2022-2023シーズン これからのHareruya Pros

晴れる屋メディアチーム

プロツアーの復活

マジックの競技シーンは年々変化をみせている。約2年半の間、テーブルトップへ暗雲が立ち込め、プロイベントの開催はいつになることかと思っていた。しかし、Wizards of the Coastより、2023年にプロツアーの復活が宣言された!

そう、ついに。競技マジックの最高峰が再び帰ってくるのだ!

すでに各地でチャンピオンシップ予選が開催され、プロツアーの地を目指して続々とプレイヤーが集結している。プレイヤーたちの熱い気持ちが、トーナメントシーンへと注がれ始めているのだ。

競技シーンの再興を受けて、来期よりHareruya Prosは本格復活する。シーズンの切り替わりを控え、来期の晴れる屋スポンサード事業をお伝えしていこう。

Returners

昨シーズンは不安定な社会情勢も相まって、マジックの競技シーンがテーブルトップからオンラインへと移行していた。現在は徐々にテーブルトップでの大会が増え始め、ついにチャンピオンシップ予選の開催へと至っている。

来シーズンの競技シーンの再興を受けて、3名の選手が古巣へと舞い戻ることとなった。

ピオトル・グロゴゥスキ

Kanisterことピオトル・グロゴゥスキ/Piotr Glogowskiはモダン界に降り立った創造主。毎週のように目新しいデッキを構築し、見るものすべてを楽しませてくれる。彼の手によって生み出されたデッキは、カード1枚1枚からは想像もつかない動きを見せ、瞬く間に対戦相手までも魅了してしまう。アイアンワークスやアミュレットタイタン、ジャンドサクリファイスなどデッキ名をあげていけば枚挙にいとまがない。

ピオトルのモダンへの愛は本物だ。彼はその愛の深さからミッドレンジの定番となった《空を放浪するもの、ヨーリオン》へ疑問を投げかけるなどモダン環境へと一石を投じている。モダンへ蔓延する固定観念の打破、そして構築の独創性こそがピオトルをピオトルたらしめているのだ。

来期は、真紅のTシャツ姿で嬉々としてカードを循環させる彼の姿を見られる。

マッティ・クイスマ

マッティ・クイスマ

マッティ・クイスマ/Matti Kuismaはマジック界の知の巨人というべき存在。搭載思考機械とでも呼ぶべきか、我々へ紙面を通じてマジックに対する思考方法を教授してくれる。彼の著書は単純なデッキガイドや環境解説を離れ、一歩引いた地点からマジックを俯瞰で捉えたものとなる。チェスやエベレストなどを引き合いにだし、あるときは読者を陥りやすい閉鎖的な思考から救い出し、あるときは不運すらも打開する術を言語化してくれているのだ。

なかでもプレイヤーの思い込みを危険視したメタゲームの山々は一読の価値がある。デッキの相性を数回の対戦で決めつけてしまってはいないだろうか?

ライターとしての側面が強いマッティだが、マジックの腕も一流であり、来月末に開催される世界選手権へ出場する。ラスベガスの地での彼の活躍に注目だ。

マルシオ・カルヴァリョ

選手写真

マルシオ・カルヴァリョ

マルシオ・カルヴァリョ/Marcio Carvalhoはリミテッドフォーマット全般、特にドラフトを得意とするプレイヤーだ。ドラフトキングと称される彼のドラフティングは神の視点かと思えるほど卓越したもの。まるで魔法かのように、良いカードが自然と彼の手元へと集まってくる。

選手写真

マルシオ・カルヴァリョ

テーブルトップで最後の開催となったマジック:ザ・ギャザリング世界選手権2019ではドラフトを全勝とドラフトキングの名に恥じない成績を残している。その後のスタンダードでも安定して勝ち星を稼ぎ、最終成績を準優勝で終えている。

プロツアーの地で、また彼のドラフティングを見ることができるのだ。

リー・シー・ティエン選手について

選手写真

マジックのトーナメントシーンの常であるが、出会いがあれば別れもある。2018年10月よりHareruya Prosの一員だったリー・シー・ティエン/Lee Shi Tian選手だが、今期を持って契約終了となった。

リー選手は国内外の大規模大会をはじめ、オンライン大会でも目覚ましい活躍を遂げてきた。ここからはリー選手の戦績を振り返っていこう。

リー選手は殿堂プレイヤーとして、アジア圏のマジックを引っ張るリーダー的な存在でした。Hareruya Pros加入年のワールド・マジック・カップでは香港チームを率いて、見事トップ4まで勝ち進んでいます。

また、リー選手といえばスタンダードよりも下の構築フォーマットが得意なプレイヤーであり、過去にはモダンで開催されたプロツアーで3度のトップ8入賞経歴があります。特にブルームーンはその代表作であり、トーナメントシーンにリー選手の存在を強く印象付けたのです。

初のパイオニア開催となったプレイヤーズツアー・名古屋2020には、ディミーアインバーターを操るリー選手の姿がありました。「カードプールの広い」「未開の構築戦」とリー選手の得意とする環境であったことで、トップ8に入賞し、改めてリー選手の強さを知らしめる大会となったのです。

チームシリーズでは、Hareruya SwordのリーダーとしてHareruya Prosのチーム戦初優勝に貢献いただきました。2019チームシリーズではハビエル・ドミンゲス、アンドレア・メングッチ、グジェゴジュ・コヴァルスキ、ジェレミー・デザーニ、ケルヴィン・チュウからなるHareruya Swordをまとめ上げ、強敵Ultimate Guard Pro Teamとの接戦を制し、見事優勝を決めたのでした。

競技シーンが移り変わるなかで、リー選手は多くのプレイヤーに勇気と希望を届けてくださいました。複雑化する競技マジックの環境に適合し勝ち抜き、最高峰であるMPLを堅持し、チーム戦優勝まで成し遂げたのです。

リー選手。4年間にわたりHareruya Prosとして活動していただき、誠にありがとうございました。

2022-2023シーズン Hareruya Pros

さて、2022-2023シーズンのHareruya Prosだが、復帰した3選手を含め、計5名で活動していくことになる。それでは、残るHareruya Prosをご紹介しよう。

佐藤 啓輔

佐藤 啓輔

佐藤 啓輔はスタンダードからレガシーまで幅広いフォーマットを楽しむ構築プレイヤーだ。膨大なインプットと愚直なまでの練習が佐藤の力の源であり、過去にグランプリなどでの入賞歴もある。昨年はMPLの一員としてトップレベルのマジックを経験してきた。

特筆すべきは佐藤のデジタルマジックの強さ、ことアルケミーに強い点があげられる。先日準優勝で終えたアリーナ・チャンピオンシップ1の最中、佐藤は自身のTwitterにてMTGアリーナ専用フォーマットであるアルケミーについてこう言及していた。

アルケミーで脅威の勝率78%!

マジックに精通している佐藤だが、アルケミーは突出した成績だ。まさに電脳世界の錬金術師と呼ぶべき存在であり、競技体系がテーブルトップとデジタルの2軸で開催されることは追い風となっている。

2つの世界で自身の成長を証明し続けている佐藤。来期のイベントでも新たな戦績を錬成してくれるだろう。

ハビエル・ドミンゲス

ハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezを表現する言葉は数多のごとくある。それこそ世界王者やプロツアーチャンプは耳慣れた表現だ。

しかし、彼の肩書以上に注視すべきは並々ならぬマジックへの情熱である。競技フォーマットに限らずキューブドラフトやレガシー、果てはヴィンテージまでプレイする。あらゆるフォーマットに精通し、マジックの酸いも甘いも知り尽くした彼だが、それでもなおマジックの未来を切り拓こうと歩み続けている。彼こそがマジックへの情熱の体現者なのだ。

生まれ変わったプロツアー、オンラインイベント、そしてシーズン末に開催される世界選手権。来期は、その上位にハビエルの名前を見つけることになるだろう。

おわりに

来期のスポンサード事業については以上となる。Hareruya Prosは、ハビエル・ドミンゲス、ピオトル・グロゴゥスキ、マッティ・クイスマ、マルシオ・カルヴァリョ、佐藤 啓輔の5名で活動していく。ぜひとも活躍に注目していただきたい。

選手写真

来シーズンは本格復活するテーブルトップをはじめ、あらゆるトーナメントでHareruya Prosを目にすることが増えるだろう。晴れる屋は今後もマジック界の発展のために所属選手一同、誠心誠意尽力していく。

最後になるが、2022-23シーズンにますます存在感を増していくHareruya Prosのことを、これからも応援していただければ幸いである。

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