はじめに
お疲れ様です。てんさいチンパンジー(@tensai_manohito)です。
先月はパイオニア環境について解説させていただきました。みなさん、快適なパイオニアライフはお過ごしでしょうか。
- 2022/07/14
- パイオニア環境デッキ紹介! ~世はまさに大パイオニア時代~
- 増田 勝仁
『第8期パイオニア神決定戦』は終わりましたが(松原さんは防衛おめでとうございます!)、『チャンピオンズカップ JAPAN & KOREA』の予選はまだまだ続きます。そう、まだまだパイオニア熱は冷めません!
というわけで、今月は私の愛機である「ロータスコンボ」について解説させていただきます。ロータスコンボ対策についても触れているため、これから使ってみたい方も使われて腹の立っている方(…)も最後までお付き合いいただけると幸いです。
ロータスコンボとは?
ロータスコンボとは、その名の通り《睡蓮の原野》を用いたコンボデッキです。
《睡蓮の原野》を設置し、それを《演劇の舞台》でコピーすることで、2つの《睡蓮の原野》を用意します。それらを《見えざる糸》や《熟読》《砂時計の侍臣》でアンタップしてマナを増やしていきます。そこで増えたマナを使って《出現の根本原理》を唱えられればゴールです。
安定した5ターンキルが可能で、都合がよければ4ターンキルもできます。干渉されづらい土地コンボデッキなため、対策されないメイン戦での勝率は極めて高いですが、逆にサイド後はあらゆるデッキで採用可能な《減衰球》1枚で壊滅するため、いきなり相性が逆転する脆さを持ち合わせています。
イゼットフェニックス、ラクドスミッドレンジ、アゾリウスコントロールといったミッドレンジ~コントロールを得意とし、ボロスヒロイックのような高速アグロや緑単信心といったメインから《減衰球》を使えるデッキを苦手としています。
サンプルリスト
採用カード:メインボード
《耐え抜くもの、母聖樹》
『神河:輝ける世界』で追加された「魂力」持ち土地シリーズ。特に《耐え抜くもの、母聖樹》はロータスコンボを1ランク上のデッキへと進化させました。
どうしても《減衰球》がネックになるデッキなので、サイド後はアーティファクト対策が必須でした。ただ、この手のコンボデッキにありがちな「対策の対策を増やすと事故りやすくなる」という問題点を改善できず、サイド後の勝率はイマイチなものでした。
しかし、《耐え抜くもの、母聖樹》はアーティファクト対策でありながらなんと土地!スロットを圧迫することなく対策が可能になり、サイドスペースにも余裕ができてしまう始末。まさにこのデッキのために生まれてきた土地といっても過言ではないでしょう。
伝説の土地というデメリットも《睡蓮の原野》で生け贄に捧げる都合上、2枚引いても無駄になりづらいです。総じて最高の土地です。このカードの素晴らしさを語るだけでこの記事が終わるレベルです。
《天上都市、大田原》
こちらも『神河:輝ける世界』で追加された「魂力」持ち土地シリーズ。役割や強みは《耐え抜くもの、母聖樹》と同じです。
《耐え抜くもの、母聖樹》ほどの影響力はありませんが、代わりに《エメリアのアルコン》《覆いを割く者、ナーセット》《自由なる者ルーリク・サー》のような非アーティファクト/エンチャントの対策カードを退けられます。これもまた、サイドから《一瞬》《虚空の罠》のような対策カードを退ける用のカードを採用する必要がなくなりました。オトクすぎる!
《睡蓮の原野》
デッキの中核。単体で見るとただのタップインランドですが、アンタップするカードと組み合わせると…?これが引けなきゃ話になりません。4ターン以内に必ず設置しましょう。繋がる見込みのない手札はすべてマリガンです。なんとしてでも探しに行きましょう。
《演劇の舞台》
デッキの脇役。《睡蓮の原野》をコピーすれば色マナの出る《ウルザの塔》になります(?) 最悪、《睡蓮の原野》が2枚並ばずとも完走することはありますが、どちらかというと稀なパターンです。基本的には《睡蓮の原野》の設置+《演劇の舞台》によるコピーを念頭に置いてプレイしましょう。
《繁殖池》/《島》
《廃墟の地》《耐え抜くもの、母聖樹》用の土地タイプを持った土地と基本土地です。体感ではそれぞれ1枚ずつあると安心かなという印象です。《廃墟の地》のほうが腹立つ!という方は《繁殖池》を基本土地にするのも良いでしょう。
《樹上の草食獣》
ブロッカー兼マナ加速。手札を減らしてマナ加速するので、マリガンの多いロータスコンボと相性が良いかと言われると、実際にはイマイチです。ですが、《樹上の草食獣》がないと追いつけない相手は確実に存在します。速度勝負になる対アグロやミラーマッチは特に顕著です。
逆に言うと、《樹上の草食獣》をサイドアウトしても問題ない相手=有利な相手、ということになります。
《砂時計の侍臣》
主に「サイクリング」でマナ加速。《睡蓮の原野》を対象にすれば1マナ増えます。手札が減らないマナ加速なので、《睡蓮の原野》を設置後は何枚でも引きたいです。
軽視されがちですが素出しも強力です。アンタップ能力で《睡蓮の原野》を起こせば、《砂時計の侍臣》自身も《睡蓮の原野》としてカウントできます。《見えざる糸》であれば《砂時計の侍臣》と《睡蓮の原野》をアンタップできますが、《熟読》は土地しかアンタップできないのでマナは増えません。
《溺神の信奉者、リーア》
《炎の中の過去》内蔵クリーチャー。《出現の根本原理》用。すべてのインスタント/ソーサリーを使いまわせるので、墓地次第ではマナ加速にもリソースにもなります。墓地対策には弱いですが、逆にロータスコンボで墓地をガッツリ使うカードが《溺神の信奉者、リーア》くらいしかないため、相手視点で墓地対策をサイドインしにくいのも強さに拍車をかけています。
《森の占術》
《睡蓮の原野》《演劇の舞台》をサーチします。以上。すでに《睡蓮の原野》《演劇の舞台》がそろっている場合は、《耐え抜くもの、母聖樹》《天上都市、大田原》をサーチします。私にはテキストを読み上げることしかできません。
《可能性の揺らぎ》
《睡蓮の原野》を探します。必ず見つかるわけではないですが、まあまあ頑張って探す気概を見せるためにも必要です。《巧みな軍略》と異なり、見る枚数が多い・墓地に落ちないのがポイントです。《出現の根本原理》を使う関係上、墓地を貯めるよりもデッキに残っていたほうが嬉しいです。
《見えざる糸》
凄いマナ加速。2つの《睡蓮の原野》を対象に取れば2マナ使って6マナ起きるので、差し引き4マナ増えます。《煮えたぎる歌》も真っ青です。一応、《睡蓮の原野》が1つの場合でも、もう1枚の土地があれば2マナは増えます。
ほとんどの場面でマナ加速として使いますが、稀に相手の土地を対象にして強制的にタップアウトさせたり、自分のクリーチャーに「暗号」させたりと変わった使い方もします。
《バーラ・ゲドの復活》
3マナになった《新たな芽吹き》。土地カウントとしての採用なので土地として使うことがほとんどですが、《睡蓮の原野》を並べた後はリソースとしても運用可能です。手札にあるときは呪文なので、《樹上の草食獣》で置けない点は注意してください。
《熟読》
マナ加速兼ドローソース。《睡蓮の原野》を2つ起こせばなんと1マナ増えながら3枚ドロー。とんでもない。
《熟読》を唱えて土地を起こす瞬間が、ロータスコンボを使っていてもっとも気分のよい瞬間です。
諸説はありますが異論は認めません。
《闇の誓願》
《出現の根本原理》用。まあまあチューター。単体で唱えた場合は「魔巧」を達成しているとほぼ《悪魔の教示者》です。その本領は《出現の根本原理》を経由した場合です。ほかのチューターやマナ加速と組み合わせることで確殺パターンを作れます。
《来世の警告》
《出現の根本原理》用。最強チューター。単体で唱えてもそこそこですが、《出現の根本原理》を経由すればマナ加速とセットで唱えられるのでほぼ勝ちです。ドローではなく手札に加えるなので、《覆いを割く者、ナーセット》にも強いです。
《全知》
《出現の根本原理》用。極悪マナサポート。単体では何もしませんが、《出現の根本原理》を経由するとチューターとセットになるので勝ち確定です。凄い《見えざる糸》みたいなイメージです。
《出現の根本原理》
最強のフィニッシャー。色拘束こそあれど、7マナで”ほぼ”ゲームに勝てるトンデモカード。このカードの発見がロータスコンボの強さを1ランクを上げたと思います。そして、このカードをどう使うかが現在のロータスコンボのすべてといっても過言ではありません。
採用カード:サイドボード
《副陽の接近》
勝利方法です。《首謀者の収得》でサイドから引っ張って2回唱えます。最終的にマナが溢れた状態になるので、《タッサの神託者》のような途中で引いてしまうと使い道のないフィニッシャーよりも、最低限の役割を持てる《首謀者の収得》のようなチューターを優先しています。
《原初の災厄、ザカマ》
追加のフィニッシャーです。《出現の根本原理》との差し替えを目的としています。《出現の根本原理》は強烈なフィニッシャーですが、「呪文を複数回唱える」「デッキ内に必要なカードが多い」という弱点があります。
呪文を複数回唱える=《エメリアのアルコン》《耳の痛い静寂》のような対策カードが重く、デッキ内に必要なカードが多い=サイド後に対策の対策を追加する場合に枠が不足しがちという問題を抱えています。
《原初の災厄、ザカマ》は《出現の根本原理》と違って瞬殺ではないため、フィニッシャーとしての性能は劣ります。しかし、単体で「対策の対策」と「フィニッシュ手段」を兼ねた強烈なパーマネントです。
そのため、前述の通り全体除去をサイドインしたい(=枠を確保したい)、またはヘイトパーマネントの採用された相手に対しては、《出現の根本原理》とそのサーチ先のカードをサイドアウトして差し替えます。
《神秘の論争》
《睡蓮の原野》は設置時にタップインするため、マナを構えられないことが多いです。そのため、《否認》《軽蔑的な一撃》のような2マナの打ち消しは構えづらく、積極的に採用したいとは思えません。その点、《神秘の論争》はその軽さとリターンの大きさからも理想的なサイドカードです。
《多元宇宙の警告》
ラクドスミッドレンジなど、サイド後に手札破壊で妨害してくる相手に強いです。ロータスコンボはマリガンで《睡蓮の原野》を探しますが、そのとき《森の占術》でキープすると手札破壊で崩壊する恐れがあります。また、マリガン後に《真っ白》のような枚数を取る手札破壊で絞られても厳しい戦いになります。
なので、可能な限りマリガンしづらくしたい(キープ基準となるカードを増やしたい)&リカバリーをしたい=軽量のドローソースが必要と判断しました。
《終止符のスフィンクス》
アゾリウスコントロール専用の対策です。《思考のひずみ》だと《ナーセットの逆転》が重く、《感電の反復》だと《即時却下》ですべてを失ってしまうのが気になりました。
《終止符のスフィンクス》も《至高の評決》で流れるため完璧とは言い難いですが、ロータスコンボを相手に《至高の評決》を残す行為は《ナーセットの逆転》や《即時却下》に比べるとかなりのリスクがあるので、相手に裏目を引かせる意味でも専用の対策カードを取るなら《終止符のスフィンクス》がよいと判断しました。
《至高の評決》
全体除去。対クリーチャーデッキにサイドインします。以上。全体除去は種類が豊富で、どれが良いかは環境や思想次第になります。
《至高の評決》は青単スピリットにも強くサイズも無視できてもっとも裏目がないですが、重い上に色も2色使います。《睡蓮の原野》1枚で唱えられず、もう1枚の土地も青マナが出ないと唱えられません。《演劇の舞台》や《耐え抜くもの、母聖樹》ではダメです。
《危難の道》だとサイズに関わらず2マナ域を一掃できますが、「切除」モードでないと《エメリアのアルコン》が流れません。《神々の憤怒》だと《エメリアのアルコン》は流せますが、《輝かしい聖戦士、エーデリン》や《光輝王の野心家》で育てられた際に無力になってしまいます。
ほかにも《衰滅》(大きくなりすぎると対処不能になるが、《不屈の護衛》や《無私の霊魂》に強い)や《影の評決》(重いがアグロはほぼ一掃+死亡誘発も無効。重すぎて逆に《呪文捕らえ》されない)など、いろいろ選択肢があります。
黒い除去だと《闇の誓願》とも相性が良かったりするので、環境や思想に合わせて選ぶのがよいでしょう。今回紹介するリストは、唱えた際のバリューが安定している《至高の評決》に寄せています。
《自然のままに》
《減衰球》対策。《耐え抜くもの、母聖樹》の追加をイメージしています。《萎れ》や《自然への回帰》のような2マナ以上のアーティファクト破壊は《耐え抜くもの、母聖樹》の劣化です。それらを採用するくらいなら《耐え抜くもの、母聖樹》を増やしましょう。
1マナだと《睡蓮の原野》+《演劇の舞台》(コピー)の返しに《減衰球》を置かれたとしても、縦置きの緑マナ→《自然のままに》ですぐに6マナがアクティブになるのが嬉しいです。とはいえ、基本的には《耐え抜くもの、母聖樹》で足りると考えているので、追加は1枚のみに抑えています。
《真髄の針》
《大いなる創造者、カーン》と《パルヘリオンⅡ》対策。《大いなる創造者、カーン》で《減衰球》をサーチされてはいおしまい、ならどれだけよかったことか…生き残った《大いなる創造者、カーン》は、今度は《真髄の針》(《耐え抜くもの、母聖樹》指定)や《王神の立像》でより強固にハメてきます。
《大いなる創造者、カーン》1枚に最低でも2枚の《耐え抜くもの、母聖樹》や《自然のままに》を要求されますし、生き残ればさらに必要です。その上で相手の動きがないこと、そしてこちらの準備を進めなければならない。そんなことは不可能です。というわけで、先手を打って対処できる《真髄の針》がベストと判断しました。
また、ほかに有効なサイドのないパルヘリオンに対してもサイドインを想定しています。対パルヘリオンに関しては《真髄の針》がベストとは言い難いですが、これ以上は対策に枠も割けないので妥協点という感じです。
不採用カード
《願いのフェイ》
一般的には採用されているカードですが、私は不要だと判断しています。《首謀者の収得》と合わせて勝ち手段に繋がるカードを2枚採用したいという気持ちも分からなくはないですが、素引きしたときの弱さが耐えられません。
その思想であれば、まずは《首謀者の収得》の2枚目を優先するべきだと思いますが、そういった“保険”的な要素はコンボデッキを弱くする考えだと思っています。なので、最低限の《首謀者の収得》1枚を除いて、この手のカードはすべて廃しています。
《時を越えた探索》
《睡蓮の原野》設置前に唱えるなら《可能性の揺らぎ》や《森の占術》が望ましく、《睡蓮の原野》設置後に唱えるなら《熟読》や《出現の根本原理》のほうが優れています。足回りを整えるにしては重く、必殺技としては中途半端と感じたので不採用です。
《深淵への覗き込み》
大規模ドローソースとして近い役割の《来世の警告》と比べると、「ライフが少ないときに唱えられない」「《覆いを割く者、ナーセット》に引っ掛かる」というデメリットがあります。ライフについては4→2になったために《砕骨の巨人》に削られる、ということもありえますが、そこまで頻発する状況ではないと思っています。
どちらかというと《覆いを割く者、ナーセット》で止まるデメリットを重く受け止めています。強力な呪文であることは間違いないですが、近しい役割の《来世の警告》がより優れているので残念ながら不採用としました。
《感電の反復》
相手の《ドビンの拒否権》を突破する仕掛けとしては優れていますが、単体で機能しないのがネックです。青系コントロールのようなゆっくりパーツを集められるマッチアップでは強力ですが、ロータスコンボはマリガンが多く、少ない手札で戦うことも多いため、そういった展開では弱い点が気になったので不採用です。
《思考のひずみ》
イゼットフェニックス、アゾリウスコントロールに対して強烈なメタカードになります。ただ、これらの相手はロータスコンボに対して《思考のひずみ》を狙い打ちするために《ナーセットの逆転》を採用していることが多いです。
これらのデッキはもとから有利な相手なため、《思考のひずみ》を採用することによって無駄なリスクを負う必要はないと判断して不採用としました。
《神聖の力線》
ロータスコンボはマリガンで《睡蓮の原野》を探すので、ほかのデッキに比べるとマリガン回数が多くなりがちです。それに加えて、さらにハードマリガンが前提となるような《神聖の力線》を追加するのは疑問が残ります。
サイド後は《減衰球》を乗り越える必要もある=《耐え抜くもの、母聖樹》や《自然のままに》用に《睡蓮の原野》以外の普通に色マナが出る土地も必要になるため、手札枚数は重要になります。
《神聖の力線》で手札破壊を乗り越えても、結局は《減衰球》にハマったら意味がありません。同じ思想であれば、対策の対策を探しに行ける追加のドローソースのほうが優れていると判断し不採用としました。
《精霊龍、ウギン》
追加フィニッシャーとして長らくロータスコンボのサイドボードに定着していたプレインズウォーカーですが、今回は《原初の災厄、ザカマ》に枠を譲りました。《原初の災厄、ザカマ》は《精霊龍、ウギン》と異なり、《傑士の神、レーデイン》《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》の影響を受けません。
また、《耳の痛い静寂》がある状態でも《原初の災厄、ザカマ》なら《見えざる糸》経由で唱えられますが、《精霊龍、ウギン》ではそうはいきません。これらが採用される白系アグロに対しては《原初の災厄、ザカマ》のほうが優れています。
同じく、赤系アグロの場合も顕著です。サイド後は《乱動する渦》を乗り越える必要があるので《出現の根本原理》を抜いてフィニッシャーを変えたいところですが、《精霊龍、ウギン》では《バグベアの居住地》や速攻クリーチャーに殴り倒されたり、《精霊龍、ウギン》を無視して直接火力で突破されたりとあまり効果的ではありません。
しかし、《原初の災厄、ザカマ》ならその強靭な肉体(9/9 警戒/トランプル/到達!!)から《バグベアの居住地》に殴り返される心配はないですし、《乱動する渦》も割れますし、直接火力に対してもライフゲインで安心です。完璧すぎる。
前述のアグロが存在する現在のメタゲームで考えるなら、《精霊龍、ウギン》よりも《原初の災厄、ザカマ》のほうがよいと考えています。
プレイ指針
《出現の根本原理》を唱えろ!
十分な数の《睡蓮の原野》とマナ加速(《見えざる糸》《砂時計の侍臣》《熟読》など)があれば、色マナはガバガバになるので適当にやってもなんとかなります。しかし、《睡蓮の原野》が1つしかなかったり、マナ加速が1種1枚しかない場合などは、しっかりと色マナを管理しないと《出現の根本原理》は唱えられません。
ポイントは「最初にを浮かせる」「は最後に出す」の2点です。マナ加速の3種(《見えざる糸》《砂時計の侍臣》《熟読》)はどれも青マナ+不特定マナで唱えられます。
なので、最初に《睡蓮の原野》からを出しておき、そのうちの1つのを使いながらマナ加速を行うと、が浮きます。このには最後の《出現の根本原理》を唱えるまでは触れないでおきましょう。
緑マナは道中で意識する必要はありません。最後の《睡蓮の原野》で出すようにしましょう。
マナ計算を素早く行う
何をどうすればマナが増えるのか、というのは決まっています。たとえば《睡蓮の原野》が2つある状況では《見えざる糸》なら4マナ増えますし、《熟読》なら1マナ増えます。
そのため、「いま使える総マナを数える(見た目で出せるマナ数+マナ加速で増えるマナ数)」→「そこから何ができるか」という順で考えるやり方がオススメです。色マナについては上手く調整すれば出るケースがほとんどなので、まずは総数で考えるとよいです。
例1
考え方:戦場で6マナ、《砂時計の侍臣》で+1マナ、《見えざる糸》で+4マナ。合計で11マナ出せる状態です。《首謀者の収得》で4マナ使うので、7マナ以下の好きなカードを唱えられます。つまり《出現の根本原理》をサーチして唱えられるのでは?
手順
①. 1つの《睡蓮の原野》からを出し、を使って《砂時計の侍臣》を「サイクリング」して《睡蓮の原野》1つをアンタップ。(※マナ・プール:)
②. 2つの《睡蓮の原野》から+を出し、+を使って《見えざる糸》を唱えて《睡蓮の原野》2つをアンタップ。(※マナ・プール:+)
という感じになります。ちょっと複雑に見えるかもしれませんが、総コストを数える→使う予定の色マナを数えるという手順で考えれば思考をかなりショートカットできます。
例2
考え方:戦場で4マナ。《砂時計の侍臣》で+1マナ。《見えざる糸》で+2マナ。合計で7マナ。つまり《出現の根本原理》を唱えられるのでは?
手順
①. 《睡蓮の原野》+《植物の聖域》から+を出し、を使って《見えざる糸》を唱えて《睡蓮の原野》+《植物の聖域》をアンタップ。(※マナ・プール:)
②. 《睡蓮の原野》+《植物の聖域》から+を出し、を使って《砂時計の侍臣》を「サイクリング」して《睡蓮の原野》をアンタップ。(※マナ・プール:+)
《睡蓮の原野》が1つしかない場合でも、十分なマナ加速があれば《出現の根本原理》を唱えられるケースです。
相手が高速アグロであったり、緑単信心のような《大いなる創造者、カーン》→《減衰球》が見えている場合はスピード勝負になるので、悠長に《演劇の舞台》のコピーを待てない展開ではこのようなケースも発生します。
ただし、例のように《睡蓮の原野》の隣の土地は色マナが出るものでないとダメです。《爆発域》のように色マナが出ない土地の場合、色マナが不足してしまいます。
《出現の根本原理》を極めろ!
ロータスコンボでもっとも難しいとされるのがこの《出現の根本原理》です。どんな組み合わせで選べばよいのか、また相手視点で何を戻せばよいのか不明瞭な部分が多く、ハードルが高いです。なので、使う側/使われる側の両視点で具体的に解説していきます。
①《睡蓮の原野》が2つ以上ある場合
完璧に準備が整った場合です。最低でもこのパターンだけは覚えましょう。
これが基本パターンです。特に理由がない限りはこの組み合わせで選びましょう。ただし、追加条件として「青1マナが浮いている」ことが必要になります。このパターンは相手視点では諦めるしかありません。何を選んでも負けです。
《全知》状態で好きなカードを3枚をサーチ。流石に何をやっても勝ちです。
《闇の誓願》で《出現の根本原理》をサーチ。《全知》設置後に再び《出現の根本原理》を唱えられます。つまり、1枚目の《出現の根本原理》を唱えたときから《全知》が追加された状態です。流石にこれがダメなのは直感的に理解できるでしょう。
好きなカード4枚+が出ます。「《見えざる糸》《見えざる糸》《全知》《出現の根本原理》」と持ってくれば、最初から浮いていた青マナと《闇の誓願》で増えた黒マナを使って《見えざる糸》×2枚から追加で8マナ増えるので、そこから《全知》を設置→再び《出現の根本原理》を唱えられます。
結果的にすべて同じような状況になります。2回目の《出現の根本原理》は《首謀者の収得》や《熟読》《溺神の信奉者、リーア》などのデッキに残っている強力なカードを適当に選べばよいでしょう。実質8マナ始動(《出現の根本原理》+青1マナ)なので、浮きマナ次第では選べない組み合わせですが、条件が整った状態で唱えられれば確殺です。
[パターン1]の場合は、浮きマナに青マナが1つ以上ある状態で《出現の根本原理》を唱えられれば、どの組み合わせでも確殺になります。しかし、《睡蓮の原野》×2 + 《砂時計の侍臣》で《出現の根本原理》を唱えたときのように、浮きマナがない場合も考えられます。その場合はこのパターンを選ぶのが良いでしょう。
相手視点で何を戻すかですが、これは《来世の警告》一択です。《来世の警告》を戻さないとどうなるかは以下の通りです。
当然勝ちです。流石にこうはならないでしょう。
《熟読》で6マナ起きた状態で好きなカードが3枚が手に入ります。《来世の警告》で「《見えざる糸》《全知》《出現の根本原理》」を持ってくると、《見えざる糸》で4マナ増えるので《全知》を設置できます。そこから再び《出現の根本原理》を唱えることができます。つまり、初期状態から《全知》が増えた状態で《出現の根本原理》が唱えられます。
と、このように《来世の警告》が含まれると確定で敗北します。つまり選択肢はありません。
なので、《来世の警告》を戻して《全知》と《熟読》を渡すしかないのです。《全知》が渡されたらほぼ負けでは?と思うかもしれませんが、意外と手札になにもない場合もあります。《熟読》の3枚ドロー次第では《全知》が無駄になることもありえます。
もちろん、手札に追加の《出現の根本原理》のような必殺技を持たれている状況は確定で負けますし、《可能性の揺らぎ》や《バーラ・ゲドの復活》ですら再抽選になってしまいます。その場合は諦めるしかありません。これが《出現の根本原理》のフィニッシャーとしての強さです。
[パターン3]《溺神の信奉者、リーア》/《来世の警告》/《熟読》
《全知》は必ずしも必要ではありません。マナが十分に出る状況であれば、《溺神の信奉者、リーア》も強烈なマナ加速+リソースになります。なので、《闇の誓願》などのパーツを引いてしまい、[1]の確殺パターンが選べない場合はこのパターンにしましょう。
ただし、《溺神の信奉者、リーア》+《来世の警告》になったときにマナが増やせないとそこで止まってしまうため、「青を含む2マナが浮いてる(=《来世の警告》でサーチする《見えざる糸》が唱えられる)」という追加の条件が必須になります。
結局、このパターンも相手視点では《来世の警告》を選ぶしかありません。《来世の警告》はとんでもないカードです。覚えておきましょう。
《溺神の信奉者、リーア》+《来世の警告》を唱える場合
《来世の警告》で「《見えざる糸》《全知》《出現の根本原理》」と持ってくれば、《溺神の信奉者、リーア》の「フラッシュバック」込みで《全知》を置いた状態で《出現の根本原理》が唱えられます。どこがで見たような光景ですね。勝ちです。
これもどこかで見たことあるパターンですね。6マナ浮いて好きなカードが3枚あったら何をやっても勝てます。
《熟読》+《溺神の信奉者、リーア》を唱える場合
追加のリソースや必殺技次第になります。最低でも《熟読》が2回唱えられるので、追加のドローソースがあればさらに掘り進められますし、《見えざる糸》があればさらにマナを確保できます。少なくとも《全知》+《熟読》になるよりはチェインしやすいので、[パターン2]よりは優れた組み合わせと言えるでしょう。
②《睡蓮の原野》+《砂時計の侍臣》の場合
基本的には①に近いですが、《熟読》でマナが増えません。《見えざる糸》の場合は《砂時計の侍臣》を対象に取れるので増えるマナ数は同じです。なので、《熟読》を絡めない組み合わせで選ぶのがよいでしょう。
そのため、①-[パターン1]と同じパターンである「《全知》/《来世の警告》/《闇の誓願》」がベストです。上記では決まらない(特定のパーツを引いてしまった、浮きマナがないなど)場合、①-[パターン3]のように《溺神の信奉者、リーア》に差し替えるのがよいでしょう。
《溺神の信奉者、リーア》は組み合わせにおけるジョーカー的な存在で、マナ加速にもリソースにもなり得ます。ただし、墓地が十分に貯まっていなかったり、相手が除去を構えているときには無力なため、それらをケアしようとするとどうしても優先順位は下がります。
③《睡蓮の原野》が1つの場合
無理やり動いた場合です。対アグロなど、5ターン目が来ない場合には4ターン目にこのように不完全な状態からでもコンボをスタートせざる得ません(※実践を想定するため、戦場には《植物の聖域》があると想定します)。
この場合は確殺のパターンは存在しません。完走の条件も厳しくなります。《熟読》でマナは増えませんし、《見えざる糸》は2マナしか増えないので大量に必要になります。
《睡蓮の原野》が1つの場合はマナが不自由なため、基本的に組み合わせに《全知》は必須です。《全知》が設置できれば《睡蓮の原野》の枚数は関係なくなります。
次点でマナ加速としてカウントできる《溺神の信奉者、リーア》《来世の警告》《熟読》が候補です。なので、基本的には《全知》+《溺神の信奉者、リーア》《来世の警告》《熟読》から2種類を選ぶことになります。
相手視点でも《睡蓮の原野》が1つしかない=マナに不自由している点は目に見えているので、手札が0枚でない限りは《全知》が戦場に出ることはほぼありえません。逆に考えると《全知》以外の残り2種が確定で唱えられるので、そこでなにが通ったら勝てるのか?を考えるのがよいでしょう。
初期状態で2マナ以上浮いていれば、《来世の警告》で「《見えざる糸》《見えざる糸》《全知》」と持ってきて《全知》が設置できます。この場合、《熟読》の3ドロー次第にはなってしまいますが、むしろ4ターン目にこの状況を迎えられたことに感謝しましょう。
ただ、《睡蓮の原野》が1枚でそこまで浮きマナに余裕がある状況は考えにくいため、このパターンになることは少ないです。
《溺神の信奉者、リーア》+《来世の警告》を唱える場合
この場合も初期状態で2マナ浮いている必要がありますが、《来世の警告》で「《見えざる糸》《見えざる糸》《全知》」と持ってきて《全知》を設置できます。墓地に呪文が貯まっている場合は《溺神の信奉者、リーア》を駆使しての完走がありえます。とはいっても、4ターン目の墓地がそこまで強いかと言われると…
《熟読》+《溺神の信奉者、リーア》を唱える場合
《睡蓮の原野》が1枚で《出現の根本原理》を唱えた場合、浮きマナがないことがほとんどだと思います。その場合はこのパターンを選ぶしかありません。《熟読》のドローと残りの手札次第になります。《見えざる糸》《砂時計の侍臣》を重ねて引くなどの上振れが必要になります。余裕のない状況でスタートしたのですから、こればっかりは仕方ないです。
③は初期条件が厳しく、ドロー次第になってしまう部分も多いです。厳しいように思えますが、逆にこのパターンが安定してしまったら《演劇の舞台》が不要の4キルデッキになってしまうので、流石にWizardsから見逃されないでしょう。
今回の例のほとんどは、デッキにすべてのカードが残っている前提で考えています。実践ではどれかを引いてしまっている場合も大いに考えられます。
それらをすべて網羅することはできませんが、1枚欠けくらいであれば代用が効くパターンも多いです。ある程度のパターンを把握しているだけでも実践での思考時間を短くできますので、パターン化して覚えられる部分は覚えておきましょう。
《睡蓮の原野》と《演劇の舞台》、どっちを先に置く?
ロータスコンボは《睡蓮の原野》を2つ並べることで本領を発揮します。なので、基本はそれを目指すことになります。
《睡蓮の原野》と《演劇の舞台》を両方とも持っていた場合は、どちらから置くか選択肢があります。
[1] 3ターン目に《睡蓮の原野》→4ターン目に《演劇の舞台》をプレイ
[1]の場合、3ターン目に2マナ、4ターン目に1マナが使えます。
3ターン目には《可能性の揺らぎ》や《森の占術》に当てられます。
4ターン目に《砂時計の侍臣》を絡めると2マナ使えるようになるので、そこで《見えざる糸》→《熟読》と動くパターンが生まれます。基本的はこちらの方がマナを使いやすいです。
[2]の場合、3ターン目に3マナ使えますが、4ターン目は一切マナを使えません。
3ターン目にまるっと3マナが使えるので、《砂時計の侍臣》を素出しする場合はこのパターンしかありません。《砂時計の侍臣》の素出しは、次のターンに使えるマナが爆発的に増えますし、《睡蓮の原野》が1枚でもゲームを決められます。スピード勝負で重要なプレイになるので、そういった展開では[2]を狙いましょう。
また、[1]は《睡蓮の原野》を先に置く関係上、《減衰球》に引っかかるターンが早いというデメリットがあります。《減衰球》が置かれると先に《減衰球》を破壊しなければならないため、《演劇の舞台》のコピーが遅れてしまいます。
[2]のように先に《演劇の舞台》を置くと、返しに《減衰球》を置かれた場合は《睡蓮の原野》を置くのを遅らせられますし、一旦放置されれば、次のターンに《睡蓮の原野》を設置&《演劇の舞台》でコピーを済ませておくことで、《減衰球》を破壊できたときにすぐに3マナ×2が使える状態になります。
そのため、メイン戦のように効率を重視するなら[1]を、サイド後などの《減衰球》が想定される場合は[2]がよいでしょう。もちろん、メイン戦でも《砂時計の侍臣》を絡めた4ターンキルを狙う場合は[2]でしか受からないので、この辺りは臨機応変に判断しましょう。
《演劇の舞台》を使いこなせ!
《演劇の舞台》は土地をコピーする土地です。ロータスコンボでは基本的に《睡蓮の原野》をコピーしますが、それ以外にも“小テク”が多く存在します。
一旦、《演劇の舞台》で基本土地をコピーしておくと、《耐え抜くもの、母聖樹》《廃墟の地》で破壊されなくなります。これにより、安全に《演劇の舞台》で《睡蓮の原野》をコピーできるようになります。
ただし、《演劇の舞台》のコピーで2ターンを使うため、
②相手が《廃墟の地》を採用している
③基本土地が戦場に存在する
と限られた場合にしか活きないプレイではありますが、条件がそろった際には積極的に狙いましょう。
ほかにも《演劇の舞台》は相手の《ロークスワイン城》《ヴァントレス城》をコピーして長期戦に備えたり、《ストーム・ジャイアントの聖堂》《変わり谷》をコピーしてブロッカーを増やしたりなど、必ずしも《睡蓮の原野》をコピーするのが正しいわけではありません。どれも頻発するケースではないですが、頭の片隅にでも覚えておきましょう。
マリガンで戻す土地は?
《睡蓮の原野》を置く都合上、ほとんどの場合において最初に置いた2枚の土地は生け贄に捧げることになります。
「生け贄に捧げるなら適当でいいか~」と思った人。ちょっとだけ待ってください。少しだけ意識したほうがよいです。
《バーラ・ゲドの復活》は手札に残したほうがよい土地です。墓地にある限りは土地ではなく呪文なため、《溺神の信奉者、リーア》が出たときに唱えられる呪文の数が増えますし、《闇の誓願》の「魔巧」の達成に寄与します。
ただし、《バーラ・ゲドの復活》は呪文なので《思考囲い》で落とされてしまうデメリットもあります。先手であれば気になりませんが、後手の場合はリスクが上回ってしまうので、その限りではありません。もちろん、サイド後などの相手のデッキが分かっている(=《思考囲い》の有無が確定している)場合も同様です。
《繁殖池》《島》はデッキに戻したほうがよい土地です。《耐え抜くもの、母聖樹》や《廃墟の地》などの基本土地(と土地タイプを持った土地)をサーチさせるカード用にデッキに残っていたほうがよいです。
《減衰球》にビビるな!
ロータスコンボを憎む者たち(…)の手によって産み出された悪魔の兵器。それが《減衰球》です。置かれたら最後、《睡蓮の原野》は無色1マナしか出なくなります。生け贄に捧げた2枚の土地も帰ってきません。終わりです。
かつてのロータスの戦士たちは《減衰球》に辛酸を舐めさせられる日々を過ごしていました。しかし、我々は立ち上がりました。《耐え抜くもの、母聖樹》という新たな武器を携えて。
冗談はさておき、たしかに《耐え抜くもの、母聖樹》で《減衰球》に耐性は付きましたが、だからと言って《減衰球》を無視できるようになったかというとそんなことはありません。ラクドスサクリファイスやアゾリウスコントロールのようにゲームスピードの遅い相手は、《減衰球》を設置するとさらに遅くなるため、対策カードを集める時間がある=ケアしやすいです。
しかし、白単アグロや赤単アグロのようにどれだけ遅くても5ターンで締めてくる相手は、目の前のクロック+《減衰球》の対処を迫られるため、ケアはほぼ不可能です。
ケアができないならどうするのか。そう、割り切るのです。出されないことを祈って《睡蓮の原野》を戦場に送り込む。これが一番勝率を担保できます。
ビビッて《睡蓮の原野》を遅らせた結果、普通に殴りきられて負けるのが一番くだらない負け方です。やってる側も見ている側もため息しか出ません。ならば《減衰球》を踏む覚悟で飛び込みましょう。置かれなければそのまま勝てますし、置かれたら《減衰球》を憎みましょう(試合は負けです。諦めましょう)。
マリガン判断
本項ではマリガン判断について解説します。
キープ/マリガンは以下の基準を満たすかどうかで判断します。といってもロータスコンボは《睡蓮の原野》《演劇の舞台》を使ったコンボデッキであり、《睡蓮の原野》がなければデッキとは呼べない代物です。
要するに“《睡蓮の原野》《演劇の舞台》に繋がるか否か”の一点のみを考えればよいです。ミッドレンジようなふんわりとしたキープはありません。
判断基準
5ターン目までに《睡蓮の原野》と《演劇の舞台》のコピーを済ませられる手札(+生け贄用の土地2枚)でなければダブルマリガンまではオート。ダブルマリガン以降は《睡蓮の原野》(+生け贄用の土地2枚)のみでもキープ。
ただし、《見えざる糸》《砂時計の侍臣》が重なっている手札は《睡蓮の原野》のみでもキープ。私の体感では1マッチ2~4回はマリガンします。7枚でキープできることのほうが少ないです。それくらいの認識でよいでしょう。
単体でキープ:《睡蓮の原野》/《森の占術》
《睡蓮の原野》本体とそれをサーチする《森の占術》はベストです。この2種があればほぼキープでしょう。ただし、生け贄に捧げられる土地が1枚以下の場合はマリガンになります。
《睡蓮の原野》も戦場に出せなければただの紙です。その1枚の土地が《神秘の神殿》だと悩みどころですが、7枚なら1回はマリガンしたほうがよいでしょう。
組み合わせ次第でキープ
7枚の場合はこれら単体でキープすることはありません。マリガン後はこの辺りの組み合わせでキープするようになります。とはいえ、ロータスコンボは《睡蓮の原野》が2枚揃そろっていれば手札の枚数はあまり関係ないので、明らかに《睡蓮の原野》に繋がる見込みのない手札はダブルマリガン、トリプルマリガンしたほうがよいでしょう。
《見えざる糸》《砂時計の侍臣》は単体では《睡蓮の原野》に繋がるわけではないですが、仮に《睡蓮の原野》が1枚であっても《出現の根本原理》を唱えられる可能性のあるマナ加速なので、ほかのあらゆるカードよりも価値が高いです。
以下、サンプルとしていくつかのCaseでマリガン判断を考えます。
これらはすべてメイン戦を前提としています。サイド後は相手に合わせて対策の有無などと組み合わせて考えてください。
サンプルハンド
Case 1
Case 2
Case 3
Case 4
Case 5
サイドボーディング&マッチアップガイド
本項では主要なマッチアップのサイドボーディングについて解説します。
ラクドスミッドレンジ
vs. ラクドスミッドレンジ
メイン戦:有利
妨害は《思考囲い》の4枚程度しかなく、クロックも2ターン目に唱えられる能動的なクリーチャーが《税血の収穫者》《しつこい負け犬》の4~6枚程度しかありません。妨害も薄くクロックも低い相手は大得意です。後手の5ターンキルも余裕で間に合います。
サイド後:五分
世の中の認識では有利とされているかもしれませんが、私の体感では意外と五分です。ラクドスミッドレンジがロータスコンボに対して取るプランは以下の3つがあります。
1. ライフを詰める
2. 手札を絞る
3. 《減衰球》でハメる
ロータスコンボ視点ではどのプランでくるかを判断できないため、全プランにアジャストするのは不可能です。
結果、手札破壊には強いが遅めの手札をキープしたら普通に《税血の収穫者》《墓地の侵入者》にライフを詰められて負けたり、《減衰球》に触れる手札をキープしたら《思考囲い》《真っ白》《死の飢えのタイタン、クロクサ》で手札を絞られて《減衰球》対策を浮かされたまま負けたりとさまざまな負け方。
キープが噛み合ったときはロータスコンボ側が勝利しますが、それ以外はラクドスミッドレンジ側が勝つ展開になりやすいです。とはいえ、メインはほぼ必勝であることと、ラクドスミッドレンジがサイド後に2本取り返さなければならない(そして、1本は必ず後手になる)ことを考えると、マッチ単位ではやはりロータスコンボ側に分があると考えています。
《原初の災厄、ザカマ》は特段このマッチで強力というわけではないですが、勝ち手段が《首謀者の収得》だけだと《真っ白》や《墓地の侵入者》で除外されると詰む可能性があるので、リスクを減らす意図で追加します。
イゼットフェニックス
vs. イゼットフェニックス
メイン戦:有利
ロータスコンボから見たら、イゼットフェニックスはリソースが増えるだけの鈍足ミッドレンジ~コントロールです。妨害も除去に寄っているため、ほとんどこちらの行動を阻害されません。5ターンキルでも十分間に合うので、メイン戦に関してはほとんど落とすことはないでしょう。
サイド後:有利
速度もブロッカーも不要なので《樹上の草食獣》はサイドアウトします。《神秘の論争》は仕掛けの際にも相手のクロックを弾く際にも強力です。イゼットフェニックスが追加するサイドカードも打ち消しがほとんどなので、相性はほとんど変化しません。
《至高の評決》は必須ではありませんが《樹上の草食獣》よりはマシです。サイド後は《弧光のフェニックス》が道中で帰ってくることは少なくなります。フルタップで返せるターンが序盤の数ターンしかなく、そのタイミングで《弧光のフェニックス》を墓地に落としつつ呪文を3回唱えるのはハードルが高いです。結果、4ターン目前後からは打ち消しを構えながら《若き紅蓮術士》や《帳簿裂き》で攻めてくる展開が多くなるので、《至高の評決》がクリーンヒットしやすくなります。
アゾリウスコントロール
vs. アゾリウスコントロール
メイン戦:有利
お互いにやることは明確です。ロータスコンボは《睡蓮の原野》をそろえて重量級呪文を順番に唱える。アゾリウスコントロールは《放浪皇》や《サメ台風》で素早くライフを詰める。
ロータスコンボには《神秘の論争》のようなバックアップがないため、結局は順番にカードを唱える以外にやることがありません。アゾリウスコントロールもメイン戦では腐りやすい除去がそこそこ入っているので、意外と《出現の根本原理》がポンと通ります。
メインには青のみで唱えられる確定打ち消しがないことが多いため、《見えざる糸》で青/白マナの片方を寝かせると呪文が確定で通るようになります。《ドミナリアの英雄、テフェリー》の返しなどがチャンスです。意識して狙いましょう。また、《見えざる糸》を相手の土地を対象に唱えたいため、《睡蓮の原野》は3つ用意しておくと安心です。《演劇の舞台》をかき集めましょう。
サイド後:有利
サイド後は不要な除去が抜けて打ち消しやフィニッシャーが増えますが、こちらも不要な《樹上の草食獣》が《神秘の論争》に代わるので、大きな相性の変化はありません。
《即時却下》や《ナーセットの逆転》といったコンボに強い打ち消しがあったとしても基本的な戦い方は変わりません。《放浪皇》や《サメ台風》を強く使われないように立ち回りつつ、重量級呪文を《神秘の論争》のバックアップで通していきましょう。
緑単信心
vs. 緑単信心
メイン戦:不利
《ラノワールのエルフ》《エルフの神秘家》に一切触れず、当然《ビヒモスを招く者、キオーラ》もノータッチです。相手に好き放題動かれるため、3ターン目に《大いなる創造者、カーン》+《減衰球》と動かれる展開も少なくはないです。
ロータスコンボは安定5ターンキルデッキです。流石に3-4ターン目の展開に間に合うほどのスピードはありません。都合よく先手で4ターンキルできる場合でのみ勝てる可能性はありますが、基本は無抵抗のまま《減衰球》を置かれて悲しい気持ちになります。
サイド後:微不利
《可能性の揺らぎ》を大量に抜いて大丈夫か?と思うかもしれませんが、全然大丈夫ではありません。が、リスクを負わなければ緑単信心には勝てません。それくらい不利なマッチアップです。
緑単信心との戦いはスピード勝負 or 《真髄の針》になります。《樹上の草食獣》を経由した場合・《真髄の針》を設置する場合、いずれも《睡蓮の原野》の設置までに2マナのカードを唱えられるタイミングがほとんどありません。
《森の占術》があれば《森の占術》を優先するため、《可能性の揺らぎ》が浮く展開になりがちです。安定感は落ちますが、安定して回っても勝てなければ意味がないです。ならばリスクを負ってでもスピード勝負を挑みましょう。
《真髄の針》で《大いなる創造者、カーン》を指定すれば、《減衰球》を持ってこられて詰むパターンも減ります。緑単信心は展開こそ優れているものの、意外とクロックは低いのでライフを削るスピードは遅く、《真髄の針》が置けたのなら5ターンキルも間に合います。
とは言って基本はスピード勝負です。《睡蓮の原野》が1枚でも仕掛けることを意識しましょう。
ボロスヒロイック
vs. ボロスヒロイック
メイン戦:無理
無理です。諦めましょう。奇跡が起きることを祈るしかありません。
一応、《湧き出る源、ジェガンサ》が見えたらボロスヒロイックの可能性が高いと判断はできますが、だからなんだという感想しか出ません。むしろイゼット果敢やジャンドサクリファイスのように、《湧き出る源、ジェガンサ》を使う別デッキであることを祈ったほうが勝率を担保できるレベルです。3ターン目にライフが1桁まで落ちる様を眺めて、その返しにデッキを畳んでサイドボーディングに向かいましょう。
サイド後:無理
メイン戦では手も足も出ませんが、サイド後なら…と言いたいところですが、変わりません。無理です。目の前に現れないことを祈りましょう。
ラクドスサクリファイス
vs. ラクドスサクリファイス
メイン戦:有利
ロータスコンボ視点ではラクドスミッドレンジとほとんど同じです。《魔女のかまど》《魔女の使い魔》《波乱の悪魔》とそろった場合は爆速でライフが削られますが、それ以外のパターンはむしろラクドスミッドレンジと比較にならないほど遅いです。
特に気にせずこちらのやりたいことをやれば勝てます。
サイド後:有利
サイド後もラクドスミッドレンジと同じです。マナ加速&ブロッカーが不要なので《樹上の草食獣》を抜き、置き物破壊とドローソースを追加するのみです。
赤単アグロ
vs. 赤単アグロ(《鍛冶で鍛えられしアナックス》型)
vs. 赤単アグロ(それ以外)
メイン戦:五分
五分というのは相性云々ではなく単純に速度勝負という意味で、要するに先手ゲーです。世間の認識ではロータスコンボは赤単アグロに対して不利というイメージを持たれているかもしれませんが、相手からの干渉手段がない場合は単純な速度勝負になり、余計なことを考えずに済むので案外やりやすいです。
サイド後:五分
《鍛冶で鍛えられしアナックス》型の場合、《至高の評決》があまり有効ではないためサイドインしません。そうなると枠もあるため、メインの《出現の根本原理》プランをそのまま狙います。《乱動する渦》は頑張って《自然のままに》《耐え抜くもの、母聖樹》で対処しましょう。
非《鍛冶で鍛えられしアナックス》型の場合、《至高の評決》をサイドインします。この場合、枠がカツカツになるため、フィニッシャーは《原初の災厄、ザカマ》に切り替えます。
青単スピリット
vs. 青単スピリット
メイン戦:微不利
コンボデッキがクロックパーミッションを苦手としているのは紀元前から変わりありません。《執着的探訪》からハメられてあっさり負けることはよくあることです。割り切ってやれることをやりましょう。
《霊廟の放浪者》は《森の占術》や《可能性の揺らぎ》を積極的に投げてどんどん踏んでいきましょう。《霊廟の放浪者》が残っているほうが、後々の《出現の根本原理》にも響きます。《砂時計の侍臣》も戦場に送り出して《鎖霊》でタップしてもらいましょう。とにかくクロックを下げて生き延び、後は重量級呪文のどれかが通ることを祈りましょう。
サイド後:五分
メイン戦は対処方法もなく、相手の動き次第ではボコボコにされてしまうでしょう。が、サイド後は《神秘の論争》や《至高の評決》といったクリティカルなカードが追加されます。
このマッチもロータスコンボが不利と言われていますが、私は意外とそうでもないと思っています。《樹上の草食獣》で飛行がガッチリ止まって《執着的探訪》が上手く使えなかったり、それを越えるために横に並べたら《至高の評決》がクリーンヒットしたりなどなど。
フィニッシャーは《原初の災厄、ザカマ》に切り替えます。《出現の根本原理》は《霊廟の放浪者》に阻まれやすく、また《至高の評決》を入れる際に枠を取ってしまうためです。
アブザンパルヘリオン
vs. アブザンパルヘリオン
メイン戦:不利
お互いに両腕振り回してよーいどんのかけっこです。早い方が勝ちます。ロータスコンボは5ターンキル、アブザンパルヘリオンは4ターンキルです。大体はアブザンパルヘリオンのほうが早いです。転ばないと勝てません。要するに不利です。
サイド後:不利
《真髄の針》で《パルヘリオンⅡ》を指定しても、《エシカの戦車》に乗られるパターンがあります。そもそも《真髄の針》が《ウィザーブルームの命令》で破壊されたり。
じゃあ焼け石に水じゃないか!と思うかもしれませんが、4ターンキルがなくなるだけでも価値あります。こっちも目指せ4キルです。それすらも間に合わないことはありますが、仕方ありません。不利マッチとはそんなものです。
白系アグロ
vs. 白系アグロ
メイン戦:不利
白系アグロ=《スレイベンの守護者、サリア》《エメリアのアルコン》を使うアグロと想定しています。これらのヘイトベアを乗り越えながら《出現の根本原理》を唱えるのは至難の業です。
どちらも出ない展開は逆に《サリアの副官》《光輝王の野心家》《輝かしい聖戦士、エーデリン》に爆速でライフを削られているので、どちらにせよ無理な展開です。《樹上の草食獣》が絡むか《砂時計の侍臣》《見えざる糸》を重ねて引く、といった4ターンキルが最低限です。5ターンキルでは到底間に合いません。
サイド後:微不利
フィニッシャーを単体完結している《原初の災厄、ザカマ》に切り替えます。《スレイベンの守護者、サリア》《エメリアのアルコン》《傑士の神、レーデイン》の上から《出現の根本原理》を唱えるのはほぼ不可能です。
《原初の災厄、ザカマ》は着地さえすれば一瞬で戦場を制圧できますし、後続のミシュラランドや速攻クリーチャーに対しても耐性があります。《エメリアのアルコン》や《スレイベンの守護者、サリア》にも強く出られますので、そこまでは《至高の評決》を駆使してなんとか生き延びましょう。
…が、頑張ったところで不利なものは不利です。普通に4キルされて終わることも多々あります。そんなものだと割り切りましょう。悩み過ぎても解決しないものはしません。
ロータスコンボ対策
本項ではロータスコンボ対策について紹介します。効く対策・意外と効かない対策といろいろありますので、どの程度効くのかの影響度もあわせて紹介します。
《減衰球》 影響度:★★★∞★★★
最強。無敵。これ以上の対策はありません。本気で勝ちたいなら取りましょう。《耐え抜くもの、母聖樹》でケアできることもありますが、大体はドはまりして無残に散ります。
《夢を引き裂く者、アショク》 影響度:★★★★
大量のサーチが死に札になります。詰みます。墓地追放はどうでもよいのですが、山札から《出現の根本原理》のパーツがランダムで抜かれるのも厳しいです。
《エメリアのアルコン》 影響度:★★★★
呪文を唱えるのにターン1の制限が掛かり、基本でない土地がタップインします。《睡蓮の原野》→《演劇の舞台》の順番に置こうとすると、《演劇の舞台》がタップインしてとんでもないことになります。《エメリアのアルコン》が想定されるマッチアップでは、必ず《演劇の舞台》→《睡蓮の原野》の順番に設置しましょう。
《出現の根本原理》が紙切れになってしまうので対処は必須です。メインだと《天上都市、大田原》しかないのでほぼ詰みです。
《高名な弁護士、トミク》 影響度:★★★★
《演劇の舞台》で《睡蓮の原野》をコピーできなくなり、《見えざる糸》と《砂時計の侍臣》がよく分からないカードになります。なぜか《熟読》は土地を対象に取ってないので問題ありません。なぜかは不明です。対象を取っていないからでしょう(?)
《睡蓮の原野》が量産できなくなるので、まあまあ詰みます。素で《睡蓮の原野》を2つ設置するとなると、必要なリソースがとんでもないことになりますが、別に《見えざる糸》が使えなければどうということはありません。
《覆いを割く者、ナーセット》 影響度:★★★
《熟読》などのドローソースが機能停止します。が、《出現の根本原理》は通せますし、《闇の誓願》《来世の警告》は影響を受けません。無痛…とまではいきませんが、激痛ぐらいで済みます。痛いだけなら我慢できます。ロータスコンボは男の子だからね。
《思考囲い》/《軽蔑的な一撃》 影響度:★★★
至極普通の手札破壊や打ち消し。専用で取るまでのサイド枠がない場合はほかのデッキとの兼用になるので、この辺りの対策がまあ無難かなという印象です。ちなみに普通に効きます。全身急所のコンボデッキをナメないでください。
《ナーセットの逆転》 影響度:★★★
《思考のひずみ》用。当てどころが難しいです。《熟読》に対して唱えるのか?と聞かれるとなかなかどうして。ちなみにアゾリウスコントロールに《出現の根本原理》を弾かれて、「《放浪皇》/《サメ台風》/《船砕きの怪物》」と選ばれてそのまま卒倒したことがあります。良い子は真似しないで下さい。
《高山の月》 影響度:★★★
なんとも言えません。悪くはないけど良くもないです。《睡蓮の原野》が置かれた返し限定で、先置きはほぼ無意味です。《睡蓮の原野》を指定しても結局は色マナが出てしまうので、《耐え抜くもの、母聖樹》の「魂力」が使えますし、《森の占術》を経由することも可能です。これが《減衰球》との大きな違いです。
仮に自分のデッキが《減衰球》によって60%の力しか出せなくなっても、ロータスコンボは《減衰球》によって0%のデッキになります。それが《高山の月》だと30%くらいの力で戦えてしまいます。まだロータスコンボの目は死んでいません。
イゼットフェニックスで採用されがちですが、「自分にも影響が出るから…」と甘えた考えは捨てて下さい。本気でロータスコンボに勝ちたいなら《減衰球》にしましょう。
《自由なる者ルーリク・サー》 影響度:★★
出てしまえば影響力は◎。流石にこの上から勝つのは無理です。問題はマナコストが重く、普通に使うには遅すぎるということ。グルール《異形化》のような特殊なデッキしか採用できず、ほかのデッキで《自由なる者ルーリク・サー》が優先されるということはないでしょう。
《乱動する渦》 影響度:★★
《全知》《出現の根本原理》を睨みつつ、設置しているだけでクロックが稼げます。が、単体の影響力は小さく、2マナという重さもクロックの設置を放棄してまでやる価値があるかと言われると疑問が残ります。フィニッシャーを差し替えられると悲しい気持ちになるので、あまりオススメはできません。
《スレイベンの守護者、サリア》 影響度:★★
《熟読》や《見えざる糸》で増えるマナが削られるため、フィニッシャーへ辿り着くのが遅くなります。《出現の根本原理》も実質+2~3マナ掛かるので、見た目以上にロックが掛かっています。が、強引に突破されることもあるため、過信は禁物です。ほかのヘイトパーマネントとの組み合わせが前提でしょう。
《弁論の幻霊》 影響度:★★
ほぼ《エメリアのアルコン》なので、効果自体はかなり効きます。が、《耐え抜くもの、母聖樹》で退かせられる点が《エメリアのアルコン》と異なります。 クロックも小さく、一旦放置できる点もマイナスポイント。特別なシナジーがない限りは《エメリアのアルコン》のほうがよいでしょう。
《即時却下》 影響度:★★
《思考のひずみ》《終止符のスフィンクス》などの打ち消せない呪文を打ち消せる(?) めずらしい打ち消し。《感電の反復》からの仕掛けにも非常に強いです。が、すこぶる重いです。とにかく重い。構え始めるとほかの行動が一切取れないレベルです。
《神秘の論争》のケアも考えると、かなり後ろに寄せたデッキでないと上手く使えません。要するにほぼアゾリウスコントロール専用です。ほかのデッキで採用するのは非現実的でしょう。
《大歓楽の幻霊》 影響度:★★
効くには効きます。が、最終的に重いカードを唱えて勝利するため、適正ターンが序盤だけで、後引きすると役割を持てません。地味に《耐え抜くもの、母聖樹》にも当たるため、これ単体で勝てるということはないでしょう。
《耳の痛い静寂》 影響度:★
効くような効かないような微妙なところで、まあないよりはマシか…という程度です。《耐え抜くもの、母聖樹》で割れますし、クリーチャーでも突破可能なので、これ単体に負けるということはほとんどありません。ロータスコンボ対策でこのカードの採用を検討している方が身近にいるようでしたら、全力で止めてください。
《安らかなる眠り》/《未認可霊柩車》 影響度:★
別に墓地を経由しなくてもコンボは決まります。除去よりはまだマシなので、本当にサイドが用意されていない場合に限ってはサイドインの可能性があります。少なくとも、最初からロータスコンボ対策として、これらの採用を検討するのは意味がないのでやめましょう。
問題集
“詰め《出現の根本原理》“を3つ用意しました。暇な人は解いてみて下さい。《出現の根本原理》を唱えられればゴールです。
■前提条件
・現在は第1メイン・フェイズ
・土地は置いていない
・不確定ドローは考慮しない
・デッキにはすべてのカードが残っている
・相手からの妨害はない
いくつか解答があるものもありますが、よりよいと思われるものを模範解答として載せています。
問題1
問題2
問題3
おわりに
ロータスコンボデッキガイドは以上になります。
ロータスコンボの歴史は古く、パイオニア黎明期から存在するコンボデッキとして常に一定のシェアを保ち続けてきました。《死の国からの脱出》が存在したときには最強デッキの1つとして環境を大いに荒らした時期も存在します。
現在はどちらかというとポジションデッキという立ち位置で落ち着いています。環境が中速~低速に寄ったときには無類の強さを発揮するので、タイミングをみて選ぶのがよいでしょう。
特殊な立ち回りが知識が必要になるデッキなので、ポジションが良いから使ってみるか~ととりあえずで使えるデッキではありません。そんなときに「これさえ読めば完璧!」という“ドーピング剤”として本記事を活用していただければ幸いです。
増田 勝仁 (Twitter)