汚れるか、反抗か。
晴れる屋メディアのいってつです。
衝撃的な展開が続く、『ファイレクシア:完全なる統一』。ゲートウォッチは、ドミナリアは、多元宇宙はいったいどうなってしまうのでしょうか。
今回も統率者戦デッキが2つ発売されますが、ここでもファイレクシア陣営とミラディン反乱軍の戦いが演出されます。
今回はその注目の収録内容を見ていきましょう!
ファイレクシア陣営:『汚染の影響』
《アトラクサの後継、イクセル》は新たな能力「毒性」「堕落」を持っています。
毒性を持つクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは、そのクリーチャーの持つ毒性の値に等しい個数の毒カウンターを得る。
堕落は、対戦相手1人が3個以上の毒カウンターを持っている場合に、カードをより強力にする能力を強調する新能力語である。
従来の毒カウンターは10個置かれるまでとくになにも起きないものでしたが、これからは毒カウンターを3つ対戦相手に置くことでメリットを発揮するようになるのです。
《アトラクサの後継、イクセル》の場合、毒カウンターを3つ持っているプレイヤーから毎ターン、カードを1枚奪うことができます。これ自身も「毒性2」を持っているので、これ単体で堕落を達成できます。
とはいえ、これが戦場に出て、2回攻撃してようやく達成……では少し悠長ですね。
このデッキには軽量ながら毒をまき散らすカードがすでにたくさん入っています!《アトラクサの後継、イクセル》の着地までにある程度毒をまいておき、すぐにアドバンテージを得られるようにしたいですね!特に《胆液の鼠》は対戦相手全員に毒カウンターを与えることができ、増殖で全員を追い詰めていく、その第一歩になってくれます。
毒カウンターをばらまくと、「ヤバそう」と思われて集中攻撃されるかもしれませんが大丈夫。このデッキには《亡霊の牢獄》などの攻撃を抑制する置物や、たくさんの除去カードが採用されています。
ファイレクシアンらしく、ゆっくりと、しかし確実に追い詰めていく。そんなゲームプランがとれそうです。
こうした、じっとりとアドバンテージをとっていくコントロールデッキは珍しくありませんが、《アトラクサの後継、イクセル》は毒による勝利を目指すという点でユニークです。ゲームが長引けば毒が回っていき、対戦相手は40点のライフを失うよりも早くゲームから脱落します。統率者のダメージを数える必要もないでしょう。
一方、サブ統率者枠の《破滅の巣、ヴィシュグラズ》はよりアグレッシブに攻めるデザインです。統率者ダメージと毒で一気に攻めたてます。
注目の新規カード
《ファイレクシア病の蔓延》は各対戦相手に毒カウンターをばらまきつつも、場合によっては全体除去までこなせる、すばらしい1枚です。これ1枚で戦場を掃除して、感染や毒性をもつクリーチャーでなだれ込みましょう。
堕落で恩恵を得るカードは統率者だけではありません!《ゲスの召喚》は墓地からクリーチャーを戦場に戻す呪文ですが、堕落した対戦相手の墓地からもクリーチャーを吊り上げることができるのです!
収録カードの多くは毒カウンターにまつわるもので、新規のカードも含め、デッキの方向性にそった収録内容になっています。ピーキーな性能のものが多いですが、「どうやって勝つか」明確です。
おすすめカード
《対称な対応》は対戦相手1人にもサーチさせる呪文。普通に使えば、サーチしたカードを先に使うのは対戦相手なので不利になってしまいますが、《アトラクサの後継、イクセル》なら対戦相手がサーチしたカードをそのまま奪い取ってしまうことができるので、相手は弱いカードを探す羽目になってしまいます。あるいは共謀してもっともリードしているプレイヤーに効く妨害カードを積み込んでもらえるかもしれません。お前もファイレクシアンにならないか?
《大修道士、エリシュ・ノーン》は対戦相手の小粒を薙ぎ払いつつ自軍を強化。感染持ちクリーチャーで一気に毒殺を狙います。
《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》は毒の進行を倍に。「あと1ターンくらいは大丈夫だろう」とたかをくくっている相手の度肝をぬいてやりましょう。
ミラディン陣営:『反抗の夜明け』
《太陽の先兵、ネヤリ》はトークンのロード。攻撃しているトークンは二段攻撃を持ち、トークンで攻撃すると衝動的ドローができます。そのターン限りではなく、トークンで攻撃さえすれば次のターン以降にも利用できるのは魅力的ですね。
サブ統率者枠である《太陽の栄光、オターリ》のほうはトークンを毎ターンどんどん増やすことができます。除去されたとしても4マナで墓地から戻すことができ、トークンが増えるペースもどんどん早まっていきます。
本来ならすぐにでも自分だけ逃げ出したい、ファイレクシアンとの戦い。しかし軍勢は逆にどんどん増えていきます。ファイレクシアンが「All be One」なら、こちらは「One for All」というわけです。
トークンを生み出すカード、トークンを強化するカードがたくさん!
こうしたデッキは全体除去ですべてを失いがちですが、自軍を守るお守りもしっかり入っています。安心。
ライフを0にすれば勝ち!そんなマジックの基本を思い出させてやりましょう。
注目の新カード
お守りをさらに追加!《巧みな隠蔽》は召集を持っているので構えやすく、フェイズ・アウトという形で逃がすので《毒の濁流》や《サイクロンの裂け目》といったかわしにくい全体除去でも大丈夫!
「ミラディンのために!」は「生体武器」に似た、新しい能力です。《呪い板の壁壊し》は装備品でありながら4/4のクリーチャーのようにも扱えます。それでいながらトークンなので統率者の能力の恩恵を受けられます。毎ターン追加戦闘を得ることができるわけですが、統率者の能力もまた攻撃に絡むものなので、互いにシナジーするすばらしい1枚です!
新規のカードも再録カードも、白赤というカラーが得意とする横並び戦略と噛み合いのいいものが多く、ボロスカラーが好きな人に強くおすすめできます。白赤はともにドローが苦手な色でしたが、近年はアドバンテージを得るカードがどんどん追加され、デッキが組みやすくなっています。
おすすめカード
《呪い板の壁壊し》で追加戦闘に夢中になったのなら、「追加の戦闘フェイズを得るカード」を積み増してみてもいいでしょう。
《太陽の栄光、オターリ》から大量にトークンが出るようになれば、出てくるトークンを《ファイレクシアの供犠台》で生け贄に捧げつつ追加戦闘を得ることができるようになり、無限戦闘が成立します。本当にいいのかそれで。
《光素の泉》はこれ自体がトークンを生み出すカードでありながら、ドローソースでもあり、大量にクリーチャーが並んだ末には特殊勝利を得ることもできます!ファイレクシアを退ける力を持つ”光素”でミラディンに勝利をもたらせ!
どっちがおすすめ?
新規カードも含めたカードリストはこちらからご覧いただけます。
最近は構築済みデッキも勝利へのパターンが明確にされていて、ほんの少しだけマナ加速やアドバンテージを得る手段を追加するだけでかなり幅広く楽しめるようになっていますね。
白黒緑の『汚染の影響』は毒カウンターを中心にしたデッキで非常にわかりやすく、フレーバーにも富んだデッキです。
白赤の『反抗の夜明け』は白赤デッキのお手本のような設計になっていて、戦場にパーマネントをたくさん並べるのが好きだったり、コンバットが好きだったり、ボロスカラーが好きな人におすすめです。
それではみなさん、ファイレクシアでお会いしましょう。