設定マニアが選ぶ!『団結のドミナリア』推しカード10選!

晴れる屋メディアチーム

はじめに

みなさんこんにちは、三度目まして。晴れる屋メディアチーム所属の島田と申します。

前回に引き続き、今回も9月9日に発売される新セット『団結のドミナリア』の中から個人的に素敵だと思うカードやみなさんに伝えたいことがあるカードを紹介していきたいと思います。

浄化の刃、シャナ統べるもの、ジョダー解放されし太古、リース

今回はドミナリア次元への再訪!そして新ファイレクシアとの大戦争の始まり!ということで、昔のカードのオマージュ要素や名前だけ登場していた伝説のクリーチャーたちのカード化などマジックの歴史を意識した要素が満載のセットになっています。

元ネタを全部紹介することはできませんが、できるだけセットに詰まった小ネタや過去リスペクト要素を発見して、最近始めた方などにもドミナリアの歴史の面白さを伝えられればと思っています。過去の回より特にストーリー関係のピックアップが多いかもしれません。

突然妄想から長文を繰り出すこの企画、よろしければお付き合いください。

なお『独断と偏見で選ぶ』シリーズを読んでくださっている方々はご存じかもしれませんが、私は毎回以下のような基準でカードを選んでおります。

・絵が可愛い

・カードデザインが美しい

・ストーリーでかっこよく活躍する

・翻訳が上手い

・キャラが好き

・昔のカードのリスペクトが詰まってる

・なんか強そう

・ドラフトで100枚ピックしたい

などなど…つまり特別決まったテーマがあるわけではないので、何卒お気楽な気持ちでご覧ください。

また今回もMTG公式サイトに掲載されている『団結のドミナリア』のストーリーネタバレを多数含みます。ご了承ください。公式ストーリーも非常に熱いのでお時間のある方はぜひ。

それでは始めましょう。

カード紹介

《夜と昼の恋歌》

夜と昼の恋歌

カード名を見た瞬間に思わず目を見開いてしまいました。あの『夜と昼の恋歌』が26年越しにカード化!

夜と昼の恋歌/Love Song of Night and Day』は詩のタイトルで、初登場は1996年発売の『ミラージュ』です。当時は複数のカードのフレーバーテキストに引用される形で登場し、マジックを始めたばかりだった私はそれを見て「カードにこんな詩的な文が書いてあるのか。すごく世界観のしっかりしたゲームだな」と思ったものです。振り返れば、自分の背景世界好きはこのときから決まっていたのかもしれません。

早摘み豹の戦士花盛りの夏

詩の内容は昼と夜の移り変わりを男女の恋愛になぞらえて語ったとっても情熱的なものです。ところでこのカードのⅠ章はお互いのプレイヤーがそれぞれカードを引くのですが、つまり「縦の糸はあなた 横の糸は私」って…ってコト!?

原文は英語ですがこちらで読むことができます。『モダンホライゾン』でも再登場したので、まだカード化されていないフレーズが過去再訪系のセットで出てきてくれるといいなぁ。

群れの王

《一時的封鎖》

一時的封鎖

カードのイラストを最初に見たのはストーリーの第3話を読んだときでした。カーン達が塔を封鎖しながらファイレクシアの侵入者を探す緊迫のシーンです。イラストで閉じ込められているのはカーン・テフェリー・ヤヤ・ジョダー・ステンの5人、うち4人はこのセットでカード化されています。またテフェリーは過去に何度も登場していますね。

生けるレガシー、カーン焦熱の交渉人、ヤヤ統べるもの、ジョダー
偏執的な援護者、ステン時の支配者、テフェリー

改めてカードの効果を見ると「マナ総量が2以下であり」なので、この中でちゃんと追放できるのは1人だけ…効果でストーリーのネタバレしてるじゃん!

実際にそういう意図でカードがデザインされたかはわかりませんが、結果としてマナ総量で工作員バレするファイレクシア軍の図が面白すぎる。過去にも《オニキス教授》であったような、カードのテキストと背景ストーリーが妙な噛み合わせを見せるシーンが個人的に大好物です。時にそれが深読みだったとしても…

オニキス教授

偽名即バレ

《第三の道の創設》

第三の道の創設

いきなり第三が出てきて第一と第二は何?となった方のために説明しますと、この「第三の道」は『兄弟戦争』の時代に《第三の道のフェルドン》が創設した、ウルザにもミシュラにも属さない独自の派閥のことです。遥か昔『兄弟戦争』の時代、ウルザとミシュラはお互いの対立だけではなく国と国、そして最終的にはドミナリアとファイレクシアを背負って大陸を二分する勢いで争いを繰り広げていました。

最高工匠卿、ウルザ工匠の神童、ミシュラ

そのなかでフェルドンは、どちらにも組することなく激動の時代を生き抜きました。彼の生き様はそれだけで記事が一本書けるくらい劇的なので、興味がある方は英語版ですが公式記事などをご覧ください。

第三の道のフェルドン

三度ドミナリアとファイレクシアの戦争を迎えた今、この出来事が英雄譚としてカード化されたのは感じ入るものがあります。この戦争の中でも第三の道を探りながら生きていく人々がきっといるんだろうなぁ。

《ザルファーのフェイジング》

ザルファーのフェイジング

効果とイラストが…辛い…

テフェリーの防御

イラスト中央に描かれている建物は《テフェリーの防御》とそっくり。つまりこれは前回のファイレクシア侵攻時、敵から守るためにテフェリーがフェイズアウトさせたザルファーの宮殿でしょう。この国まるごとのフェイズアウトによってザルファーは戦争の破滅から守られましたが、戻ってくるときの不幸な事件により結局ザルファーは次元の狭間から戻ってこられないまま永遠に時が止まって彷徨い続けることになってしまい、テフェリーはそのことを悔み続けています。

ザルファーの虚空

フレーバーテキスト辛すぎ

カードの効果も結果として最大で2つのパーマネントしか救うことができず、破壊の嵐のあとに残るのはファイレクシア化したトークンのみ、戻ってきたパーマネントはそのただなかに投げ出され…とこれまた辛い状況を想像させます。長く生きていればある程度は仕方ないけどテフェリーも大概酷い目に遭ってるな。

《鴉の男》

鴉の男

これまでリリアナ関係のストーリーに何度も姿を現しながら、正体は謎に包まれてきた「鴉の男」がついに登場。ストーリー記事では彼の真の名前と、その目的も明らかになりました。

屍術師リム=ドゥール

「鴉の男」はリリアナがまだ普通の癒し手だったころから、彼女が人生の岐路に立つたびに現れて悪しき助言を囁いていました。兄の治療法を探しているとき、ヴェールの呪いに苦しんでいるとき、エムラクールの猛攻に立ち向かっているとき…そのたびに怒ったリリアナに攻撃されて姿を消す様は、こう言っちゃうと本人たちには申し訳ないんだけど、反抗期の娘にうっとおしがられる父親チックに見えたものです。

シリアスな場面だけならまだしも、ジェイスとデートしてる最中にギデオンが訪ねてきて拗ねたときやイニストラードでジェイスと痴話喧嘩しているときまで出てくるのは完全にお父さんじゃん。お互いの感情はさておき、鴉の男にとってリリアナは利用価値のある守るべき存在なのでしょう。それどころか、最新のストーリーでは「私のリリー」とか呼んじゃってますからね。

結果としてリリアナもその力を使うことで「鴉の男」を守ったことになり、二人の関係はまだ続いたままです。そろそろリリアナを解放してほしいような、微妙な協力関係が今後も続いてほしいような…

《黙示録、シェオルドレッド》

黙示録、シェオルドレッド

順々に姿を見せてきた法務官たち、その4人目がここで登場です。前回の侵略時にドミナリア連合とファイレクシアの最終決戦を描いたセットの名前が『Apocalypse』でしたから、彼女の2つ名が「the Apocalypse」なのはそれを意識してのことでしょう。象徴的でかっこいいなー!勝手に深読みをしているだけなので全然違ったら笑ってください。

黙示録

関係があるような、ないような

前回『ニューカペナの街角』のとき、ウラブラスクがほかの法務官を紹介する場面でシェオルドレッドの名前を出さなかったので、もしかしたら死んじゃったか法務官の座を追われた?と思っていたのですが、それはたまたまだったようです。

『ニューカペナの街角』サイドストーリー:自由の側より引用

「エリシュ・ノーンガ、新ファイレクシアノ、全テヲ支配シテイル。ジン=ギタクシアス、ヴォリンクレックス、ソシテ黒ノ族長ノ多クモ、平伏シ、縄張リヲノーンノ構想ヘト捧ゲタ。ダガ私ハ、誰ニモ仕エナイ。ソシテ、私ガ導クモノタチハ、孤独ヲ望ンデイル。我々ハ、ノーント構想ヲ同ジクハシナイ」

カードとしてもシンプルな能力かつ非常に強力で、特にカードをどんどん引くようなコンボデッキやコントロールデッキに突き刺さります。なお《一日のやり直し》とコンボじゃん!という妄想は一瞬で打ち砕かれた(呪文の解決中にターンが終了するので誘発した能力がスタックに乗らない)ので、同じことを考えていた方はご注意ください。

でもエリシュ・ノーンとめちゃくちゃ仲が悪かったはずだけど、今回のストーリーではそんなそぶりは見せず。すっかり従っているのか、なにか別の思惑があるのか、はたまた以前の彼女とは別人なのか?今後のストーリーで明かされるのを期待しましょう。

《双業火》

双業火双業火

出た!言語依存洒落シリーズ!英語版を見ていただくとわかる通り「Twin+Inferno」の合成名ですね。

彩色マンティコア万華焼氾濫犬
本のワーム狂ったネズミ飼い

この手のカード名は過去にも《彩色マンティコア》(Chromatic+Manticore)や《万華焼》(Kaleidoscope+Scorch)などが存在し、そのたびに翻訳チームを悩ませているようです。ほかにも《氾濫犬》(Flood+Bloodhound)や《本のワーム》(日本で言う「本の虫」を意味するBookwormのもじり)、《狂ったネズミ飼い》(俗語で「違法薬物の売人」を意味するMad Hatterのもじり)のようなパターンもあり、挙げていけばキリがありません。

Jackknight

フレーバーテキストなども含めれば追いきれないほどたくさんあるのでしょう。言葉遊びは大好きなので、今後もできる限り紹介していきたいです。もしくは公式がまとめてくれたら嬉しいんだけどな。

《羅利骨灰》

羅利骨灰

いや「羅利骨灰」って何?

少しは難読漢字や四字熟語に詳しいつもりでいたのですが、人生で一回も見たことのない四字熟語をマジックのカード名で初めて目にすることになるとは。検索したところ「ちりぢりに離れ散ること。散々な有様になること。めちゃめちゃになること。」という意味だそうです。

英語版は「Tear Asunder」で、こちらも「切れ切れに裂く、ばらばらに裂く」という意味の熟語なので訳としてばっちり。さらにカードの効果も形が残らないくらいバラバラに引き裂いて世界から追放してしまうというもので、完璧なマッチングです。

羅利骨灰

言葉を知っているだけでなく、実際にそれを訳語として宛てるセンスが素晴らしい。これからは「普段使わない言葉なんか覚えてどうするの?」と聞かれたら、胸を張って「カード名の翻訳のときに使うんだ」と返していきたいと思います。実際に翻訳業に携わる予定はありませんが。

《完成化したウェザーライト》

完成化したウェザーライト

あの《ウェザーライト》が変わり果てた姿に!今回イラストを見てショックを受けたカードが何枚かありましたが、そのなかでもこれが一番精神的にきつかったかもしれません。

ウェザーライト

在りし日の美しい姿

なにがきついって搭乗がなくなってるのがきつい。ウェザーライト号の真の素晴らしさは「艦としての性能が優れていること」でも「強力なアーティファクトをたくさん積んでいること」でも「次元航行能力を持っていたこと」でもなく、「素晴らしい乗員に恵まれたこと」だと思っているので、それが乗員を必要としない姿になってしまったというのは悲しさが半端ないです。

しかもファイレクシア化が進行する条件が「クリーチャー1体が死亡するたび」って。乗員の血を浴びて完成化していくウェザーライトなんて見たくなかった!カードの効果だけでここまで尊厳をボロボロにできるのは一周して感動します。あるいはヨーグモスの遺志を継ぐファイレクシア側として、仇敵であるウェザーライト号の完成化は一つの悲願だったのかもしれません。彼らにそんな感傷があるかもわかりませんが…

レガシーの兵器

《硫黄泉》

硫黄泉硫黄泉

今回一番過去リスペクト要素を感じたイラストがこちら。初代『アイスエイジ』版《硫黄泉》のオマージュだ!

『アイスエイジ』版のイラストは妙な可愛らしさがあってとても人気があるので、イラストを見たことがある人も多いかと思います。当時ニコニコで泉に浸かっていた悪魔ですが、永い時を経ていつしか身体が溶けてしまったようです。あるいはほかの悪魔をマネて飛び込んだら酸が昔より濃くなっていたのか。明らかに触れてない部分まで溶けているので、相当強烈な酸性なのでしょう。そりゃマナを出すたびにダメージも受けるわ。

ほかに《アダーカー荒原》《カープルーザンの森》も昔のイラストを意識した構図になっているようです。残る《低木林地》《地底の大河》は次の『兄弟戦争』で収録されるのかな?今から楽しみです。これで全然別方向のイラストだったらそれはそれで面白いな。

おわりに

今回はここまで。ほかにも『団結のドミナリア』にはたくさんの素敵なカードがありますので、ぜひ皆様もカードリストを見てお気に入りの1枚を探してみてください。通常版特別版のカードリストを置いておきます。

なお、2022年9月9日(金)発売予定の『団結のドミナリア』ですが、現在晴れる屋ではブースターBOXシングルカード予約受付中となっております!

また、『団結のドミナリア』の特設ページがオープンしました!こちらからも各種商品の予約ができるだけでなく、『団結のドミナリア』に関する記事や動画がまとめてご覧いただけますので、ぜひご活用ください!

『団結のドミナリア』特設ページ

それではみなさま、『兄弟戦争』でお会いしましょう。また次回!

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