新環境の訪れ
みなさんこんにちは!パウパー神の長谷川(@ensoul0714)です。
いよいよ今週末には「第2期パウパー神挑戦者決定戦」が開催されます。昨日発表された禁止改定もあり、どんなデッキを使うのがいいのかな?と悩まれている方も多いはず!
そこで今回は、禁止後のパウパー環境での有力デッキや今からパウパーを始める人にオススメのデッキを紹介していこうと思います。
まずは禁止改定の内容のおさらいから。
9月19日の禁止改定について
前回の神決定戦から数ヶ月が経ったことでパウパー環境には大きな変化が起こりました。
特に影響を与えたのは『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』で登場した「イニシアチブ」の存在です。
《イニシアチブ》
プレイヤー1人がコントロールしている1体以上のクリーチャーがあなたに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはイニシアチブを得る。
あなたがイニシアチブを得るたびとあなたのアップキープの開始時に、あなたは地下街探索をする。
(あなたがダンジョンにいるなら、次の部屋へ進む。そうでないなら、地下街に入る。あなたがすでにイニシアチブを得ていても、あなたはイニシアチブを得ることができる。)
青黒をベースに《暗黒の儀式》を始めとする大量のマナ加速から早期に「イニシアチブ」クリーチャーをプレイし、1-2ターン目から《地下街》を探索することで戦況を有利に進めるターボイニチアシブというデッキです。
《サプラーツォの岩礁》といった枯渇ランドから《猿人の指導霊》まで採用することでデッキの再現性を可能な限り高めてあり、”先手1ターン目から《物騒なバトルレイジャー》が出る“といったことも少なくありません。
手札次第では1-2ターン連続でイニシアチブをプレイすることも可能なので、プレイ介入度が低いゲーム展開を作っていたことが禁止となった原因でしょう。
イニシアチブの登場でほかのデッキに現れた変化をまとめると以下のような内容です。
1. イニシアチブを奪うため、1マナ域のクリーチャーを多く採用するデッキが流行した。
2. 環境の高速化により序盤のタップインが許容できないデッキは衰退、単色デッキが増加。
3. 《撃退》のようなピッチスペルが採用されるようになった。
例を挙げると、「悪鬼シュート」と呼ばれたデッキは2マナのクリーチャーで攻めることが難しくなったことで、《僧院の速槍》を軸に据えた「カルドーサレッド」へと変化したり、「デルバー」系統のデッキは青黒や青赤ではなく「青単デルバー」へと移行することになりました。
しかし、今回新たに4枚の「イニシアチブ」クリーチャーが禁止に。この変更により上記のような環境の歪みが排除され、本来のデッキの姿へと戻っていくと考えられます。
では、そんな中で僕が有力だと思っているデッキを紹介します!
歪みから解放された最速のアグロ
「赤単ブリッツ」とも呼ばれるデッキで、呪文を唱えることで強くなる 《窯の悪鬼》などで一撃必殺を決めるアグロコンボデッキです。『ダブルマスターズ2022』から最強クラスの1マナクリーチャーである《僧院の速槍》を獲得し、前回の神決定戦のときよりも大きく強化されています。
イニシアチブが登場する前はTier1と言って差し支えなかったデッキなので、今後の環境でも活躍すると考えています。
以前のこのデッキは2マナ域のクリーチャーを主体としており、2体を並べてから殴っていくことを考えると4-5ターン目のビッグアクションが多く、少しテンポが悪いことがネックでした。
ですが、《僧院の速槍》が追加されたことで1ターン目からスムーズに脅威を送り込むことができるようになり、最速3ターンキルも可能な速度を手に入れています。
『バルダーズゲート』はイニシアチブだけじゃない!コントロールの王者
イニシアチブの陰に埋もれる形で鳴りを潜めていた「親和」ですが、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』で登場した《ケンクのアーティフィサー》によって強化されていました。超高速環境が終わったことで、タップインランドが多く採用されているこのデッキも復権の時を迎えようとしています。
実は以前「悪鬼シュート」が流行したときに、アンチデッキとして名乗りを上げたデッキが「親和」だったのをご存じでしょうか。このデッキには対「悪鬼シュート」へのアプローチが取られています。
以前は《対抗呪文》が採用されていましたが、すべて《金属の叱責》へと入れ替わっています。ダブルシンボルの《対抗呪文》とは違い、シングルシンボルかつ「即席」の《金属の叱責》は容易にプレイできますし、低いマナ域で戦う悪鬼シュートにとってマナ要求カウンターは確定カウンターとして使うことができます。これを安定してプレイするために《血の泉》を多めに採用してあるのもポイントです。
そして序盤を凌いだ先でライフを狙う悪鬼シュート側に対し、《金属ガエル》や《マイアの処罰者》を《勢団の取り引き》で生贄に捧げてライフ回復を行い、安全にゲームをコントロールします。
こういったアプローチもあり、一時はかなりの母数が存在したタイミングもありました。
親和は強靭なデッキですがメタられやすい側面があり、使う際は対策カードに注意が必要です。特に《塵は塵に》は直撃すると一瞬で負けるので、サイド後はカウンターの使いどころも重要でしょう。
ドミナリアからの新たな刺客、《トレイリアの恐怖》
『団結のドミナリア』からもパウパーに影響を与えるデッキが現れています。そのひとつが《うねる曲線》と《パズルの欠片》を使ったコントロールデッキに《トレイリアの恐怖》が上手く採用されたデッキです。
ベースは《パズルの欠片》による青赤の除去コントロールデッキ。以前は大きくなった《うねる曲線》でアタックしつつ、隙を見て《投げ飛ばし》するデッキだったのですが、如何せん攻め手不足がこのデッキの問題でした。
《トレイリアの恐怖》はデッキコンセプトにぴったりの1枚で、軽く・サイズも大きい・破壊耐性持ちと欲しい性能を詰め込んだクリーチャーです。1マナでプレイできるお陰でカウンターを構えることや、《うねる曲線》と合わせて攻めに転じることが可能なのも魅力。
《トレイリアの恐怖》を使うデッキにはほかにも青単が存在しますが、イニシアチブがいなくなった今は単色にするよりも、青赤や青黒といった2色のほうが個人的には強いと考えています。
特に《火/氷》や《アームズ・オヴ・ハダル》が採用できるお陰で、1/1クリーチャーが多数並ぶボロスラリーのようなデッキにも強く出られるようになることが大きいですね。
今からパウパーを始める人にオススメなデッキ
主要なデッキや新デッキを紹介したところで、最後にこれからパウパーを始める人にオススメのデッキをご紹介します。
《東屋のエルフ》《楽園の拡散》《繁茂》から始まる12枚のマナ加速から《ラノワールの幻想家》や《ムウォンヴーリーの酸苔》でさらにマナ加速し、《乗り込み部隊》などの「続唱」クリーチャーで戦場を制圧するド派手なミッドレンジデッキです。動きに一貫性があり、基本的にソーサリータイミングでこちらから攻めていくのでプレイしやすいデッキだと言えます。
《東屋のエルフ》と《楽園の拡散》or《繁茂》がそろっていると2ターン目から4マナ出すことができるので、いきなり《ムウォンヴーリーの酸苔》を撃ち一気にマナ差をつけてイージーウィンすることも可能です。
土地破壊は「門」を使うボロスゲートやアゾリウスゲートにとっては天敵となるので、ゲートデッキを使う人はしっかり意識しておきましょう。逆に破壊不能を持つ土地を多く採用している親和には上手くプレイできないケースもあります。
また、禁止にならなかった「イニシアチブ」である《復讐する狩人》を採用することもできます。1→3→5とマナを伸ばすことができるので一考の余地あり!
おわりに
今週末の挑戦者決定戦では、週明けに禁止があった影響でメタゲームが読みづらくなっていることもあり、さまざまなデッキにチャンスがあると感じています。
お気に入りのデッキがもしかすると見事にハマって優勝・・・なんてことも全然あると思うので、みなさまの参加をお待ちしています!また、今回紹介したものと多少リストは違いますが、晴れる屋で構築済みデッキも販売されているので、いきなりパウパーを始めることもできます。
どんなデッキが勝ち上がってくるのか、僕も当日が楽しみです!それでは。
長谷川 翔一(Twitter)