【ニュース】新フォーマット「フォース・リーダーズ」発表!

いってつ

トレードチームの狂気。フォース・リーダーズ

「いってつさん知らないんですか?メディアチームの統率者戦担当なのに」

トレードチームがまた妙なことを言っている。シングルカードの値付けや買い付けを行っている、晴れる屋の中枢を担う部署の人間だけに、トレードチームの面々の所有しているカード、蓄積している知識は尋常ではない。東京、高田馬場、晴れる屋本社事務所。ここはカードゲームフリークが集まる場所。その中のトップがトレードチームだ。

そんなトレードチームが新しいフォーマットを立ち上げたらしい。ヒュージ・リーダーズの登場に感化されて生まれたそのフォーマットの名はフォース・リーダーズ。

爪弾きにされたカードのために

「4マナのカードって、タイニーでもヒュージでも使えなくってかわいそうじゃないっすか?」

それはなにげない一言だったに違いない。しかしここは晴れる屋の深淵、トレードチームデスク。うかつな発言は命取りだ。

「そう思うんなら自分で作って流行らせればいいじゃん」

えぇ……

ヴェールのリリアナ正義の勇者ギデオンドミナリアの英雄、テフェリー

ギデオンは仲間外れ?

マナ総量3までのカードしか使えない「タイニー・リーダーズ」。それに対応するように生まれた、マナ総量5以上のカードしか使えない「ヒュージ・リーダーズ」。その間にはマナ総量4の谷がある。「ちび/タイニー」と呼ぶには大きすぎて、「ヒュージ/巨大」と呼ぶには小さすぎる無数のカードたち……その数、4000超。

マジックで4マナと言えば「圧倒的なカード」が登場するマナ域と言えるだろう。全体除去の代名詞的存在、《神の怒り》。神と呼ばれたプレインズウォーカー・カード《精神を刻む者、ジェイス》。スタンダード最速禁止記録、《創造の座、オムナス》。そうしたカードが使えないのはさみしいと感じるのはもっともだ。

「4マナのカードしか使えない統率者戦やろうぜ(笑)」

きっとあちこちのコミュニティにそんな冗談を言う人がいただろう。だが本当にデッキを組んで回した人がいただろうか。そう、トレードチームは成し遂げたのだ。

フォース・リーダーズ構築ルール

統率者としてマナ総量が4の伝説のクリーチャーか、統率者に指定することが出来るカードを1枚選ぶ。「共闘」や「Friends Forever」を持つ伝説のクリーチャー・カードあるいはプレインズウォーカー・カードを2枚用いることもできるが、その際はそれぞれのマナ総量が4でなくてはならない。

統率者の固有色ルールに従い、基本でない同名カードは1枚のみで、マナ総量が4であるか土地であるカードのみを用いてデッキを構築する。デッキの枚数は統率者と合わせて44枚で構築する。

創造の座、オムナス天智、サヒーリ開闢機関、勝利械

当然統率者はマナ総量4のカードのみ。

孵化+不和静穏多元宇宙の警告

マナ総量が4のカードには《孵化/不和》のような2つのカードのマナ・コストの合計が4ならばライブラリー中ではマナ総量4として扱われるので採用が可能。「サイクリング」や「予顕」といった能力を活かすことで、土地が4枚出る前から行動することが可能だ。

種族の神、コルヴォーリ種族の神、コルヴォーリ

両面カードは第1面を参照する。そのため、第1面のマナ総量が4であるカードは第2面がマナ総量4でない呪文であってもプレイできる。

殺し活性の力緻密

ピッチスペルも有力だ。1ターン2アクション取ったり、4マナ構えてターンを渡すことが難しい環境では非常に重要となっている。

フォース・リーダーズゲームルール

プレイヤーの開始時のライフの総量は44点。

統率者ダメージのルールは適用されない。

「フォースなんだからデッキ枚数は44枚だし、ライフも44点だ!統率者ダメージは4にちなんだ数字にしにくいからなし!」

ブロールやヒュージ・リーダーズではゲームのテンポをよくするために初期ライフを40から減らしているのに、フォース・リーダーズではなぜか初期ライフが増える。そのくせ統率者ダメージでの勝利がない。初期手札の枚数を4にする案もあったようだがさすがにあきらめたようだ。

無法地帯

ここからはフォース・リーダーズの「ぶっ壊れ」カードを通してフォース・リーダーズのゲーム感を見てみよう。

現状では独自の禁止カードが存在しない無法地帯となっている。ゲームを破壊し放題だ。

創案の火

真っ先に危険視されたのは《創案の火》だ。スタンダードでも禁止経験のある悪名高いカードだが、フォース・リーダーズのルールと能力がかみ合いすぎている。

まずフォース・リーダーズはヒュージ・リーダーズ同様、序盤に1ターン2アクションとることが難しい。コスト軽減するカードや《スランの発電機》のようなマナ加速を用いなければ4マナの呪文を1ターンに2回唱えられるようになるのは8ターン目以降だ。

ところが《創案の火》設置したターンにもテンポを失うことなく呪文を唱えながら、次のターンには2アクションをとれるようになってしまう。マナを要求する起動型能力をもつパーマネントがあれば、そこに余ったマナを注ぎ込むことも可能。

荒野の再生

《荒野の再生》も同様に危険なカードだ。インスタントタイミングでのマナの使い道があるならマナ基盤は倍になったようなもの。《予期の力線》と絡めばすさまじいテンポを生み出す。

巻き戻しの時計

《巻き戻しの時計》はアーティファクト限定の《種子生まれの詩神》。アーティファクト・クリーチャーが警戒を持っているかのように攻撃できてしまい、ライフレースでは非常に有利。《都和市の案内ボット》《開闢機関、勝利械》を毎ターン起動できるようになり、圧倒的なアドバンテージを得ることもできる。

Mishra's Workshopスランの発電機磁石のゴーレム

アーティファクト専用の3マナを生み出す《Mishra’s Workshop》。2ターン目に 《スランの発電機》 を出せば3ターン目には2アクションが可能になる。3ターン目までに出る《磁石のゴーレム》は事実上の追加ターンとなる。ヒュージ・リーダーズでも監視カードリストに入っているカードがフォース・リーダーズで安全なはずがない。

コンボ集

ハルマゲドン見事な再生

《ハルマゲドン》、即《見事な再生》。対戦相手は土地0。こっちは8枚。おいおいおいおい。

静寂の守り手、リンヴァーラLiving Plane

土地がすべてクリーチャーになる。《静寂の守り手、リンヴァーラ》がいるので対戦相手のクリーチャーはマナ能力であっても起動型能力を起動できなくなる。つまり、土地からマナが出なくなる。おいおいおいおい。

欠片の双子水跳ねの海馬

《欠片の双子》《水跳ねの海馬》にエンチャント。タップして海馬のコピー・トークンを生成。オリジナルの海馬をアンタップ。以下繰り返しで速攻を持ったトークンが無限に生成可能。おいおいおいおい。

このように2枚コンボが多数存在する。デッキ枚数が少ないため、強力なカードを求めてマリガンすることも肯定される。研究が進めばコンボ環境となることが容易に想像できるだろう。

魔性の教示者首謀者の収得ディミーア家の護衛

まず4マナのチューターが存在する。「変成」を持つ4マナのカード、《ディミーア家の護衛》《地底街の手中》は事実上の《不気味な教示者》。3ターン目にこれで《創案の火》をサーチしてもいいし、《創案の火》着地後なら余ったマナで変成を行い、そのままマナコストを払うことなく呪文を唱えることができる。

ああ、禁止カードって必要なんだな。
改めて強く実感した。

実際のゲームは?

4月1日公開ということで嘘みたいな記事と動画になっているが、ガチンコである。

晴れる屋トレードチームの何気ない一言から始まった狂気のフォーマット、フォース・リーダーズ。ぜひ挑戦してみて欲しい。

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いってつ 晴れる屋メディアライターです。最近の悩みは記事執筆と動画出演で忙しくて統率者戦が1日2回くらいしか遊べないこと。 いってつの記事はこちら