リアル大会で勝つための7か条

Kasper Nielsen

Translated by Nobukazu Kato

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(掲載日 2021/05/14)

その日に備えて

現実世界でのマジックの大会を最後に遊んだのはいつだったか。本当に長い時間が経ちました。世界各地でワクチンの開発・接種が始まり、対面の大会を再び開催できる状況に向けて歩を進め始めています。とうとう遠方の大会会場まで足を運んで、カードを手にして対戦することができる日が近づいているのです。

MTGアリーナをきっかけに最近マジックを始めた方は、こういった対面の大会に参加する機会が少なかったかもしれません。そんな人たちに向けて、いくつかアドバイスを送ろうと思います。私のように歴の長いプレイヤーにとっては当然の内容かもしれませんが、知っておけばきっと良い成績につながるはずです。

この記事では、過去にリアル大会で私が成功できた要因をリストアップしていきます。大会が近い将来に再開されたとき、この記事がみなさんの役に立つことを願っています。

前置きはこれぐらいにして、早速内容に入っていきましょう。

その1:朝食

私には競技シーンで躍進できた年がありますが、そういうときに勝っていた大会には適切な朝食を摂っていたという共通点がありました。

食物トークン

使い古された言葉かもしれませんが、万全の体調で1回戦に臨むうえで一番有効なのは当日の朝にちゃんとした食事を摂ることでした。家で食べたり、ホテルのビュッフェやファミレスを利用したりしていましたね。どういった形をとるにしても、大会が始まる前に体調を整える目的は達成できます。

朝食を摂るタイミングは1回戦の1~2時間前がおすすめです。そうすれば、食事からの栄養が体に行き渡るでしょう。

その2:物資の調達

予備物資

会場に向かう前か当日の朝に水を買っておきましょう。そうしないと、1本の水を買うためにラウンド間で長蛇の列に並ぶハメになります。一日を通して必要になる物資を整えておけば、ラウンド間の時間を有効に使えるはずです。トイレの場所がわからずに駆け回ったり、食べ物/飲み物を買いに行ったり、友達を探し回ったりしないようにしましょう。

私は栄養士ではないので、栄養補給すべきものに詳しくはないですが、必ず水と果物をある程度持ち歩くようにしています。

その3:友人

刎頸の友

マジックの大会は長期戦です。短距離走ではなくマラソンだと例える人もいます。もし週末を通して大会や試合そのものだけに集中しようとしたら、酷い負担がかかるかもしれません。身近なところに友人がいれば、そのストレスを和らげ、全てをより楽しいものにできるでしょう。

人とのつながりが重要である理由はそれだけではありません。たとえば最初の4回戦を全勝し、最高の滑り出しをしたとしましょう。どんな大会であってもこれ以上のない出だしです。

しかしその後に不幸に見舞われ、5回戦は散々な結果に終わります。それはミスプレイをしてしまったのかもしれませんし、ゲーム中に運がなかった、あるいは相性の悪い相手に当たったのかもしれません。さっきまでの晴れやかな心持ちを失い、その不幸な体験によって悲観的になっていきます。

そういうときに自分を立て直すには、友人に会って時間を共にし、ほかのゲームで遊んだりくだらないジョークをいったりして気持ちをリセットするのが一番です。

その4:デッキの統一性

危険因子

信じられないかもしれませんし、私が偏った考えを持っているのかもしれませんが、パンデミック以前のゲームロス/マッチロス/失格は多くの場合デッキの統一性が取れてないことが原因でした。

状態の異なるカードを使ったり、フォイルと非フォイルを混ぜていたり、破れたスリーブを使っていたり。こういったことはジャッジを前にすると不利な状況に立たされかねません。フォイルを使うのであれば、全てのカードをフォイルに統一すべきです。大会前にスリーブは新調し、カードがマークドになっていないか確認しましょう。

まばらにフォイルが入っていたとしても、それを不正だと責めるプレイヤーは多くないかもしれません。しかし、それに違和感を覚えてジャッジを呼ぶプレイヤーもいるでしょう。こういった事態が起きないようにしておけば、不要にジャッジコールする機会も減り、物議をかもす決定が下されるリスクも抑えられます。

その5:ジャッジへの協力

至高の審判者、イスペリア

ジャッジはみなさんを助ける存在です。自分の心に私利私欲がないのであれば、大会スタッフやジャッジに全面的に協力しましょう。疑問点を明らかにしたい場合や、カードのオラクルテキストを確認したい場合は迷うことなく彼らを頼ってください。

その6:良質な睡眠

睡眠

興奮しているからか、到着してからコーヒーを5杯も飲んだからなのか。明日はグランプリ本番だというのに、眠れずにベッドでモゾモゾした経験は誰にでもあるはずです。

睡眠不足ほど私のグランプリのパフォーマンスを低下させたものはなかなかありません。もともと夜型の人間でしたから、早朝に起きて適切な時間帯にベッドに入ることは、私が身につけるべきスキルでした。

物知りフクロウ

冗談ではなく、大会で平均的なパフォーマンスだった私を何よりも強くしてくれたのは早く寝ることです。紛れもなく長い一日になる大会前に6~8時間寝ておけば、特に終盤戦のラウンドでその恩恵を大きく感じられることでしょう。

その7:楽しむこと

今日の魅せ場

最後になりましたが、これも重要です。熾烈で競争的な本質を持つハイレベルな環境に参入すると忘れがちになりますが、我々がやっているのはゲームであって、ゲームは楽しむためのものです。

真剣な試合であれ、和やかな試合であれ、ゲームを楽しむことを忘れないでください。大会の雰囲気や一緒にいる仲間との時間を楽しむことです。安っぽい言葉に聞こえるかもしれませんが、楽しむほどにパフォーマンスが上がってきます

おわりに

対面のイベントでのパフォーマンスを引き上げてくれた7つのことを紹介しました。大会が再開されたとき、この記事がみなさんの力になれば幸いです。近い将来にみなさんと卓を囲えますように。

カスパー・ニールセン (Twitter)

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Kasper Nielsen カスパー・ニールセンはデンマーク出身のプロプレイヤー。小さなころから大舞台での成功を夢見ていたニールセンは、グランプリ・ユトレヒト2017で自身初となるトップ8進出を果たすと、後にチームメイトとともにグランプリ・リヨン2017でもトップ4に入賞。プロツアー『ラヴニカのギルド』ではボロスアグロを駆り、念願のプロツアー決勝ラウンドへとたどり着いた。 Kasper Nielsenの記事はこちら