エドリックマスターの統率者マスターズレビュー!

吉田 敏行

統率者マスターズレビュー

みなさん、こんにちは。元統率者神の吉田です。今回は『統率者マスターズ』の発売に先駆けてカードレビューを担当させていただきました。

「元」統率者神が今更なんで記事を書くのかって?あれもこれも全部納期って奴のせいなんだ、すまない。

『統率者マスターズ』は今までのマスターズセットと同様、全て再録カードで構成されていますが、同時に発売される統率者マスターズ統率者デッキ(ややこしい名称)には各10枚ずつ新規カードが収録されています。 今回は再録カード、新規カード共に見ていきましょう。

再録カード

《外交官、マンガラ》

外交官、マンガラ

《ルーデヴィックの名作、クラム》と同条件のドロー能力を持ち、2体以上で攻撃された時にもドローできるクリーチャー。2/4絆魂という恵まれたスタッツのおかげで非常に攻撃されにくくなります。《配分の領事、カンバール》《エルミンスター》のようなすぐ攻撃される統率者のお供としては悪くないでしょう。

ルーデヴィックの名作、クラム配分の領事、カンバールエルミンスター

《アミナトゥの占い》

アミナトゥの占い

デッキの上から8枚追放しカードタイプ1つにつき1枚ずつ無料で唱えられるカード。ランダム要素は強いものの、これ1枚で盤面をひっくり返せる可能性がある超強力なカードです。8マナさえ用意できればどんなデッキでも使えますが、《荊州占拠》《船砕きの怪物》といったアタリがデッキに入るコントロール系のデッキで真価を発揮するでしょう。

エドリックでも長いこと使ってましたが、うまくいかないと土地6枚とかめくれてしまうこともあります。《海門修復》《ロリアンの発見》等を入れて少しでも悲劇を回避しましょう…。

荊州占拠船砕きの怪物海門修復ロリアンの発見

《精神潰しのハーピー》

精神潰しのハーピー

自分の戦闘開始時に各プレイヤーに3枚切削させるクリーチャー。毎ターン誘発するものにしては珍しく戦闘開始時に誘発するため、戦場に出たターンに仕事してくれるのが強み。

《汚らわしき者バルソー》《幽霊の酋長、カラドール》で使ってもいいですが、せっかく相手の墓地も肥やすので《スカラベの神》《狂気を操る者チェイナー》で釣り上げたり《記憶の裏切り》で全部奪うのもいいでしょう。

汚らわしき者バルソー幽霊の酋長、カラドールスカラベの神記憶の裏切り

クリーチャー・エンチャントなので今回の統率者デッキ《エレボスの手、アニクテア》とも相性がいいです。

エレボスの手、アニクテア

《殺戮の化身》

殺戮の化身

敵味方問わず全てのクリーチャーに二段攻撃と攻撃強制を付与するクリーチャー。もっと戦闘を激化させたいときは《戦争の最高潮》《黄金夜の刃、ギセラ》《名誉ある者、ガイージー》等を併用していきましょう。

戦争の最高潮黄金夜の刃、ギセラ名誉ある者、ガイージー

攻撃強制で自身を守れなくなるので、警戒を付与できる《宴の結節点、ジェトミア》や、警戒を持ちながらライフレースを更に激しくする《自由なる者ルーリク・サー》で使ってみては?

宴の結節点、ジェトミア自由なる者ルーリク・サー

《蜘蛛の襲来》

蜘蛛の襲来

「相手だけ《濃霧》」+「蜘蛛トークンを出す」カード。

単体ではそれほど強くはないのですが《ウンゴリアントの末裔、シェロブ》登場以降、貴重な蜘蛛シナジーカードとして急激な高騰を見せていました。今回の再録で落ち着くと思いますが、何年も前に出たパッとしないカードが突然目をつけられるのも統率者戦の面白いところです。

ウンゴリアントの末裔、シェロブ

新規カード

今回のセットはマスターズ(再録セット)ですが、同時に発売される4種の統率者デッキには新規カードも収録されます。

《スリヴァーの墳母》

スリヴァーの墳母

自分の墓地のスリヴァーに「再演」を付与する5色の伝説のスリヴァー。

「再演(コスト)」

(コスト),あなたの墓地からこのカードを追放する:各対戦相手につきそれぞれ、このカードのコピーであり、このターン可能ならそのプレイヤーを攻撃するトークンを1体生成する。それらは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、それらを生け贄に捧げる。この能力はソーサリーとしてのみ起動できる。

アンフィンの殺し屋ファイレクシアの三重体死の波のアラウミ

注目すべきは再演コストが《死の波のアラウミ》と異なりマナ・コストではなく、マナ総量であること。つまり好きな色マナで支払えます。 十分な数のスリヴァーが墓地にいれば再演したスリヴァーを《マナ編みスリヴァー》《基底スリヴァー》の能力でマナに変換し、別のスリヴァーを再演し…と次々に復活させることができます。

マナ編みスリヴァー基底スリヴァー

最終的にはレジェンド・ルールを無視する能力を利用し、《似通った生命》下で《スリヴァー軍団》を再演して致命的な一撃を与えましょう! 再演したクリーチャーは終了ステップに生け贄に捧げられますが、《もみ消し》があれば生け贄に捧げる能力を打ち消して居残ることもできます。

似通った生命スリヴァー軍団もみ消し

《リトヤラのタイタン》

リトヤラのタイタン

クリーチャータイプ1つを追加で得て、そのクリーチャータイプを持つクリーチャーの数だけドローして1枚捨てるクリーチャー。これ自身はカウントしないので他に数体は欲しいところ。

統率者がトークンを複数生成できる《巧妙な工作員、アリーラ》《ナズグルの首領》は相性がよく、《空夢想士、アランドラ》ではトークン生成条件どころか全体修整の条件まで満たせて自身も強化されるため非常に強力な1枚。

巧妙な工作員、アリーラナズグルの首領空夢想士、アランドラ

《灯触れの狩人、レオリ》

灯触れの狩人、レオリ

プレイヤーに戦闘ダメージを与えるとPWタイプ1種を選び、ターン中にそのPWタイプの忠誠度能力をコピーできる伝説のクリーチャー。 白青赤カラーで一番多いPWは今回新しく登場する《火の後裔、チャンドラ》を含むチャンドラの19種類。次点がジェイスの14種類。チャンドラとジェイス全部入れるだけでデッキの1/3が埋まるんですが…。

《炎の侍祭、チャンドラ》の0能力や《完全化の杖》などで増殖を行って忠誠度を上げ、奥義の2連打を狙っていきましょう。 《灯の分身》もプレインズウォーカーや《灯触れの狩人、レオリ》どっちを増やしても強いのでオススメです。

炎の侍祭、チャンドラ完全化の杖灯の分身

《ガフが歴史を書き換える》

ガフが歴史を書き換える

各プレイヤーのパーマネント1つをなんらかの呪文に変える疑似的な除去呪文。自分のパーマネントも何かしら対象に取らないといけませんが、余った宝物トークンや横になった《魔力の櫃》でいいのでメリットとしても考えられます。

魔力の櫃

非常に汎用性のあるカードなのでどのデッキでも強く使えそうですが、《贖いし者、フェザー》では繰り返し使える除去として嫌らしい働きをしてくれそうです。

贖いし者、フェザー

また、各プレイヤーがライブラリーから追放した呪文はAPNAP順に呪文を唱えるため《対抗呪文》等のカウンター呪文は後ろのプレイヤーの呪文に対して唱えられないので注意しましょう。

「APANP順/アクティブ・プレイヤー・ノンアクティブ・プレイヤー順」

複数のプレイヤーが同時に何かを選択したり、選択が必要な処理を同時に行う状況が発生したときに、どのような順序で選択を行うか、というルール。現在のターンを進めているプレイヤー→次のターンのプレイヤー→その次のターンのプレイヤー……という順に選択を行う。

《エレボスの手、アニクテア》

エレボスの手、アニクテア

戦場に出るか攻撃するたび、自分の墓地からオーラでないエンチャントを追放し、3/3のゾンビであることを加えてコピートークンを生成する伝説のクリーチャー。

せっかくなら《軍団の忠誠心》《ニクス咲きの古きもの》みたいな大雑把すぎることが書いてあるカードをゾンビ化させたいところ。トークンとして戦場に出すので《世界魂の歌》《兵士の育成》で居住を行えば増やすこともできます。 ゾンビシナジーを見るなら《墓生まれの詩神》《終わり無き死者の列》でアドを稼いでいきましょう。

軍団の忠誠心ニクス咲きの古きもの世界魂の歌墓生まれの詩神

《オンドゥの精霊の踊り手》

オンドゥの精霊の踊り手

各ターンに1回だけ自分のコントロール下で戦場に出たエンチャントをコピーできるクリーチャー。真っ先に思い浮かぶのが《魔法の夜》で自身をコピーし続けることによる無限トークン。誘発は1ターンに1回ですが、相手ターンでも誘発するので《即時換装》等の瞬速持ちのエンチャントとは相性がいいです。

魔法の夜即時換装

《ウルザの物語》《エルドラージの徴兵》をコピーしても強そうですが、統率者を活かすなら《エリシュ・ノーン》の変身後の《銀白の刻文》をコピーしてみたいですね。

ウルザの物語エルドラージの徴兵エリシュ・ノーン

《虚空喰らい、ズロドック》

虚空喰らい、ズロドック

手札から唱える7マナ以上の無色のカードに続唱を2つ付与する伝説のエルドラージ。

普通に7マナ以上のカードを唱えるだけではデッキ全体が重くなってしまうので《この世界にあらず》《マイコシンスのゴーレム》といった軽くなるカードで続唱していきましょう。《金属製の巨像》《アシュノッドの供犠台》等のサクリ台があれば続唱で唱えたアーティファクトを餌に何度でも復活して続唱できるため相性のいいカード。

この世界にあらずマイコシンスのゴーレム金属製の巨像

一度戦場に出たカードは《創意エンジン》《再帰のオベリスク》で回収すれば唱え直せます。《大いなる歪み、コジレック》が統率者でも戦場のカードがカウンターの餌になるため採用できるカード。両方とも正気を疑うマナコストや起動コストですが、まあ……無色デッキなら大丈夫でしょう……多分…。

創意エンジン再帰のオベリスク大いなる歪み、コジレック

《エルドラージ覚醒》

エルドラージ覚醒

同名エキスパンションに収録された《引き裂かれし永劫、エムラクール》《無限に廻るもの、ウラモグ》《真実の解体者、コジレック》の誘発型能力全部載せの超大雑把呪文。しかも打ち消されないオマケ付き。

引き裂かれし永劫、エムラクール無限に廻るもの、ウラモグ真実の解体者、コジレック

《カーンの経時隔離》同様、対象不適正による立ち消えを防ぐためか複数対象を取りますが、
・対象のパーマネント1つを破壊
・対象のプレイヤーはカード4枚を引く
・追加の1ターンを行う(対象を取らない)
となっているため《稲妻曲げ》《偏向はたき》は前2つだけ対象を変更できます。

追加の《召し上げ》として青デッキに入れてもいいのですが、現禁止カードである《引き裂かれし永劫、エムラクール》がかつて緑単でよく使われていたのでまた緑単の追加ターンを見てみたいですね。12マナ捻出することに気を取られて無色3マナの色拘束を忘れた、なんてことにならないように気を付けましょう。

展望

『統率者マスターズ』から注目カードをピックアップしてみましたがいかがでしたか? まだまだ面白い新規カードや意外なカードの再録もあるのでチェックしてみましょう。

『統率者マスターズ』発売記念パーティなども行われるので統率者戦に興味を持った方は是非参加してみてください!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

吉田 敏行 第4期統率者神。《ラースの果て》で《オークの弓使い》を倒したらもう特殊勝利にしてほしい。 吉田 敏行の記事はこちら