USA Legacy Express vol. 216 -イゼットデルバーからの解放-

Kenta Hiroki

はじめに

みなさんこんにちは。

今週末は『第22期レガシー神挑戦者決定戦』が開催されます。禁止改定後に開催されるテーブルトップのイベントなので要注目です。

さて、今回の連載では先週末に開催された『Legacy Challenge』の入賞デッキを見ていきたいと思います。

Legacy Challenge 4/15
コンボデッキの時代

2023年4月15日

  • 1位 ANT
  • 2位 Death and Taxes
  • 3位 Sneak and Show
  • 4位 Temur Delver
  • 5位 Grixis Control
  • 6位 Elves
  • 7位 Echo Storm
  • 8位 Jeskai Stoneblade

トップ8のデッキリストはこちら

先週の土曜日に開催されたLegacy Challengeは、「イニシアチブ」デッキがプレイオフに多数入賞していた前回から一転して、ANTやSneak and Show、Elvesなどさまざまなコンボデッキが結果を残していました。

コントロールが復権してDelverが数を減らしたため、コンボデッキにとっても勝ちやすい環境になったようです。また、Jeskai StonebladeやDeath and Taxesなど《石鍛冶の神秘家》デッキも活躍しています。

デッキ紹介

Temur Delver

禁止改定後もDelverは見られるものの勝率は大きく下がっており、特にIzzet Delverは減少傾向にあります。その代わり、新たなアドバンテージ源やクリーチャーの質を求めて緑を足したバージョンが増加し、禁止改定直後のLegacy Showcase Challengeでも優勝しています。

今回入賞したバージョンは、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《壌土からの生命》を採用したミッドレンジ寄りの構築となっており、コントロールデッキとのマッチアップに強くなっています。

ミッドレンジに寄せるとコンボデッキとのマッチアップが不安になりますが、《秘密を掘り下げる者》《ドラゴンの怒りの媒介者》という2種類の1マナのクロックもしっかりと採用されています。

☆注目ポイント

自然の怒りのタイタン、ウーロ壌土からの生命森の知恵

禁止改定後のTemur Delverは《タルモゴイフ》だけタッチしたものが多かったですが、このリストには《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《壌土からの生命》《森の知恵》リソースを稼ぐカードが追加されています。特に《自然の怒りのタイタン、ウーロ》は同型では対処されづらく、メイン戦で「脱出」させることができればゲームを有利に進めることができます。

時を超えた英雄、ミンスクとブー

サイド後は《時を超えた英雄、ミンスクとブー》でより多角的に攻めることができ、クリーチャー除去を多用するコントロールとのマッチアップで活躍してくれます。また《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《時を超えた英雄、ミンスクとブー》といった重めのカードを使っているので、土地も20枚とDelver系の中では多めに採用されています。

Legacy Challenge 4/16
多種多様なコンボデッキ

2023年4月16日

  • 1位 Karn Echo
  • 2位 Phoenix Alive
  • 3位 Jeskai Stoneblade
  • 4位 Reanimator
  • 5位 Doomsday
  • 6位 Temur Delver
  • 7位 Reanimator
  • 8位 Sneak and Show

トップ8のデッキリストはこちら

日曜日に開催されたLegacy Challengeでもさまざまなコンボデッキが活躍していました。Temur DelverやJeskai Stonebladeといった青いフェアデッキも結果を残しており、多様性のあるレガシーが戻ってきました。

デッキ紹介

Karn Echo

《大いなる創造者、カーン》《神秘の炉》が登場してから、トップメタではないもののそこそこの活躍をしていたアーティファクトコンボデッキ。《水蓮の花びら》《オパールのモックス》《厳かなモノリス》などから大量のマナを出し、最終的に《歩行バリスタ》でフィニッシュを決めます。

《大いなる創造者、カーン》によって状況に応じたアーティファクトをサーチしてくることができ、《永劫のこだま》によって手札補充もできます。《神秘の炉》を通すことができれば、アーティファクトで占められたこのデッキでは大きなアドバンテージエンジンとなります。

☆注目ポイント

Voltaic Key厳かなモノリス

《通電式キー》《厳かなモノリス》を組み合わせることで大量のマナを生み出すことができます。0マナのマナアーティファクトの《水蓮の花びら》《オパールのモックス》《神秘の炉》と相性が良く、デッキを掘り進みながらマナを出すことが可能です。

催眠の宝珠玄武岩のモノリス永劫のこだま

《催眠の宝珠》《玄武岩のモノリス》がそろえば好きなだけ「切削」することができるので、《永劫のこだま》を墓地に落として手札を回復させることができます。

防御の光網

アーティファクトベースのデッキなので、コンボをバックアップするハンデスやカウンターこそありませんが、コントロールデッキに有効な《防御の光網》が採用されています。多くの場合このカードをプレイした際にカウンターを使ってくれるため、その後のキーカードが通りやすくなります。

Reanimator

禁止改定後の環境で高い勝率を維持しているReanimator。最近は各デッキの墓地対策も増えていますが、Reanimator側もサイドボード後は《実物提示教育》など墓地に依存しない戦略を採用しています。

『ファイレクシア:完全なる統一』から登場した《偉大なる統一者、アトラクサ》もしっかりと使われています。さまざまなフォーマットで活躍している《偉大なる統一者、アトラクサ》ですが、レガシーでも非常に優秀で強力なカードであることが証明されています。

☆注目ポイント

集団的蛮行

メインから採用されている《集団的蛮行》は2マナとこのデッキでは少し重くなりますが、相手の妨害をしつつ「増呪」を利用することで手札のクリーチャーを墓地に落とす手段としても機能します。

煙霧の連鎖セッジムーアの魔女ウィザーブルームの初学者

多くのリストは、サイドボード後の墓地対策に備えて《実物提示教育》《ダウスィーの虚空歩き》など墓地に依存しない勝ち手段を用意していますが、このリストでは《煙霧の連鎖》《セッジムーアの魔女》/《ウィザーブルームの初学者》のコンボが採用されています。

《セッジムーアの魔女》《ウィザーブルームの初学者》はどちらも単体で優秀であり、相手は除去を減らして墓地対策をサイドインしていることが多いため、サイド後は対処されづらいのもポイントです。

Phoenix Alive

《暗黒の儀式》から《生き埋め》をプレイして《弧光のフェニックス》を3枚墓地に落とし、追加でなにかスペルを唱えて《弧光のフェニックス》を墓地から復活させるのがこのデッキの主なプランになります。

爆発力があり、最速で1ターン目から走り出す複数の《弧光のフェニックス》を止めるのは困難です。また、コンボパーツ以外は優秀なドローや除去、ハンデスとそろっているため、Grixis Midrangeのように振る舞うこともできます。

☆注目ポイント

信仰無き物あさり陰謀団の儀式

《弧光のフェニックス》を落とす追加の手段として《信仰無き物あさり》が採用されています。マナ加速では《暗黒の儀式》のほかに《陰謀団の儀式》も採用されており、《ドラゴンの怒りの媒介者》が入っていた従来のリストよりもコンボに特化しています。

Court of Ambition

サイド後の墓地に依存しないカードとして《野望の宮廷》が用意されています。《悪意の大梟》《疫病を仕組むもの》で「統治者」を維持しながら、最終的に相手の手札とライフを0にします。

Jeskai Stoneblade

禁止改定と新カードの《語り部の杖》が登場したことで強化された青白系のコントロールが活躍しています。

今までは《秘密を掘り下げる者》《真の名の宿敵》などクリーチャーを入れたミッドレンジ寄りの構成でしたが、新環境で主流となっているのは《語り部の杖》でリソースを稼いで相手の脅威をさばいていくコントロール寄りのスタイルになっています。

除去が多くアドバンテージを稼ぐ手段も豊富なのでDelver系を含めたクリーチャーデッキに強く、逆に1マナのクロックがおらず除去や装備品などがあまり役に立たないコンボデッキは苦手なマッチアップになります。

☆注目ポイント

否定の力呪文貫きMinor Misstep

《謙虚》《放浪皇》《開闢機関、勝利械》《サメ台風》といった重いスペルが、《否定の力》《呪文貫き》《軽微なつまづき》といったカウンターに差し替えられており、苦手なコンボデッキとも渡り合えるように調整されています。

《軽微なつまづき》はプレビュー段階から話題になっていたカウンターで、《稲妻》《剣を鍬に》といった1マナ除去から《石鍛冶の神秘家》を守りつつ、《暗黒の儀式》《納墓》といったコンボデッキの決定的なスペルも対策できるなど意外と受けが広いカウンターです。

Staff of the Storyteller

このデッキのアドバンテージエンジンである《語り部の杖》ですが、《サメ台風》《放浪皇》などトークンを生成するカードはあまり採用されていません。2種の生体武器と《語り部の杖》のみとなっており、スペースの多くを割かなくても十分に強力であるようです。

激しい叱責

いろいろと用途が広い《激しい叱責》は、《不毛の大地》を採用していないこのデッキにとって《ウルザの物語》の対策になります。青いカードかつキャントリップなので無駄になりにくく、Doomsdayなど一部のコンボデッキに対して有用なのも評価されている理由になります。

総括

禁止改定後のレガシーは特定のデッキが支配することなく、コンボからフェアまでさまざまな選択肢が存在するようになりました。

Delver系が弱体化したことでこれまで抑えられていたコンボデッキが活躍しており、青いフェアデッキも《語り部の杖》という新戦力を獲得して結果を残し続けています。

今週末に開催される『第22期レガシー神挑戦者決定戦』ではどのようなデッキが勝ち上がってくるのか要注目です。

以上、USA Legacy Express vol. 216でした。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!

この記事内で掲載されたカード

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Kenta Hiroki アメリカ在住のプレイヤー。 フォーマットを問わず精力的に活動しており、SCGやグランプリの結果などからグローバルな最新情報を隔週で発信する「USA Modern Express」「USA Legacy Express」を連載中。 Kenta Hirokiの記事はこちら