決勝戦:坂本 一馬(カウンターモンキー) vs. 平田 昭人(カウンターモンキー)

晴れる屋メディアチーム

ミラーを制して帝王となるのは

限界まで冷やされた氷の“熱さ”を、みなさんはご存じだろうか。

今回の第13期関西帝王戦モダン、決勝戦はまさしくその熱さを有していた。

参加者72名による激闘の末に残ったトップ8のデッキ。複数のアーキタイプが散見される中、決勝戦に残ったのはやはり、モダンで屈指の使用率を誇る「カウンターモンキー」だった。高いポテンシャルを有するデッキを使いこなし、帝王の座を決める戦いの場に立ったのはこの2人だ。

カウンターモンキー

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坂本 一馬

坂本 一馬が使用するのは「カウンターモンキー」。多種多様なカードで墓地を肥やし、《ドラゴンの怒りの媒介者》《敏捷なこそ泥、ラガバン》の打点と《濁浪の執政》の強烈な一撃でとどめを刺す、典型的なクロックパーミッションデッキ。《考慮》《表現の反復》で安定感を得た、モダン環境を定義づけるデッキだ。

カウンターモンキー

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平田 昭人

平田 昭人が使用するのも「カウンターモンキー」。メインボードに《精神を刻む者、ジェイス》を不採用としている点や、それに伴う呪文の枚数と土地基盤に若干の違いはあるが、ほぼ坂本のリストと変わらない。特にクリーチャーにおいてはほぼ洗練されていて、すべて同じ種類と枚数である。

デッキリストに見られる違いはわずか。ならば、勝敗を決めるのはそのわずかなリストの違いと、デッキへの理解。そして、勝利への好機を見逃さない冷静さ。

そんな2人の冴えた思考がもたらす、爆炎のごとく熱い戦いをご覧いただこう。

決勝:坂本 一馬(右) vs. 平田 昭人(左)

決勝

Game 1

先攻は坂本。どちらもマリガンせず、スムーズにゲームが始まった。坂本は《ミシュラのガラクタ》を設置して即座に起動、デッキトップを確認する。次いで《溢れかえる岸辺》を戦場に置いてターンエンド。平田が《尖塔断の運河》を置いてターンを返すと、坂本がフェッチを起動。ライフを19に減らし、《蒸気孔》を戦場に出す。

ドラゴンの怒りの媒介者邪悪な熱気

返すターンで坂本が《霧深い雨林》を出してターンを渡すと、平田はライフを支払って《蒸気孔》をアンタップインし、《ドラゴンの怒りの媒介者》を戦場に送り出した。しかし、ここは坂本が《邪悪な熱気》で冷静に対処する。

ひとまずデッキの動力源を処理した坂本。ターンエンドの前にフェッチランドから再び《蒸気孔》をタップインし、自ターンに《表現の反復》を唱えた。

表現の反復呪文貫き

カウンターモンキーの地位を盤石のものにするカードで、通れば多くのアドバンテージを得られるが、ここは平田が《呪文貫き》で打ち消す。返すターンで《焦熱島嶼域》を置くだけに留まった平田は、今度は坂本の《表現の反復》《対抗呪文》で打ち消す。

わずかに形勢が傾きつつある中、自ターンに《ドラゴンの怒りの媒介者》を戦場に送り出した平田は、なんと次のターンに三度唱えられた坂本の《表現の反復》を、二度目の《対抗呪文》で打ち消したのだ!

対抗呪文

墓地を肥やしながら敵の動きを縛る平田は、今度は自分が《表現の反復》を唱えた。必要なカードを手札に加え、土地を置いた平田は、さらに《表現の反復》によって追放していた《表現の反復》を唱えて手札を洗練させてゆく。

そうして「昂揚」を達成した《ドラゴンの怒りの媒介者》の攻撃で、ライフを17に減らされた坂本だが、やられてばかりではいられない。打ち消し呪文を使わせた機会を狙い、墓地のカードを追放して《濁浪の執政》を唱えた。

濁浪の執政

4枚の墓地のカードを追放して7/7の大型クリーチャーとなったドラゴンに対し、平田は冷静にフェッチを切ると、《考慮》で対策手段を探しに行く。そして、果たして平田はこの大型獣と坂本を打ち倒す手段を得た。

《邪悪な熱気》《稲妻》を使って《濁浪の執政》を撃破し、再び《ドラゴンの怒りの媒介者》の攻撃でライフを14に減らした平田が戦場に呼び出したのは《濁浪の執政》今度は自分が巨獣を退治する立場となった坂本だが、頼みの綱のドローでも対策手段を引けず、ここで投了を選んだ。

坂本 0-1 平田

Game 2

サイドボードを経ての第2ゲーム。今回もどちらもマリガンを選ばない。双方ともに勝利を目指せる手札をキープしたと思って良いだろう。その証拠に、2人の手はよどみなく動いた。坂本がフェッチランドから《蒸気孔》《ドラゴンの怒りの媒介者》と動いたのに対し、平田はショックランド→《敏捷なこそ泥、ラガバン》と動く。どちらも生かしておけば厄介になるクリーチャーだ。

ドラゴンの怒りの媒介者敏捷なこそ泥、ラガバン

睨み合いになるかと思われたが、坂本は冷静に、アップキープに《稲妻》でクリーチャーを焼き払った。それから《ドラゴンの怒りの媒介者》で攻撃し、平田のライフを16に削り、《尖塔断の運河》を設置した。

平田は返すターンでまたもフェッチランド→ショックランドと動き、ライフを13に減らして《ドラゴンの怒りの媒介者》を盤面に繰り出す。そしてお返しとばかりに《邪悪な熱気》を相手のクリーチャーに叩き込んだ。

坂本は《考慮》を唱えて《ドラゴンの怒りの媒介者》の能力を活かしたのち、おとなしく除去を選んだ。そして自分のターンで《考慮》、敵クリーチャーに対する《稲妻》を唱え、順調に障害を取り除きながら墓地を肥やす。

さて、平田はというと、《表現の反復》で手札と墓地を同時に充実させつつ、なおも《溢れかえる岸辺》からアンタップインで《蒸気孔》を出し、《ドラゴンの怒りの媒介者》を着地させる。この時点で、すでに平田のライフは10だ。

濁浪の執政

ならばそのライフを削り切らんとばかりに、坂本が動いた。《霧深い雨林》を切って《島》にした坂本が繰り出したのは、フィニッシャー《濁浪の執政》

パワー7、しかも飛行能力を有する巨体で殴られれば、今の平田ではひとたまりもないはずだ。平田もブロックはできないと知っているようで、返すターンに《ドラゴンの怒りの媒介者》で攻撃を仕掛け、坂本のライフを13にした。

そのうえで、追加の《ドラゴンの怒りの媒介者》を戦場へと呼びだすも、坂本はためらいなく《濁浪の執政》で殴りかかった。わずかに悩んだ様子を見せた平田だが、なんとここで7点のダメージを受けることを選んだ!

ライフを3まで減らして窮地に立たされたように見える平田だったが――彼にはすでに、勝利への道筋が見えていた。エンド前、まずはプレイヤーに《稲妻》を1発。自分のターンに《ドラゴンの怒りの媒介者》2体で攻撃。坂本が放った《大魔導師の魔除け》《狼狽の嵐》で打ち消し。そしてとどめに、渾身の《稲妻》2発目!

稲妻稲妻

きっちり13点を1ターンで削り切った平田が、見事勝利をつかみ取った。

坂本 0-2 平田

第13期関西帝王戦モダン、優勝は平田 昭人!おめでとう!

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