さあリミテだ!
「ドラフト・ブースターは宝くじじゃねえ」
「そうだドラフトをやるためにあるんだ」
「シールドでもいいぞ」
こんにちは、統率者戦大好きいってつです。
『統率者レジェンズ』の魅力をお伝えした前回の記事はもうご覧いただきましたか?
- 2021/05/30
- 発売から半年。いまさら『統率者レジェンズ』を買う理由
- いってつ
とはいえ、「多人数戦は初めてというリミテマンの方」「リミテッドは初めてという統率者フリーク」の方にはハードルが高く感じられるかもしれません。実際は全然そんなことはないんですが、不安は少ないほうがいいですよね。
そこで今回はリミテッド統率者戦は初、という方により初体験を楽しんでいただけるようにヒントをお届けします!
これを読んでぜひカジュアルな気持ちでリミテッド統率者戦をお楽しみください!
リミテッド統率者戦ならではの構築ヒント
ファクトとエルフは入れておけ
カードプールの広い統率者戦はアーティファクト見本市と言っても差し支えありません。ハイレベルなテーブルではもうすごいことになっています。リミテッドでも、より早くより大きな行動をとるためにアーティファクトは重要視されます。
《乳白色のダイアモンド》をはじめとした色1色を出すアーティファクトは各色に存在しています。ドラフトなら狙っている固有色に合わせてピックしたいですね。シールドなら「引けたダイアモンドに合わせて色を選ぶ」のもありかもしれません。
緑のマナクリーチャーも常とう手段ですね。《三顧の礼》は統率者デッキを組む時にもぜひ。《つややかな雄鹿》は固有色を選ばず、ブロッカーとして立てながら土地加速もできます。
10マナの呪文は唱えられるか
結論から言うと、唱えられます。
信じられないでしょうが、以外にも10マナには触れるのです。40点のライフを持っているため、上記のようなマナ加速を入れれば10マナには到達でき、《頂点壊滅獣》といったゲームをひっくり返しうるカードもぜひ使ってみましょう。
統率者は初めて?大丈夫、3人中2人はきっと味方です。
続いては「多人数戦は初めてというドラフトマンの方」へのヒントです。
多人数戦ならではの”表現”のカード
多人数戦を遊ぶ機会は統率者戦以外ではほとんどないでしょう。普段は気にすることのないテキストの細かな表現の違いが、大きな影響を及ぼします。
多人数戦と対面戦で挙動が大きく異なるカードです。『統率者レジェンズ』にも収録されています。
対面戦では自身のクリーチャーと相手のクリーチャーをバウンスさせる呪文です。除去を打たれた自身のクリーチャーを戻しつつ、相手のクリーチャーをバウンスしてテンポを削ぐ……といった使い方がいいとこ。しかし統率者戦では対戦相手2人のクリーチャーをバウンスできる優良コモンです。
《肉袋の匪賊》と《悪魔の布告》を考えてみましょう。対面戦ではどちらも1:1交換をする優秀な除去ですね。
統率者戦で《悪魔の布告》を打つとどうなるでしょうか。この場合は1:1交換ではありません。1:1:0:0交換です。自身は手札1枚、対象に取られたプレイヤーはクリーチャー1枚を失いますが、ほかの二人は損害無しです。決して弱くはありませんが、使うタイミングを見極めなければなりません。
一方《肉袋の匪賊》は1:1:1:1交換。アドバンテージ損なくクリーチャー除去ができます。これもやはり『統率者レジェンズ』にも収録されています。
「各対戦相手」「各プレイヤー」といった表現に注目しましょう!
クリーチャーの質
『統率者レジェンズ』には「統治者」ギミックが登場します。
「統治者/The Monarch」になっているプレイヤーは自身の終了フェイズ時にカードを1枚引く。 「統治者」が戦闘ダメージを受けると「統治者」でなくなり、戦闘ダメージを与えたプレイヤーは統治者になる。 自身が統治者であることで得をするカードが存在する。
『統率者レジェンズ』でリミテッドをやればまず間違いなく「統治者」をめぐる戦いが起こります。統治者であるプレイヤーに戦闘ダメージを与えればドローできますし、『統率者レジェンズ』は統治者を維持することでボーナスがあるカードが多い環境。「戦闘ダメージを与える」「戦闘ダメージを受けない」ことで「統治者」のやり取りをすることは大きな意味を持ちます。
飛行持ちならたとえ1/1の貧弱ボディでも、統治者を奪いやすいというのが大きなメリットになります。ダメージを通せれば1枚のドローがついてきます。
警戒は相手から統治者を奪いに行きつつ、統治者を維持するブロッカーとなります。「1人を殴ると3人から殴られる」統率者戦においては警戒持ちクリーチャーはライフレース上非常に有利な存在です。
トランプルも同様に優秀な能力です。
リミテッドの構築は少年の日の思い出
続いては、統率者戦はたくさん遊んでいるけれど、リミテッドはほとんど遊んだことが無い、という方。
「サーチがろくにない」「勝利に直結するコンボが無い」「そもそも統率者も固有色も自由に選べない」んじゃ、ろくにデッキなんて組めないと思っていませんか?
ご不安はごもっとも。でも大丈夫です。
サーチが無くても大丈夫。
普段の統率者戦で、サーチがまったくないデッキを握るのは不安でしょう。でも大丈夫です。対戦相手もサーチなんてほとんどありません。土地サーチは豊富ですがコモン、アンコモンばかりです。みんな使います。唯一サーチらしいサーチの《吸血の教示者》は神話レア。取れたらラッキー。
デッキの枚数は60枚なので普段の統率者戦よりも特定の一枚は引きやすくなっていますし、「特定の二枚をそろえて勝利」という手段をとることもないので、サーチが無いことが気になる場面はほとんどないと言ってもいいでしょう。
即死と無限だけが統率者戦じゃない
普段コンボデッキを握っていると、即死コンボも無限コンボもないデッキどうしが戦ってゲームの決着がつくのか不安かもしれません。
しかしコンボデッキが存在せず、「統治者」の奪い合いが生じる『統率者レジェンズ』のリミテッドでは”いつもの”統率者戦以上に熾烈なライフレースとなります。《船壊し、ダーゴ》のように前のめりな統率者もいます。
きっと想像した以上にシビアな駆け引きが待っていますよ。
固有色は選べない?
”リミテッド”である以上、やはり制限はあります。青の伝説のクリーチャーを引けなかったけれど、《船殻破り》が引けたから青を使いたい。そんな時は《虹色の笛吹き》を使うことができます。
とはいえ、《虹色の笛吹き》を統率者に指定するのは「ドラフトで青ばかりピックしたのに青を含む統率者が取れなかったとき」にとどめたいです。「統率者」は統率者戦の顔ですが、同時に最終手段でもあります。手札が無いが、マナは出る。そんな時に頼る最終手段でもあるのです。
シールドなら開封したパックから入手できた強力な統率者を中心に構築し、ドラフトなら統率者と相性のいいカードを探してピックしていきましょう。『統率者レジェンズ』には1パックに必ず2枚の「統率者に指定できるカード」が入っています。統率者ドラフトでは一度の手番に2枚をピックし、1人当たり、3つのパックを開封することになるので、少なくとも6枚は統率者をピックするチャンスがあります。
『統率者レジェンズ』には「共闘」を持つ統率者や「3つの固有色」を持つ統率者が収録されています。前回の記事で紹介したアーキタイプも参考にするといいでしょう。
おすすめ統率者
それでは最後にリミテッドで個人的におすすめの統率者をご紹介しましょう。どれもシンプルながら強力な統率者です。強すぎて集中攻撃を受けてしまって逆に弱いかもしれません。政治を頑張ってください。
海賊共闘コンビ。《鋭い目の航海士、マルコム》は3ターン目に着地する飛行もち統率者というだけで強い。しかも海賊で戦闘ダメージを与えると宝物・トークンを得ます。
《鉄面連合の略取者、ブリーチェス》は威迫を持つ統率者という時点で強いのに、海賊で戦闘ダメージを与えると相手のライブラリー上から1枚没収してプレイできるようになります。
ともに海賊で回避能力を持つだけでなく、互いの能力がかみ合った非常に強力なコンビです。
《映し光るもの、アマレス》は6/6飛行。それに加え、適当に土地やクリーチャーを出すだけでドローできてしまいます。ドローできなくてもトップのカードがわかれば同じカードタイプのパーマネントを出すことでしっかりドローできます。
《金線の打破者、アーミクス》は攻撃時の誘発型能力で手札のカードを捨てて相手のクリーチャーを-X/-X修正します。手札が除去になると思うと強力ですね。ボードアドバンテージを維持してゲームをリードしましょう。アーティファクトをモリモリ入れよう。
「続唱」はほぼ確実にアドバンテージが得られる強力な能力ですが、《報奨の祝賀者、イモーティ》は自身が「続唱」を持ちながら「マナコスト6以上の呪文」に続唱を与えます。《隕石ゴーレム》や《砂岩の予言者》に続唱がつくと思うと非常に強力ですね。青緑という固有色も器用な色で構築しやすいです。
飛行、絆魂の時点で強い。さらに、プレイヤーが呪文を唱えるたび、2点ライフを失わせます。たった2点、されど2点。思っていたよりずっと早くライフが溶けていきます。《薄暮の埋葬布、リーサ》をどかせても、統率者税をライフで払ってすぐに戦場に戻ってきます。これを倒すにはもはや物量で押すしか……しかし盤面を作りに行くとライフが溶ける…!
統率者指定できるプレインズウォーカーです。[+2]能力でトークンを2体出して自身を守りながら奥義を目指せます。[-10]の奥義に到達すると、対戦相手の統率者をすべて奪うことができます。もうめちゃくちゃ。
忠誠度が10の時に[-10]を起動すると《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》は墓地に置かれますが、ここで《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》を統率者領域に戻しておくことで、[-10]能力の解決時に《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》が統率者領域からまた出てきます。インチキだよこんなの。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。
いつも統率者戦の記事を書いていると、統率者戦を遊びたくて遊びたくてたまらなくなってしまうのですが、今回は特に誘惑と戦うのが大変でした。この記事を読んでくださった皆さんも同じ気持ちならうれしいです。
それではみなさん、統率者戦のテーブルでお会いしましょう!