掘り起こせ、優良コモン
突然ですが、質問です。
みなさんはこのなかに持っているカードはあるでしょうか?
実は、どれも「パウパー」というフォーマットで重宝されているカードです。信じられないかもしれませんが、パウパーのプレイヤーが見たら「良いカード持ってるね!」と興奮するものばかりです。
もしどれか持っていて、そのカードを使わずにいるのなら、それはちょっともったいないかもしれません。今回は、手持ちのカードを使ったパウパーのデッキをいくつか紹介しましょう。
「どのカードも持ってなかった……」という方も安心してください。パウパーはなによりも安価にはじめられるフォーマットですし、今回紹介する以外のデッキもたくさんあります!
パウパーとは?
パウパーとは、これまでにコモンとして収録されたことのあるカードだけを使って戦うフォーマットです。
コモンとして収録された経験さえあれば、コモン以外のバージョンでも使用できます。たとえば、《対抗呪文》はコモンバージョンでも、アンコモンバージョンでも、ミスティカルアーカイブでもOKです。
あなたの持っているカードは?
さて、本題に戻って、冒頭のカードを使って組めるデッキを紹介していきましょう。
《呪文づまりのスプライト》/《月回路のハッカー》/《灰のやせ地》
青単フェアリー
青単フェアリーはパウパーの歴史とともにあると言っても過言ではないほど昔からあるデッキです。
アーキタイプとしてはいわゆるクロックパーミッションに当たります。回避能力のある《フェアリーの予見者》などから《月回路のハッカー》や《深き刻の忍者》を「忍術」で出し、それを《対抗呪文》といった打ち消しでバックアップします。
「忍術」はクリーチャーを手札に戻す能力なので、戦場に出たときの能力を持つ《呪文づまりのスプライト》や《フェアリーの予見者》を再利用できると気持ちいい。コツコツとダメージとアドバンテージを稼げるデッキです。
青黒フェアリー
フェアリーには派生形がいくつかあり、そのひとつが黒を足した青黒フェアリーです。パウパーには伝説クリーチャーがほぼ存在しないため、《喪心》はほぼ確定除去。《殺し》はパウパー界の数少ないピッチスペルです。ライフコストがあるとはいえ、常に構えられる除去はさすがに強い。
《灰のやせ地》は多色化を安定させる役割もありますが、《渦まく知識》の不要牌をライブラリー内にシャッフルしてくれる貴重な存在。《渦まく知識》を使いたいなら青黒フェアリーは有力な候補です。
《コーの空漁師》/《実験統合機》/《古えの居住地》
プリズムホーク
プリズムホークは《きらめく鷹》と《コーの空漁師》をキーカードとするミッドレンジデッキ。本来はデメリットであるはずの「手札に戻す」効果を逆手にとり、《予備物資》などを手札に戻すことでアドバンテージを稼ぎます。
なかでも《実験統合機》を戻す動きが犯罪級。《実験統合機》は「戦場を離れたとき」にも誘発するため、手札に戻して誘発、もう一度唱えて誘発……と連鎖していきます。
《朽ちゆくゴブリン》/《命取りの論争》/《彩色の星》/《胆液の水源》
無限頑強
無限頑強は無限マナコンボデッキです。
本来なら《朽ちゆくゴブリン》は死亡すると「頑強」によって-1/-1カウンターが置かれますが、《授業初日》を事前に唱えておくと-1/-1カウンターと+1/+1カウンターで相殺されるので、何度でも墓地から戻ってきます。これを利用して《スカークの探鉱者》で何度も生け贄に捧げ、無限赤マナに達します。そこから《Flamewave Invoker》の効果を起動し続けて勝利です!
コンボである以上はパーツを揃える必要がありますが、ライブラリーを掘り進めてくれるのが《胆液の水源》と《命取りの論争》です。計算するとわかりますが、この2枚は都合3マナで4枚引いている計算になります。この2枚セットはほかのデッキでも見かけるほど強力なムーブ!《命取りの論争》を持っているならパウパーをはじめよう!!
記事の冒頭で並べたカードはほかにもこういったデッキで使われています。デッキが気になる方は、ぜひリンク先をチェックしてみてください。
パウパー時代、到来
今回は手持ちのカードをヒントにデッキを紹介してきました。使っていない優良コモンをぜひとも活用していただきたいですが、前述したように資産をまだ持っていない人でも問題ありません。パウパーはコモンしか使わないため、ほかのフォーマットに比べれば格段に安くデッキを組めます。
今回紹介した青単フェアリー、プリズムホーク、無限頑強はどれもここ最近のカードを使用しています。昨今のコモンのカードパワーが上がってきている証拠でしょう。最新セットの『ニューカペナの街角』からも「これホントにコモン!?」と思うようなカードが発表されており、ますますパウパーの発展が期待されます。
6月25日には第1期パウパー神決定戦が控えています。パウパーをはじめるならきっと今です。もうパウパーで重宝されるカードを持っているなら、まずはパウパーに触れてみて欲しいと思います。
では、どこかのパウパーイベントでお会いしましょう!