メタゲームブレイクダウン
晴れる屋メディアチーム
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第7期パイオニア神挑戦者決定戦には215名分のデッキリストが提出された。これだけ大人数のパイオニアのイベントも久しい。
早速本大会のメタゲームブレイクダウンを見ていこう。ぜひ大型イベントのデータとして参考にしてみて欲しい。
デッキタイプ | 使用者数 | 使用率 |
---|---|---|
赤単アグロ | 25 | 11.63% |
ラクドスミッドレンジ | 20 | 9.30% |
イゼットフェニックス | 17 | 7.91% |
ナヤウィノータ | 17 | 7.91% |
パルへリオンコンボ | 15 | 6.98% |
アゾリウスコントロール | 13 | 6.05% |
ロータスコンボ | 12 | 5.58% |
バントスピリット | 8 | 3.72% |
緑単信心コンボ | 7 | 3.26% |
ラクドスサクリファイス | 6 | 2.79% |
アゾリウススピリット | 6 | 2.79% |
5色ニヴ | 5 | 2.33% |
青単スピリット | 5 | 2.33% |
その他 | 43 | 20% |
パイオニア黎明期から存在する赤単アグロが依然として強い人気を誇った。直近の変化といえば《勝負服纏い、チャンドラ》が採用され始めたことだろう。
2番手につけたラクドスサクリファイスを支えるのは、『神河:輝ける世界』に収録された《鏡割りの寓話》だ。宝物を生み出すトークン、手札入れ替え、クリーチャーコピーのどれも無駄がなく、ミッドレンジデッキの潤滑油になっている。
しかし、注目したいデッキはほかにある。
まずは、《パルヘリオンⅡ》コンボだ。
このアーキタイプはアブザンカラーであったり、マルドゥカラーであったり、構築はまちまちだが基本コンセプトは同じだ。何らかの手段によって《パルヘリオンⅡ》を墓地に落とし、《大牙勢団の総長、脂牙》がそれを釣りあげる。
《パルヘリオンⅡ》は凄まじい効果をもっているが、いかんせんマナコストが重い。《大牙勢団の総長、脂牙》はそのマナコストを踏み倒しながら、速攻まで付与できる。攻撃が通れば一気に13点だ。
一見すると決まるのか怪しい気もするが、本大会では15名も選択していた。今後も注目のアーキタイプだ。
つづいてピックアップするのは、つい先日ピオトル・グロゴゥスキ/Piotr Glogowski選手によって生み出された緑単信心コンボだ。
このデッキはライブラリーアウトによって勝つコンボデッキだ。
必要なパーツは、《ビヒモスを招く者、キオーラ》2枚、《大いなる創造者、カーン》2枚、《ニクスの祭殿、ニクソス》、たっぷりの緑「信心」だ。パターンはいくつかあるが、ここでは《キオーラ》と《カーン》が1枚ずつ墓地にあることを前提とする。
《キオーラ》のアンタップ能力を使いながら《ニクスの祭殿、ニクソス》で大量のマナを出し、《カーン》の能力でサイドボードから《死に至る大釜》を手札に加える。
《修復の噴出》で《キオーラ》と《カーン》を回収し、唱える。《修復の噴出》は追放されるため、《カーン》の[-2]能力で《死に至る大釜》として回収する。《キオーラ》で再び大量のマナを出す。
《キオーラ》《カーン》《死に至る大釜》の3枚をぐるぐると回す過程で、マナが無限になるだけでなく、ライフが無限に回復する。そして《死に至る大釜》の真ん中の効果を起動すると、相手のライブラリーが吹き飛ぶ、というわけだ。
まだまだ発明されたばかりのデッキであるため、アップデートの余地はあるかもしれない。とはいえ、パイオニアに新しいコンボデッキが生まれたのは確かだ。このデッキもこれから目が離せない。
上記のメタゲームブレイクダウンには使用者が少ないアーキタイプを含めなかったが、データを集計していて感じたのは「各々が好きなデッキを持ち込んでいる」ということだ。アーキタイプ数は実に56に及んでいる。
緑単信心のコンボが発見されたり、新セットである『神河:輝ける世界』からパルへリオンコンボが誕生したりと、パイオニアはまだまだ可能性を多分に残している。
ローテーションのないフォーマットとしては、パイオニアはかなり手が出しやすい部類だ。テーブルトップのイベントが復活してくれば、ますます盛り上がることだろう。
ぜひみなさんの探究心を発揮して欲しい。きっとまだ見ぬ傑作がこのフォーマットには眠っているはずだ。