帰ってきたあのカード
やぁ、みんな!
もうすぐ『イニストラード:真夜中の狩り』がもうすぐ発売されるね。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社のご好意でプレビューをいただいたから、今回はその話をしていこう。
今日のプレビューカードは、自分にとって特別な再録カードだ。このカードは長年愛用してきたカードであり、グランプリ初優勝をもたらしたデッキの重要なピースでもあったからね。
カードというのはスタンダードで採用されるものもあれば、最古のフォーマットでの戦いに適しているからという理由で、下の環境に飛び級するものもある。今回の再録カードは、使用可能なフォーマットなら競技レベルで広く使われているものだ。
じゃあお披露目と行こう!新しい《秘密を掘り下げる者》だ!
さまざまなデルバーデッキ
スゥルタイデルバー
国際大会で初勝利となったグランプリ・パリ2014。そのとき持ち込んだのがこのスゥルタイデルバーだった。
《死儀礼のシャーマン》を含め、このデッキでは1マナ域のカードがもっとも重要な役割を果たした。結局のところ、1マナのクリーチャーは、正しくサポートしてやれば1枚でゲームを雪だるま式に有利に進めてくれる。《敏捷なこそ泥、ラガバン》を思い出してほしい。
《秘密を掘り下げる者》は長年レガシーを代表するカードであり、最近ではイゼットデルバーがレガシーのベストデッキ争いに加わっている。今では競技用のデッキリストで見かけることはほとんどなくなったけど、モダンでもある程度採用されていたね。
《秘密を掘り下げる者》はもともと存在していたカードだから、今回再録されたからといって下環境で新たに使えるというわけじゃない。その点では影響はないと言えるだろう。だけど、この強力な青のクリーチャーがスタンダードに戻ってくることになる。
でも、スタンダードで《秘密を掘り下げる者》はプレイアブルなんだろうか?答えはYesだと思うよ!
アゾリウスデルバー
実際、2012年ごろのスタンダードにはアゾリウスデルバーというデッキが存在していた。スタンダードのベストデッキでないにしても、屈指の強力デッキだった。ひとつサンプルのリストを示そう。
アゾリウスデルバーは、マナコストの軽い強力なクリーチャーにキャントリップ呪文やテンポ呪文を組み合わせていた。下のフォーマットのデルバーデッキには及ばないだろうけど、近いものを感じるね。
《瞬唱の魔道士》《聖トラフトの霊》《修復の天使》などを採用したこのデッキは、序盤にプレッシャーをかけて押し切ることもできれば、青のライブラリー操作呪文を使って長期戦に持ち込むこともできた。それにこのデッキは土地の数が少ないから、ゲーム後半に呪文を引き続ける確率が高かったんだ。
デルバーとキャントリップ
すべてのデルバーデッキの欠かせない要素のひとつとしてキャントリップ呪文が挙げられる。さっき言ったように土地の枚数が少なくてもデッキが回るようにしてくれるし、デッキ内の呪文の比率を高めることで《秘密を掘り下げる者》を変身させやすくなるんだ。2012年のスタンダードには強力な《思案》があったけど、『イニストラード:真夜中の狩り』にはすでにプレビューされている《考慮》という別の強力なキャントリップがある。
この強力なウィザードが以前のように活躍するには、1マナのキャントリップがもう1種類必要かもしれない。だけど、《考慮》と《秘密を掘り下げる者》は相性が良いだろう。
《秘密を掘り下げる者》と組み合わせるおすすめの色は赤だ。《秘密を掘り下げる者》が軽い除去呪文との相性が良いというのもあるけど、レガシーで実績を積んでいる《表現の反復》という最高のパートナーがいるからだ。
《表現の反復》は単純に呪文の枚数を稼げるというのもあるが、《表現の反復》自体は時間/マナコストを消費するドロー呪文であるため、軽いマナコストで盤面を組み立てられる呪文との相性が良いんだ。3ターン目に《表現の反復》をプレイ、土地を置きながらそこでめくれた《秘密を掘り下げる者》を展開する動きはスタンダードで強力な動きだろう。
《表現の反復》は1マナの呪文ととても相性が良い。《表現の反復》から2枚分のカードを得やすくなり、“ハズレる”機会が減るからだ。《表現の反復》については、以前に記事を丸々使って解説している。
また、《秘密を掘り下げる者》は軽いマナコストで相手に介入できる呪文を採用するデッキで使うのが望ましい。つまり、《表現の反復》と《秘密を掘り下げる者》は親和性があるということでもあるし、デッキ構築レベルから噛み合わせが良いとも言える。どちらも一緒にプレイしたいカードが同じタイプだからね。
《秘密を掘り下げる者》と並んで、一緒にプレイできそうな2体のクリーチャーがこれまでにプレビューされている。《熱錬金術師》と《炎の媒介者》だ。
《秘密を掘り下げる者》と合わせ、この3体のクリーチャーが揃えば、呪文の比率を高め、土地の枚数を抑えたイゼットカラーのデッキの基盤ができるのではないかと思う。
前例として、ペドロ・カルヴァリョ/Pedro Carvalhoがプロツアー『異界月』で9勝1敗を記録した2016年のイゼットデッキを見てみよう。
イゼットスペル
《熱錬金術師》を最大限に活用できるデッキだったけど、今度は《秘密を掘り下げる者》と組み合わせられる!
《炎の媒介者》は脳内ではかなり強そうで、対戦相手と対話する手段として多くのバーン呪文をプレイするというイゼットのプランに合致している。
《霜噛み》や《ドラゴンの火》は、このトリオのクリーチャーと組み合わせるための堅実なオプションだが、それに加えて『イニストラード:真夜中の狩り』から《火遊び》というオプションも増えた。
《ショック》はスタンダードでプレイアブルなカードだけど、《火遊び》は《熱錬金術師》や《秘密を掘り下げる者》との相性が良く、《ショック》と《マグマの噴流》を足して割ったような呪文として使うことができる。《ショック》と全く同じマナコストでね。
これから『イニストラード:真夜中の狩り』の新しいカードがまだまだ公開されていくだろうけど、イゼットの《秘密を掘り下げる者》デッキを作るには十分な駒がそろっていると思う。
スタンダードならお馴染みのことだけど、《秘密を掘り下げる者》が使えるかはローテーション後のメタゲームがどうなるかにかかっている。だけど、この小さなクリーチャーが競争力のある戦略で使われる未来を見てみたいと思うよ。
ここまで読んでくれてありがとう!また会おう!