パウパーのデッキを知ろう!
晴れる屋メディアチーム
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本格的な夏の到来を告げるかのように朝早くから気温は上がり、午前11時30分にいたって、高田馬場の気温は34度をさしている。暑い日である。
その暑さをものともしない268名ものプレイヤーが、ここ晴れる屋 トーナメントセンター 東京に集まっている。『第1期パウパー神決定戦』へ参加者するためだ。実際、参加者が250名を超えたことからも多くのプレイヤーから切望されていたと伺える。
そこで今回はパウパーを取り巻く構築環境へ迫っていきたいと思う。モダンやレガシーで活躍するコモンがどういったデッキで採用されているのか、アーキタイプを紹介していこう。
プリズムホークは、「戦場に出たときに~」の効果を持つカードとそれらを手札へと戻す《きらめく鷹》と《コーの空漁師》を組み合わせてリソースを増やすミッドレンジ界の王者。《実験統合機》を出し戻しするだけで新鮮な2枚のカードが、飛行クリーチャー付きで手に入ります。
《稲妻》や《未達への旅》など除去も充実しており、広いゲームレンジに対応できるアーキタイプとなります。
フェアリーは青単や青+Xで構築される《対抗呪文》を軸にした打ち消し戦略のアーキタイプ。《ボーラスの占い師》や《呪文づまりのスプライト》で細かくアドバンテージを稼ぎ、それらを《深き刻の忍者》で使いまわしていきます。
これらを各種打ち消し呪文でバックアップして逃げ切ってしまう作戦ですが、その要となるのが《対抗呪文》。わずか2マナであらゆるカードへの解答となる青の切り札です。
相方ですが、赤の場合は《稲妻》や《雪崩し》に加えて、横展開に強い《焦熱の連続砲撃》を採用できます。黒の場合は《喪心》や《殺し》といった確定除去と、《マイアの処罰者》すらも受け止める《グルマグのアンコウ》が控えています。《チェイナーの布告》は呪禁オーラに対する貴重な解答となりますね。
展開力随一のアーキタイプといえば親和。16種類のアーティファクト・土地に彩られたマナベースはモダンを凌駕しており、《金属ガエル》や《マイアの処罰者》の早期着地を助けます。《物読み》《命取りの論争》とドローカードも充実しており、手札が途切れることはありません。
親和において重要なのはその初動。いかに円滑に軽量アーティファクトをばら撒き、コスト軽減できるかにあります。《血の泉》は1枚で「親和」カウントを2つ稼いでくれるため、親和のみが使用できる《太陽の指輪》。相手との展開力に差をつける1枚です。
数々の禁止カードに泣きながらも、現在まで生き続けている息の長いアーキタイプ、それこそがアゾリウスファミリアです。《陽景学院の使い魔》で青の呪文のマナコストを減らし、《断絶》と《アゾリウスの大法官庁》でマナを増やして行動回数を確保します。
《陽景学院の使い魔》が2体いる状況で、《幽霊のゆらめき》+《古術師》+《王神の信者》が揃えば無限ライフは可能。あとは《熟考漂い》などを「明滅」し、圧倒的な物量をもって押しつぶしてしまいます。
最近は見かけませんが、《賢者街の住人》を採用していればライブラリーアウトまで持っていけます。
ここまでやや地味なデッキが続いたかもしれませんが、パウパーにも重いカードで攻めるランプ戦略が存在しています。《楽園の拡散》か《繁茂》のエンチャントされた土地を《東屋のエルフ》でアンタップして、4~5ターン目に《乗り込み部隊》や《苛立つアルティサウルス》へ繋げる大味な戦略です。「続唱」によりさらにカードを呼び込んでくれます。
《ムウォンヴーリーの酸苔》や《Thermokarst》など土地破壊呪文を採用し、自分と相手のマナに差を生み、重いクリーチャーのカードパワーによって巻き返す間を与えずに押しきってしまいます。お帰り土地を採用したアーキタイプが多く、土地破壊戦略は見た目以上の効果を生み出すのです。
パウパーにおいて独自の進化を遂げたデッキに対して、モダンやレガシーと同じ戦略をとるアーキタイプが存在します。それこそが伝統の赤バーン。《稲妻》や《溶岩の撃ち込み》、さらには《火炎破》と選り取り見取りの火力が揃っています。
基本的にプレイヤーへ火力を撃ち続けていきますが、ときにはクリーチャーとのダメージレースを演じなければなりません。《焼尽の猛火》は1枚でボードとプレイヤーの両方へダメージを与えてくれる最高の1枚。《陽景学院の使い魔》や《東屋のエルフ》などキーとなるシステムクリーチャーが多い環境にもマッチしています。
除去や接触戦闘に強い「頑強」をコンボへと昇華させたのが無限頑強です。《授業初日》と《朽ちゆくゴブリン》が揃うと「頑強」が誘発してもカウンター同士が相殺されて、リフレッシュされた状態で戦場へ戻ってきます。これに《スカークの探鉱者》を組み合わせれば、赤のみですが無限マナとなります。あとは相手が倒れるまで《炎波の発動者》を起動するだけ!
コンボ過程で3枚のカードを要するため、一見するとドローに優れた青抜きでは短時間でのコンボ達成が困難に思えます。しかし、使用するクリーチャー種族に注目してみましょう。
そうです、すべてゴブリンなのです。《ゴブリンの女看守》は足りないパーツを持ってくる最高のサーチカードとして機能するのです。《授業初日》は《引き裂かれた記憶》から「変成」できます。サーチカードのバックアップがあり、青がなくともコンボデッキとして確立しています。
最後にご紹介するのはややテクニカルなコンボデッキであるサイクリングストーム。わずか12枚前後に抑えられた土地が特徴的であり、余分なスロットは1枚たりともないかなりソリッドなアーキタイプです。
マナのある限り「サイクリング」を繰り返して墓地を肥してコンボ始動に向けて準備します。クリーチャーがある程度溜まったら《忌むべき者の歌》や《陰謀団の儀式》でマナと「ストーム」カウントを稼ぎ、《墓の刈り取り》をプレイ。戻したクリーチャーを再度「サイクリング」していきます。
この過程を繰り返して大量の黒マナと手札に「サイクリング」付きクリーチャーを用意します。最後は《血の執行司祭》で赤マナへと変換して《ドラニスの刺突者》をプレイ。先ほど戻したクリーチャーを順次「サイクリング」していき、20点のライフを削りきるワンショットコンボを狙います。
今回は簡易的ですが、主要アーキタイプをご紹介しました。これら以外にも呪禁オーラや悪鬼シュート、エルフなどさまざまなアーキタイプが存在しています。神の座を勝ち取るのはどのアーキタイプでしょうか。
本日開催中の第1期パウパー神決定戦は決勝ラウンドの配信を予定しております。そちらもぜひご覧ください。
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