「終わり」の「終わり」
新ファイレクシアが全次元に仕掛けた侵略戦争は、ファイレクシアンの敗北に終わりました。
ほとんどのプレインズウォーカーは灯を失うことになり、私たちの知るプレインズウォーカーたちは今後「クリーチャー」として多元宇宙を旅することになります。
そう、もはや次元を渡るのにプレインズウォーカーの灯は必要ないのです。かつてはカルドハイムの中だけを移動するものだった領界路が次元を繋ぐようになったのです――
――この衝撃的なエピローグ。それを描く新セット『機械兵団の進軍：決戦の後に』のプレビュー配信が昨晩実施されました。
いってつが発表の模様をレポートします。
収録カード
このセットに収録される50種類のカードすべてが公開されました。
さまざまな次元の「戦後の始まり」を描くセットということで、各次元ごとにカードが発表されました。
ザルファー
ザルファーはかつてドミナリアに存在したテフェリーの故郷。テフェリーはザルファーを守るためにフェイズ・アウトさせますが、フェイズ・インに失敗。それっきり時の流れから置き去りにされてきました。
しかし『機械兵団の進軍』で《レンと次元壊し》によって、ついに多元宇宙に帰ってきました！
完成化していたニッサも回復。プレインズウォーカーの灯を失い、伝説のクリーチャーとして再登場です。《水蓮のコブラ》、そしてオムナスの影を感じる「上陸」能力。統率者戦ではランプデッキでお呼びがかかりそうです。 《野生の魂、アシャヤ》《古の緑守り》など、エレメンタルには上陸デッキで強力なクリーチャーも多数。
カーンもプレインズウォーカーではなくなり、「アーティファクト・クリーチャー」に。旧カーン《銀のゴーレム、カーン》はコンバット面で非力でしたが数多の戦いを経験した結果か……5/5以上のスタッツを持つようになりました。
ゼンディカー
《万物の座、オムナス》さえ完成化してしまったゼンディカーは復興を果たせるでしょうか。
キオーラ、ナヒリ、そしてタズリ。ゼンディカーらしい面々が再登場。エルドラージとの戦いからも復興したゼンディカーです。今回もきっと力強く「目覚め」ることでしょう。
《無謀な始末》はアーティファクト限定の《ギャンブル》のようなカードです。統率者戦でお呼びがかかりそうです。
テーロス
テーロスの神ごと完成化してしまいそうだったテーロスでは《大天使エルズペス》が新たな神として信心を集めているようです。
《神格化》はプレインズウォーカーに破壊耐性を与えます。まさにエルズペスが崇められる場面。信心の高さが力の強さであるテーロスらしい一枚です。
タルキール
数々の名ドラゴン、サルカンにナーセット……有名人多数を輩出してきたタルキールにもファイレクシアンの侵攻が迫りました。
文字通り”ジェスカイ”のナーセット！クリーチャーに果敢を与える能力にシビれる！サルカンもプレインズウォーカーの灯を失ってしまいましたが、ドラゴンを崇拝する彼の表情は明るく見えます。タルキールの空を支配するのはファイレクシアンではなくドラゴン！こうでなくては！
《ズルゴとオジュタイ》《碑出告と開璃》といった強力なドラゴンも存在しているので、スタンダードでドラゴンデッキの成立もあり得そうです。パイオニアでも旧スタンダードのように《黄金架のドラゴン》と追加ターンで戦うデッキにチャンスがあるかも。
ストリクスヘイヴン
魔法学院の学生にも容赦なくファイレクシアンは襲い掛かりました。教授たちもファイレクシアの手に堕ちるなか、学生たちは学部の垣根を越えてファイレクシアンに立ち向かいました。
表現の学部長、ナサーリと混沌の学部長、プラーグは学院の再建に奔走。統率者戦では全員のライブラリーからランダムで踏み倒し《けちな贈り物》する面白いデザイン。
ラヴニカ
もっとも人気のある次元のひとつ、ラヴニカ。10のギルドがひしめく都市でありながら、『灯争大戦』では《ニコル・ボーラス》の脅威に対し一致団結しました。
ニヴ様、健在！！2色の呪文をフューチャーする《至高の者、ニヴ＝ミゼット》はラヴニカの象徴的存在です。
ニューカペナ
エルズペスの故郷、ニューカペナ。5つのマフィアが奪い合う「光素」はファイレクシアンを退ける力があります。
『ニューカペナの街角』で暗躍したオブ・ニクシリスはなんと指名手配中！！プレインズウォーカーの灯を失った今、5つのファミリーから逃げのびることはできるのでしょうか。《完全なる統一》との2枚コンボに注目！
《舞台座一家の料理人、ロッコ》も青空の下で料理をふるまいます。
神河
日本をモチーフにした次元、神河にもファイレクシアンの魔の手は迫りました。
ナシの背後のタミヨウ……「物語の円は巡り続ける。」
カルドハイム
思えば、この侵略はファイレクシア法務官の《ヴォリンクレックス》がカルドハイムに現れたときから始まっていたのでした。これでカルドハイムにも日常が戻り――
「彼ら曰く、彼らは新ファイレクシアに素手で乗り込んで自らエリシュ・ノーンを殴り倒したらしい。」
――また戦いの日々に戻るのでした。タイヴァーも灯を失いましたが、変わらずエルフの英雄です。エルフのロードとして”統率者”に君臨するでしょう。
カラデシュ
発明家とアーティファクトであふれるカラデシュ。
《希望の標、チャンドラ》のママ、《ピア・ナラー》が再登場。反体制の「改革派」のリーダーでしたが、戦後は「改修家」に転身！
イクサラン
海賊と征服者、マーフォークに恐竜！探検の世界、イクサラン。
今年の冬に予定されているスタンダードセット、『Lost Caverns of Ixalan』での再訪が決まっています。伝説のクリーチャーは今セットでは登場しません。年末までお預けのようですね。
《濾過》は0マナのアーティファクトを使うコンボデッキでお呼びがかかるかも？
イニストラード
《約束された終末、エムラクール》もアヴァシンの暴走も経験してきた次元。さすがに面構えが違いました。
マルコフ一家は健在。怪物たちに虐げられているイニストラードの人間たちをシガルダも変わりなく見つめています。
イコリア
巨大な怪獣がうごめくイコリア。怪物との戦いには慣れていますが、それでも無傷とはいきません。
ファイレクシアンを退けたら退けたでまたイコリアの怪獣との戦いが始まります。《免れ得ぬ破滅、ルーカ》の元婚約者であるジリーナはドラニスを守る日々に戻っていきます。人間デッキなどで戦線を維持するのに役立ちそうです。
エルドレイン
おとぎ話の中のような世界、エルドレイン。
《帰還した王、ケンリス》と《不動の女王、リンデン》の葬儀。ローアン、ウィルの心中はいかに。エルドレインにも今年の秋のスタンダードセット『エルドレインの森』で再訪します。王亡きあと、エルドレインにはどんな困難が待ち受けているのでしょうか。
《訓練場》が再録！スタンダードおよびパイオニアでリーガルとなります。新たなデッキが生まれるか注目です。
アモンケット
《ニコル・ボーラス》にめちゃくちゃにされたアモンケット。ファイレクシアンの影響はいかほどでしょうか。
「仕事は山積み」。サムトとデジェルにはやることがたくさんあります。アモンケットの再建のために。
速攻を持って出てくる各種フェニックスや《マナ形成のヘルカイト》などの速攻を持ったトークンを生み出すカードとは相性抜群。
ドミナリア
長年、ファイレクシアに苦しめられてきたドミナリア。宿敵との闘いに一応の決着をみたドミナリアを再建しましょう。
《闇の取り引き》《窃取》のアートに登場していたキュートなキャラクターがついにカード化！？《偉大なる統一者、アトラクサ》を追放したい！
ダニサはキャパシェン家の新たなリーダーとなりました。それは必ずしもいいことではないでしょう。ドミナリア、そこに住まう人々も大きく傷つきましたが、うつむいてはいられません。
製品構成
今回は収録枚数が50枚の小型セット。よって……パックもコンパクトになっています！ドラフト・ブースターの代わりにエピローグ・ブースターが発売されます。
【エピローグ・ブースターの構成】5枚＋広告・トークンカード
非フォイル仕様のアンコモン2枚
非フォイル仕様のレアや神話レア1枚
フォイル仕様の不特定レアリティのカード1枚
※この枠から6パックに1枚の割合でレアもしくは神話レアが出現不特定レアリティのブースター・ファン・カード1枚
※6パックに1枚の割合で、この枠からフォイル仕様のカードが出現
※さらに6パックに1枚の割合で、この枠からレアや神話レアが出現
※すなわち、36パックに1枚の割合で、フォイル仕様のレアや神話レアのブースター・ファン・カードが出現
今セットにもブースター・ファンが登場します。『機械兵団の進軍』と同じく、各次元のフレーバーを感じさせる特殊な枠でかたどられていますが、「ザルファー」のカードだけは旧枠版が用意されているとのことです。
また、ボーダレス、拡張、エッチングフォイル、ハローフォイル仕様もコレクター・ブースターから出現します。
【コレクター・ブースターの構成】5枚＋両面トークン
フォイル仕様またはハロー・フォイル仕様のアンコモン1枚
※6パックに1枚の割合で、この枠からハロー・フォイル仕様のカードが出現エッチング・フォイル仕様のアンコモン1枚
フォイル仕様のレアや神話レア1枚
非フォイル仕様またはフォイル仕様の拡張アート版レアや神話レア1枚
※3パックに1枚の割合で、この枠からフォイル仕様の拡張アート版レアや神話レアが出現フォイル仕様またはハロー・フォイル仕様のブースター・ファン版レアや神話レア1枚
※6パックに1枚の割合で、この枠からハロー・フォイル仕様のカードが出現エッチング・フォイル仕様のレアや神話レア１枚
フォイル仕様の両面トークン１枚
今回もボックス購入プロモが配布されます。『機械兵団の進軍：決戦の後に』エピローグ・ブースターボックスやコレクター・ブースターボックスを晴れる屋各店舗などWPN店舗で購入すると、ボックス購入特典プロモの《ザルファーの声、ジョルレイル》を受け取れます。（数には限りがあります。）
おなじみのバンドルも発売されます。『機械兵団の進軍：決戦の後に』エピローグ・ブースター8パック、大型スピンダウン・ライフカウンター1個、『機械兵団の進軍』の基本土地40枚……がストレージボックスに詰まった、贈り物にも最適な商品です。これにバンドル・プロモの《灯の破裂》もついてくる！
展望
収録枚数は50枚と非常に少ないものの、そのボリューム感はいつものセットに引けを取りません。正直、こんなにハイカロリーなセットだとは思っていませんでした。伝説のクリーチャーも非常に多く、統率者戦のプレイヤーにとっても注目のセットといえるでしょう。
晴れる屋では予約を受け付け中！いつものセットとはなにかと違うことの多い特殊なセットなので、確実に手に入れたい方はぜひお忘れなくご予約ください！
個人的には新たなカーンが非常に気になります。みなさんも使ってみたいカードはありましたか？
それではみなさん、多元宇宙のどこかでお会いしましょう。
