レガシー禁止改定 ~さらば《表現の反復》《白羽山の冒険者》~

晴れる屋メディアチーム

はじめに

3月6日付けで禁止制限が告知され、レガシーにおいて2枚のカードが禁止カードに指定されました。

肩に手を置かれてしまったのは《表現の反復》《白羽山の冒険者》。現在のレガシーを代表するデッキ、イゼットデルバーと白単イニシアチブの主要カードであり、構築環境に多大な影響を及ぼしてきました。

去り行くカードに追悼の意を込めて、今回は禁止指定されたカードを振り返っていきます。

《表現の反復》

表現の反復

《表現の反復》は『ストリクスヘイヴン:魔法学院』で登場したソーサリー。条件付きとはいえ、わずか2マナでアドバンテージを獲得できるとあって、歴代屈指のドローカードとしてすぐに認知されます。当時から一大勢力であったイゼットラガバン(デルバー)を不動の地位へと押し上げたのは、間違いなくこのカードの力でした。

《表現の反復》が加入した17期以降、レガシー神決定戦には常にこのカードの姿がありました

低コストのクリーチャーと干渉手段を組み合わせたデルバー系統のデッキにおいて、《表現の反復》は革新的なカードとなりました。カードアドバンテージを切り捨て、テンポアドバンテージに特化していたデッキに、カードアドバンテージ獲得手段が盛り込まれたのですから。

青いマッチアップでは《表現の反復》を巡る攻防が、ゲームの焦点となりました。

渦まく知識意志の力

環境が進むにつれてイゼットデルバーのみならず、《表現の反復》をタッチしたコントロールまで出現するにいたります。《渦まく知識》《意志の力》に次ぐ、現代レガシーの顔というべきカードにまでなっていたのです。

《白羽山の冒険者》

白羽山の冒険者イニシアチブ+地下街

対して、近年目覚ましい活躍を見せていたのが《白羽山の冒険者》です。『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』により登場した「イニシアチブ」は、クリーチャーをベースとしたデッキへもたらされたリソース獲得手段。奪い合うことを前提にデザインされており、膠着したゲームを打開し、躍動感をもたらす能力のはずでした。

しかし、「イニシアチブ」をフィーチャーしたデッキが構築されると、クリーチャーの戦闘を前提としていないコントロール戦略は、たちまちメタゲームの外周へと追いやられてしまいました。

最序盤にプレイされた《白羽山の冒険者》《練達の地下探検家》は、文字通りゲームの主導権を握る活躍をみせてくれました。着地したが最後、淡々と繰り返される攻撃を前に、「イニシアチブ」は行き来するどころか一方的なものとなってしまったほど。

裏切り者の都古えの墳墓水蓮の花びら金属モックス

《白羽山の冒険者》はそのマナコストにより、ほかのカードと一線を画していました。8枚ずつ入った2マナ土地+アーティファクトマナソースと組み合わせることで、安定して1~2ターン目に着地可能だったのです。

疑似警戒能力も付与されており、「イニシアチブ」を巡る攻防にも強いデザインでした。

今後のレガシー

表現の反復白羽山の冒険者

たった2種類ですが、これらのカードが環境から去った影響は大きく、レガシーは激動の時代へと突入します。

もみ消し

あらゆるゲームレンジに対応できていた無敵のイゼットデルバーは存在しません。以前のように1マナのクリーチャーを、《もみ消し》《呪文貫き》《稲妻の連鎖》などで補助していくテンポスタイルへと回帰する可能性があります。

気まぐれな呪文踊り

中~長期戦の希望の光となるのは《気まぐれな呪文踊り》です。ほかのインスタントやソーサリーを使って油カウンターをチャージする必要はありますが、打点とアドバンテージ源の両方を担うカードとなりそうです。

練達の地下探検家混沌の洞窟の冒険者

《白羽山の冒険者》の消失は大きく、おそらく白単イニシアチブは解体となりますが、多色化することで「イニシアチブ」路線は堅持できそうです。《混沌の洞窟の冒険者》のある赤との組み合わせは有力候補です。

上記のデッキリストは《白羽山の冒険者》入りとなりますが、同じ3マナ域には《精鋭呪文縛り》《選定された平和の番人》といった妨害クリーチャーが採用されており、「イニシアチブ」クリーチャーの定着をサポートする構築となっています。

その一方で、レガシーはアーキタイプが多く、コンボのように無傷のまま次の環境を迎えるデッキも存在しています。第21期レガシー神決定戦の上位デッキを振り返って見てもむかつきやペインター、セファリッド・ブレックファーストが該当します。

偉大なる統一者、アトラクサ

新戦力《偉大なる統一者、アトラクサ》を手に入れたリアニメイトやスニークショーも活躍のチャンスです。「イニシアチブ」の勢力次第ではコントロール戦略も復権する可能性を秘めています。

以下は3月7日(火)時点で、《表現の反復》《白羽山の冒険者》を採用していないデッキです。

スニークショー

リアニメイト

多色コントロール

青単ペインター

赤単プリズン

おわりに

レガシー屈指のドローとアドバンテージ獲得手段を持つカードが去ったことで、新たな環境が始まります。イゼットデルバーやイニシアチブデッキはどのような構築へと変化するか楽しみではありますが、その一方で既存のデッキに飲み込まれてしまうかもしれません。今後、このフォーマットがどのように変化するのか、要注目ですね。

今回の禁止告知については動画でも解説しているのでぜひ、ご覧ください!

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