッカーがいるところに《軍団のまとめ役、ウィノータ》が着地してしまっても、こちらには戦闘前にそれを1マナで除去できる呪文があります。できれば《稲妻の斧》は温存しておきましょう。相手はこちらのプランを妨害してこず、たとえメタカードをサイドインしてきたとしても相手の動きが鈍くなります。
対 ナヤウィノータ
バーン
相性は良くありません。相手のクリーチャーをさばく除去はあっても、死亡する前に「戦場に出たときの能力」や速攻によって多少のダメージを受けてしまい、火力呪文で締めくくられます。ダメージレースで勝てなくはないですが、通常は相手のほうが早いですね。
対 バーン
《霊気の疾風》は入れません。2マナを使って1~2マナの呪文/パーマネントに対処しているようでは勝てないからです。相手が《岩への繋ぎ止め》をサイドインしてくるのであれば《無効》を数枚投入し、ついでに厄介な《大歓楽の幻霊》も触れるようにします。《紺碧のドレイク》も有効なマッチアップであり、バーンが増えるようならこのカードを増量させるでしょう。
緑単ストンピィ
緑単ストンピィは爆発力のあるデッキですが、勝てない手札がよく来るデッキであり、当たりたい対戦相手です。1ターン目のマナクリーチャーを除去できれば、それだけで相手のプラン遂行に大きな陰りが見えてきます。相手は妨害を得意とせず、火力呪文は軽量クリーチャーを綺麗にさばき、飛行クリーチャーはプレインズウォーカーを落とします。《ニクスの祭殿、ニクソス》からマナが出せなければ《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》や大型の《大食のハイドラ》を唱えることは叶わないでしょう。
対 緑単ストンピィ
相手はサイド後に相性を大きく改善できませんが、こちらは大型呪文への解答を増加させられます。
ロータスコンボ
最悪の相性です。相手のコンボ速度に勝てるクロックを用意できず、コンボを防ぐ手段もほとんどありません。ロータスコンボは環境の立ち位置が良いわけではないものの、いまだに一定数の使用者がいて、遅めのデッキに相性が良いことを活かしてメタゲームの健全性に寄与しています。
対 ロータスコンボ
最初から速攻をしかけましょう。タップアウトすることになってしまいますが、こちらの打ち消しは追加マナの支払いを要求するものがほとんどであり、コンボ開始時に膨大なマナを生成する相手に「土地セット、ゴー」の戦略は通用しません。同様の理由から、序盤のアクションに対して《呪文貫き》《神秘の論争》をためらわずに充てていきましょう。
『ストリクスヘイヴン』からの新戦力
イゼットフェニックスのすごいところは、適応力があり、1~2枚変えただけでガラリと違いが出ることです。それもドローを進めて適切な解答を見つけることに長けているからこそ。『ストリクスヘイヴン:魔法学院』が続々と公開されており、イゼットフェニックスも新戦力を得ることでしょう。
ここまでで気になっているカードは《情報収集》です。効果的には「諜報2を行い、その後カードを1枚引く」であり、《発見/発散》と全く同じです。しかし《情報収集》はインスタント!
ほかには《プリズマリの命令》が加わりますね。《イゼットの魔除け》を彷彿とさせますが、1マナ重くなったことでアドバンテージを損することなく「カードを2枚引き、2枚捨てる」効果を使えるようになりました。命令サイクルは2つのモードが選べますからね。
《火花の学者、ローアン》も気になります。入れるとすれば、サイドボードから投入する追加の脅威の枠でしょう。プレインズウォーカーという性質上、たとえば《ゴブリンの熟練扇動者》よりも除去されづらくなっていますし、ゴブリントークンで与えていたダメージも《火花の学者、ローアン》が与えてくれます。しかも《否認》《巧みな軍略》《プリズマリの命令》が1マナ軽くなるのですから、これは凄まじいことですよ。
イゼットフェニックスの使用者がもっと増えて欲しいなと思いますし、この記事をきっかけにみなさんが使ってみようという気になってもらえたら嬉しいですね。
ここまで読んでくれてありがとうございました!
ファブリツィオ・アンテリ (Twitter)