パイオニア禁止改定 ~さらば《ウィノータ》《表現の反復》~

晴れる屋メディアチーム

突然の禁止改定

6月7日、禁止制限告知が発表され、パイオニアからは《軍団のまとめ役、ウィノータ》《表現の反復》が禁止となりました。

軍団のまとめ役、ウィノータ表現の反復

どちらもパイオニアを語るうえで無視できないカードです。《軍団のまとめ役、ウィノータ》がデザインされたからこそナヤウィノータは確立されましたし、《表現の反復》はイゼットを選択する理由にすらなりえていました。

今回は追悼の意を込めて、禁止になったカードを振り返って行きます。

《軍団のまとめ役、ウィノータ》

軍団のまとめ役、ウィノータ

《軍団のまとめ役、ウィノータ》は『イコリア:巨獣の棲処』で登場したクリーチャーであり、非人間クリーチャーが攻撃することでランダムながらコストを踏み倒して人間クリーチャーを呼び出すことができました。スタンダードでは《水蓮のコブラ》《裕福な亭主》《エシカの戦車》をトリガー役に据えつつ、高速で《裏切りの工作員》《刃の歴史家》《帰還した王、ケンリス》を展開して活躍しました。

パイオニアでは《ラノワールのエルフ》などのマナクリーチャーを採用することでより早い展開が可能となります。3ターン目に《エシカの戦車》で複数の非人間クリーチャーを用意して、続くターンに《軍団のまとめ役、ウィノータ》の多重誘発を狙うことも可能でした。最速3ターン目にデッキから《トヴォラーの猟匠》が飛び出してくることを想像してみてください。

エシカの戦車精鋭呪文縛り

コンボでありながらミッドレンジとしても立ち回れる器用なデッキであり、相手は苦しい立ち回りを迫られてしまいます。一旦ボードが完成して《軍団のまとめ役、ウィノータ》待ちとなればタップアウトすることは許されません。かといって序盤からボードばかりに注力しては、《エシカの戦車》《トヴォラーの猟匠》といったカードパワーに翻弄されてしまいます。そのうえ《精鋭呪文縛り》などの妨害手段まで噛まされては、隙がないの一言に尽きます。

パイオニアのイベントでその名を見ないことはありません。実際4月に開催された『第7期パイオニア神決定戦』のメタゲームブレイクダウンでは17名ものプレイヤーが選択していました。幅広いゲームレンジに対応しつつ、仮にガードが下がっていればそれだけで勝ってしまうほどのパワーを兼ね備えたデッキだったのです。

《表現の反復》

表現の反復

《表現の反復》はあらゆるフォーマットでイゼットカラーのデッキを構築する理由のひとつにあげられる、それほどまでに強力なドロー呪文です。序盤は呪文を手札に加えつつ土地事故を回避し、マナが十分に用意できた中盤以降には呪文2枚に変換されます。1枚でカード2枚分と使うだけでお得なカードなのです。マナコストの軽いカードと相性が良いため、下のフォーマットにいけばいくほど価値が上がっていきます。

パイオニアでは、イゼットフェニックスや果敢デッキにその姿を見ることができます。どちらのデッキも呪文を使うことでボーナスを得るため、1枚で複数枚のカードに繋がる《表現の反復》は単なるアドバンテージ獲得手段にとどまりません。《表現の反復》はドロー呪文の枠を飛び越えて《弧光のフェニックス》を戦場へと戻し、《僧院の速槍》《帳簿裂き》を強化するバフスペルにもなったのです。

宝船の巡航時を越えた探索

《宝船の巡航》《時を越えた探索》などと違い、墓地対策されてもその影響を受けずプレイできるのも利点でした。

こちらも同じく『第7期パイオニア神決定戦』では17名ものプレイヤーが選択していました。

パイオニアの今後

航路の作成

デッキの中核を失ったことでナヤウィノータは解体を余儀なくされてしまいましたが、イゼットフェニックスはパワーダウンしつつも《航路の作成》と入れ替えることでこのまま残るかもしれません。

僧院の速槍思考囲いパルヘリオンⅡ

禁止改定後は変化のない赤単果敢やラクドスミッドレンジ、パルヘリオンシュートといった勢力は数を維持していきそうです。

睡蓮の原野ジェスカイの隆盛ニヴ=ミゼット再誕

その一方で、妨害とコンボのハイブリットであるウィノータが消えたことで、これまで速勝負で勝てなかったデッキや呪文を使ったコンボデッキが復権してくる可能性があります。具体的には、ロータスコンボやジェスカイ隆盛、5色ニヴなどです。

以下はロータスコンボ、ジェスカイ隆盛、5色ニヴのサンプルデッキリストです。6月7日(火)の禁止制限告知前にものとなるため、《表現の反復》が採用されていることをご了承ください

《ジェスカイの隆盛》コンボ

ロータスコンボ

5色ニヴ

これらに限らず、デッキパワーは十分なもののナヤウィノータと相性が悪いばかりに数を減らしていたデッキがありました。今後はさまざまなデッキが復権してくるはずです。

おわりに

歴代最強ともいえる人間とドロー呪文が去ったことで、パイオニアは新たなステージへと歩を進めます。ナヤウィノータは解体を余儀なくされてしまいましたが、イゼットは別のカードへと入れ替えて残るかもしれません。このフォーマットがどのように変化するのか、これからの動きに要注目ですね!

こちらは動画でも解説しているんでぜひ、ご覧ください!

来月17日には『第8期パイオニア神挑戦者決定戦』が控えていますね。そこで、新しいパイオニア環境が明らかになるはずです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

晴れる屋メディアチーム 晴れる屋メディアチームの記事はこちら

このシリーズの過去記事

過去記事一覧へ