はじめに
紳さん:ウィル・ケンリスを救いたい。
いってつ:また「救いたい」シリーズですか。
人物紹介:紳さん
MTG好きのフリーライター。2005年に火事で家が全焼し、全ての資産を失った。このことがトラウマになり、今でもバーンデッキを筆頭に赤いデッキを苦手としている。
紳さん:エルドレインで暮らす人間ながら、プレインズウォーカーの灯を分かち合う、美麗な双子ウィルとローアン。色々あって、今は仲違い状態の2人。
いってつ:『エルドレインの森』のアニメトレーラーでもその辺りのことは描かれていましたね。
紳さん:ローアンの美少女ヒロインっぷりがすごかったです。
紳さん:それはともかく、今回カード化された2人の性能差がえぐい。
いってつ:そんなに差がありましたっけ?
紳さん:パッと見、比肩する能力に思えますがローアンのポテンシャルに比べるとウィルの使いづらさが目立ちます。
紳さん:ローアンは現状のスタンダードでも、すでに2種類の相方(コンボパーツ)が発見されておりまして。ライフが許す限り能力を起動することで、さながら《チャネル》や《憎悪》のような一撃必殺コンボが実現可能です。
いってつ:天才デッキビルダー企画でも紹介されていましたね!まさかスタンダードでチャネル・ファイアーボールが再現されるとは…
紳さん:それに比べて、ウィルときたら… 新弾発売直後の神話レア、しかもメインキャラクターポジションなのに格安ストレージコーナーに投げ込まれる勢いです。
いってつ:だから「救いたい」と。
紳さん:「ウィルは強いね」ってローアンも言ってましたからね。ここからがローグデッキ使いの腕の見せどころなわけですが…
紳さん:ウィルを使ったデッキを色々と試す中で、うっかりエルドレインの森に生息する最強クリーチャーを発見してしまいました!
いってつ:なんだって〜!?
紳さん:《ガムドロップの毒殺者》です。
いってつ:これが最強クリーチャーだと!?
紳さん:実際、《火炎舌のカヴー》の上位互換ぐらいの性能だと思ってます。
いってつ:まぁ、ライフ回復という下準備さえできていれば、確かに最強かもですね。
紳さん:ウィルを軸にデッキを考えると、とにかく効率よくライフを回復することが大事。なかでも絆魂による戦闘ダメージ=ライフ回復が強いということに気がついたんです。マナをかけずにライフが回復するので。
紳さん:特にこのファイレクシアン2体は優秀で、単に除去をされてもアドバンテージを得ることが多いです。デッキ内に絆魂持ちのクリーチャーをたくさん入れれば入れるほど、ガムドロップが火炎舌に近づきます。
いってつ:《ガムドロップの毒殺者》自身も絆魂を持っているんですね。ウィルの起動型能力はもちろん、2体目のガムドロップの能力誘発をサポートするのが強そう!
紳さん:さらに、これまた『エルドレインの森』の新カード、《執念の徳目》の出来事と組み合わせればタフネス5までのクリーチャーを除去することができます。最終的に《執念の徳目》もフィニッシャーになりえますし。
いってつ:《ファイレクシアの肉体喰らい》を釣り上げても強いですしね。
いってつ:……ところで、ウィルの能力の使い道は?
紳さん:それなんですよ。ローアンと違ってX点火力に使うことができないので、白や青の必殺技を見つけないといけないのですが。
紳さん:最初は《白の太陽の黄昏》を採用していましたが、勝つまでに時間がかかるんですよね。返しに《太陽降下》されると逆にピンチになりますし。毒を持っているとはいえ、1/1ダニ・トークンが並ぶだけでは勝ちきれないかな、と。
紳さん:ロマン枠として《止められぬ巨大戦車、グラーツ》をデッキに入れたりもしましたが、ランプでもないのに毎回8マナまで辿り着くのが大変だし、安定性がなかったんですよね。
いってつ:ファイアーボールさえ…ファイアーボールさえあれば…!!
紳さん:結局、ファイアーボールは見つけられなかったんですが、代わりに面白いカードの組み合わせを見つけたんですよ。
紳さん:ウィルの能力で《新ファイレクシアへの侵攻》をX=6以上で唱えると、白青の2/2トークンが6体以上出てくるんですが……
紳さん:召集で打ち消し&ドローの《芸術的な拒絶》を構えることができるんですよね。
いってつ:地味だけど、強そうではある。
紳さん:というわけで、完成したデッキがこちらです。
「ウィル・ケンリスを救いたい」
いってつ:《ファイレクシアの肉体喰らい》が入っていないようですが…
紳さん:1枚も持ってなかったうえに、大会当日に買おうとしたら想像以上に高かったので不採用になりました。
いってつ:う~ん、TCGってかんじだ。かつて八十岡さんも《復讐蔦》が思ったより高くてデッキを変えたことがあるらしいし、むしろ大物感ある。
紳さん:その代わりに晴れる屋ポイントで《放浪皇》を1枚GET。ライフ回復機能があるプレインズウォーカーなのでデッキとの相性は抜群です。《日没を遅らせる者、テフェリー》もライフ回復しながら《アイレンクラッグ》や《セレスタス》をアンタップできる優秀なプレインズウォーカー。
紳さん:さらに《ファイレクシアの肉体喰らい》の穴を埋めるべく、絆魂を持ちながら《アガサの魂の大釜》を止められる《敬虔な新米、デニック》を2枚採用。
紳さん:ただし、デニックは《執念の徳目》と信じられないぐらい相性が悪いので、過度な期待はできません。
いってつ:ふむふむ。ウィルは2枚だけで大丈夫なんですか?
紳さん:最初は当然、4枚積んでたんですけどね。調整を重ねていく内に自然な形で抜けていきました。
いってつ:あ〜。自然な形でキーカードが抜けていくのはマジックあるあるですもんね。自然な形ならしょうがないか~
紳さん:『エルドレインの森』発売直後、初めての大会はこのデッキで挑戦です!
晴れる屋・木曜日20時の平日大会
対戦結果
版図ランプ ✕✕
ジャンドミッドレンジ 〇✕〇
青単ジン ✕〇〇
紳さん:やったー!2-1で晴れる屋ポイント1000ポイントGET!
いってつ:おお!?ウィル・ケンリスが救われた!?
紳さん:ほとんどガムドロップの性能で勝ったようなものですが、とんでもないカードですよ、これは。火炎舌よりずっと強いかも知れません。
いってつ:そんなに強かったんですか。
紳さん:本来ならやることがない1ターン目とかにも、しれっと食物トークンを生成したり。《ファイレクシアの宣教師》で拾える除去みたいなものでした。対戦した相手がクリーチャー主体のデッキという相性の良さはあったのかもですが。
紳さん:ちなみに1戦目のアトラクサの方、偽装緑単(フェイク・グリーン)とカウンター保護ナスのときにも対戦してるので、今回で3度目の対戦です。僕が記事を書くために晴れる屋に行くと、なぜか当たる不思議な運命。
いってつ:これは良きライバルができましたね!
紳さん:アトラクサ、強いんですよね〜。《軽蔑的な一撃》の枚数を増やしたくなってきた。
紳さん:今回のデッキ、《平和の世継ぎ、ウィル》をうまく使えたかどうかは分かりませんが、ウィルのおかげで《ガムドロップの毒殺者》の強さに気がつくことができたので良かったです!
いってつ:次回こそ、3-0目指して頑張りましょう!
紳さん:アトラクサ、メタったるで!!!!!
おわりに
ウィルとローアンの今後のストーリーが気になりますが、とても魅力的なキャラクターのカードを使えて、僕は幸せです。
どちらも面白コンボに持ってこいの性能なので、今後はウィルやローアンを使った新しいローグデッキが続々と誕生するんじゃないかと思っています!どんなアイディアが生まれるのか、今からとても楽しみです。
デッキが完成したらぜひ、スタンダードの大会で対戦しましょう!
それではまた。