Day2:メタゲームブレイクダウン
晴れる屋メディアチーム
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みなさんこんにちは。晴れる屋メディアチームです。
217名が参加したプロツアー・ファイレクシアも2日目が終了し、残るは決勝トーナメントのみとなりました。
※画像はMAGIC: THE GATHERINGより引用しました。
決勝トーナメントは今晩23時から始まるわけですが、先んじて2日目メタゲームブレイクダウンをお届けしたいと思います。2日目進出率が高かったのはどのアーキタイプだったのでしょうか?
使用者が複数名かつ突破率70%を越えていたアーキタイプは、グルール機体、アゾリウスコントロール、ラクドスサクリファイス、イゼット独創力、イゼットフェニックス、オムナス白日、アブザンパルへリオンの7つです。
この内アゾリウスコントロール、ラクドスサクリファイス、オムナス白日はボードをコントロールすることを主眼に置いた戦略であり、愚直にライフを狙うクリーチャーベースのデッキを狙い撃ったかたちです。パイオニアはクリーチャーを使ったデッキが大半を占めており、初日の結果をみるに戦略がまったく噛み合わず太刀打ちできなかったということは少なかったといえます。
パイオニアはボードコントロールありきの環境といえるのです。
2つの目のグループに位置するのがイゼットフェニックスと独創力、グルール機体のボードコントロール要素を内包したミッドレンジタイプです。共通しているのはコントロール手段にプラスして強烈なカウンターパンチを内蔵している点です。
《焦熱の衝動》や《砕骨の巨人》で展開を遅らせつつ、ときがくれば《弧光のフェニックス》や《領事の旗艦、スカイソブリン》がダメージレースを一気にまくりますし、《不屈の独創力》から着地する《歓楽の神、ゼナゴス》と《世界棘のワーム》は勝利を確約してくれます。
こちらのグループのデッキはラクドスサクリファイスほどのコントロール力はありませんが、攻めに転じるための時間稼ぎさえできれば十分なのです。
残ったのはコンボ一辺倒のアブザンパルへリオン。突破率70%以上のくくりのなかでメインボードにボードコントロール手段がほとんどないアーキタイプです。では、何故このデッキが勝ち組となったのでしょうか。
理由は明確であり、このデッキのコンボがほかを凌駕する速度を持ち合わせていたからにつきます。最速3ターン目に走り出す《パルヘリオンⅡ》はインスタントの干渉手段以外では防ぎようがありません。唯一の干渉手段である《思考囲い》は《大牙勢団の総長、脂牙》を定着させるために打ち消し呪文や除去を捨てさせれば良いのです。
天敵である《大いなる創造者、カーン》と墓地対策がフィールドに少なかったことも、追い風となったのは間違いありません。
墓地対策カードごとに見ると、墓地活用を大きく制限する《未認可霊柩車》は40枚、《安らかなる眠り》は39枚。デッキを問わず、さらに起動にマナが不要な《未認可霊柩車》の採用率の低さは意外なほどでした。
《真っ白》も強力な墓地対策であるのはもちろんですが、《思考囲い》や《パワー・ワード・キル》などほかの干渉手段を組み合わせない限り、最速パターンに間に合いません。汎用性の高いカードを優先した結果、墓地はやや手薄となっていたのです。
逆に負け組となったのは白単人間とセレズニア天使、マルドゥサクリファイス。ほかにも緑単信心やロータスコンボ、アブザンオーラは伸び悩んでいました。
共通しているのは干渉力が少なく、積極果敢にライフを攻めていったり、展開力で勝負する直線的なアーキタイプです。《スレイベンの守護者、サリア》や《傑士の神、レーデイン》といったメタクリーチャーの存在はあれど、それだけでは不十分。プロツアーを勝ち抜くには状況に応じて立ち振る舞いを変える対応力が求められていたようです。
使用者数で見ると上位に変動は見られませんが、突破率の観点ではデッキごとの明暗がはっきりとわかれていました。パイオニアはクリーチャーを中心としたフォーマットであり、ボードコントロールは必要不可欠。それを出発点として、各々のゴールを目指して分派していくのです。
のちほど2日間の戦績優秀デッキリストの公開を予定していますので、そちらもお楽しみに!