はじめに

紳さん：いってつさん、すごいことが起きましたよ！！

いってつ：おやおや、どうしたんですか？

人物紹介：紳さん
MTG好きのフリーライター。2005年に火事で家が全焼し、全ての資産を失った。マジックにおける最強の戦法はクロック・パーミッションだと信じて疑わない男。

人物紹介：いってつ
晴れる屋メディアの統率者戦担当。コジレック野郎。パイオニアEDH委員会メンバー。スタンダードはよくわからない。

好きなカード

紳さん：めちゃくちゃ嬉しいことがありました！

いってつ：ついに大会で3-0したとか！？

紳さん：それよりも7倍嬉しいことです！

紳さん：僕、ここ3か月はずっと変なデッキ使ってたじゃないですか。「偽装緑単」とか「保護ナス」とか。

いってつ：まぁ、いわゆるローグデッキというやつですね。

ローグデッキとは？

メタゲームを外れたデッキのこと。あまり採用されないカードや珍しいコンボなどがデッキに組み込まれ、戦い方を予測するのが難しい。地雷デッキとも呼ばれる。

紳さん：そしたら、なんと友達ができたんです！！

いってつ：なんだってー！？めちゃくちゃいいことじゃないですか！

紳さん：晴れる屋の平日大会でよく顔を合わせる人なんですが、僕がいつも変なデッキを使っているせいか、あちらから話しかけてくれたんですよ。石川くんっていうんですけど、めずらしい人ですよね。

紳さん：普通、ローグデッキを使っている人には話しかけないじゃないですか。

いってつ：そんなことはありません。

紳さん：で、その石川くんも初めて見かけたときは《大スライム、スローグルク》で戻した土地を《腹音鳴らしとフブルスプ》で投げるデッキを使ってて、お互いにローグデッキ使いとして意気投合をしたわけなんですが……

紳さん：それなのに…うっ…うっ……。

いってつ：ど、どうしたんですか。急に泣き出して。

紳さん：説明するので、まずはこちらのデッキリストをご覧ください。

毒ロック・ダーニッション

紳さん：ダニによる毒のクロック、「毒ロック」を刻みながら相手の呪文をすべて打ち消して勝つパーミッション・デッキ。名付けて「毒ロック・ダーニッション」です。

いってつ：なるほど、今回はパーミッション・デッキなんですね。

紳さん：デッキ内のすべてのカードが1マナ〜2マナで唱えることができる軽さながら、パワフルな必殺技も搭載。

紳さん：《顎骨の決闘者》を《離反ダニ、スクレルヴ》や《有貌体の向上》で強化して殴ると、一度に毒カウンターを4〜6個与えることが可能。あっという間に「堕落」も達成し、盤面はいきなりクライマックス！

いってつ：《顎骨の決闘者》と《離反ダニ、スクレルヴ》は簡単で強力な組み合わせですよね。

紳さん：こちらの軽量クリーチャーが着地した後は、合計12枚の打ち消し呪文で逆転を許さない鉄壁のプレイを心がけます。もし、脅威が場に出てしまった場合も《骨化》で対処することが可能です。

いってつ：…なんか、普通に強そう。

紳さん：このデッキで大会に出た結果がこちらです！

〜晴れる屋・木曜日20時の平日大会〜

対戦結果

青黒アグロ 〇✕✕

青黒ミッドレンジ 〇〇

黒単タッチ青 〇〇

紳さん：まさかの2-1！晴れる屋ポイント1000ポイントGET！

いってつ：おお。初陣でこの成績はかなり良いですね！

紳さん：今回、黒いデッキと当たり続けたのも功を奏しました。ダニ達はアーティファクト・クリーチャーなので《喉首狙い》で対処できず、《スクレルヴの巣》からトークンが出続けるので《ヴェールのリリアナ》がそこまで脅威にならないなど、結果的に黒をメタったデッキになりましたね。

いってつ：いま黒に強いデッキは勝率も良いでしょうね。

紳さん：軽くて、安定感があって、環境的に強い。高額カードも採用していないので、デッキもかなり安く作れます！みなさんにもぜひオススメしたいデッキなんですけれども……

いってつ：一体、どうしたんですか？

紳さん：同じ大会に石川くんも出てましてね。対戦することはなかったんですが、僕のデッキを見て「普通じゃん」って言ったんですよ！！！ 毒ロック・パーミッションはローグデッキなのに。

紳さん：ローグ使い同士の会話で「普通」という言葉は、「ダニ野郎」という罵声と変わらないんですよ。そんなひどいことを言われたら泣きますよ。

いってつ：実際、ダニ野郎でしたけどね。さておき、友達同士の戯れみたいなものじゃないですか、それは。

紳さん：じゃあ、石川くんはどんなデッキ使ってるんだ！！！って思ったら、忍者で3-0してました。

いってつ：デッキ名に「安く組めます」って入れるぐらい、価格にこだわって作ってそうですね。「サカイノ式」とはなんでしょうか？

紳さん：石川くんに聞いたところ、モダンの超強豪プレイヤーであるサカイノさんをイジるために名付けてるらしいです。忍者デッキとサカイノさんはまったくの無関係なんだとか。

いってつ：まさかサカイノさんもスタンダードの記事で自分の名前が出ているとは思わないでしょうね。

紳さん：というわけで、毎回ローグデッキを作って大会に出ているつもりでしたが、本物のローグデッキ使いにはまだまだ遠く及ばないという話だったわけです。

いってつ：石川さんのおかげで面白いデッキを紹介することには成功しましたね。なによりも、マジックの大会に出て友達ができるなんて素晴らしいことです！

紳さん：はい。次こそ、石川くんに普通って言われないように激ヤバ最強デッキを作り上げてきます！

いってつ：まもなく『エルドレインの森』が発売されますし、スタンダードに新しい風が吹きますからね！

紳さん：待ってろよ、石川！！！サカイノ！！！

いってつ：サカイノさんは関係ないのでは…

おわりに

実はいまのスタンダードで忍者は強いのか？それとも石川くんが強いのか？

『エルドレインの森』でどんなローグデッキが誕生するのか？今後の展望がとても楽しみです。

また、最近マジックを始めて「友達が欲しい！」という方は積極的にローグデッキを使うと良いかも知れません。話しかけられる確率が上がります(経験談)。黒いデッキに勝てないという方、毒ロック・ダーニッションのこともたまには思い出してあげてください。

記事を最後まで読んでくださってありがとうございました。ぜひ、スタンダードの大会でお会いしましょう！それではまた。