はじめに
みなさんこんにちは。富澤です。
『プロツアー・指輪物語』の配信はご覧になられましたか。『指輪物語:中つ国の伝承』から加入した《一つの指輪》や《オークの弓使い》が大活躍した大会でしたね。
同時に『エルドレインの森』のファーストビューが実施され、9月にリリースされる新セットから数枚のカードが明らかになりました。《手練》の再録が確定しており、スタンダードはより面白くなりそうです。
私を含め多くの方の心はすでにエルドレインと共にあるわけですが、もうしばらく現環境にお付き合いください。今週も情報局スタートです!
先週末の注目トピックは?
現在のスタンダードはディミーアを含む黒系ミッドレンジとエスパーコントロールが最大シェアとなっています。単色ながら手札破壊と《ヴェールのリリアナ》を絡めてボードを構築していく黒系に対し、マナカーブに沿った打ち消しと単体除去、リセットにプレインズウォーカーと終始防御的な姿勢を崩さないコントロールです。メタゲームが煮詰まったことを受けて、互いを意識した構築へと変化しつつある段階でした。
しかしながら7月22日に開催されたStandard Challengeでワンツーフィニッシュを飾ったのを最後に、黒単ミッドレンジは下降線をたどっていきます。
順風満帆だった黒単ミッドレンジに何が起こったのか。ここ2週間のメタゲームの推移をザックリと見ていきましょう。
7/22-23
先ほど述べた通り、土曜のStandard Challengeは黒単ミッドレンジの圧勝に終わりました。トップ8に3名を送り込み、数と成績の両方でエスパーコントロールを上回りました。気になる点としてはトップ8にセレズニアエンチャントが1名、トップ16に《婚礼の発表》や《急使の手提げ鞄》を採用した多色ランプが複数名残っていたことです。
翌日のStandard Challengeでは上から順に5色ランプ、オルゾフミッドレンジ、セレズニアエンチャントと並びます。オルゾフとセレズニアは追放除去を用いて脅威へと対処しながら、黒単では対処できない《婚礼の発表》や《神聖なる憑依》で戦場を構築してゲームを優位に進めていきます。上位にミッドレンジデッキがかたまったことで5色ランプが優勝しましたが、《婚礼の発表》の強さが際立った大会でした。
7/29-30
前回の結果からボードに注力するミッドレンジやランプとのマッチアップを想定し、ディミーアミッドレンジへと乗り換えたプレイヤーが増加します。トップメタが黒単からディミーアへと移る中で開催されたStandard Challengeの結果は、トップ16中8名がディミーアカラーのデッキと環境の変化を肌で感じる感じる結果となりました。ランプ戦略も一定数存在しており、ここにきてメタゲームの中心はディミーアミッドレンジとランプ戦略が争うかたちとなったのです。
そして迎えた日曜日。前日の結果から敵はランプ戦略と明確になったことでディミーアミッドレンジが激増。トップ32の内12名が同デッキを使用しており、《かき消し》は今大会でもっとも採用されたカードとなりました。ランプ戦略はどれだけ軽量化しても《かき消し》の魔の手から逃れる術はありません。前のめりに展開されるクロックと打ち消し呪文のコンビネーションがスタンダードを制した瞬間でした。
また、トップ32から黒単ミッドレンジが駆逐されるという思いもよらない結果であったことも付け加えておきます。
駆け足でここ2週間のメタゲームの推移を解説してきました。黒単ミッドレンジとエスパーコントロールの二強環境から黒単が一歩抜け出しましたが、間髪置かずに白系のミッドレンジ次いでランプ戦略へとメタが進み、現在はディミーアミッドレンジが覇権を握っています。それでは大会結果をみていきましょう。
7/22(土):Standard Challenge
順位 | プレイヤー名 | デッキタイプ |
---|---|---|
優勝 | beraldi | 黒単ミッドレンジ |
準優勝 | papado90 | 黒単ミッドレンジ |
トップ4 | Venom1 | ディミーアミッドレンジ |
トップ4 | .Martinellinho. | エスパーコントロール |
トップ8 | karatedom | ゴルガリミッドレンジ |
トップ8 | trukanshii | セレズニアエンチャント |
トップ8 | DInglis | エスパーコントロール |
トップ8 | AlpInco | 黒単ミッドレンジ |
(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)
7/22(土)に開催されたStandard Challengeは黒単ミッドレンジがワンツーフィニッシュを飾りました。
対抗馬であるエスパーコントロールも2名残っており、この2つのアーキタイプが現環境の最有力デッキと考えて間違いなさそうです。
メタゲーム
デッキタイプ | トップ32 | トップ16 |
---|---|---|
黒単ミッドレンジ | 9 | 4 |
エスパーコントロール | 5 | 2 |
ディミーアミッドレンジ | 4 | 3 |
多色ミッドレンジ | 3 | 3 |
多色ランプ | 2 | 1 |
その他 | 9 | 3 |
合計 | 32 | 16 |
黒単ミッドレンジは最多アーキタイプですが、その分ほかのデッキからもマークされています。多色ミッドレンジがそれにあたり、ランプ戦略から《ゼンディカーへの侵攻》を抜き、《放浪皇》などに変更して中盤の防御力を高めたデッキです。
トップ8デッキリストはこちら。
ゴルガリミッドレンジ
ゴルガリミッドレンジは、アドバンテージ効果を内蔵したクリーチャーとプレインズウォーカーでボードを制圧していく中速デッキ。採用されているクリーチャー《グリッサ・サンスレイヤー》や《黙示録、シェオルドレッド》など高スタッツなものばかりであり、除去呪文の少ない相手にはクリーチャーを出して対処を迫っていくだけで自然と有利に立ち回れます。どのクリーチャーも黒単ミッドレンジのクリーチャーよりもワンサイズ大きく、《喉首狙い》が何枚あっても足りません。
《装飾庭園を踏み歩くもの》と《収穫祭の襲撃》のランプ要素を取り入れた構築であり、以前ご紹介したゴルガリカラーのミッドレンジとランプをハイブリッドしたデッキです。
《強情なベイロス》と《作業場の戦長》は《ヴェールのリリアナ》を意識したクリーチャーです。前者は[+1]効果で捨てられれば置換効果で戦場へと出せるため、テンポ面で大きなリターンがあります。後者は《放浪皇》や《骨化》追放しない限り対処するのに除去カードを2枚要求しますし、忠誠値のたまったプレインズウォーカーへ「奇襲」をしかけることも可能です。
《作業場の戦長》は接触戦闘に強いクリーチャーであり、ミッドレンジ環境では裏目の少ない場持ちの良いカードです。
このデッキのフィニッシャーは《レンと七番》と《収穫祭の襲撃》。《レンと七番》は過去に緑単アグロで実績のあるカードですが、それ以降長らくカードプールへと埋もれていました。攻防に優れた5/5以上のサイズのトークンを生成できるため、1枚で戦場を制圧可能。[+1]効果がその成長を助けてくれる自己完結したデザインです。
また、単にマナを伸ばすだけではなく[+1]効果を最大限活かすべく、さまざまな土地カードが採用されています。《ジアトラの試練場》は「サイクリング」することで新たなカードへと繋がりますし、《見捨てられたぬかるみ、竹沼》は脅威となるクリーチャーを使いまわせます。
さらに副次効果として、「切削」過程で《しつこい負け犬》や《収穫祭の襲撃》が落ちることも期待できます。単体のカードパワーだけではなく、構築と噛んだカード選択といえます。
7/23(日):Standard Challenge
順位 | プレイヤー名 | デッキタイプ |
---|---|---|
優勝 | O_danielakos | 5色ランプ |
準優勝 | Mah_Quintanilha | オルゾフミッドレンジ |
トップ4 | kasa | セレズニアエンチャント |
トップ4 | AlfredTorres | 黒単ミッドレンジ |
トップ8 | ThaisM | アゾリウス兵士 |
トップ8 | Graciasportanto | エスパーコントロール |
トップ8 | Solidsnake408 | 赤単アグロ |
トップ8 | _Falcon_ | 黒単ミッドレンジ |
(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)
7/23(日)に開催されたStandard Challengeは5色ランプが優勝しています。前日の結果からは一転してバラエティーに富んだ面々がトップ8におり、上位には《婚礼の発表》を使ったミッドレンジが残っていました。
オルゾフミッドレンジは《野心的な農場労働者》や《婚礼の発表》などのパーマネントを軸に構築されたデッキです。アドバンテージを稼ぐパーマネントが多く、単体除去でゲームを作る戦略に強い構造となっています。タッチされた《多元宇宙の突破》は相手のデッキから《偉大なる統一者、アトラクサ》や《黙示録、シェオルドレッド》などの脅威を奪うフィニッシャーです。
セレズニアエンチャントは、エンチャントとシナジーを形成するクリーチャーからなるミッドレンジタイプのデッキ。《樹海の自然主義者》でエンチャント呪文のマナコストを引き下げて速やかに《神聖なる憑依》をプレイし、その後はエンチャントを連打して戦場をスピリットトークンで埋め尽くします。こちらも単体除去に強く、《神聖なる憑依》定着後は《告別》以外では戦況をひっくり返せないほど強固なボードを構築します。
メタゲーム
デッキタイプ | トップ32 | トップ16 |
---|---|---|
黒単ミッドレンジ | 7 | 5 |
エスパーコントロール | 5 | 4 |
多色ランプ | 3 | 2 |
ゴルガリミッドレンジ | 3 | 0 |
多色ミッドレンジ | 3 | 0 |
ディミーアミッドレンジ | 2 | 1 |
セレズニアエンチャント | 2 | 1 |
アゾリウス兵士 | 2 | 1 |
その他 | 5 | 2 |
合計 | 32 | 16 |
黒単ミッドレンジとエスパーコントロールは変わらずに、ランプが3番手となっています。マナ加速から高コストカードへと繋げるランプ戦略は多色やゴルガリ、セレズニアなどのボードで勝負する中速デッキの増加を見込んだ選択です。結果を見るにランプの読み勝ちとなっています。
トップ8デッキリストはこちら。
7/29(土):Standard Challenge
順位 | プレイヤー名 | デッキタイプ |
---|---|---|
優勝 | ht991122 | 4色ランプ |
準優勝 | ovmlcabrera | ディミーアミッドレンジ |
トップ4 | MJ_23 | セレズニアエンチャント |
トップ4 | beraldi | 黒単ミッドレンジ |
トップ8 | Salvatto | ディミーアミッドレンジ |
トップ8 | Graciasportanto | エスパーコントロール |
トップ8 | AlfredTorres | ディミーアミッドレンジ |
トップ8 | musasabi | エスパーレジェンズ |
(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)
7/29(土)に開催されたStandard Challengeは4色ランプが優勝しました。ランプやミッドレンジに対抗すべく、黒単が減りディミーアミッドレンジが増加しています。
メタゲーム
デッキタイプ | トップ32 | トップ16 |
---|---|---|
ディミーアミッドレンジ | 8 | 7 |
多色ランプ | 5 | 3 |
黒単ミッドレンジ | 5 | 1 |
エスパーコントロール | 4 | 2 |
セレズニアエンチャント | 2 | 1 |
多色ミッドレンジ | 2 | 1 |
白単人間 | 2 | 0 |
アゾリウス兵士 | 2 | 0 |
その他 | 2 | 1 |
合計 | 32 | 16 |
前週の結果からミッドレンジに対して有利なランプは一定数いることが予想されました。そこでランプとミッドレンジの両方に有利なディミーアミッドレンジが急増しています。同デッキを使用したプレイヤーの大半がトップ16以上に進み、大きな戦果を上げています。
トップ8デッキリストはこちら。
4色ランプ
4色ランプはマナ加速呪文を使って土地を増やし、早期に高コストカードをプレイすることを目的としています。《装飾庭園を踏み歩くもの》や《ゼンディカーへの侵攻》で7マナを目指し、《偉大なる統一者、アトラクサ》や《原初の征服者、エターリ》のカードパワーをもって相手を圧倒します。マナコストの差から生まれるカードパワーの差を利用してゲームを進めるため、ミッドレンジなどの中速デッキを得意としています。
反面、速度重視の赤単アグロは大の苦手。マナが伸びるまで無防備になりやすく、《骨化》や《力線の束縛》など一線級の除去を有していますが、土地カードと噛み合わないと使用できません。デッキが機能するためには土地カードの絶対数が多く、《ヴェールのリリアナ》も苦手としています。
ここ最近のランプ戦略は黒単ミッドレンジに対抗すべく、高コストカードを削って2~3マナ域を増やしています。《かき消し》は序盤を守るカードであり、どのマッチアップでも無駄になりません。特に《ヴェールのリリアナ》を始めとしたプレインズウォーカーや《婚礼の発表》に対する解答としては最適な1枚です。
「犠牲」コストを払えずとも警戒されない限り《多元宇宙の突破》や《原初の征服者、エターリ》といった高コストカードまで対処できます。サイドボードの《軽蔑的な一撃》と合わせ、この構築からランプ戦略を強くみていることが伺えます。
2マナ域のパーマネントとしては《急使の手提げ鞄》が一般的になりつつありましたが、このデッキでは《完成化のタブレット》を優先しています。マナ加速に2ターンを要しますが、継続的なマナ供給が望める戦略にマッチしたカードです。
タップイン土地の多いこのデッキにとって7マナ目をアンタップで確保できるかは死活問題となります。2ターン目に《完成化のタブレット》からスタートできれば、4ターン目の《ゼンディカーへの侵攻》後に必ず7マナのカードをプレイできます。また、マナが余る中盤以降はアドバンテージ源になる点も見逃せません。
ランプ戦略の弱点として、マナと手札の噛み合わない引きムラがあげられます。このデッキは4~5マナ域が薄く、《ゼンディカーへの侵攻》以外のアクションがほとんどありません。
《新ファイレクシアへの侵攻》は能動的なアクションの弱いターンを埋めてボードを支えたり、終盤ではフィニッシャーとなるフレキシブルなバトルです。複数体のトークンを生成して守りを固め、隙あらばプレインズウォーカーへの「変身」を狙います。
《ザルファーのテフェリー・アコサ》の能力自体はデッキと噛み合っていませんが、引きムラを緩和してくれる[+1]効果のみで十分です。中盤以降、不要となったマナ関連のカードを有効牌へと入れ替えてくれます。
7/30(日):Standard Challenge
順位 | プレイヤー名 | デッキタイプ |
---|---|---|
優勝 | Arianne | ディミーアミッドレンジ |
準優勝 | MJ_23 | セレズニアエンチャント |
トップ4 | Graciasportanto | エスパーコントロール |
トップ4 | ChipotleDogBowl | ディミーアミッドレンジ |
トップ8 | Boin | 赤単アグロ |
トップ8 | kthanakit26 | ディミーアミッドレンジ |
トップ8 | Game_Night | 5色ランプ |
トップ8 | LucasG1ggs | アゾリウスコントロール |
(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)
7/30(日)に開催されたStandard Challengeはディミーアミッドレンジが制しました。同デッキはランプ戦略やほかのミッドレンジを狙った選択であり、トップ8へ3名を送り込むことに成功しました。
メタゲーム
デッキタイプ | トップ32 | トップ16 |
---|---|---|
ディミーアミッドレンジ | 12 | 9 |
多色ランプ | 4 | 1 |
エスパーコントロール | 3 | 1 |
赤単アグロ | 2 | 2 |
エスパーレジェンズ | 2 | 1 |
アゾリウス兵士 | 2 | 0 |
その他 | 7 | 2 |
合計 | 32 | 16 |
2日連続でディミーアミッドレンジがトップメタとなり、ランプ戦略やほかのミッドレンジを駆逐してしまっています。メインボードから単体除去を減らすなどメタゲームに合わせた構築となっており、勝つべくして勝ったというよりほかありません。
このディミーアミッドレンジの急増を予想していたのは赤単アグロであり、2名がトップ16以上に進んでいます。単体除去の減少とプレインズウォーカーの増加、黒単と比較した際に多色化したことでの序盤の脆さと赤単アグロが付け入る隙があったのです。
トップ8デッキリストはこちら。
ディミーアミッドレンジ
ディミーアミッドレンジは、軽量クリーチャーから《ヨーグモスの法務官、ギックス》や《漆月魁渡》へと展開してアドバンテージを稼いでいく攻撃的なミッドレンジです。3マナ域のアドバンテージエンジンを最大限に活かすべく、1~2マナ域のクリーチャーを展開し、除去や打ち消し呪文を使って攻撃をサポートしていきます。
一部の青いカードを除くと黒単ミッドレンジとほとんど同じ構築ですが、戦略は真逆です。黒単ミッドレンジが《ヴェールのリリアナ》でリソースを絞って相手に脅威を出させないのに対し、こちらはリソースを伸ばして相手の脅威に対処し続けるかたちとなっています。
このデッキの中核を成すのは《ヨーグモスの法務官、ギックス》と《漆月魁渡》のアドバンテージ源です。硬軟織り交ぜてゲームを進めていくこのデッキはライフを詰めながら手札を増やし、後続や干渉手段を引き込みます。どちらの誘発型能力も戦闘が絡むため、2マナ以下のクリーチャーが10枚採用されています。
《ヨーグモスの法務官、ギックス》は攻めに最大限特化したデザインであり、マナカーブに沿って展開できれば3ターン目にして2枚の追加ドローが期待できます。ダメージを与えたクリーチャーにつき1枚引けるため、対処にもたつく猶予はありません。3/3と《切り崩し》で対処されず、戦場に出る際は攻撃へ向かったお供がいるため《ヴェールのリリアナ》では対処しにくいクリーチャーです。
《漆月魁渡》は自己完結したプレインズウォーカーであり、誘発型能力により定着しやすいのが特徴です。《ヨーグモスの法務官、ギックス》と違って一度に複数枚のカードは引けませんが、対処手段が限られているためクリーチャーの少ないコントロールに効果的なカードです。自軍のクリーチャーがいない場合でも手札を入れ替えられるため、いつ引いても無駄になることはありません。
3マナのパーマネント展開後流暢にドローできるように、2マナ以下には選りすぐりのクリーチャーが採用されています。中でも《フェアリーの黒幕》は瞬速と飛行により相手の裏をかきブロッカーを飛び越えて、カードを届けてくれます。
《フェアリーの黒幕》の 誘発型能力は《神憑く相棒》や《セレスタス》はもちろんのこと、特にミラーマッチで輝きます。相手が《漆月魁渡》を起動するだけで、自分も追加ドローできるわけですから。回避能力があるためプレインズウォーカーへの牽制にも最適です。
打ち消し呪文こそが黒単ミッドレンジとの差別化にあたります。最小限のマナで相手の呪文を無効化し、テンポ面で大きなリターンを得ます。ディミーアミッドレンジは軽い脅威が多く、4ターン目以降は2マナ+2マナ、3マナ+2マナのように展開と妨害を同時に行えます。
メインボードは万能の《かき消し》が採用されています。サイドボードに4枚ずつ取られた《軽蔑的な一撃》と《強迫》からはランプ戦略とコントロールを意識していることがわかります。
おわりに
『エルドレインの森』の発売を前に、環境は膠着したかと思われていたスタンダード。しかしながらメタゲームの中心はミッドレンジや多色ランプへと移り、現在はそれらに強いディミーアミッドレンジが幅を利かせています。今週末にはどのデッキが覇権を握るのか楽しみです。
それでは次回の情報局の時間にお会いしましょう。