仲間よ集え!
マジックにはさまざまなクリーチャー・タイプが存在します。天使やドラゴン、兵士といった有名なものから、カキや臆病者といった「何それ?」と首をかしげるものまで実に281種類(2023年3月現在)。
なかでも天使やドラゴンなど、クリーチャーがどういった生物なのかを表すものを俗に「種族」といいます。その「種族」にフィーチャーした統率者戦のイベントがあるのをご存じでしょうか。
みなさまこんにちは。晴れる屋のきよそねです。この記事では、3/11(土)に晴れる屋吉祥寺店で開催予定の「種族王」と、そのデッキについてご紹介します。
「種族王」はマジックプレイヤーでありグラフィックデザイナーでもある、つな氏(@thexxtokyo)の主催するイベント。独自のルールとクールなクリエイティブの魅力によって徐々に規模を拡大し、今回晴れる屋で会場提供をする運びとなりました。
そして何を隠そう、前回大会の優勝者が私きよそねなのです。ちなみに初代王者は晴れる屋メディアチームのいってつ。……社内のライター、統率者戦に偏りすぎでは?晴れる屋のスタッフとしてはもちろん、種族王ファンとしてこのイベントを盛り上げたい。その一心でこの記事を執筆しました。
そもそも種族王って?
通常の統率者戦では、デッキに入れられるカードは統率者の固有色によって決まります。種族王ではそれに加えて統率者の種族による制限が加わります。
まず、デッキに入れられるのは統率者と同じ種族1種類を持ったクリーチャーのみ。
たとえば《法務官の声、アトラクサ》はファイレクシアン・天使・ホラーのため、ファイレクシアンか天使かホラーのいずれかでデッキを構築することになります。ファイレクシアンを選んだ場合は、たとえ天使であってもファイレクシアンでないクリーチャーはデッキに入れられません。
《刃を咲かせる者、ナジーラ》は人間・戦士ですが、この場合の種族は人間のみを指します。戦士を選ぶことはできません。
また、クリーチャーは25枚以上採用する必要があります。通常の統率者戦と比べるとやや多くなりますね。
そして統率者戦の華であるコンボも、クリーチャーを絡めたものである必要があります。5マナ出る《養育者、マーウィン》と《威圧の杖》の組み合わせによる無限マナ・ドローは適正ですが、《玄武岩のモノリス》と《ブライトハースの指輪》で無限マナを出すことはできません。
詳細なルールはこちらのページをご覧ください。
前回の優勝デッキ
前回きよそねが選んだ部族は「エルフ」。《ワイアウッドの呼び手、ギランラ》と《ダスキネルの工作員、ネイディア》の「共闘」デッキです。
《ダスキネルの工作員、ネイディア》は《食物連鎖》との1枚コンボが成立する統率者。ネイディアとネイディアから出たトークンを《食物連鎖》のコストにすることで統率者税を帳消しにし、最終的には無限のトークンを生成します。
この《食物連鎖》を緑のドローと黒のサーチで探し当て、1ターン経過後のコンバットか《ネイディアの夜刃》によるドレインなどで勝利するコンボデッキです。また《食物連鎖》が処理された場合のサブプランとして、大量のマナを《背教の主導者、エズーリ》につぎこんでコンバットで勝利することも可能。
当初は《背教の主導者、エズーリ》を統率者にしようと考えていましたが、種族王では《ワイアウッドの共生虫》や《孔蹄のビヒモス》《野生の魂、アシャヤ》といった「名誉エルフ」たちが使えません。無限マナさえ出せば勝てるのは魅力ですが、緑単+種族王という制限によって、コンボパーツを探しづらくなっています。
また全体除去が多いことも向かい風。《背教の主導者、エズーリ》で再生できるとはいえ、常にマナを構えることができるとは限りませんし、《告別》の前では無力です。
エルフを諦めることも頭をよぎりましたが、せっかくの種族王。好きな種族で勝ちたいものです。改めて伝説のエルフを調べ直して見つけたのが《ダスキネルの工作員、ネイディア》。コンパクトなコンボとサーチ手段を採用できるため、全体除去のレンジになる前に勝つことが可能です。
第2章のデッキリストを見る限り、ビートダウンで圧をかけつつ隙を見てコンボを決めるデッキが多い様子。打ち消しの枚数も多くなく、軸をズラして戦うことができそうです。
結果は予選2-1で決勝戦に進出し、そのまま優勝。狙いが上手くハマった形となりました。ちなみにほかの3人もコンボデッキ。みな考えることは同じだったか……。
フリープレイでは全体除去を撃たれてそのまま殴り倒されたゲームや、逆にエズーリでマナクリーチャーをムキムキにして殴り倒したゲームも。必ずしもコンボ一辺倒の環境ではなく、盤面をめぐる争いも重要な環境でした。
コンボをどうやって咎める?
第3回はコンボデッキが台頭した種族王ですが、次回もその通りになるのでしょうか。ヘイトベアーによってコンボを咎めるデッキ、打ち消しや除去によってコンボを咎めるデッキ、あるいはコンボに匹敵する速度で殴り勝つデッキが現れるかもしれません。
個人的には「統率者領域に置ける《孔蹄のビヒモス》」である《宴の結節点、ジェトミア》や、強力なアドバンテージ獲得力と打ち消しを有する《織り手のティムナ》+《千の顔の逆嶋》に注目しています。
もし自分が使うならこんな感じ?パーティーシナジーも取り入れた欲張りデッキ。
またクリーチャーを絡めたコンボしか使えない以上、インスタントタイミングの除去もコンボに対する妨害になります。ひょっとしたらこれまで多めに積まれていた全体除去の一部は、インスタントタイミングで使える単体除去に置き換えても良いかもしれませんね。
ちなみにきよそねが今回使うデッキは……前回と同じくエルフであるとだけ宣言しておきましょう。「種族王 第4章」は現在予約受付中。その正体はみなさん自身の目で確かめてください。
それでは種族王のテーブルでお会いしましょう。