マジック名カード集 ~『インベイジョン』編~

晴れる屋メディアチーム

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はじめに

みなさま、「名カード集」へようこそ。

この「名カード集」では、時代を過去へと遡り、昔のエキスパンションの名だたるカードを紹介していきます。

今回は強力な多色環境の礎となった『インベイジョン』をご紹介しましょう。

『インベイジョン』ってどんなセット?

『インベイジョン』とは、2000年10月に発売されたインベイジョン・ブロックの第1エキスパンション。350種類のカードで構成され、新キーワード能力として「キッカー」が加わりました。ブロック全体を通して多色を強烈にアピールしており、レア~コモンまで金色のカードが存在しています。単色カードの中にも自身と別の色を「キッカー」コストや起動型能力に要求するカードがあり、実質的に多色のカードとなっていました。

追放するものドロマー
復活させるものトリーヴァ粛清するものクローシス点火するものデアリガズ煽動するものリース

レアをみると、伝説のクリーチャーの多さに驚きます。その数は15枚にのぼり、『レジェンド』以来となる3色の伝説のドラゴンまでも登場しています。一度攻撃が通ればゲームを決める能力を有していたのは間違いなく、さらにその美麗なイラストも相まってファンが多かったカードになります。

暴行+殴打沿岸の塔

そのほか「分割カード」は2枚を1枚にまとめた斬新なデザインであり、発売当初はエラーカードと間違えられたり、効果を確認するためにカードの向きを変えてしまい手札にあることがバレてしまうこともあったとか。土地ではタップインながら実用に耐えうる2色土地が生まれ、ダメージランドにつぐ多色土地が採用できるようになり、2色デッキの安定性が格段に向上しました。

疾風のマングースカヴーのカメレオンウルザの激怒

また、ウルザ-マスクスが青の強いブロックだったことで、青に強い打ち消されないと書かれたカードが多くデザインされました。《疾風のマングース》《カヴーのカメレオン》は打ち消し呪文をかいくぐってダメージを刻み、《ウルザの激怒》は汎用性の高い火力ながらとどめの一撃にもなったのです。特に《ウルザの激怒》は「キッカー」すれば10点と、長引いた試合をも覆すことができました。

『インベイジョン』の名カードたち

《吸収》

吸収

《吸収》

呪文1つを対象とし、それを打ち消す。あなたは3点のライフを得る。

インベイジョンブロックの打ち消し呪文を語る上で無視できないカードをあげるなら、《吸収》はその筆頭に来るべきカードです。《対抗呪文》にライフゲインが付加されたわかりやすいデザインであり、青白という防御的な戦略を好むカラーに合致しています。対アグロデッキではこの3点は見た目以上に大きく、序盤をしのぎ中盤へと繋げる足掛かりとなりました。

神の怒り対抗呪文Fact or Fiction

古今東西青白デッキといえばリセット+打ち消し呪文によるコントロール戦略ですが、『インベイジョン』発売以降もその例にもれずミルストーリーGo-Marといった強力なデッキが存在していました。これらのデッキに共通するのは「いかに序盤を耐えてゲームコントロールが確立する中盤まで生き残るか」であり、まさに《吸収》はうってつけのカードだったのです。

ウルザの激怒

この3点が見た目以上に価値があったのは、《ウルザの激怒》の影響にほかなりません。アグロ戦略における打ち消されない火力はゲームを締めくくる1枚となりましたが、《吸収》ちょうど《ウルザの激怒》1枚分のライフを回復されてくれたのです。

《解体の一撃》

解体の一撃

《解体の一撃》

キッカー(2)(青)(あなたはこの呪文を唱えるに際し、追加で(2)(青)を支払ってもよい。)

アーティファクト1つかエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。この呪文がキッカーされていたなら、カードを2枚引く。

《解呪》は時代ごとにさまざまなリデザインを繰り返してきたカードです。《浄化の印章》は先置きすることで相手のカードを牽制するとともにアグロ戦略と相性が良く、緑へと色を変えた《クローサの掌握》は打ち消し呪文に強く、《自然への回帰》はテンポ面に優れたカードとなっています。

しかしながらユーティリティスペルでありながらアドバンテージを要求した欲張りデザインは、《解体の一撃》以外にはないでしょう。「キッカー」コストを含めると合計6マナが必要になりますが、エンチャントやアーティファクトを対処しながら2枚ドローできる破格の性能となっています。事実上青白の2色呪文であり、先ほどの《吸収》とセットで採用されました。

はじける子嚢キマイラ像石臼対立

『インベイジョン』前後ではエンチャントやアーティファクトを軸にしたデッキがメタゲームに複数存在していました。攻撃的なデッキでは《はじける子嚢》《キマイラ像》、防御的なデッキでは《石臼》《対立》などです。これらのカードは一度戦場に出てしまうとゲームを決めかねないカードパワーであり、早急な対処が求められました。

《解体の一撃》はメタゲームに合致した対策カードであると同時に、中盤以降はアドバンテージを稼いでくれました。また、エンチャントやアーティファクトを使用していない相手には、自分の《サーボの網》を割ってドローを進めることもでき無駄になりにくいカードだったのです。

《虚空》

虚空

《虚空》

プレイヤー1人を対象とする。数1つを選ぶ。点数で見たマナ・コストがその数に等しい、アーティファクトとクリーチャーをすべて破壊する。その後、そのプレイヤーは自分の手札を公開し、点数で見たマナ・コストがその数に等しい、土地でないカードをすべて捨てる。

赤黒を代表するコントロールカード《虚空》。1枚でボードと手札の両方へ干渉し、マナ・コストが同一のカードを根こそぎにしてしまいます。リセット呪文であると同時に手札破壊でもあるため、本来赤黒では対処の難しいエンチャントも手札にある内なら対処することができました。このカードは相手の手札を読み解く技量が問われ、それによって1対1交換に終わるか、それとも手札から複数枚のカードを落としてゲームを有利に進められるかの分かれ道となったのです。

さらにこのカードで注意しなければならないのは数字の指定のタイミングがあげられます。数字を指定するのは解決時のため、相手の宣言した数字を聞いてから行動はできません。撃たれる側も相手がどの数字を指定するかを想像し、手札を使うか温存するかの判断が求められました

ブラストダーム

『ネメシス』が生んだ《ブラストダーム》は単体除去が効かず、赤黒では対処が困難なクリーチャーの筆頭といえました。15点受けきるにしろ、クリーチャーを複数差し出すにしろ、リカバリーするのは難しくなってしまいます。《虚空》はまさに苦手としていたこのカードを対処し、手札に眠る二の矢までまとめて処分してくれたのです。

はじける子嚢キマイラ像ウルザの激怒

仮に相手の出だしが鈍ければ後続の《はじける子嚢》を落としたり、《キマイラ像》と一緒に《ウルザの激怒》を巻き込んだりと使用者の技量とタイミングが問われる非常に面白く、強力な呪文でした。

《排撃》

排撃

《排撃》

クリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。

カードを1枚引く。

《送還》にキャントリップを付けて3マナにしたら、《排撃》の出来上がり。相手のクリーチャーを戻すも良し、相手の除去呪文に合わせて自分のクリーチャーを戻すも良し、戦場に出た時の誘発型能力を使い回したりと使い勝手のいいカードです。マスクス-インベイジョン時代にはスタンダードでの活躍は控えめでしたが、『オデッセイ』が加入するとその評価は一変、メイン確定カードにまで昇格しました。

獣群の呼び声

『オデッセイ』で登場した《獣群の呼び声》はアグロ戦略を猛烈に後押ししたカードです。これまでのクリーチャーと違い、打ち消しても捨てさせても除去しても、「フラッシュバック」によりアドバンテージ面で不利になってしまうためです。《獣群の呼び声》をいかに対処するか、これはスタンダードにおける命題となりました。

ブロックこそ違うものの、《排撃》はまさに《獣群の呼び声》を対処するために生まれてきたカードであり、メインボードでアドバンテージを失わずにこの3/3トークンを対処することができました。「カードを1枚引く」の一文こそが《排撃》をスタンダードレベルのカードにまで押し上げた要因だったのです。

神秘の蛇火炎舌のカヴー

もちろんトークン以外のクリーチャーを対象にしてテンポを稼ぐこともできましたが、余裕があれば自分のクリーチャーへとキャストしたいところです。インベイジョン-オデッセイ期には青赤緑の3色からなるミッドレンジタイプのスネーク・タンが存在していました。打ち消しと火力のコントロールでサポートしつつ緑のクリーチャーでビートダウンするデッキですが、この打ち消しと火力はそれぞれ《神秘の蛇》《火炎舌のカヴー》が担っていました。《排撃》はこれらを使い回すのにうってつけの呪文であり、より多くのアドバンテージをもたらしてくれたのです。

《燃え立つ死霊》

燃え立つ死霊

《燃え立つ死霊》

飛行、速攻

《燃え立つ死霊》がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。

最後にご紹介するのは《燃え立つ死霊》。赤くなった《惑乱の死霊》であり、これまでのスペクター全般に見られた弱点、すなわち攻撃までのタイムラグが速攻により解消されています。たとえ返しのターンに除去されようともすでに1枚捨てさせているため問題ありませんし、除去できなかったとすればリソース差は雪だるま式に開いていくのです。

暗黒の儀式惑乱の死霊

かつての「1ターン目《暗黒の儀式》+《惑乱の死霊》」の挙動はA定食と呼ばれ、対処必須として恐れられてきました。《燃え立つ死霊》が登場した時代にも《暗黒の儀式》が存在していたことで、最速2ターン目からこの《死霊》は走れたのです。

疫病吐き火炎舌のカヴーファイレクシアの盾持ちスキジック

マシーンヘッドで活躍したこのクリーチャーは奇襲性に優れ、素早く召喚するために《暗黒の儀式》《夜景学院の使い魔》とセットで使用されました。マシーンヘッドはボードコントロールの《火炎舌のカヴー》《疫病吐き》、アタッカーの《ファイレクシアの盾持ち》《スキジック》を持ち合わせた赤黒のミッドレンジデッキデッキです。呪文も手札破壊から単体除去、火力と満遍なく揃っていたことで、メタゲームの一角を担いました。

《燃え立つ死霊》は奇襲性と同時に相手のリソースを奪うクリーチャーであり、《神の怒り》などのリセット呪文の返しとして最良の選択肢でした。ライフと手札を一度に攻めるコントロール泣かせのカードだったのです。

まだある名カード

さて、『インベイジョン』名カード集、お楽しみいただけたでしょうか。しかし、「あの有名カードなくない?」「もっといいカードあるよ!」と思われた方もいらっしゃるはず。

もっと『インベイジョン』のカードについて知りたい方は、ぜひ、動画もご覧ください!

次回の「名カード集」では、『プレーンシフト』をお届けいたします。

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