『エルドレインの森』へようこそ!
新セット『エルドレインの森』がまもなく発売されます!オンラインではすでにリリースされているので、早速リミテッドや新たなデッキを組んでみたりして、楽しんでいることでしょう!
ただ魅力的なカードばかりの『エルドレインの森』を見ると、どんなカードやデッキが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩んでしまう方も多いかと思います。
そこで、各構築フォーマットを代表する実力者である「神」のみなさんに、『エルドレインの森』で注目するカードトップ3!を聞いてみました!
「神」とは?
晴れる屋が主催している、「神決定戦」という大会の暫定王者。スタンダード・パイオニア・モダン・レガシー・ヴィンテージ・パウパー・統率者・リミテッドの8フォーマットそれぞれで行われており、予選大会(挑戦者決定戦)と決勝大会(神決定戦)を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。
詳しくはこちらをご覧ください。→神決定戦特設ページ
各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、鋭い意見が飛び交いました。「神」の目にはなにが映り、なにを考えたのでしょうか。
◆第23期スタンダード神:酒井 達也
『エルドレインの森』カードセット全体の印象
あの《王冠泥棒、オーコ》を率いたエルドレインの再来にわくわくが止まりません!
全体的に前回のエルドレインよりはカードパワーひかえめですが、それでも強そうなカードがたくさん見受けられます。スタンダード的にはミシュラランドの獲得が大きいです。いずれの土地も構築級の強さを持っているため、多色デッキではぜひ使ってみたいと思います。
新キーワード能力の「協約」は若干の下準備が必要ですが、同じく登場した役割・トークンをはじめ、ラクドスサクリファイスなど自然に組み込めそうなデッキにも今後注目しています。
そしてなにより、可愛いクリーチャーが多い!可愛いカードを使うとプレイが楽しくなるので、それだけでアドバンテージがあるといえます。構築で強いかは置いておいて、エルドレインの世界観を存分に楽しみましょう!
『エルドレインの森』スタンダード注目カードトップ3!
3位:《鏡に願いを》
主に下のフォーマットで話題になっていましたが、スタンダードでも強力なカードです!
スタンダードで大活躍中の《黙示録、シェオルドレッド》はもちろん、エルドレインで登場した《一巻の終わり》《ランクルのいたずら》などシルバーバレット的な運用が可能になります。《一巻の終わり》の登場によってフィニッシャーを散らしていくことも求められるため、黒を中心としたミッドレンジ~コントロールでは採用の価値がありそうです。
ただ「協約」ができないと重いチューターになってしまうため、《悪意ある呪詛術士》《税血の収穫者》などと一緒に採用して自然と「協約」に繋げていきたいですね。
2位:《執念の徳目》
「出来事」モードの汎用性が高いです。ソーサリーとはいえ、たいていの2マナ生物まで除去できる上に、2点ライフゲインのおまけ付き。これだけでも十分マナコスト相当の働きはしてくれます。
加えてエンチャント側でフィニッシャーとしての運用もできるため、コントロールデッキが求めていた最高のカードといえます。除去+リアニメイトで自己完結していることもポイント高いです。
今後のスタンダードでは、頻繁に見かける定番の除去となってくれると思っています。
1位:《眠り呪いのフェアリー》
麻痺カウンターのデメリットはあるものの、1マナ3/3で飛行、護法2とすごいスペック!
出してすぐには戦闘に参加させることができませんが、《呪文どもり》《フェアリーの剣技》《自我の流出》などフェアリーとシナジーのあるスペルの登場もあり、序盤に置けるフェアリーの価値は高いです。終盤なら余ったマナを使ってすぐに運用もできるでしょうし、疑似的に警戒を付与することも可能です。
ほかにもたくさんの強いフェアリーが出ているため、アーキタイプとして十分成立すると思います。今後のフェアリーデッキの躍進に大注目です!
◆第11期パイオニア神:松原 雄介
『エルドレインの森』カードセット全体の印象
セット全体を通しての印象としては、パワフルなカードが多いと感じました。エルドレインの次元を象徴するギミックである出来事・当事者カードが1枚で2枚分の呪文となるのに加えて、毎ターン無駄なくマナを使い切ることが容易になります。
また、新ギミックの役割・トークンに関するカードもユニークで、《王のもてなし》など既存のカードのアップデート版ともいえるカードが多数収録されている点も見どころとなっています。
『エルドレインの森』パイオニア注目カードトップ3!
3位:《威厳あるバニコーン》
2マナX/Xで土地以外のパーマネント数を参照して変動するスタッツを持っています。活躍が期待されるデッキとしては、ボロス召集が挙げられます。
ボロス召集は《ヴォルダーレンの美食家》や《スレイベンの検査官》などにより、パーマネントを効率よく増やすことが得意なデッキで、1ターン目《ヴォルダーレンの美食家》、2ターン目《威厳あるバニコーン》、3ターン目《上機嫌の解体》+《無謀な奇襲隊》と動いた場合、無抵抗であれば3ターン目にして19点ものライフを奪うことができます。
2位:《食事を終わらせるもの、ジンジャー卿》
プレインズウォーカーを対策できる一枚。パイオニアにおいては、《ドミナリアの英雄、テフェリー》と《放浪皇》を有するアゾリウスコントロール系のデッキが強力なアーキタイプとして存在しています。プレインズウォーカーの処理に苦労するデッキにとって、色を問わず採用できることは大きなメリットです。
また、ラクドスサクリファイスなどで食物・トークンを生け贄に捧げた場合、トークンでも一度墓地に送られる処理になるので、+1/+1カウンターを乗せて占術する能力が誘発します。
1位:《苔森の戦慄騎士》
黒緑系ミッドレンジの中核になりうるクリーチャーです。出来事・当事者どちらの面も2マナと軽く、マナを無駄なく使い切ることができる点も強みです。
ゲーム後半には、出来事でキャントリップが付いた実質4マナのクリーチャーとしてキャストすることできます。さらに、たとえ相手に大きいクリーチャーがいたとしても、チャンプアタック・ブロックによって対処手段を探すことも可能です。
◆第24期モダン神:内藤 圭佑
『エルドレインの森』カードセット全体の印象
エルドレインの名に恥じない強力なカードが目白押しで、とてもワクワクするセットだと感じました。
また、今回のキーワード能力である「協約」は、追加でコストを払えばさらに強力な効果を付与してくれるということで、「協約」カードを使うならばしっかりとコストを確保できるよう意識して構築していきたいですね。モダンにおいても、これは使われるのでは!?というような強力なカードもちらほらあり、発売がとても楽しみです。
『エルドレインの森』モダン注目カードトップ3!
3位:《人狐のボディガード》
革命が起きました。今までこの手の3マナクリーチャーは、自分のターンにプレイするのが当たり前でした(例:《粗暴な聖戦士》)。しかし、このカードには瞬速が付いています。インスタントの除去としての使用はもちろん、さまざまな使い方ができそうで楽しみな一枚です。
たとえば相手の除去に対してこれを出し、対象となった自分のクリーチャーを追放します。本来であればあまり意味のない行為なのですが、このクリーチャーには自ら生贄に捧げる能力が付いていますので、いつでも追放した自分のクリーチャーを場に戻すことができるのです。強い!地味に2点ゲインも沁みますね。
2位:《威厳あるバニコーン》
見てください、この生き物。可愛いですね。しかし可愛い見た目とは裏腹に、とんでもない性能を秘めています。普通のアグロデッキに入れても大したサイズにはならなそうですが、このカードが輝くのは食物・トークンなどを多用するデッキです。
たとえば、サムワイズフードのような食物がたくさん出て横並びするようなデッキですと、《タルモゴイフ》を優に超えるサイズになること間違いなしです。フード系デッキでコンボが決まらないとき(または妨害されたとき)に、サブプランとして使ってみるのも面白いかもしれませんね。
1位:《鏡に願いを》
悩みましたが、可能性を感じたので1位に選びました。モダンでは《陰謀団の貴重品室》を使った黒単での活躍が見込めそうです。「協約」のコストを確保したいので、従来の構築より少し変える必要はありそうですが、十分に使ってみたくなる性能をしています。
特にモダンにおける黒単の4マナ域は非常に強力なので、状況に応じて《黙示録、シェオルドレッド》《大いなる創造者、カーン》《一つの指輪》《滅び》などをキャストできるなら恐ろしい強さだと思います。なので、なんとしても「協約」のコストを確保したい!!全国の黒単マニアのみなさん、待ってますよ。
◆第23期レガシー神:廣田 貴志
『エルドレインの森』カードセット全体の印象
来訪2回目となるエルドレイン。前回はスタンダードからレガシーまで軒並み禁止となった《王冠泥棒、オーコ》…強すぎてついにカード化もされなかったか……。
冗談はさておき、全体の印象としては面白そうなカードは多々ありますが、レガシーにおけるカードパワーにはあと一歩かな?と感じました。ですが、確実にレガシーに影響を与える強力なカードもありますし、フェアリーが多数収録されているので新しいアーキタイプが出てきてもなんらおかしくないと思います。
そのなかでも、今回は強力なカード・統率者カード・シナジーカードの3枚を選出させていただきました。
『エルドレインの森』レガシー注目カードトップ3!
3位:《創意の神童》
まずはシナジーカードです。《永劫の年代史家》を彷彿とさせるドロー能力で、このカードの強いところは序盤の「潜伏」によるアンブロッカブルであり青であること。さらに後半になっても腐りにくい毎ターンドローがついている…当てはまるデッキはそうですね。忍者ですね!
レガシーの忍者デッキに入っている《羽ばたき飛行機械》《変わり身ののけ者》は、どちらもいいところはありますが、中盤から後半にかけて死に札になってしまうことも多々あります。《創意の神童》なら「忍術」で手札に戻っても《意志の力》のコストにもなり、序盤・中盤・終盤と隙を埋めてくれるのではないでしょうか。
2位:《ロークスワインの宮廷》
続いて統率者セットから。レガシーは統率者セットのカードが活躍することが多々あります。《漁る軟泥》《狼狽の嵐》、直近でいうと《進め、エオルの家の子よ!》など見逃していたらすぐに目ん玉飛び出る価格になってしまうので要チェックです!
《ロークスワインの宮廷》は「統治者」なら実質毎ターン2ドローを可能にしてくれますし、運が良ければ相手の山札の上から《引き裂かれし永劫、エムラクール》が捲れてタダで唱えられるかも!?サイド後にデス&タックス、グリクシスデルバー、デスシャドウのアドバンテージ手段としていいかもしれません。サイド後の《赤霊破》に対しても、黒いエンチャントなのでなかなか触られにくいのも強みです。
1位:《鏡に願いを》
最後は強力なカードです。発表されてからすぐにANTなどで注目されていたカードで、ただただ強い。マナ加速から、適当なマナアーティファクトを「協約」のコストにデッキから《ガイアの意志》を唱え、墓地から再度マナ加速してストームを稼ぎ、最後はみなまで言うな…というくらいわかりやすく強力です。
そしてほかのデッキにおいても、今流行りの《オークの弓使い》から出てくるトークンを「協約」のコストに当てられるので、たとえばデッキから《一つの指輪》《黙示録、シェオルドレッド》《滅び》など、その場その場で対応できるカードをサーチできる!とても面白いカードだと思います。
◆第21期ヴィンテージ神:関川 翼
『エルドレインの森』カードセット全体の印象
前回のエルドレインと比べて大人しめな印象です。新しいキーワードである「協約」は、アーティファクトを大量に使うヴィンテージではコストに困ることはなさそうです。
《王冠泥棒、オーコ》級のパワーカードはないものの、気になるカードはちらほら。何でもありなヴィンテージだからこそチャン(ワンチャン)ありそうなカードを選んでみました。
『エルドレインの森』ヴィンテージ注目カードトップ3!
3位:《遠見の儀式》
4マナと激重なカード。しかし、マナファクトが強力なヴィンテージではギリギリ許容範囲かと思います。掘る枚数は「協約」すれば、あの《時を越えた探索》を超えてます。8枚て……。8枚見て2枚好きなカード加えたら勝つでしょうよ。加えるという効果なので《船殻破り》にかからない点も〇。
《時を越えた探索》の場合、墓地がたまらないとキャストしにくいという点があるので、安定4マナのこのカードはチャン(ワンチャン)あるのではないでしょうか?(知らんけど。
2位:《宮廷》サイクル(白・青・黒)
統率者セットから《宮廷》シリーズです。シリーズ共通して場に出たときに「統治者」になりアドバンテージを得れます。
特に強そうなのが白・青・黒の3つ。
《アーデンベイルの宮廷》は《ウルザの物語》を使いまわしたり(夢。
《ヴァントレスの宮廷》は《ウルザの物語》をコピーしたり(夢。
《ロークスワインの宮廷》は相手のトップ次第にはなりますが、ヴィンテージならば1枚でゲームが終わってしまう可能性あり(大夢。
能力自体はすべて強いので、チャン(ワンチャン)あるのではないでしょうか?(知らんけど。
1位:《鏡に願いを》
発売前から各フォーマットで騒がれているカード。通称「黒ティンカー」(違う。
本家ティンカー(《修繕》)がアーティファクト限定に対して、こちらは「協約」時4マナ以下の呪文なら何でもOK。直接ライブラリーから場に出るカードは何か悪さをしてくれそうです。
《欄干のスパイ》《ゴブリンの放火砲》《ネクロポーテンス》《一つの指輪》《大いなる創造者、カーン》…とパッと思いつくだけでも出てきたらやばいものが多いです。黒トリプルシンボルなのでお手軽にキャストはしにくいものの、チャン(ワンチャン)あるのではないでしょうか?(知らんけど。
◆第4期パウパー神:長谷川 翔一
『エルドレインの森』カードセット全体の印象
こんにちは、パウパー神の長谷川です。
今回のセットは童話モチーフ!ぼくたちも知っているさまざまな物語が各2色に割り当てられており、各カードのイラストを見ているだけでもワクワクしてしまいますね。渋谷で行われているマジック30周年イベントでも設定資料などが公開されているので、興味のある方はぜひ!
さらに「おとぎ話」での特殊枠や日本人アーティストによる「アニメ・ボーダーレス版」と、とにかくイラストが良すぎる!!(《息詰まる徴税》と《広がりゆく海》が特に好きです)
新能力で注目したいのは「役割」という新たなエンチャント・タイプの登場と、いろんななカードのオマケで役割・トークンが生成できるようになった点。
これによって「呪禁オーラ」や《きらきらするすべて》などがより強力になるかもしれませんし、「役割」自体の能力も優秀な物がそろっているので評価が高いです。「王族」や「怪物」といった素直な強化から「若き英雄」のような癖のある物、はたまた「呪われし者」という弱体化も存在しており、バリエーションに富んでいていろいろと試してみたいキーワード能力だと感じました。
そんな魅力溢れる『エルドレインの森』、注目カードのご紹介に移りましょう!
『エルドレインの森』パウパー注目カードトップ3!
3位:《ローアンの陰惨な調査》
よくあるダメージ系の黒のドロー呪文で、似たカードに「版図」で見る枚数が変わる《影の予言》が存在します。《ローアンの陰惨な調査》は「版図」ではなく「協約」を払うことで単色でも使用できるようになった亜種といえるでしょう。
「協約」することで4枚見てから2枚加えるという3マナのドロースペルの中でもかなり優れた効果を持っていますし、単純な3マナ2ドローインスタントとしても十分なスペックで、単色で使えるドローとしてはトップクラス!
「協約」は《胆液の水源》といった墓地に落ちたときに誘発するカードと相性がよく、3マナ版《命取りの論争》のようなイメージで使えそうです。「カルニブラック」や「黒単信心」の新たな一員となるでしょうか?
2位:《呪文どもり》
ついに来たフェアリー待望の1枚!《呪文づまりのスプライト》の能力をそのまま再現したかのような使い勝手のいいカウンターが登場です。
《呪文づまりのスプライト》の感覚だとすぐ《マナ漏出》相当にはなるでしょうし、4〜5マナ要求になればパウパーではほぼ確定カウンター=色拘束のゆるい《対抗呪文》のようなイメージで使えそうなのが評価の高いポイント。「青単フェアリー」より青黒や青赤といった青ダブルシンボルの捻出が厳しいデッキを強化してくれそうなのが嬉しいですね。
最近では青いデッキが《トレイリアの恐怖》中心のものばかりでしたが、新しい風を吹き込んでくれそうな予感がするので2位にランクインしました。フェアリーはテラー系統に有利なデッキなので、今回の強化で返り咲きあるか!?
1位:《毒茸の称賛者》
注目カード第1位は新たな《ぬめるボーグル》、《毒茸の称賛者》です!呪禁こそ持ちませんが、護法2により対処されづらい1マナクリーチャーで、しかも緑1マナでプレイ可能となれば「呪禁オーラ」に十分採用の余地があるといえるでしょう。
護法2は《トレイリアの恐怖》と同じ耐性で思っているよりも対処が難しく、1マナのクリーチャーの対処に少なくとも3マナ必要というのは相手目線から見ればかなりテンポ損な行動です。これに《天上の鎧》が付くだけでも相当対処するには難しいですし、逆に「対処できるとしてもサイドボード後に単体除去を残すのか?」という問題もあります。単体除去を残して《ぬめるボーグル》が出てきて打てない!なんてことになっては本末転倒ですし、思っているより「呪禁」説があります。
また《楽園の拡散》ばかり引いてオーラ呪文がない!という状況でも4マナ払えば+1/+1カウンターが乗っていくので、3/3くらいまで成長してから《怨恨》を付けて攻撃するといった流れも期待できます。かわいい見た目にしてはやるな!
役割・トークンと《毒茸の称賛者》で超強化された「呪禁オーラ」に期待大!ということで1位とさせていただきました。
◆第5期統率者神:立津 貴一朗
『エルドレインの森』カードセット全体の印象
約1年ぶりに「当事者」カードがリバイバル、新メカニズムとして「協約」「役割」が登場しました。
「協約」は要請コストがやや重いものの、《ローアンの陰惨な調査》のように代償に見合うだけの爆発力を秘めています。
「役割」は《波止場の恐喝者》に激詰めされてしまうのが難点ですが、継続的にクリーチャーを強化or弱体化しつつ、エンチャントを大量に盤面へ送り込める点には「星座」系能力との強烈なシナジーが期待できます。
「徳目」サイクルや「宮廷」サイクルといった単色サイクルがフィーチャーされているのも特徴的であり、とりわけ《エルドレインの玉座》は「軽量&多色」の統率者が甘い汁を啜っている昨今にあって、「重量&単色」の構築をピンポイントで支える“粋”な一枚!また、小規模な《過大な贈り物》ともいえる《真夜中の一撃》など、既存カードのマイナーチェンジが多数収録されているのも嬉しいポイントです。
概して、全体のカードパワーは高いものの支配的になるほどではなく、それゆえにピーキーなカードがしかるべきデッキに刺さり構築者の熱を駆り立てるセット、という印象を受けました。
『エルドレインの森』統率者注目カードトップ3!
3位:《鏡に願いを》
素のマナコストではひどく取り回しが悪いため、「協約」状態でのボーナスキャスト――欲を言えばマナコスト3以上のカードを踏み倒して《悪魔の教示者》越えを狙いたいところです。とはいえ、2マナのカードを踏み倒すだけでも《悪魔の意図》相当の優秀な効率ではあるので、ターンを持ち越さずに勝負を決める前のめりなデッキでは採用が望めます。
「協約」コストについてはマナファクトで賄えないこともないのですが、それを気軽に生け贄に捧げられるほどマナが過剰となるゲームレンジでは踏み倒しの特典がイマイチ活きません。かといって序盤にマナ基盤を切り捨てるには相応リスクが伴いますので、自前でトークンを調達でき、かつ早期決着が可能な《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット》系のデッキが有力候補となるでしょう。
2位:《慈愛の王、タリオン》
ひとまず「1」で指定しておけば、軽量カウンター同士の応酬や、マナクリーチャー&マナファクトの展開に便乗してかなりの枚数を引けると思われます。3/4飛行という攻防一体のスタッツのみならず、ドローに併発する2点ライフルーズも戦況が膠着しがちな昨今のEDHに非常マッチしているため、受け身な性能ながらも数多のデッキにおいてリソース源としての活躍が見込めそうです。
ただ、4マナというアドバンテージソースとしてはいささか重めなコストと、「盤面に放置しておくには強すぎる」ことが懸念材料です。《幻影の像》《ファイレクシアの変形者》をはじめとする軽量クローンや、青の定番《金粉のドレイク》などで尻馬に乗られる覚悟はせねばなりません……盤面に複数体のタリオン、想像するだけで胃が痛くなりますね~~。
1位:《アガサの魂の大釜》
墓場の死肉を釜へブッ込み、起動型能力の出汁を取るッ!!
もう見るからに怪しく、《Phyrexian Devourer》&《歩行バリスタ》系の往年の無限ダメージコンビや、素直にカードを引かせてくれるようになる《アーチフィーンド、アスモデウス》、さらには「場に出た生物に+1/+1カウンターをバラまける」カードがあれば [+1]を連鎖的に起動できる《飢餓の潮流、グリスト》などに、早くも指名がかかっているようです。
注目すべきは、コンボの中核を担いながらも裏方として働ける点でしょう。あるときには、《オークの弓使い》に撃墜された小粒システムクリーチャーや、打消しに散ったコンボパーツを擬似的に蘇生するバックアップカードとして。またあるときには、対戦相手のリアニメイトカードや《イーオスのレインジャー長》に睨みを利かせる守備的な妨害札として。これほど拡張性の高いカードが色を選ばず使えるのは夢があります。
◆第15期リミテッド神:高橋 太朗
『エルドレインの森』カードセット全体の印象
強力な「出来事」カード(と《王冠泥棒、オーコ》)で一世を風靡した『エルドレインの王権』の続編であり、今回も優秀な「出来事」カードは健在です。また、ボーナスシートとしての過去の有名なエンチャントの再録である「おとぎ話」カードもリミテッドで使えるため、非常にカードパワーの高いセットだと思います。
今回は新キーワードである「役割」をはじめ、トークンを生成するカードが非常に多く、「協約」「祝祭」などそれとシナジーを形成するカードもまた多数あるため、盤面がかなりにぎやかなゲームになることが予想されます。紙でプレイする場合は盤面の管理に気を付けていきましょう。
『エルドレインの森』リミテッド注目カードトップ3!
3位:《倉庫の虎猫》
コモンですが多彩な能力を持ったクリーチャーで、上の能力は「あなたのコントロールするエンチャント1つが戦場から墓地に置かれるたび」という一見難しい条件ですが、この環境では「役割」や「協約」といったキーワード能力や英雄譚により誘発の機会は結構あると思われます。
下の能力も格上のクリーチャーと相打ちできるため本体も無駄になることはなく、1マナながらどのタイミングで引いても役に立つカードですね。
2位:《豆の木をのぼれ》
今回おとぎ話として収録されている《ガラクの蜂起》もそうですが、この手のカードは誘発の条件が厳しく、アドバンテージにつなげるために時間がかかるためなかなか使いにくいものでした。しかしこのカードは2マナと軽く、出たときにカードを引けるためテンポもアドバンテージも失いにくくなっています。
誘発の条件は5マナ以上の呪文と厳しめですが、今回「出来事」のおかげで5マナ以上のカードの枚数も増やしやすいですし、これ自体を「協約」のコストに使うこともできるため、使い勝手の良いカードに仕上がっています。
1位:《伝承の大長》
かつてスタンダードで禁止カードに指定された超強力カード《幸運のクローバー》を内蔵したクリーチャー。こちらは4マナと重くなりましたが、2/3飛行とそれなりに戦力となるサイズであり、むしろリミテッドではありがたいケースも多いように思います。
「出来事」持ちのカードはほとんどがプレイアブルなため、特殊なピック、構築をせずとも枚数は自然とそろいます。また、今回は「出来事」の部分だけで見ても強力な効果を持つカードも多いため、1度コピーするだけでも大きな優位を作ることができることでしょう。
新環境を楽しもう!
「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点から、各フォーマットの『エルドレインの森』の注目カードをレビューしてもらいました!
目を引くような強いカードが多く、どんなデッキを組むか考えるのが楽しいですね!彼らの意見を参考に新たな戦力とともに新環境へと踏み出しましょう!
また『エルドレインの森』の特設ページがオープンしています!こちらからも各種商品の購入ができるだけでなく、記事や動画がまとめてご覧いただけますので、ぜひご活用ください!