はじめに
こんにちは、Hareruya Prosの佐藤 啓輔です。
プロツアーが再開され、テーブルトップの競技シーンが盛り上がっています。そんななか、次回プロツアーの参加権利をかけた最後の予選であるチャンピオンズカップファイナルサイクル3が目前に迫ってきました!店舗予選から始まった長きに渡る戦いも大詰めです。
しかし残念なことに今回僕は都合により参加することができません。そこで今回「もしチャンピオンズカップファイナルに参加するならどのデッキを持ち込むか」を紹介をさせていただこうと思います。
本戦直前というタイミングにはなりますが、本戦のデッキで悩んでいる方や、併設のオープンイベントにに参加予定の方へ参考なればと思います。
それではよろしくお願いいたします。
最近のパイオニア環境は?
今回本戦のフォーマットはパイオニアとなります。デッキ解説に入る前に最近のパイオニア環境をおさらいしておきましょう。
チャンピオンズカップファイナルのフォーマットにパイオニアが選ばれたのは、昨年11月行われたチャンピオンズカップファイナルサイクル1以来のことです。再開直後のプロツアーでもパイオニアが採用されていましたね。
チャンピオンズカップファイナルサイクル1以降、パイオニアで使用できるセットには以下が追加されました。
直近セットのみ使用できるスタンダードに比べて、いわゆる下環境と言われるパイオニアやモダンにおいては新セットが追加されてもその影響は小さくなります。細かなアップデートはあれど、人気のデッキは一定の使用率を保つ傾向があるのです。
結論からお伝えすると、チャンピオンズカップファイナルサイクル1以前からラクドスミッドレンジ、緑単信心、アゾリウスコントロールは特に人気があり、これらのデッキは新セット追加後も著しく使用率が落ちるということありませんでした。
ラクドスミッドレンジは攻守バランスの良い安定した立ち回り、緑単信心はパイオニアにおける圧倒的押し付け、アゾリウスコントロールはメタに合わせた対応力という点でそれぞれ秀でていることが使用率が落ちていない理由として考えられます。
本戦でも変わらず高い使用率を保ち対戦する機会も多いと思います。デッキ構築の段階で意識するのはもちろん、これらのデッキと対戦した際の立ち回りやサイドボーディングはあらかじめ入念にチェックしておきましょう。
では、そのほかのデッキはどうでしょうか。新セットの恩恵を大きく受けたと考えられるデッキを見てみましょう。
新セットで強化を受けたデッキたち
ネオフォーム
『ファイレクシア:完全なる統一』にて登場した《偉大なる統一者、アトラクサ》はフォーマット問わず存在感を放つ屈指のパワーカードです。これを利用しない手はありません!
このデッキはデッキ名でもある《新生化》のコストとして《わめき騒ぐマンドリル》や《黄金牙、タシグル》を充てることで、《偉大なる統一者、アトラクサ》を踏み倒して戦場に出すコンボデッキです。
「探査」持ちクリーチャーをサポートするため、墓地を肥やすカードが多く採用されています。特に《第三の道の創設》は墓地を肥やしつつキーカードである《新生化》へアクセスする可能性を高めてくれるデッキの動きにマッチしたカードとなります。
相棒に《湧き出る源、ジェガンサ》 を採用することで、直接《偉大なる統一者、アトラクサ》を唱えるルートも用意されています。サイドボード後はコンボルートは妨害されがちのため、手札破壊や打ち消しによるバックアップから直接唱えることも視野に入れましょう
《魂剥ぎ》を採用したハイブリット型も存在します。
イゼット独創力
独創力といえばプロツアー・ファイレクシアで優勝した、《世界棘のワーム》と《歓楽の神、ゼナゴス》によるワンショットコンボデッキが記憶に新しいです。
こちらもネオフォーム同様に《偉大なる統一者、アトラクサ》をフィニッシャーに据えたタイプも出てきました。《世界棘のワーム》型と比べて、コンボが決まって即勝ちというわけにはいきませんが、呼び出す対象が《偉大なる統一者、アトラクサ》のみになることで、X=1から始動でき、圧倒的なアドバンテージにより長期戦を見据えていると思われます。
地味ながら《火の予言》が『機械兵団の進軍』収録の《火山の悪意》にアップデートされているのも見逃せない変化でしょう。
イゼット独創力には他にも《奔流の機械巨人》と《マグマ・オパス》をフィニッシャーとしているタイプもあり、それぞれの違いをインプットしておきましょう。どのタイプもサイドボード後はコンボ要素を削りコントロールプランを取って来る場合もあることも忘れずに。
異形化コンボ
異形化コンボも形は複数あれど、こちらも《偉大なる統一者、アトラクサ》を呼び先に進化しています。バトル以外のカードタイプを採用することでよりアトラクサ着地時により多くのアドバンテージを得る可能性を高めていますね。
こちらも相棒に《湧き出る源、ジェガンサ》を採用しています。《エシカの戦車》や《鏡割りの寓話》などの強力カードへの対処でリソースを取られ、《湧き出る源、ジェガンサ》への対処ができなくなると、直接《偉大なる統一者、アトラクサ》を唱えてくるパターンもよくあります。
ボロス召集
直近のパイオニア環境で彗星の如く現れ、もはや無視できない存在となりつつあるのがボロス召集です。
こちらは『機械兵団の進軍』収録の《イーオスの遍歴の騎士》が《敬慕されるロクソドン》に次ぐ「召集」持ちクリーチャーとして扱えることから注目を浴びたデッキです。
デッキの動きはシンプルで、クリーチャーを横展開して「召集」を最大限に生かし、面による攻めを繰り出します。アゾリウスコントロールのようなデッキを除くと、通常除去は単体除去のみであるので捌ききれずにたちまち介錯されるでしょう。
毎回初手に恵まれて理想の動きができるわけではないのと、「召集」やサイズ強化等のバックアップがないと1/1が並ぶだけでインパクトには欠けるためピーキーなデッキとも言えます。その不安要素を差し引いても最大値は高く、相手のやりたいことやらせずに勝利することができるのが魅力といえます。
サイドボードにミラー用の《炉の小悪魔》がよく採られていることから、パイオニアにおいて意識するデッキの一つになっていると言えます。最近の活躍状況から、本戦の台風の目になりそうです。
全体を通すと《偉大なる統一者、アトラクサ》は大きいインパクトを残しています。 どんな形であれ相対する機会は多くなるので、戦い方は事前に用意しておきましょう。
エリア予選突破デッキから考えるメタゲーム予想
現パイオニア環境を軽くおさらいしましたので、エリア予選を突破したデッキの分布から本戦のメタゲームを考えます。
少し間は空いているものの厳しいエリア予選を抜けたデッキとなれば自信もつくため、同じ種類のデッキを本戦でも使用することは想像に難くありません。そのため、エリア予選を突破したデッキの分布は本戦メタゲームを考える上で参考になるデータです。
改めてエリア予選を突破したデッキの分布を確認してみましょう。
エリア予選を突破し、チャンピオンズカップファイナルの権利を獲得したデッキの集計結果です。
人気アーキタイプであるラクドスミッドレンジ、緑単信心、アゾリウスコントロールは依然として高い使用率を誇り、この3デッキを合わせると突破したデッキ全体の48%程度の使用率となりました。
次いで、アブザンパルへリオン、白単人間、独創力コンボとなります。それより下のデッキタイプは散っており、ある種パイオニア環境の多様性を表しています。
また、数は多いと想定され対策される側になっているのにもかかわらず、人気のアーキタイプはしっかりと結果を残しており地力の高さが伺えます。
本戦に持ち込むデッキは?
今回本戦に参加するならラクドスミッドレンジを選択します。その理由を説明しましょう。
選択理由
メタ上位と想定されるデッキに極端な不利が付かない
ラクドスミッドレンジが苦手とされるデッキで真っ先に上がるのはエニグマ系デッキでしょう。仮にエニグマ系が上位メタであった場合は苦手がつくラクドスミッドレンジを持ち込むことはリスキーであると言えますが、そこまで多くはいないと想定しています。
メタゲーム上位に位置するであろう緑単信心、アゾリウスコントロールには互角以上の勝負ができると考えています。
どのデッキに対しても安定した立ち回りができる
ラクドスミッドレンジを最も数が多いデッキと想定した場合に、それに強いエニグマ系デッキを持ち込むのはデッキ選択としてありです。ただ、パイオニアでは多種多様なデッキが存在しており、ラクドスミッドレンジにだけ勝てばいいだけではありません。事実ラクドスミッドレンジ以外の上位メタである緑単信心とアゾリウスコントロールに対してはエニグマ系デッキは苦戦を強いられます。
ラクドスミッドレンジについては天敵は存在するものの、アグロからコントロール、コンボまでレンジの違う多種多様なデッキに安定して立ち回れます。弱点の少なさは大きな武器です。エリア予選を突破したデッキのなかで最多だったことからも地力の高さが伺えます。
使い慣れている
主観的な理由ですが、使い慣れているのは大きな選択理由です。使い慣れているというのは、何をもって言うか色々ありますが例えば以下です。
デッキリスト
今回本戦で使用する予定だったリストは以下になります。
採用している個々のカードについては以前書いたラクドスミッドレンジの解説記事と被る部分があり、特殊なカードは採用されていないため割愛します。
- 2022/07/29
- これだけ読めばいい!ラクドスミッドレンジ完全解説!
- 佐藤 啓輔
ここではデッキの調整ポイントに触れようと思います。
ラクドスミッドレンジミラーを意識した構成
本戦で使用率No.1と想定されるラクドスとのミラーマッチを意識し、メインボードでは《勢団の銀行破り》《削剥》《コラガンの命令》を採用。サイドボードで《絶望招来》《領事の旗艦、スカイソブリン》、追加の《コラガンの命令》を採用しています。
《勢団の銀行破り》はミラーマッチで一つポイントとなるリソース勝負で優位に立つことができます。既にメインボードでも採用されていることが多く、相手の《勢団の銀行破り》への対処を目的に《削剥》と《コラガンの命令》をメインボードで採用しました。
サイドボードの《絶望招来》と《領事の旗艦、スカイソブリン》は重いカードなだけあってミラーマッチでの影響力は大きく頼りのカードなるでしょう。重たいカードばかリ追加すると序盤のアクションが乏しくなり、効力を存分に発揮する前に敗北することもあるためバランスを考えて入れすぎには注意です。
《削剥》や《コラガンの命令》はどちらかというとサイドボードでよく見るカードで、これらをメインボードで採用することでサイドボードのスロットを確保することも狙っています。
2マナの除去選択
2マナ除去は候補はほかにも《パワー・ワード・キル》がありますが、それぞれ長所短所はありますのでどこを重視するか好みかと思います。今回《パワー・ワード・キル》を採用していないのは、デーモン(《ドロスの魔神》)、天使(《偉大なる統一者、アトラクサ》)、デビル(《波乱の悪魔》)を目にする機会が増えており、《無情な行動》と《喉首狙い》と比較して短所が強めと考えたからです。
《無情な行動》は白単人間などカウンターが乗るデッキに対し少し弱く、《喉首狙い》は《エシカの戦車》や《領事の旗艦、スカイソブリン》に触ることができないことが短所。《戦慄掘り》は何でも触れるかわりにソーサリーであることが弱点です。
ほかにも《シェオルドレッドの勅令》が採用候補で、うまく決まればインスタントの《戦慄掘り》のように働きますが、狙った生物を除去できない場合も多々発生すると考え今回は採用を見送っています。
土地
ラクドスミッドレンジは『ファイレクシア:完全なる統一』にて有効色ファストランドである《黒割れの崖》を得てさらにマナ基盤は強固になりました。《目玉の暴君の住処》をはじめとしたミシュラランドや「魂力」ランドも採用できるため、マナフラッド受けも十分です。
土地は可能な限りアンタップ状態でセットしてラグがないようにゲームを進めたいのですが、2色生み出せる強さゆえにアンタップ状態で置くための条件が指定される土地がほとんどです。条件が絡むなかでどの土地を何枚採用するかバランス調整が難しいですね。
どの構成がベストかは断言することが難しく、好みによるかと思います。特にファストランドとスロウランドをそれぞれ何枚にするかは悩みどころ。今回はスロウランドを優先しています。序盤に重なると苦しいですが、下記のように中盤以降は確実にアンタップインで置けると嬉しい場面も多いためです。
ファストランドも序盤をストレスなく進めるためにはとても優秀なので、引き続きベストバランスは追及していきたいですね。
サイドボードのカードの選択について
サイドボードに採用した意図をカード別に解説しましょう。
全体除去枠で主に緑単信心用。アグロデッキにも噛み合うと複数巻き込めるのでサイドインします。
全体除去枠その2。元は《煤の儀式》でしたが、ボロス召集を意識してこちらをチョイス。「召集」持ちの生物を含めまとめて流せるのが強みです。グルール機体や白系アグロを見るなら《煤の儀式》が優先されます。
コンボデッキとアゾリウスコントロール用。ミラーでも入れます。
ミラーとラクドスサクリファイスのようなアーティファクトがキーとなるデッキ用です。
ミラーとコントロール用。コンボにも飛び道具として入れることもあります。
墓地対策兼アドバンテージ源。特に有効なのはアブザンパルへリンやイゼットフェニックス。
白系アグロや青系のスピリットデッキへの追加除去。
白系アグロと緑単用。アゾリウスコントロールにもプレインズウォーカーに触れるように入れます。
ボロス召集用の除去です。最近はラクドスサクリファイスも増えており、どちらも見れるこのカードは今後よくお世話になりそうです。
ミラー用になります。地上を無視できるうえ、除去をしながら攻撃できるためアグロやラクドスサクリファイスにも強いです。
マッチアップごとの戦い方
それでは各デッキに対する立ち回りとサイドボーディング例を直近のリストの変化に触れつつ解説します。 本戦はデッキ公開のため各マッチアップのキープ基準は確認しましょう。
ラクドスミッドレンジ
直近のリストの変化はほとんどなく、強いて言うなら《ドロスの魔神》が稀に採用されています。新しいカードはありませんが環境の変化に合わせてメインボードとサイドボードは変化し続けています。
対 ラクドスミッドレンジ
手札破壊とアドバンテージを取れるカードをサイドインし、《砕骨の巨人》で美味しく処理されるクリーチャーはサイドアウトします。
ミッドレンジミラーで手札破壊を何枚残すかは度々話題になります。最近は着地を許したくない《勢団の銀行破り》や《鏡割りの寓話》を落とし、こちらの両カードを着地させるため手札破壊を追加することが多く感じます。《ヴェールのリリアナ》は後手時にサイドアウトしても良いかと思います。
序盤は《勢団の銀行破り》と《鏡割りの寓話》を巡る攻防になりがちで、お互い盤面を捌き合うことからロングゲームになります。手札破壊で相手の手の内を探りながらゲームプランを練りましょう。
緑単信心
《ポルクラノスの再誕》が追加の3マナ域として採用され始めています。伝説のため複数展開できないのは気になりますが、変身能力が強力で侮れません。
対 緑単信心
《砕骨の巨人》は先手あればよいですが、後手ではマナクリーチャーへ対処するのに間に合ってないので抜きます。《絶滅の契機》で巻き込まれてしまいやすい奇数のマナコストであるのもマイナスです。同じく奇数で墓地対応があまり意味をなさない《墓地の侵入者》もサイドアウトになります。
奇数生物を後腐れなく対処できる《絶滅の契機》をどのタイミングで打てるかがポイントです。マナ加速を妨害しながら手札破壊でリソースを削り、《黙示録、シェオルドレッド》で蓋する展開が勝ちパターン。後手時は手札破壊か《致命的な一押し》がなければマリガンします。
アゾリウスコントロール
最近のリストでは、新しい打ち消しの《方程式の改変》とサイドボードに 《金属の徒党の種子鮫》が採用されています。《方程式の改変》は赤緑用と思いきや、2マナ以下であれば何でも対処できることから、アグロデッキにも入れやすいのが嬉しいポイントです。
対 アゾリウスコントロール
除去は一部残してサイドアウトし、追加の手札破壊を入れます。デッキリスト公開制なのでサイド後にどれだけ除去を残す必要があるかはリストを確認して決定しましょう。
メイン戦は不要カードが多いため《鏡割りの寓話》の着地が特に大事です。打ち消しをどこで何に切らせるかを意識します。打ち消し以外のアクションを取りたいときに合わせて《鏡割りの寓話》などの脅威をプレイすれば、相手の行動に制限をかけられます。《記憶の氾濫》をプレイできる4ターン目以降が一つポイントです。
手札破壊もやることがないからと闇雲に唱えるのでなく、通したい呪文と合わせて唱える等どこまで引っ張るか考えながら進めます。《ドミナリアの英雄、テフェリー》の定着は負けに直結するのでそれだけは許さないゲーム展開を意識しましょう。
アブザンパルへリオン
直近のリストに変化は見受けられないように思います。プロツアー・ファイレクシア後は《発生の器》が採用されているタイプが主流になっています。
対 アブザンパルへリオン
コンボルートを妨害しながら、《エシカの戦車》プランに対応するゲーム展開を意識します。《黙示録、シェオルドレッド》への対応手段が限られるため、捌きながら《黙示録、シェオルドレッド》で勝ち切るのを目指しましょう。
コンボ成立を妨害するため構えることは大切ですが、時にはリターンを取りに割り切って展開することも忘れずに。墓地が肥えていない状態で展開した結果、《忌まわしい回収》のみで揃ったら諦めましょう。
白単人間
《銅纏いの先兵》が新しい2マナ圏として採用され始めています。《光輝王の野心家》を押しのけて採用されている場合もあり、《変わり谷》を含め広く除去耐性と打点アップを付与するところが評価されているのでしょう。
対 白単人間
全体除去で盤面を整理し、《黙示録、シェオルドレッド》を定着させるのが勝ちパターンです。《思考囲い》はダメージが苦しいですが、軽いアクションが欲しいのと、サイド後の《婚礼の発表》を落としたいため少し残します。
イゼット独創力(アトラクサ型、巨人オパス型、世界棘のワーム型)
先述した通り《偉大なる統一者、アトラクサ》をフィニッシャーに据えた型が出現しています。
対 イゼット独創力
手札破壊をサイドインし、除去をサイドアウトします。型は複数あれど、手札破壊でコンボ成立を牽制しながらクロックを刻みましょう。イゼット系は《黙示録、シェオルドレッド》への対応が困難なため頼もしい存在です。
サイド後にコンボに頼らないフィニッシャーが確認できたら確定除去はもう少し残して良いです。オパス型なら《墓地の侵入者》は残しましょう。
宝物トークンには触りにくいため、まとめて流せる《碑出告が全てを貪る》もサイドイン候補に挙がります。
ロータスコンボ
直近のリストの変化は見受けられないように思います。《希望の標、チャンドラ》をフィニッシャー枠で採用していたり、サイドに《太陽降下》を取っていたりする程度です。
対 ロータスコンボ
手札破壊をサイドインし、除去をサイドアウトします。
手札破壊を挟みながら生物を展開し、とにかくゲームを短くすることを意識します。除去は基本サイドアウトしますが、どこまで残すかはリストを確認して決めましょう。《溺神の信奉者、リーア》の有無などに注目です。プレインズウォーカーも採用されているなら《戦慄掘り》を優先します。
イゼットフェニックス
リストに変化は見受けられませんが、直近のカナダ行われた地域チャンピオンシップで優勝しており侮れません。
対 イゼットフェニックス
手札破壊はアドバンテージを取られる《宝船の巡航》《パズルの欠片》を優先して抜きにいきます。《真っ白》はこのマッチのキーカードです。運よく引けたときは効果的なタイミングを見計らい唱えましょう。
サイド後に《弾けるドレイク》で攻めてくることが想定されるため、触れる除去残すようにします。リストを確認し《崇高な工匠、サヒーリ》等で横並べ戦術を取ってきそうな場合は《碑出告が全てを貪る》をサイドインすることも視野に入れましょう。
ボロス召集
《イーオスの遍歴の騎士》の登場で成立した爆発力のあるデッキです。最近は《バグベアの居住地》 が少量採用されているようです。
対 ボロス召集
メイン戦はかなり苦戦するので、せめて《思考囲い》を打てる初手を求めて積極的にマリガンしましょう。トークンに打ちたくない気持ちはわかりますが、細かく除去して「召集」を妨害していきます。
サイド後は全体除去に頼ります。全体除去を唱えるまでに差し切られることもありますが、ブン回ればどちらにせよ無理なので潔く諦めましょう。《衰滅》は召集持ち生物(4/4)まで流せるため、このマッチにおいては《煤の儀式》より優秀と考えます。
4ターン目では間に合わない!もっとガード上げたい!と思うなら《金線の酒杯》の採用を検討しましょう。
グルール機体
《ヴォルダーレンの興奮探し》を採用し、飛び道具を搭載するようになりました。ただでさえサイズが大きいクリーチャーが多いため、盤面が止まっても直接ダメージを与えてくる手段があることは脅威です。《アクロス戦争》でコントロールを奪ったクリーチャーを投げ飛ばせるため相性が良いです。
対 グルール機体
少し苦手なマッチアップになります。機体と《アクロス戦争》を落とすため手札破壊をサイドインします。《アクロス戦争》以外は《黙示録、シェオルドレッド》へ対処できる方法はないので定着をさせるのが勝ちパターンです。
手札破壊と除去で盤面構築を妨害し、《勢団の銀行破り》でリソースを取りに行く動きも有効かと思います。
《衰滅》は《恋煩いの野獣》を打ちもらすためサイドインしなくて良いと思います。もしこの枠が従来通り《煤の儀式》なら喜んで入れます。
個人的にもう少し数がいても良いと考えていますが、エニグマ同様に緑単信心とアゾリウスとの相性が芳しくないのが原因かと思います。コンボデッキも苦手です。
ラクドスサクリファイス
《囚われの黒幕、オブ・ニクシリス》の採用が期待されてましたが、採用例はなく従来通りのリストが今は結果を残しているようです。
血トークンを生み出す《血の裏切り》より宝物トークンを生成する《焼炉の手綱》の方が採用され始めています。最近数を増やしているので要チェックです。
対 ラクドスサクリファイス
《税血の収穫者》は《魔女のかまど》がなくても生け贄にできることから《初子さらい》の良い的になるため、サイドアウトすることを最近試しています。
手札破壊とアーティファクト破壊により、《魔女のかまど》によるサクリファイスエンジンが揃うことを妨害しながらゲームを進めます。細かくダメージを刻むデッキなのでライフ供給する《黙示録、シェオルドレッド》が特に有効です。可能であれば手札破壊による安全確認の後に着地させましょう。
ガードをさらに上げたいなら、追加の《碑出告が全てを貪る》か《食肉鉤虐殺事件》の採用を検討しましょう。
セレズニア天使
対 セレズニア天使
《正義の戦乙女》がキーカードなので優先的に除去しましょう。《集合した中隊》と《カイラの再建》1枚で複数展開してくるためこちらは全体除去で迎い撃ちます。手札破壊は基本的には《集合した中隊》と《カイラの再建》を落とします。
サイドに《形成師の聖域》がある場合は、マナクリーチャーやトークンも流せる《碑出告が全てを貪る》のサイドインも視野に入れます。
スピリット(青単、アゾリウス、バント)
対 スピリット
青単以外には《害悪な掌握》もサイドインします。先手は展開しつつ除去をし、後手では除去を優先して息切れしたタイミングで押し返します。《鎖鳴らし》や《とんずら》等のクリーチャーを守る手段が採用されているため、除去を打つタイミングは見極めましょう。フルタップ状態を狙いインスタントをソーサリータイミングで打つこともあります。
インスタントタイミングで複数展開をされる《集合した中隊》を採用したバントの方がラクドスミッドレンジ的にはやりにくいと考えています。
エニグマ(ケルーガ、ヨーリオン)
直近リストでは《機械の母、エリシュ・ノーン》や《光輝の夜明け、ヘリオッド》等が採用されているようです。
対 エニグマ
非常に苦手なマッチアップです。手札破壊を絡めて《奇怪な具現》の着地を阻止しつつ、速やかにライフを削り切ることを目指します。
異形化コンボ(ジャンド)
対 異形化コンボ
コンボをケアするのは当然ですが、アブザンパルへリオンのように別ルートで《エシカの戦車》による攻めもあるため、そちらにも対処できるようにしておきましょう。《湧き出る源、ジェガンサ》を含めコンボルートを潰せていれば最終的にはミッドレンジ対決になりがちです。
ネオフォーム
対 ネオフォーム
手札破壊と墓地対策でコンボを妨害します。除去できる対象がない呪文はサイドアウトします。《偉大なる統一者、アトラクサ》の着地を許しても即負けではないのであきらめず食らいついていきましょう。
以上、主要マッチアップにおけるリストの変化とサイドボード例となります。ゲームを進めるなかで微妙に変えたりもすることがあるので参考程度に捉えていただければと思います。
各アーキタイプのリストに変化が随所に見られるので、それに合わせて情報をアップデートしていきましょう。
おわりに
今回はもしチャンピオンズカップファイナルに参加するならどのデッキを持ち込むか考え、ラクドスミッドレンジにフォーカスした記事とさせていただきました。
ラクドスミッドレンジについてはある程度固定スロットは決まりつつありますが、サイドボード含め各々細部に違いは出てきますので自分が考えるベストな構築を追求していきたいですね。リストの差異を確認し、どのような意図で採用をされいるか分析するのは楽しいです。
本稿でラクドスミッドレンジやパイオニアに興味をもっていただけたならとても嬉しいです。ご質問やご意見がありましたら、TwitterなどへDMをいただければお答えします。
今後もパイオニアは競技フォーマットとして扱われますので、参考になるような情報を随時発信できればと思います!
ここまで読んでいただきありがとうございました。それではまた!