コンボ発見伝 vol.1 -レジェンダリーアッセンブル-

富澤 洋平

突然のコンボ宣言

こんにちは富澤です。

『機械兵団の進軍』から1ヶ月も経たないうちに、『機械兵団の進軍:決戦の後に』が発売されます。全50種類のカードから構成されたスタンダード準拠の小セットということで、どのような影響をあたえるか楽しみですね。ラクドスミッドレンジの牙城に迫るデッキは登場するのでしょうか?

と、お決まりの挨拶はここまでにして。みなさんコンボしてますか?

特定のカード数枚を掛け合わせることで爆発的な相乗効果を発揮し、短時間で爽快に何より圧倒的に勝てる方法。それこそがコンボです。本稿は最新セットを中心に構築フォーマットで、コンボを発見していく企画となります。

記念すべき第1回目のカードは『機械兵団の進軍:決戦の後に』より《力線の浸透》です!

本稿でのコンボの定義

まずはコンボの定義から。本稿では2枚以上のカードを組み合わせた際に、それらを単体で使用するよりも得られる効果の大きいものをコンボとします。勝利条件に直結するかどうかは関係なく、カードやマナなど大量のリソースを生み出すもの、特定の挙動を繰り返し行うものもコンボに含めます。

ピックアップカード:《力線の浸透》

力線の浸透

《力線の浸透》

エンチャント(伝説のクリーチャー)

エンチャントしているクリーチャーは「護法2」と「T:望む色の組み合わせのマナ5点を加える。このマナは、呪文を唱えるためにしか支払えない。」を持つ。

《力線の浸透》エンチャント先をマナクリーチャー化するオーラです。同時に「護法」を付与することで完全とはいかないまでも単体除去への耐性を持ちます。

暗黒の儀式捨て身の儀式

マナコストに対して生成されるマナが多く、プレイしたターンから1マナ増えるため《暗黒の儀式》《捨て身の儀式》に近い感覚のカードです。生成されるマナは望む色の組み合わせの5点であり、極端な話色色色色色色色色色色のどちらも可能です。

効果に対して制約はかなり緩めであり、エンチャント先は伝説のクリーチャーマナの使用方法は呪文を唱えるの2点のみ。この手のカードにありがちな特定のカードタイプにしかマナを使えないなどの記載はありません。

何かしらのアンタップ効果と組み合わせることで繰り返し5マナ使えるわけです。おーっと、コンボの香りがしますねぇ。

コンボ発見!

ベース部分/エンチャント先

侵攻の伝令、ローナガイアの眼、グウェナ

都合の良いことに、スタンダートにはアンタップ効果を持つ伝説のクリーチャーが2種類います。《侵攻の伝令、ローナ》《ガイアの眼、グウェナ》です。前者は伝説の呪文、後者はパワー5以上のクリーチャー呪文をプレイした際にアンタップします。

つまり、《侵攻の伝令、ローナ》《ガイアの眼、グウェナ》《力線の浸透》をエンチャントすれば、5マナ以下のパワー5以上の伝説のクリーチャーを繰り返しプレイできるのです!

どちらも《力線の浸透》のために生まれてきたようなクリーチャーですね。ナイスコンボ!

フィニッシュ部分/マナの使い道

エンチャント先となるクリーチャーが見つかったところで、次は《力線の浸透》で生成されるマナの使い道です。できるだけ《侵攻の伝令、ローナ》《ガイアの眼、グウェナ》の両アンタップ条件を満たすカードが理想といえます。

ヴォリンクレックス碑出告と開璃冷たき集いのキンズー

真っ先に浮かんだのは《碑出告と開璃》です。《爆発的特異性》とのコンボでお馴染みのカードであり、手札の不要牌を入れ替えてくれます。《ヴォリンクレックス》のようなリシャッフル効果と組み合わせれば、2枚目以降も有効に使えます。

シナジーの観点では《冷たき集いのキンズー》も面白そうです。「トークンでも自身でもないクリーチャーが死亡するたび、2点のライフを支払うことでそのコピートークンを生成」するため、戦場に出たとき/死亡時に誘発型能力を持つクリーチャーと良質なシナジーを形成します。このクリーチャーがいる状況で2枚の《碑出告と開璃》をプレイすると、伝説ルールにより最大4回の戦場に出たとき/3回の死亡時の効果が連鎖的に誘発します。

夜明けの空、猗旺真夜中の空、殉至

ほかにも《夜明けの空、猗旺》《真夜中の空、殉至》が候補に上がりましたが、単体ではカード1枚分以上の働きは見込めず。

原初の征服者、エターリ偉大なる統一者、アトラクサ

スタンダードで絶賛活躍中の《原初の征服者、エターリ》《偉大なる統一者、アトラクサ》は魅力的ですが、5マナを越えています。《侵攻の伝令、ローナ》+《力線の浸透》がある状況で3マナ以下の伝説の呪文をプレイすることで無理矢理7マナに届きますが、アンタップ条件を満たさないカードを増やし過ぎると安定性が下がってしまいます。

また、手札の残数も気になります。《侵攻の伝令、ローナ》 or 《ガイアの眼、グウェナ》+《力線の浸透》部分を除くと残る手札は3~4枚程度。引きの偏りによってはプレイできるクリーチャー数はさらに減ってしまいます。

有り余るマナを武器に戦場いっぱいにレジェンドを並べることを夢想しましたが、手札の枚数と伝説ルールが足枷となっています。これでは足りません。圧倒的に、戦場を埋め尽くすほどの伝説のクリーチャーを並べたいのです。かつての「続唱」のように1枚が2枚に、クリーチャーがクリーチャーを呼ぶ方法はないのでしょうか

スタンダード、伝説、パワー5、そして「続唱」。すべての条件を満たすクリーチャーは『団結のドミナリア』にいました。

統べるもの、ジョダー

《統べるもの、ジョダー》

あなたがコントロールしているすべての伝説のクリーチャーは+X/+Xの修整を受ける。Xはあなたがコントロールしている伝説のクリーチャーの数に等しい。

あなたがあなたの手札から伝説の呪文を唱えるたび、マナ総量がそれより小さく伝説であり土地でないカード1枚が追放されるまで、あなたのライブラリーの一番上から1枚ずつ追放していく。あなたはそのカードをマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。

《統べるもの、ジョダー》は上記の条件をすべて満たしたカードであり、このクリーチャーが戦場にいる限り後続の伝説の呪文はカード2枚分に相当します。レジェンドがレジェンドを呼び、戦場へアッセンブル/Assembleするわけです。

侵攻の伝令、ローナ力線の浸透ガイアの眼、グウェナ

また、《統べるもの、ジョダー》の誘発型能力は追放されたカードを唱えるため、条件を満たせば《侵攻の伝令、ローナ》《ガイアの眼、グウェナ》は1枚のカードで2度アンタップします。一連の動作から生成された余剰マナがあればほかのカードを使わずに《原初の征服者、エターリ》《偉大なる統一者、アトラクサ》をプレイできるのです!

横に広がった戦線を打点へと変換するバフ効果も備えており、《統べるもの、ジョダー》はコンボの勝利手段に最適です。早速、コンボをデッキへと昇華させていきましょう。

コンボをデッキへ:レジェンダリーアッセンブル

回し方はとても簡単。《侵攻の伝令、ローナ》《ガイアの眼、グウェナ》を出し、《力線の浸透》を貼るだけです。後は手札から好きなだけ伝説のクリーチャーをプレイしていきましょう。このとき《統べるもの、ジョダー》があれば優先的にプレイします。

衝動テーロスへの侵攻

土地以外のカードの大半は《侵攻の伝令、ローナ》《ガイアの眼、グウェナ》のアンタップ条件を満たすパワー5以上の伝説のクリーチャーで構成されています。一部の条件を満たさないカードはコンボパーツを集めたり、フィニッシュの補助として例外的に採用しています。

流星の信奉者、ゴロゴロ日没を遅らせる者、テフェリー

《流星の信奉者、ゴロゴロ》はクリーチャー全体へと速攻を付与し、コンボから攻撃までのラグを消してくれます。ただし、《力線の浸透》で生成したマナは起動型能力に使用できず、別に用意しなければなりません。

そこで《日没を遅らせる者、テフェリー》の出番。[+1]効果で土地や《ガイアの眼、グウェナ》を対象にとり、赤マナを確保します。脅威が不足していればデッキを掘り進められますし、自身も伝説のカードであるため《侵攻の伝令、ローナ》《統べるもの、ジョダー》の誘発条件を満たしています。

敵意に満ちた者、タイヴァー腹音鳴らしとフブルスプ焼却するもの、ジアトラ

《統べるもの、ジョダー》の誘発型能力でなるべく多くの伝説のクリーチャーが並ぶように、さまざまな種類のカードを採用しています。4ターン目に伝説のクリーチャーがアッセンブルした戦場は圧倒的であり、あたかも自分自身が《歴戦の司令官》かと錯覚してしまいます。

おわりに

今回はマナ生成能力を付与する《力線の浸透》を使ったコンボを紹介しました。伝説のカードを繰り返しプレイして戦場を埋め尽くす様は壮観です。

また、デッキリストを掲載していますが、コンボパーツ以外は縛りがなく自由度の高いデッキです。《冷たき集いのキンズー》をフィーチャーしたパッケージも面白いですし、伝説のカードであれば何でも候補となります。

下記に現段階で《侵攻の伝令、ローナ》《ガイアの眼、グウェナ》の両アンタップ条件を満たす「パワー5以上の伝説のクリーチャー」を載せておきます。ぜひみなさんも《力線の浸透》を試してみてください。

パイオニアでも

巨智、ケルーガ帰還した王、ケンリス

さらに今回ご紹介したコンボはパイオニアでも可能性がありそうです。同じように端から伝説のカードを並べていき使った分を《巨智、ケルーガ》で補充&再展開し、最後は《帰還した王、ケンリス》で速攻を付与してフィニッシュ。どちらのクリーチャーも5マナであり《力線の浸透》からプレイできます。

今後も新たなコンボを発見した際はこちらの記事にてご紹介します。それでは次回のコンボ発見伝で!

この記事内で掲載されたカード

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富澤 洋平 晴れる屋メディアチームスタッフです。最近は《黙示録、シェオルドレッド》に夢中な日々です。 富澤 洋平の記事はこちら