はじめに
突然ですが、みなさんの好きな色はなんですか?
優秀なクリーチャーを擁する白でしょうか。ドローと打ち消しの青でしょうか。あるいはハンデスと除去の黒?火力と混沌の赤も捨てがたいですね。
私は緑が好きです。
一見豪快なようでいて、使ってみるとマナや打点の計算が案外大変だったり。一見不器用なようでいて、細かいテクニックの積み重ねで器用な動きができたり。そんな緑に魅せられて、これまでのMTG歴のほとんどを緑単のデッキと共に歩んできました。
メインフォーマットである統率者戦でもさまざまなデッキを使いますが、気がつくとまた緑単を使っている。この記事を通じて、そんな緑単の魅力を少しでも届けられれば幸いです。
《飢餓のドミヌス、ゾパンドレル》を使おう
というわけで晴れる屋のきよそねです。普段はWebディレクターとして働いており、デッキ構築機能やMTGプロフィールなんかを作りました。「何か書いて」と言われたものの、書けそうなのは緑単の記事くらい。まあ茶単野郎がいるんだし、緑単野郎だって許されるでしょう。
さて、今回ご紹介する統率者はこちら。
『ファイレクシア:完全なる統一』に収録されたファイレクシアン・ホラーです。「ドミヌス」は各色に1枚ずつ収録されており、いずれも何かしらを倍にする常在型・誘発型能力と、ファイレクシアマナとリソースをコストに破壊不能カウンターを得る起動型能力を持ちます。
緑が倍にするのはパワー・タフネス。各戦闘の開始時に自身のクリーチャーすべてのパワー・タフネスを倍にします。サイクルの中ではマナコストの重さが気になりますが、《不自然な成長》に2マナ足したら4/6+αがついてきたようなもので、さすが神話レアというべきマナレシオ。
起動型能力のコストはファイレクシアマナ2つとクリーチャー2体の生け贄。サイクル中唯一マナの支払いなしで起動することが可能です。
つまりこれは緑単で統率者領域におけるサクり台では……?
サクり台として使ってみよう
統率者領域におけるサクり台が強力なのは《敬愛されるレンジャー、ミンスク》で証明済み。これは緑単で《変幻の大男》デッキが組めてしまうかも?
……組めませんでした。いくつかコンボルートを検討しましたが、どれも実用的とはいえず。
ライフ4点払いつつ、2体ずつしかサクれないサクり台はさすがに癖が強すぎました。良い感じのコンボを思いついた人はこっそり教えてください。
パワーを倍にしよう
もうコンボとか知らん。マジックは相手のライフを0にすれば勝ちなんです。気を取り直してパワーを倍にしてぶん殴りましょう。
まず最初に検討したのは《飢餓のドミヌス、ゾパンドレル》自身でのワンショットキル。ゾパンドレル自身のパワーは4。+7/+7修正を与えてから戦闘に入れば、ワンパンチで対戦相手を沈める歩く理不尽の出来上がりです。
さすがにちょっと大振りすぎですね。除去されると目も当てられません。破壊不能カウンターを得られるとはいえ、追放除去やバウンスには無力です。
それならば横に並べましょう。緑特有の屈強なクリーチャーたちを強化して殴っていれば、120点を削りきるのも夢ではありません。パワー参照のドローなんかも追加して、できあがったのが以下のリスト。
デッキリスト
回し方はいたってシンプル。
1ターン目:マナクリーチャーを出す
2ターン目:強いマナクリーチャーを出す
3ターン目:強いクリーチャーを出す
4ターン目~:統率者を出してひたすら殴る
以上!
……これで記事をしめるわけにもいかないので、採用したカードをいくつかピックアップしていきます。
《ガイアの眼、グウェナ》
《アーチリッチ、アサーラック》とのコンボでも知られる、『兄弟戦争』での新顔。1ターンでの複数回の行動を補助しつつ、育ったパワーで自分でも殴りにいけるナイスガイです。
《ビヒモス呼び、ルナーディ》
こちらは『ジャンプスタート2022』から。ゾパンドレルに+3/+3修正と速攻を付与し、唱えた次のターンには1人を倒すことが可能になります。《原初の飢え、ガルタ》と組み合わさると脅威の20/20トランプル速攻。これが倍になって40/40。決まると脳汁がドバッドバ出ます。
《カル・シスマの恐怖、殺し爪》《アンダーマウンテンの冒険者》
《カル・シスマの恐怖、殺し爪》は次のターンのゾパンドレル着地を補助しつつ、トランプルを付与してくれる便利なクマさん。《アンダーマウンテンの冒険者》もマナ能力と「イニシアチブ」でゾパンドレルの着地を補助。地下街の+2/+2修正もこのデッキだとジワジワと効いてきます。
《草分けるアイベックス》
毎ターン《圧倒する暴走》。さらなる修正を与えつつ、トランプルを付与してくれます。ゾパンドレルと組み合わせるために生まれてきたようなカード。
《不自然な成長》
倍じゃ足りなければ4倍だ!
感染
120点削りきるってのは嘘です。毒でも殺します。
大量ドロー
とんでもない枚数引きます。この手のカードを撃っていると「俺、緑単使ってるなぁ……!」と強く実感できます。
強化するなら
統率者を含めとんでもなく重いデッキなので、マナ基盤が強ければ強いほど回しやすくなります。安いカードではありませんが、いずれも汎用性の高いカードなので、統率者戦を遊び続けるなら持っていても損はないカードです。特に《ガイアの揺籃の地》は緑の醍醐味。大量のマナで対戦相手に差をつけましょう。
今回は《飢餓のドミヌス、ゾパンドレル》を統率者に据えて、緑単の「力」の側面についてご紹介しました。次回以降はまた緑単の別の側面をご紹介していきます。
それではみなさん《狩猟迷宮》でお会いしましょう。