気軽に始めるパウパー
こんにちは、パウパー神の長谷川(@ensoul0714)です。
約1か月後に『第3期パウパー神挑戦者決定戦』が開催されます。ぜひみなさんにも参加して欲しい!とは思いますが、常日頃パウパーをプレイされていない方も多いと思います。
そこで今回は、パウパー参入に向けて「オススメの単色デッキ」をご紹介!!単色デッキはプレイはシンプルながらも芯が太く強靭なデッキなので、ここから始めても十分に勝ちを狙える魅力的なデッキばかりです。そのなかで僕自身も注目しているデッキを取り上げましたので、普段からパウパーをされている方でも要チェック!
それでは早速、白から見ていきましょう。
白:高らかに鳴るラッパが勝利へのファンファーレ!
「ボロスラリー」と呼ばれたデッキをご存じでしょうか。粘り強いクリーチャーを《農民の結集》と《虹色の断片》でバックアップするビートダウンデッキです。
この「白単スクリーチ」はボロスラリーの流れを汲むデッキで、単色にすることで爆発力と引き換えに、安定感や粘り強さを強く意識したものとなっています。
基本的な戦略は、《スレイベンの検査官》《戦隊の鷹》といった優秀なクリーチャーや《金切るときの声》でトークンを並べつつ《護衛の誓約》でフィニッシュを狙う正統派ビートダウン。単色になったことでタップインや色事故がなくなり、序盤からテンポ良くカードをプレイしながら手数で勝負することができるようになっています。
強化ポイントとして注目したいのが『ダブルマスターズ2022』でコモン落ちした《民兵のラッパ手》。もともと強力なクリーチャーでしたが、ようやくパウパーにも就職先を見つけています。
単体の性能もさることながら《コーの空漁師》との相性の良さは目を見張るものがあり、何度も《民兵のラッパ手》を出しなおすことによって強力なアドバンテージ源となります。サイドインした《真紅の見習い僧》や《黎明運びのクレリック》を探す役割もあり、柔軟性が高いクリーチャーです。
また、新カードである《再稼働》にも注目が集まります。場に出たときの能力を持つクリーチャーを戻しても強力ですが、このデッキではタフネス3が多く、リアニメイトした際に《稲妻》を耐えることができるのも強力ですね。
もちろん単純に飛行クリーチャーを一回り大きくして戦場に戻すだけでもいいですし、サイドボードの《大祖始の遺産》を《トーモッドの墓所》のようなカードに変えておくと再利用することもできます。
上記のようにいろいろと器用なことができますし、《ゴライアスのパラディン》や《儚い存在》を採用して場に出たときの能力に寄せる構築もできるので、組んでおくと長く遊べる良いデッキだといえますね。
青:進化する最古のクロック・パーミッション!
青からは王道クロックパーミッションの「青単フェアリー」。《深き刻の忍者》を含む2種8枚の忍者を使いながら戦うデッキなので、実質忍者デッキともいえます。
以前の青単といえば《尖塔のゴーレム》が代表的なカードでしたが、『神河:輝ける世界』から《月回路のハッカー》を得たことで、パウパー界でも屈指のクロックパーミッション性能を手に入れることに成功しました。
優秀な飛行クリーチャーである《呪文づまりのスプライト》や《フェアリーの悪党》を「忍術」で手札に戻す機会が増えたことにより、実質的な妨害やドロー回数が増加。より少ないカードでさまざまな脅威へと対応することが可能になっています。
パウパー発足当初から強力なデッキですが、デッキリストは常に進化し続けています。1マナクリーチャーはどれも粒ぞろいで、そのなかでも最近になって採用が増えた《浜墓荒らし》に要注目。単体では場に出たときに-2/-0修正をする1/2と可愛いカードですが、これが手札にあるだけで忍者たちがブロックを恐れずにアタックしてくるようになり、非常に厄介です。
場に出たあとも忍者と合わせて殴ることでブロックされづらい状況を作り、「忍術」の種としても活躍してくれます。さらに、人間であるため《心を一つに》のコスト軽減にも対応と隙がありません。
見かけでは小さな強化に感じるかもしれませんが、シナジー面での大きな役割を担っているので見逃せないアップグレードといえるでしょう。単純にクリーチャー枚数が増えたことで、「忍術」の起動がおこないやすくなっている点も重要な要素ですね。
このデッキはレガシーをやっている人に特にオススメで、多数のドローやカウンター呪文に加えて「忍術」による小技がたくさんあるのでぜひプレイしてみてください!
黒:リソースの秘訣は《カルニの庭》にあり!?
一般的な「黒単信心」に近い構成ですが、「トークンが出る土地」という理由で《カルニの庭》が4枚採用された黒単信心です。
黒単信心のリソースカードといえば《血の署名》ですが、このデッキでは《命取りの論争》と《勢団の取り引き》というサクリファイスドローをリソース源としており、なんと合計7枚も採用されています。
もともと黒単では強力な1マナ域のカードが少なく、せっかくのアンタップインを有効に使えず1ターン目を無駄にしてしまうケースが起きていました。そこで1ターン目に《カルニの庭》をタップインすることで、ブロッカーを立てつつドローへ繋げようというアイデアです。
以前から《墓所のネズミ》を起動する際に、横にいる《薄暮軍団の盲信者》などが流れていくのを見て悲しくなっていたので、気兼ねなくサクリファイスの種として生贄にできる点も非常に理に適っています。
大量のドローから繰り出すのは、パウパー最強の除去である《喪心》を始めとした豊富な除去、《リリアナの死霊》や《騒がしいネズミ》といったハンデス内臓クリーチャー、そして極めつけは《アスフォデルの灰色商人》と《吸血鬼の君主》のライフドレインで相手を締め付けます。ドロー・除去・ハンデス・ドレインと、まさに黒を体現した除去コントロールデッキですね。
《カルニの庭》と合わせて《ゴルガリの腐敗農場》も採用されており、《カルニの庭》の再利用や土地が少ない手札でも3マナへのアクセスが可能です。サイドボードには、黒には少ないエンチャント対策である《平穏》やバーンへの回答になる《嵐の乗り切り》がしっかりと採用されており、対応力にも優れています。
もちろん《カルニの庭》にも欠点があり、《クォムバッジの魔女》が2ターン目に出せなかったり、《汚涜》が少し弱くなってしまう点にはご注意を。
赤:やはり暴力‥‥!!暴力はすべてを解決する‥‥!!
以前も紹介した「赤単ブリッツ」ですが、とても面白い構成が勝っていたのでピックアップ。ほぼ「赤単英雄的」ともいえる、その刹那的輝きに懸けた非常に赤らしいデッキとなっています。
おなじみの《変異原性の成長》以外にも、赤い《巨大化》である《粗暴な力》や《噛み傷への興奮》といった強化呪文に加えて《ティムールの激闘》をフル投入。逆に《溶岩の投げ矢》は2枚に抑えていたりと、戦闘ダメージでのフィニッシュが強く意識されています。
赤いデッキで《稲妻》が採用されていないデッキというのも特徴的で、メインデッキでは対戦相手と対話する気はまったくないのが伺えます。まさにオールイン・・・!
《窯の悪鬼》以外に採用されているクリーチャーも上記の呪文と相性の良いカードばかりで、《サテュロスの重装歩兵》は「英雄的」で自身に+1/+1カウンターが乗ることで継続的なダメージ源としても活躍します。近いカードに《僧院の速槍》がありますが、息切れた際も《サテュロスの重装歩兵》なら3/3~4/4程度には育っていることが多いので、オールインの押し込みが成功するケースがあります。
同じ「英雄的」持ちの《アクロスの十字軍》は、横にクリーチャーを展開してくれることで防御面や多面的な攻めを実現するカードで唯一無二といえます。
そして、《焼身の魂喰い》という超スーサイドクリーチャーも採用されており、18点ライフを支払うことで+9/+0修正。そこに《ティムールの激闘》を合わせることで20点パンチという必殺技も内臓しています。
極めつけは《猿人の指導霊》が4枚採用されていることによって、1ターン目《焼身の魂喰い》→2ターン目《ティムールの激闘》ができてしまう点。とんでもない!
ある日突然、殺意の波動に目覚めたらぜひお使いください。個人的にはほどよく理性を残したいので《猛火の最高潮》がオススメです。
緑:君だけの最強生物を作ろう!~ステッカーを添えて~
(※ステッカーはサイドボードに含まれません)
MOでは実装されていませんが『Unfinity』によって強力なデッキが誕生しました。それがこの「緑単ステッカーストンピィ」です。
ステッカーの簡単なルールについてはこちら。詳しくは公式のメカニズム解説記事をご覧ください。
– ゲーム開始前に重複しない10枚以上のステッカー・シートを用意し、対戦相手に公開する。
– ゲーム開始時に、そこから無作為に3枚選ぶ。
– ゲーム中に使用できるのは、選ばれた3枚だけ。
従来の緑単ストンピィは、《吠え群れの飢え》や《怨恨》を使い軽量のクリーチャーを強化して戦う素直なビートダウンデッキでした。そこへ、新能力「チケット」と「ステッカー」が登場し非常に厄介なデッキへと変化しています。
あなたがコントロールしているクリーチャー1体を対象とし、あなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とする。[チケット][チケット]を得、その後、あなたがオーナーであり土地でないパーマネント1つにステッカー1枚を貼ってもよい。その前者はその後者に自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。
その原因ともいえるカードが《Finishing Move》です。3マナで対象に取ったクリーチャーのパワー分のダメージを相手へ与える「ビーム」能力を持つカードですが、ダメージを与える前にチケットを2枚得たあとに「ステッカー」を貼る、という効果があります。このチケットは『カラデシュ』で登場した「エネルギー」のようなもので、消費することで数に応じたいずれかのステッカーを貼ることができます。
たとえば2枚消費すると「パワー/タフネス」ステッカーが付けられるようになり……
上記2種のようなステッカーを貼ることで、5/1 or 4/2のクリーチャーへと”上書き”されます。このステッカーによって上書きされた情報は非公開領域へ移動するまで消えません。つまり、《Finishing Move》はクリーチャーを永久的にパワー4〜5にしつつ、除去をおこなうというハイスペックカードになります。すごい!
ここで相性の良いクリーチャーが、回避能力持ちの《ジンジャーブルート》《大霊堂のスカージ》《シラナの岩礁渡り》たち。そして場持ちのいい《若き狼》と《安寧砦の精鋭》の「不死」「頑強」持ちです。
特に「不死」「頑強」持ちは、能力で戦場に戻った際も「ステッカー」が貼られたままなので強力なサイズを維持することもできますし、チケット3枚を消費することで付けられる能力ステッカーを使い、《Night Brushwagg Ringmaster》と《Phyrexian Midway Bamboozle》によって、それぞれと逆の能力を付与することで不死身のクリーチャーを作ることができます。
護法(このクリーチャーが対戦相手がコントロールしている呪文や能力の対象になるたび、そのプレイヤーがを支払わないかぎり、その呪文や能力を打ち消す。)
これが戦場に出たとき、あなたは[チケット]を得、その後、あなたがオーナーであり土地でないパーマネント1つにステッカー1枚を貼ってもよい。
追加の「チケット」を確保するために登場するのが、第2の新カードである《Chicken Troupe》です。「護法2」を持った2/2で場に出たときの能力でチケットを1枚得ることができます。このカード1枚ではチケット消費2枚以上のステッカーを貼ることはできませんが、プレイしておくことにより後半の《Finishing Move》のバリューを大きく上げることができるのが魅力です。
「ステッカー」はMOに実装されていないこともあり、まだまだ未知数のデッキなのでさらなるアップグレードも期待できそうな点も高評価だといえます。《Finishing Move》を墓地から回収できる赤や青と組み合わせるのも面白いですし、回避能力持ちクリーチャーを増やして殴り切るタイプや《ラノワールのエルフ》のようなマナクリ―チャーを入れて速度を上げるのも面白そうです。《怨恨》や《Finishing Move》で賞味期限の切れたマナクリーチャーをアタッカーに変えられるのもGood!
このデッキを回して思ったことは、単体でチケットを2枚得るカードが《Finishing Move》のみという点で、追加の《Finishing Move》になり得るカードの登場が待ち遠しいですね。次回の「UNシリーズ」でもパウパーリーガルのカードが増えることを願っています。
おわりに
パウパーはカードプールが広くさまざまなデッキが存在します。今回は単色デッキを紹介しましたが、2色以上だともっと面白いデッキがたくさんありますので、気になったデッキがあれば遊んでみてください!
晴れる屋の「デッキ検索」機能を使えば、いろんな人たちの挑戦的な新デッキや最新のデッキリストまでバッチリ確認できますのでそちらもぜひ!
- 【パウパー登録デッキ一覧】
来月の神決定戦前にも記事を投稿予定ですので、そちらもよければ読んでいただけると嬉しいです!それではまた!
長谷川 翔一(@ensoul0714)