『イニストラード:真紅の契り』を好きに語ろう!
みなさんこんにちは、晴れる屋メディアチームです。
ついに『イニストラード:真紅の契り』の全カードリストが公開されました!今回も面白そうなキーワード能力やカードがたくさん登場していますね。
最新エキスパンションの紹介記事としては『神が選ぶ』がお馴染みですが、それに先立ちましてメディアチームが各々の好きなカードを勝手にオススメしていきたいと思います!
それではメディアチームが独断と偏見で選ぶ『イニストラード:真紅の契り』、スタートです。
登場人物
オススメカードを独断と偏見で選んだのは、次の4名です。
富澤:ライター。好きなフォーマットはドラフト(特にキューブドラフト)。極端に軽いか、極端に重い尖った性能のカードが好みであり、ドラフトでレアが流れてくるとついついピックしてしまう。
いってつ:ライター。好きなフォーマットは統率者戦。統率者戦の知識はメディアチーム内で群を抜いており、新旧含めて知らぬカードはない。統率者に絡むシナジーやコンボ、デッキの組み方まで自身の知識を余すところなく連載記事やカードアーカイブで披露してくれている。彼の愛する《真実の解体者、コジレック》は、新弾で強化されるのだろうか?
やまお:編集担当。好きなフォーマットはスタンダード。強くて派手なカードをできるだけ入れたアグロやミッドレンジデッキをよく使う。手札からマナカーブ順にプレイする簡単なデッキが好き。
島田:デッキリスト担当。好きなフォーマットはフロンティア、好きなサブタイプは「金/Gold」。「血/Blood」・トークンと《肉体/血流》の相互作用(注:今後ルールが更新される予定です)を知って「《Splintering Wind》のトークンと《木っ端みじん》みたいだね」と言うものの、周りの人に通じなくて寂しい気持ちになった。
富澤のオススメ
《戦慄の遁走》
現在のスタンダードとは2マナ域を起点に始まるゲームです。現環境を見てもわかる通り、アグロデッキは《光輝王の野心家》や《群れ率いの人狼》からゲームをスタートし、コントロール側も《ジュワー島の撹乱》や《ドラゴンの火》など2マナ以下の呪文で対処していきます。
白単アグロのように色によってはより軽いマナ域の呪文を多く採用する場合もありますが、おおむね2マナ域のやりとりによってゲームは展開していきます。そのためマリガン基準のひとつは2マナ以下の攻めないし守りのカードの有無に依存しています。
攻防の基点を2マナとするならば、『イニストラード:真紅の契り』より加わる《戦慄の遁走》は、対戦相手のプランを瓦解させるにはうってつけの1枚といえます。古の強力な手札破壊《コジレックの審問》を彷彿とさせますね。
《コジレックの審問》の効果範囲が3マナまであったのに対してこちらは2マナまでとなっているため、無条件に採用とまではいかずメタゲームの動向と併せての採用になります。それでも冒頭で述べた通り、スタンダードが2マナ域を起点に始まり続ける限り、黒いデッキに居場所を見つけてくれそうです。
忘れてはならないのは、このカードにある「切除」です。単に《戦慄の遁走》が《コジレックの審問》の下位互換だったならば、かなり消費期限が短く活躍する可能性はなかったかもしれません。しかし「切除」があることで中盤以降や全体的にマナコストの重いコントロール相手にも無駄になることはありません。むしろ、対戦相手のアーキタイプや展開次第で使い分けられるフレキシブルな手札破壊となっています。
《英雄の破滅》
黒のお家芸は手札破壊とクリーチャー除去ですが、こちらも強力な1枚が収録されています。《英雄の破滅》は『テーロス』で初登場したカードであり、当時は環境を代表する黒の1枚となっていました。
インスタントでクリーチャーとプレインズウォーカーの両方を対処できる万能除去であり、近年の《ヴラスカの侮辱》などと比較しても3マナとコスト面で優れているのがポイントです。アグロ相手にもテンポ損しにくく、コントロール相手にも無駄にならない良デザインといえるでしょう。
その《英雄の破滅》がスタンダードに復活するとなれば、黒に期待しないわけにはいきません。前節ではやや厳しい立ち位置となりましたが、手札破壊と単体除去を獲得したことで黒をメインカラーにそえたコントロールにも期待できそうです。来週以降のスタンダードに注目していきましょう。
いってつのオススメ
今回も面白そうな統率者候補が目白押しです。クリンナップ・ステップに優先権を得てめちゃくちゃする《ギトラグの怪物》に続き、シミックカラーの新たなカエル、《雑食するもの、グロルナク》もかなり有力な統率者候補でしょう。イニストラードのカエル、人間(対戦相手)をしゃぶしゃぶしすぎです。
今回のセットには統率者戦で生きる汎用カード!といったものは少ない印象。しかし、統率者やデッキの戦略に合致すれば非常に強力!といったカードが散見されます。
《運命の改変》
たとえば《運命の改変》。バカデカ《安堵の再会》ともとれますが、ドローする枚数が「このターンにあなたが捨てたカードの枚数」というのがミソです。
これ単体で使ってしまうと手札枚数が減ってしまいますが、このカードを唱える前に《信仰無き物あさり》などであらかじめ手札を捨てておけば圧巻のドローとなります。
赤単色ではコンボパーツを探しに行くドロー手段として使えそうです。もっと暴力的にアドバンテージを稼ぎたいなら、インスタントやソーサリーの扱いに長けた青赤のデッキで輝きそうです。青は呪文をコピーすることが得意な色なので、《運命の改変》をコピーして大量ドローを狙っちゃおう!
ただし、”青黒含む4マナ“立っている相手がいたら要注意。
《招待制》
《招待制》もカジュアルなゲームを盛り上げる面白いカードだと思いました。《神の怒り》が使える統率者戦で5マナの全体除去は厳しいのでは?とも思えますが、《招待制》は生贄による除去なので、破壊不能クリーチャーも除去が可能です。《希望の天使アヴァシン》さん?いや、招待客リストに載ってないね。いや、例外はなしです。招待されてないので、ええ。
統率者戦には全体除去に対応して《よりよい品物》や《臓物の予見者》で自軍を生け贄に捧げて1人だけズルしようとする輩がいます。《神の怒り》では指をくわえて能力の解決を待つしかありませんが、《招待制》は違います。対戦相手が自分のクリーチャーを生け贄に捧げ終わって、《招待制》の解決のときがやってきたら――「じゃあ数字は”ゼロ”で」なんてことが可能です。それが強いかはわからないけど。
ちなみに今回のセットに合わせた統率者戦ルールアップデートはありませんでした。次のルールアップデートは来年2月7日(現地時間)のようです。
やまおのオススメ
《霊狩り、ケイヤ》
来ましたよトークンデッキを組みたくなるカードが。
[+1]は少し地味な能力ですが、注目すべきは「-2」能力。起動したターンは《選定された行進》状態になり、トークンをワラワラと並べることができます。3ターン目に出して[+1]から入り、そのあと2ターン連続で[-2]を使うのがよくある動きになりそうです。
モダンの白黒トークンでは《幽体の行列》でスピリット・トークンを6体出すというのもいいですが、マナカーブ的には《金切るときの声》でまずトークン4体、そしてそのまま「フラッシュバック」で計8体の鳥・トークンを並べることができます。
スタンダードにもトークンを出すカードがそれなりにそろっています。《クラリオンのスピリット》や《セッジムーアの魔女》はトークンを出せるカードと組み合わせれば、自身の効果と唱えた呪文の効果の2つで大量にトークンが沸きます。
ほかには、《ファーヤの報復》や《シュタルンハイムの解放》で天使を複数降臨させてもよし、《蜘蛛の女王、ロルス》で蜘蛛いっぱいなど、ひたすらトークンを並べて好きな軍団を築き上げましょう。
島田のオススメ
《ランタンのきらめき》
新能力「切除」はMTGのシステマチックなルール文章を美しく使いこなしていてどれも素晴らしいのですが、その中でもこのカードは白眉の出来。
2つ以上のカードの効果を1つにまとめるような能力は「キッカー」や「分割カード」を始めとしてこれまでもたくさん存在していましたが、「クリーチャーがたくさんいると強くなる除去」と「マナがたくさんあると強くなる除去」という異なる側面をこれほどシンプルなテキストにまとめられるのが「切除」の良さですね。同じことを「分割カード」でやろうとしたら、字のサイズがスマホ版アリーナだと見えないレベルまで小さくなっちゃいそうです。
《寄生の専門家》/《寄生された人狼》
フレーバーテキストの翻訳が最高!!!
「What’s bugging you?(何か悩んでいるの?)」を「何ウジウジしてんの?」と訳すことにより正しく意味を伝えつつ、この人が昼の面で研究していた蛆などの虫に夜の面で寄生されてしまった様子を一発で伝えてくれる完璧な翻訳。どことなくイニストラード次元を代表する名カード《秘密を掘り下げる者》の雰囲気も感じます。
ウジウジしてるってそういう意味じゃないから!と突っ込みたい気持ちも若干ありますが、まあMTG世界の蛆ですから僕たちが知っている存在より凶悪なんでしょうね。
《血に呪われた者、オドリック》
吸血鬼になってるー!?
名のある人があっさり死んでしまう殺伐としたイニストラード次元でも、サリアさんやレム・カロラスさんは健康体でカード化されており、オドリックさんも《大群退治》で元気に登場していたので安心していたらそんな罠が待ち受けていたとは…
手に持っているアヴァシンの聖印入りの剣だけが眩く輝いていて、それが逆に辛いです。色が白赤だからこうなったら3人で並べちゃおう、血・トークンも3個出るし…そういえば《月皇の司令官、オドリック》時代と比べて「潜伏」のことを忘れてしまった模様。一応最近のセットでも登場しているんですけどね。
『イニストラード:真紅の契り』まもなく発売
今回は、フォーマットの垣根を取っ払って、個人の好きを全面に押し出して語ってきました。カードの効果も気になるところですが、イラストや物語もマジックの魅力の一つ。『イニストラード:真紅の契り』の楽しさが伝われば幸いです。
また、明日には神が選んだ各フォーマットのイチオシカードが紹介されます。これを読んで『イニストラード:真紅の契り』で使うカードに狙いを定めるのもいいかもしれませんね。
なお、2021年11月19日(金)発売予定の『イニストラード:真紅の契り』ですが、現在晴れる屋ではブースターBOXやシングルカードの予約受付中となっております!下記のリンクより『イニストラード:真紅の契り』のブースターBOX、シングルカードへそれぞれ繋がっておりますので、ぜひご活用ください!!