統率者列伝! 無色最高!コジレックデッキを手軽に始めよう!
いってつ
いってつ
「前にもコジレック紹介していたよね?」
はい。
みなさんこんにちは、メディアチームのいってつです。
コジレックに限らず、エルドラージのファンだという方は少なくないはず。色が多い方が有利と言われる統率者戦で「無色」という選択をするのも反骨精神を感じられていいですね。
僕は晴れる屋トーナメントセンター東京のカジュアルな統率者イベント「盛り上げハッピー!統率者集会」にしょっちゅう参加しているのですが、先日こんなやりとりがありました。
僕が《真実の解体者、コジレック》デッキを使っていると対戦相手がこう言うのです。「エルドラージいいですよね。自分も組みたいなあ」。
「でも高くてあきらめました」。
“トレーディング”カードゲームである以上、マジックには資産という制約がついて回ります。人によって趣味にかけられる額は違いますし、長く遊んでいるプレイヤーは自然と強力な資産を築いています。
近年では再録禁止カードの取引価格の上昇が目につきます。特に統率者戦で需要の高いカードは顕著です。
僕が使っているコジレックデッキには《Mishra’s Workshop》が入っていますし、他にも《厳かなモノリス》や《裏切り者の都》など、”それなりな”価格のカードが採用されています。
現在、《Mishra’s Workshop》を採用していない《大いなる歪み、コジレック》デッキが晴れる屋通販で販売されていますが、これもなかなかのお値段です。
僕がコジレックデッキを組んだときのことを思い出してみます。最初は安価なカードばかりで、それでも楽しくコジレックで滅殺していたはずです。
幸い、初期のリストが残っていました。そこに最近追加されたカードも加えて、晴れる屋通販が用意してくれている「デッキリストから価格を計算してくれるツール」にかけてみたところ――
21850円!1000円以上のカードは《真実の解体者、コジレック》のみ、500円以上のカードも5枚だけ!
統率者を《大いなる歪み、コジレック》にするならさらに6000円お安く、15000円台が見えてきます。
さすがに100枚の束なのでまとまった額になってしまいましたが、大幅なコストカットに成功しました。このリストでもマリガンの練習を繰り返せば5ターン目までのコジレック着地が可能です。
記事本文中のシングルカード価格はいずれも記事執筆時のものです。
基本的な戦略は以前に紹介したデッキと変わりません。パワー12の統率者で2回殴ると1人脱落する。
詳細は元のデッキの記事をご覧いただくとして、ここでは新規に採用したカードを紹介していきましょう。
召喚酔いのテンポの悪さゆえに避けてきたマナ・クリーチャーも積極的に採用。効率は悪いものの、確実なマナ加速です。
《つややかな雄鹿》は無色の《桜族の長老》。起動にコストがかかってしまいますが、土地でのマナ加速は除去で妨害されることがほとんどなく、安定感があります。
《忘却蒔き》はマナ加速をしながら対戦相手の重要なカードを追放できてしまう(かもしれない)一石二鳥なカード。
《荒地》を10枚採用していますが、《ミシュラの工廠》など、他の無色マナを出せる土地と入れ替えても問題ありません。《つややかな雄鹿》と《真面目な身代わり》でサーチする用に加えて、《流刑への道》《暗殺者の戦利品》《耐え抜くもの、母聖樹》を撃たれたときに損しないように5~6枚もあれば十分でしょう。
コジレックデッキにとって辛いカードは?もちろん《溜め込み屋のアウフ》《石のような静寂》です。それに加え、《ドラニスの判事》もかなり厄介な1枚です。「コジレックが出てこなくなるなら俺も統率者出せなくていいや♨」という雰囲気になったら最悪です。いざとなったらコジレック抜きで戦う準備が必要です。
《クルーグの災い魔、トラクソス》は4マナにして7/7トランプルと超優良スタッツを持ちますがアンタップステップにアンタップしてくれないという弱点があります。その代わり歴史的な呪文を唱えるとアンタップするので、アーティファクト満載のこのデッキでは警戒を持っているかのようにふるまうことがほとんどです。
《鋼のヘルカイト》も5/5飛行と優秀なダメージ源でありながら、戦闘ダメージを与えた対戦相手のパーマネントを大量破壊することも可能です。無色デッキでは毎ターン除去が可能なカードは貴重なのでうれしいですね。起動型能力なので《溜め込み屋のアウフ》などがいると発揮できない能力なのですが、そんなときはプレイヤーごと除去しましょう。
ちょうど手札がなくなりかけたころに統率者の能力でドローできるのがコジレックの魅力でもあるのですが、コジレックが出せないなら代わりに《砂岩の予言者》です。対戦相手1人と同じ枚数になるようにドローして除去やマナ加速を探しましょう。
《カルドーサの鍛冶場主》、このたった1枚のカードから始めることができる鍛冶場主コンボは続投!
《カルドーサの鍛冶場主》はアーティファクト3つを生贄に捧げることでライブラリーからアーティファクト1つを戦場に出すクリーチャー。
戦場に大量のアーティファクトを並べておき、《カルドーサの鍛冶場主》を起動、《前兆の時計》をサーチし、《前兆の時計》の能力で《カルドーサの鍛冶場主》をアンタップ、もう一度起動し《マイアの戦闘球》をサーチ。《マイアの戦闘球》の能力でさらにアーティファクトが4つ出るのでこれを使ってまたサーチ&アンタップ。
《カルドーサの鍛冶場主》+6つのアーティファクト(うち3つはアンタップ状態)でスタートすれば、ライブラリーからアーティファクトを2枚直接戦場へ出せてしまいます。より多くのアーティファクトがあれば自由度は広がります。いってつがよくサーチするのは《見捨てられた碑》《玄武岩のモノリス》です。この2枚で無限マナに突入したら、《歯車組立工》で自身のコピーを無限に生み出して全員を殴り切って勝利できます。
《玄武岩のモノリス》のアンタップ能力を《ブライトハースの指輪》でコピーすることで無限マナを生み出す「有名だから決まらないモノリスコンボ」。
《玄武岩のモノリス》は《通電式キー》でひたすらアンタップするしかないのでしょうか。
《見捨てられた碑》と《月銀の鍵》の登場によって無限マナを出しやすくなりました。
《見捨てられた碑》がある状態で《玄武岩のモノリス》をタップすると4マナ出るので、うち3マナを使って《玄武岩のモノリス》をアンタップ。この繰り返しで無色マナを好きなだけ出すことができます。
《ブライトハースの指輪》とのコンボと違い、《見捨てられた碑》はこれ単体で非常に強力なマナ加速となるのが魅力的です。《玄武岩のモノリス》、《見捨てられた碑》のどちらもサーチできる《月銀の鍵》が登場したことでコンボパーツを揃えやすくなりました。
《アゾールの門口》は1マナとタップで1枚ドローするアーティファクト。ドローした後にカードを1枚追放しなくてはいけませんが、これによってマナ総量の異なるカード5枚が追放されると裏返り、自分のライフ総量分のマナを生み出す土地に。《チャネル》も真っ青。
まっとうに変身を目指すと5ターンかかってしまいますが、《通電式キー》が絡めば達成はあっという間です。
統率者戦はゆっくり少しずつデッキを強化していくことが楽しいフォーマットでもあります。《魔力の櫃》や《精霊龍、ウギン》といった数千円のカードを少しずつ買い集め、やがては《厳かなモノリス》や《Mishra’s Workshop》を目指してみるのはいかがでしょうか。
コジレックの「滅殺4」12点パンチをぜひ一度体験してみてください。きっと夢中になってアーティファクトをかき集めるようになってしまうでしょう。
ネットに公開されているデッキリストはどうしても高額なものが目についてしまいます。なぜデッキ総額が高いリストばかりなのでしょうか。それは、そのデッキに夢中になった結果、お金と時間をたくさん注ぎ込んだデッキリストだからです。いきなり最強・最適化されたデッキを使う必要なんて全くありません。はじめはそこそこの投資で、少しずつ育て上げたデッキはきっと最愛の100枚になるはずです。
《魔力流出》が置かれた?じゃあ一緒にシブ顔カーンの顔しよっか。僕が《殲滅学入門》でどかしてあげるからそれまでの辛抱さ。
それではみなさん、統率者戦のテーブルでお会いしましょう!
いってつ 晴れる屋メディアライターです。最近の悩みは記事執筆と動画出演で忙しくて統率者戦が1日2回くらいしか遊べないこと。Commander Format Panel メンバー。