はじめに
みなさんこんにちは。晴れる屋メディアチームです。今回は9月24日(金)に発売となる『イニストラード:真夜中の狩り』より、新カードプレビューをお送りします。
『イニストラード』といえば三度目の来訪となる次元であり、背景ストーリーなどフレイバー面を全面に押し出したエキスパンションとしても知られています。墓地と部族をテーマに掲げており、当時のスタンダードはもちろんのこと、現在のレガシーに至るまでフォーマットの垣根を越えて活躍しているカードが目白押しです。公式のお披露目記事では、早くもゾンビが登場したり「フラッシュバック」の再録が確定していたりと、今回も墓地と部族は共通のテーマとなりそうです。
すぐにでも最新カードを紹介したいところですが、はやる気持ちを抑えて、まずはこれまでの『イニストラード』を簡単に振り返っていきましょう。
過去の『イニストラード』
『イニストラード』はゴシック・ホラーをイメージした次元であるイニストラード/Innistradを舞台として、これまでに2011年と2016年の二度にわたりに製品化されました。主要テーマは墓地と部族であり、「昂揚」や「フラッシュバック」はまさにテーマに沿ったキーワード能力といえます。部族では人間やゾンビ、スピリットがアーキタイプとなり、スタンダード環境を席巻しました。狼男はアーキタイプにこそなり得ませんでしたが、《高原の狩りの達人》や《薄暮見の徴募兵》のようにデッキの核となるカードたちは存在していました。
アレ、そういえば、もうひとつ部族がいたような…
そうそう、吸血鬼を忘れていました!ラクドスカラーを中心にした吸血鬼は、『イニストラード』を代表する部族です。若月女史のあなたの隣のプレインズウォーカーによれば、『イニストラード』には代表的な血統が4つ存在しているとのこと。
なかでもヴォルダーレン家を束ねる血脈は代表的なひとつです。同一族の始祖はオリヴィア。そう、《オリヴィア・ヴォルダーレン》です!
《オリヴィア・ヴォルダーレン》は圧倒的なまでのボードコントロール能力を発揮して、リミテッドはおろかスタンダードやモダンにまでその影響を及ぼしました。タップ不要の狙撃能力は並みいる小型クリーチャーを自身の糧とし、ファッティすらも配下に加えたのです。その支配力は除去できなければゲームエンド級となりました。
その次の《戦争に向かう者、オリヴィア》は、やや補助的ではあるものの攻撃的なデザインとなりました。ほかのクリーチャーが戦場へ出た際に誘発するこの能力は強化しつつ速攻を付与するため、ダメージレースで有利となりました。しかも本来デメリットである手札を捨てるコストは、このブロックの特徴である「マッドネス」や「フラッシュバック」と相性が良く、シナジーの形成役にもなったのです。
さてさて、前置きが長くなりましたが、それでは最新のカードご覧いただきたいと思います。ヴォルダーレン家の末裔の姿を!!!
《Florian, Voldaren Scion》
先制攻撃
あなたの戦闘後メイン・フェイズの開始時に、あなたのライブラリーの一番上にあるカードX枚を見る。Xはこのターンにすべての対戦相手が失ったライフの合計に等しい。それらのカードのうち1枚を追放し、残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。このターン、あなたはその追放されているカードをプレイしてもよい。
《Florian, Voldaren Scion》はヴォルダーレンの血脈を次ぐラクドスカラーのクリーチャーであり、これまでとは違った強みを兼ね備えています。戦闘後メイン・フェイズ開始時に、このターン対戦相手が失った分だけライブラリーを掘り進めてそのうち1枚を使えるカードアドバンテージ獲得効果を持っているのです。
3ターン目に着地すれば戦闘を支配して継続的にアドバンテージを稼ぎ続けてくれますし、たとえ巨大なブロッカーが立ちふさがったとしてもクリーチャー除去の得意な2色であるため心配ありません。除去呪文のバックアップがあれば攻撃するたびにリソース差は離れていくことになります。装備品やオーラで強化すればダメージが通りやすくなると同時に、掘り込む枚数も増えていきます。
しかも《Florian, Voldaren Scion》はこの手のカードにありがちな、複数のブロッカーが並んでしまって攻撃が通らず無駄になることもありません。この能力は戦闘ダメージに依存していないです。つまり、火力などで対戦相手のライフを削ったとしても誘発させることができます。自身のターンに最初に唱える火力呪文にキャントリップが付与されるようなものなのです。対戦相手からすれば、どのタイミングで戦場へ出たとしても除去しなければならないクリーチャーといえるでしょう。
また、この能力の参照値が「すべての対戦相手が失ったライフの合計に等しい」点にも注目です。統率者戦では複数の対戦相手にダメージを与えることができれば、使える枚数こそ1枚ですが、掘り込む枚数は飛躍的に増加します。《Florian, Voldaren Scion》が戦場にいる状況で《火炎の裂け目》を唱えれば、最低でも8~12枚ものカードを見ることができるのです。
《Florian, Voldaren Scion》は通常のカードイラスト以外に、特別仕様も用意されています。2種類あるショーケース・フレームのうちの白と黒を基調としたシックな感じの「永遠の夜/Eternal Night」仕様となっています。こちらは各ブースターより出現するとのことです!
忘れてはならないのは年内11月19日に発売を予定されているエキスパンションの舞台が、同じ『イニストラード』であることです。すでに公開されている『イニストラード:真紅の契り』のイラストには《ソリン・マルコフ》らしき吸血鬼が描かれており、部族面からもよりいっそう強化が期待できそうです。
おわりに
今回は『イニストラード:真夜中の狩り』の新カード、《Florian, Voldaren Scion》をお届けいたしました。攻撃的なアーキタイプにカードアドバンテージをもたらす相性の良いカードとなりますね。新しい伝説の吸血鬼はスタンダードでどんな活躍をしてくれるのでしょうか。戦略さえ噛み合えば、あらゆるフォーマットの攻撃的なデッキで採用されそうです。
なお、2021年9月24日(金)発売予定の『イニストラード:真夜中の狩り』ですが、現在晴れる屋ではブースターBOXの予約受付中となっております!下記のリンクより『イニストラード:真夜中の狩り』の商品ページへ繋がっておりますので、ぜひ、ご活用ください!!