メタゲームブレイクダウン:スタンダード
晴れる屋メディアチーム
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『団結のドミナリア』以降、スタンダードは黒に支配されてきた。《ヴェールのリリアナ》《黙示録、シェオルドレッド》といったパワーカードは多くのプレイヤーをひきつけ、それらを軸にしたミッドレンジが他を寄せ付けない強さを見せていた。
そして『兄弟戦争』では《苦難の影》《ヨーグモスの法務官、ギックス》《ファイレクシアの肉体喰らい》をはじめとした新戦力を黒は獲得している。
新セットが加わり、新環境となったスタンダードはこの年末大型イベントでどんな様相となったのだろう?相変わらず黒一色なのだろうか?さっそくTHE LAST SUN 2022のメタゲームを覗いてみることにしよう。
デッキ名 | 使用者数 | 使用率 |
---|---|---|
グリクシスミッドレンジ | 61 | 41.78% |
赤単アグロ | 11 | 7.53% |
エスパーミッドレンジ | 11 | 7.53% |
ビッグレッド | 10 | 6.85% |
白単ミッドレンジ | 10 | 6.85% |
青白兵士 | 10 | 6.85% |
マルドゥミッドレンジ | 7 | 4.79% |
ラクドスミッドレンジ | 4 | 2.74% |
黒単ミッドレンジ | 3 | 2.05% |
青単テンポ | 3 | 2.05% |
ジャンドミッドレンジ | 3 | 2.05% |
その他 | 13 | 8.90% |
合計 | 146 | 100% |
提出されたデッキリスト146のうち、驚くべきことに61名ものプレイヤーがグリクシスミッドレンジを選択していた。エスパーミッドレンジ一色だった第28回マジック世界選手権でグリクシスが優勝したことは記憶に新しいが、本大会では両者の使用率が逆転し、使用者50名もの差がつく結果となった。
グリクシスミッドレンジは構成にばらつきがあるが、基本的に世界選手権を優勝したネイサン・ストイア/Nathan Steuerのリストから大きな変化はなく、その揺るがない強さを誇示している。スタンダード屈指のパワーカードを詰め込んでいるため、大幅な変更がないのも頷けるだろう。
『兄弟戦争』からの主な収穫は《喉首狙い》《兄弟仲の終焉》といった脇を固めるカード、そして負荷の高いマナベースを支える《地底の大河》だ。
3色でありながら《絶望招来》を採用するグリクシスにとって、黒絡みの多色土地は待望のカードだった。そして、このダメージランド軸のマナベースにつけ込もうとするデッキが現れた。
ダメージランドで自らライフを削ってしまうグリクシスに対し、速攻で押し切ろうというのが赤単アグロだ。本大会では2番手となる11名の使用者だった。
その戦略を支えるのが《僧院の速槍》《ロノムの発掘家、フェルドン》という新セットからの速攻クリーチャーたちだ。
《変わり谷》《不詳の安息地》。歴史を振り返ってみると、アグロ戦略の隆盛の陰にミシュラランドの存在がある。《ミシュラの鋳造所》はその系譜を継ぐものであり、今後のスタンダード環境でよく見かけるカードになるだろう。
『兄弟戦争』で強化を受けたアグロデッキは赤単だけではない。このセットには兵士サポートが多く収録されており、青白兵士なるアーキタイプが登場した。
1ターン目からクリーチャーを並べ、《先兵の飛行士、ハービン》《包囲の古参兵》《雄々しい古参兵》といった骨太な兵士サポートクリーチャーを展開していく。兵士デッキのみに許されたアンタップイン土地《要塞化した海岸堡》の存在も大きい。
この青白兵士を選択したプレイヤーは10名。グリクシスを打ち倒し、武勲を立てられるか。
新しいアーキタイプといえば、このビッグレッドにも触れておかなければならない。ランプといえば緑の特権だったが、『兄弟戦争』で収録された パワーストーンにより赤ベースのランプデッキが登場した。
イゼットコントロールとも呼ばれるこのアーキタイプは、相手をさばくコントロール要素も含まれている。特に《マイトストーンとウィークストーン》は除去しながらマナ加速でき、デッキの戦略に見事に合致している。
マナを伸ばした先に待ち受けるのは巨大アーティファクトクリーチャーだ。《街並みの地ならし屋》や《瞬足光線の大隊》は神話レアに恥じぬパワーがあり、瞬く間にゲームを掌握できる。
THE LAST SUN 2022のスタンダード部門は、王者グリクシスミッドレンジが圧倒的な支配率を誇る結果となった。だが、当然本大会に招待されるほどの強豪プレイヤーならば予測できた事態だろう。そのうえで彼らが持ち込んだデッキは必ずや対グリクシスのゲームプランが存在する。
トップ8に残るのは不動のグリクシスなのか、それとも青白兵士やビッグレッドといった新興勢力なのか。明日の生配信をご覧いただき、その勝者が決する瞬間をぜひ目に焼き付けて欲しい。
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