『エルドレインの森』で最弱色の青をドラフトして勝つ方法

Matti Kuisma

Translated by Riku Endo

原文はこちら
(掲載日 2023/10/25)

はじめに

9月下旬に『第29回マジック世界選手権』が開催され、『エルドレインの森』のドラフトはそこで採用されたフォーマットであった。練習はしたが、しなければならなかったからではなく、本当にこのドラフトが好きだったからだ。今ではお気に入りのドラフトの1つにまでなっているし、いまだに新たに学び続けているようにだって感じている。

とれる戦略は多く、特定のシナジーを持ち、通常とは異なるデッキを組めば見返りをもたらしてくれるような、デッキの中心に据えることができる面白いアンコモンもいる。たくさん練習したことで素晴らしい結果にもつながった。世界選手権のドラフトでは5-1して、この記事を書いている間に5日間連続MTGアリーナのラダーで1位になっていた(記録はマジックオンラインに64人制ヴィンテージキューブドラフトが返ってきたことによって途絶えた)。

このフォーマットにおける成功の秘訣は、最弱、あるいは2番目に弱いと広く認識されている青のドラフトの仕方を学んでいたからだ。カードそれぞれを別個で見るだけなら、最弱というのは間違っていないかもしれない。たとえば、どの青いカードもドラフトの1枚目のピックで喜んで取りたいようなカードではない。これはあらゆるドラフトのいずれかの色を見てみてもかなり稀だ。

しかし、ほとんどすべての青いカードはプレイアブルで、最も重要なのは組み合わせればうまく使えるということだ。つまり、それらの中からまとまりのある強力なデッキを組み上げることができるということで、それらは単なる青のパーツとなるカードの寄せ集めよりも優れているのだ。

この記事では、青系のデッキを組むにあたって私が学んできたことと、そのほかのペアになる色をどのように活かすかをシェアしていくつもりだ。

基礎

シンプルなところから始めよう。青をドラフトする最も重要な理由はこれら2枚だ。

フェイの宮廷へ孵化計画

《孵化計画》は極めて強く、個人的にはこのセットにおけるベストアンコモンだ。たいていの場合は2マナ3ドローに「協約」によるさらなる利点がついてくる!

《フェイの宮廷へ》もドラフトデッキにおいて似たような役割を担い、デッキに明確なプランをもたらしてくれる。それはドロースペルが唱えられるまで生き延びて、相手より多くリソースを持つことで勝利するプランだ。これには難しい部分も伴っている。生き延びることだ。唱えることができるようになる前に負けてしまうなら、追加でドローするカードというのは役に立たない。だから、これらの強力なドロー呪文を自然に補完するのは軽い除去呪文ライフゲインになる。残念なことに、青自身ではそのどちらも満足には行えない。

塔の点火がぶりんご飴取り籠め

そこでほかの色たちが役に立つ。緑にはライフゲインがあり、赤には軽い除去がある。一方で白と黒はどちらも有している!《塔の点火》《がぶりんご飴》《取り籠め》はもちろんとても取られやすいカードだ。だが、数枚取れるならどれを取るかはあまり重要ではない。青のカードがデッキの大半を占めることになるが、青だけでは成り立たない。青以外の色においては想像できるのだが、この環境において青単色のデッキが成功することはあまり想像できない。軽い干渉手段がこのゲームプランンにはとにかく不可欠なのだ。

それゆえに、青をプレイすることになるもっとも一般的な道筋は、青のパワフルなカードからピックを始めることではなく、序盤のピックをほかの色の軽量除去に費やし、空いているとわかったときに少し遅れて青のカードのピックに移っていく、という方法だ。そして、たいていは空いている。

予言のプリズム進化する未開地水晶の岩屋

軽量の干渉呪文が青の戦略上きわめて重要なので、それらのためにタッチすることもいとわない。タッチを可能にするために、《予言のプリズム》《進化する未開地》《水晶の岩屋》をほかのプレイヤーより優先してピックする傾向もある。

このガイドのコンセプトの実践的な例として、デッキの画像を記事中に多く提示していくつもりだ。これらはすべてMTGアリーナのプレミアドラフトで7勝かマジックオンラインのシングルエリミネーションドラフトの決勝まで行ったデッキだ。勝てるデッキがどんなものであるか知るのにとても役立つと思うし、ピックの際に狙うべきさまざまなターゲットを念頭に置けるようになる。

こちらの最初の1つ目はマナベースを広げている良い例だ。

ヴァントレスの変成者ガドウィックの初戦縮小術の魔女

除去について話すと、青の隠された強みのひとつは《ヴァントレスの変成者》《ガドウィックの初戦》《縮小術の魔女》の「呪われし者・役割・トークン」付与による、除去を用いることができる点だ。これらのカードは、相手の《小村の大食い》を1/1にできるゲーム後半で輝く。

また「呪われし者・役割・トークン」と打ち消し呪文があるので、青系のデッキは自然と緑系のデッキに対し相性が良い。「役割」を生成するカードも打ち消し呪文も早い巡目でピックする必要はない。《ヴァントレスの変成者》は、個人的にこのセットでもっとも過小評価されているカードだと思っている。このカードは、ほとんど青い《火炎舌のカヴー》だ!

「役割」を生成するカードと打ち消しにより大きいクリーチャーに対し優位に立てる一方で、青系のデッキは軽いクリーチャーやトークンを生成するカードには苦しめられることがよくある。単体除去も「呪われし者・役割・トークン」も彼らには有効ではない。《呪文どもり》はトークン生成系のカードに有効なときもあるが、あきらかに限度がある。長いゲームを戦おうとして組まれたデッキにおいては特にそうだ。ちょうど青系のデッキが自然と緑系のデッキに対して相性が良いように、赤系のデッキに対しては分が悪いのだ。

呪文どもり

青が抱えているもうひとつの明確な問題は、2ターン目にプレイできる良いアクションを欠いていることだ。《呪文どもり》は役に立つが、コモンにあるそのほかの選択肢はあまり強くない。これがデッキを整えるために2色目がおおいに必要になる理由だ。

色の組み合わせ

青白

このセットにおける青白のテーマは「アンタップ状態のクリーチャーをタップすることによってアドバンテージを得る」ものだが、実際にはこのテーマはシナジーに頼ることのない、個々にパワーの高いカードの束になりがちである。個人的には青白はこのフォーマットで最も過小評価されているアーキタイプだと考えている。一般的にセット最弱の2色に挙げられるが、世界選手権に向けたチームの調整段階のある時点では、このアーキタイプが実はチーム内のドラフトでもっとも全勝した回数が多かったのを確認していた。

Cooped Upケランの光刃アルコンの栄光

ここで述べたいのは、《取り籠め》《ケランの光刃》《がぶりんご飴》《塔の点火》よりも流れてきやすく、《アルコンの栄光》はライフをゲインできる軽いテンポプレイとして格別であるということだ。実際私は《アルコンの栄光》がかなり好きで、ほかのデッキでもこのカードのためにタッチすることがよくある(ほかのデッキ画像からそれがみられるだろう)。

希望ある祈祷備え蓄える祝賀者予言のプリズム

《備え蓄える祝賀者》《希望ある祈祷》《予言のプリズム》などとなどと組み合わせれば、追加のカード・アドバンテージ源となる。このギミックを組み込めれば、《フェイの宮廷へ》への依存度を下げてくれる。《希望ある祈祷》ほかの2マナ域よりもかなり優れているため、ここでは重要なカードだ。

青赤

青赤をよく表している特徴は、ほかの赤系のデッキに対しもっとも相性の悪い青の組み合わせであるということが、同卓内で対戦するポッドドラフトよりもMTGアリーナやマジックオンラインのリーグドラフトでますます問題になる、ということだ。そのほかの色の組み合わせと異なり、この組み合わせはいかなるライフゲイン手段も有しておらず、横並べ系のデッキに対しては特に弱い。

Cut In塔の点火Witchstalker Frenzy

これはつまり、青赤のデッキが必ずしもほかの青系デッキと同じような戦い方をする必要がないということだ。赤のカードのほとんどは攻撃的なデッキでより輝く。このことが青赤を、ゲームをコントロールすることより攻撃して、ダメージレースすることに主眼を置くデッキにしている。《乱入》は青の飛行持ちと組み合わせると特に素晴らしく、《塔の点火》《魔女跡追いの激情》のようなテンポを重視したプレイは、ほかのアーキタイプで行うよりなおさら質が高い。

物騒なカタパルト水生まれの錬金術師罠名人のスプライト荒ぶる炎の稲妻

幸いなことに、ほかのデッキでは使えないような多くのカードを青赤では使うことができる。たとえば《物騒なカタパルト》《水生まれの錬金術師》《罠名人のスプライト》《荒ぶる炎の稲妻》といったカードだ。

見習い魔術師、ジョハンレッドキャップの盗賊

《見習い魔術師、ジョハン》もまたこの色の強力なカードだ。より遅く、よりコントロールするタイプの青赤をプレイするなら《レッドキャップの盗賊》がかなり好きで、ライフをゲインするために何枚かタッチすることをオススメする。

青緑

こちらが青緑でお気に入りデッキだ。基本土地の部分は変わらぬまま、それぞれの色からちょうど1枚ずつタッチしていて美しいと思えるほどである。この例はしっかりと自分の好きな組み方でアーキタイプのテーマに沿って組めたデッキでもある。このフォーマットにおいておそらくベストなアーキタイプだと考えており、間違いなく個人的に一番成功しているアーキタイプでもある。

小村の大食い虚ろの死体あさり

よりハイレベルな観点で見れば、青緑は緑に対する青の優位性を維持している。《ヴァントレスの変成者》、打ち消しとドローがすでに話したように強みになるのだ。一方で、緑のカードは赤系のデッキに対峙するときに大いに助けとなってくれる。たとえば、《小村の大食い》《虚ろの死体あさり》がここでは素晴らしいツールとなる。

アガサの勇者甘歯村へようこそ堅いクッキー手練

加えて、緑には《アガサの勇者》《甘歯村へようこそ》《堅いクッキー》のようなパワフルなアンコモンが多くあり、《手練》はそういったカードをより引き込みやすくしてくれる。さらには、《根乗りのフォーン》《楽園の拡散》の存在とドロースペルは、無色の色事故を防ぐカードと組み合わさることでほかの色へのタッチがはるかに簡単になり、カードの質もさらに上がる。

人狐の呪い

とはいえ、青緑にとってほかの色へのタッチは「できること」なだけでなく、「そうしなければならないこと」でもある。この色の組み合わせの主となる問題は、どちらも除去に乏しいことである。《人狐の呪い》を持つ緑にとって青は最悪なペアですらあり、打ち消しを持つ青にとっても緑は最悪な組み合わせなのだ!これらが理由で、タッチできる除去とそれを可能にする色事故防止のカードをかなり優先してピックしている。

Rootrider Faun

《根乗りのフォーン》はこのアーキタイプにおいて誇張するのが難しいほどで、シンプルに代替え不可能なのだ。タッチを助けるのに加えて、マナ能力も当然ドロースペルにとってとても相性が良い。ほかの2マナよりもこのカードを高く評価すべきで、それゆえ優先してピックすべきである。

カード評価

次は青のすべてのコモンとアンコモンを見ていこう。多くは特定の状況においてのみ良いカードで、だからこそ何がそれを良く、あるいは悪くするかを理解するのが重要であり、理解できれば使いどきを知ることができる。

《孵化計画》《フェイの宮廷へ》

孵化計画フェイの宮廷へ

これらはデッキの核となる。この手の効果のカードは大量にはいらないが、2枚までは重宝する。3枚目はそれらをサポートできる軽い呪文が十分に取れていて、またコストの重い呪文がそれほどないなら入れてもいい。あきらかに《孵化計画》のほうが5マナのカードよりも入れやすいだろう。たくさんドローするカードを4枚入れるのは、ほとんどの場合やりすぎである。そんなに必要にはならないし、早々にライフがなくなるリスクが不釣り合いに高くなる。

《厳寒》

厳寒

《塔の点火》《がぶりんご飴》と同等のパワーがあり、青のどのコモンより優れている。2ターン目に相手の2マナに使うのはとても良く、ゲーム後半になってその2マナがもう重要でなくなったら「協約」で使ってしまってドローしながらボーナス効果を得ることができる。《小村の大食い》《厳寒》をつけるほとんどの軽量クリーチャーを無力化できるので、青緑ではこれが特によく起きる。

《速足の学び》

速足の学び

ピックで《フェイの宮廷へ》を目にすることがなかった場合に理にかなった代わりとなるが、素のカードパワーは一段劣る。もしマナの使い道がほかに豊富にある、またはほとんどの場合インスタントタイミングでプレイするなら、《速足の学び》のほうがときには《フェイの宮廷へ》より優れていることがあるかもしれない。コストのより重いドロースペルとは違い、《ガドウィックの初戦》とはシナジーもある。

《ヴァントレスの変成者》

ヴァントレスの変成者

2番目に優れた青のコモンである。3/4のボディを乗り越えて攻撃できるほとんどすべてがその「出来事」面によってひどくいたぶられることになる。多少使い勝手の悪いときがあり、たくさんはいらないが、2枚目まではデッキに入れていい。「出来事」面の効果はクリーチャーをタップもするので、ときに大きなダメージを通すことができ、ダメージレースを仕掛けることができる。また《氷造の歩哨》《氷冠のヒルダ》ともシナジーがある。

《縮小術の魔女》

縮小術の魔女

表面上は《ヴァントレスの変成者》と似ているが、実際は多くの点で劣っている。まず、3マナ3/2はこの環境ではとても無力だ。2つ目に、多くのデッキにとって「協約」に使えるタネを用意するのは、まったく容易なことではないということ。それでも、緑のデッキを相手にするときは優秀だが、そのほかほとんどのマッチアップではパフォーマンスが低くなりがちだ。だから、生贄に捧げることのできるタネを生み出すことに非常に長けているデッキでもない限りは、だいたいメインデッキから抜いてしまう。しかし、《孵化計画》を生贄に捧げる方法がより必要なときは、この魔女が上手くやってくれるだろう。

《錠前破りのいたずら屋》

Picklock Prankster

「出来事」面で確実にヒットできる対象が十分にあるならこのカードはとても良い。2マナのカードが是が非でも欲しいのでないなら、私ならこのカードをやや低く評価するだろう。勝ち筋に乏しいデッキなら、キーとなるカードを切削してしまうリスクにも気を付けなければならない。インスタントとソーサリーの採用枚数が多くなりやすく、また効果でフェアリーも探せるため青黒のデッキで使うのがベストだ。覚えておきたいのはこのセットでフェアリーは青と黒に限られているわけではなく、《チューインベイルの導き手》《魅せられた衣服商》もまたフェアリーである!

《執拗な秘本探し》

Tenacious Tomeseeker

強く使えるときはとことん強い。「協約」に使えるタネが十分にあって、効果で戻したいカードがあるなら、《火炎舌のカヴー》《熟考漂い》の分割カードのようにもなれる。はじめの何週かはこのカードにとても夢中になっていたが、最近はこのカードのためにあてにできる「協約」のタネを見つけるのが難しく、《縮小術の魔女》と同様に、効果なしではそのスタッツが非常に悪いと感じるようになってきている。今でも優先して早い段階でピックすることはあるが、機能させるためにタネを優先して取る必要があることは覚えておこう。なかには手札に戻すべきカードが多くはないデッキもある。

《ジョハンの一時凌ぎ》

Johann's Stopgap

このバウンススペルも《縮小術の魔女》《執拗な秘本探し》と似た制限があり、そのバリューの高さはデッキのほかの部分に大きく依存する。生贄に「できる」もの(食物・トークン)がたくさんあるか、生贄に「したい」もの(《孵化計画》)がいくつかある、あるいはスペルによって誘発する(《水生まれの錬金術師》のような)何かがあるなら、このカードはとても良いだろう。

しかし、もし赤系のデッキに対して4マナをそのまま払うなら、おそらくそのゲームには勝てないだろう。このカードをもっとも強く使えるマッチアップは、もともとこちらが有利なときだ。相性の悪いマッチアップでは、もっとも役に立たなくなる。とはいえ、確実に2マナで唱えられるなら素晴らしいカードだ。

《手練》

手練

ほぼいつも手に入れられるときは入れられる分だけ使っているのだが、優先してピックはしない。自分のゲームプランにとって重要だと思っているいずれのカードも、このキャントリップより優先度が高いのだ。しかし、いつ使っても良いカードではあるし、デッキの大半を占める平均的なカードよりも優れている。《ガドウィックの初戦》《水生まれの錬金術師》があるなら価値は上がる。

《呪文どもり》《氷封》《軽蔑的な一撃》

呪文どもりIce Out軽蔑的な一撃

《呪文どもり》ほとんどの色の組み合わせでかなり気に入っているが、青緑は例外だ。《呪文どもり》以外にはインスタントがあまりないので、こちらが《呪文どもり》を持っていることがある程度わかってしまい、精通した相手なら警戒しながらプレイしてくるだろう。《呪文どもり》がそのほかの2枚より大きく優れているのは、2ターン目にプレイできる点だ。先に述べたマナカーブの問題の解決に役立つのだ。

《氷封》《軽蔑的な一撃》も同様にメインデッキに入れられるが、《軽蔑的な一撃》は打ち消せる範囲がやや狭い。またこのフォーマットに3マナのカードが豊富に存在していることがこのカードの使い勝手を悪くしており、確実に「協約」による軽減されたコストで唱えられない限りは《氷封》を温存しておいたり2アクションを取るのを難しくしている。

《書庫のドラゴン》

書庫のドラゴン

勝ち手段が必要ならこれがより優れた候補になるだろう。環境に存在するだいたいの除去に引っかからず、ほとんどのコンバットトリックを使われても生き延びるのに十分なタフネスも持っている。しかし、最上級のカードとしては《フェイの宮廷へ》をより優先してピックするだろう。そしてコストの重いカードを多くは必要にならない。長引くマッチアップでは優れたカードではあるものの、ネズミの群れをコントロールされているような状況では使い勝手が悪い。

《氷造の歩哨》

Icewrought Sentry

このカードをうまく使うには、攻撃的なデッキを組むか強化能力を誘発させるためのほかの方法を使う必要がある。守備的なデッキではこの能力のためにマナを残しておく余裕はなく、つまりはデッキにあまり入らないことを意味している。しかし、然るべきシナジーがあれば一線を画す強さになる。たとえば以下のように。

《好奇心》

好奇心

《氷造の歩哨》の同様に、ほとんどの青のデッキには合わないが、正しい状況の下で使えば極端に強くなる。《物騒なカタパルト》とは見事に合っているので青赤では特に優れている。たとえば、上の青赤のセクションで貼ったデッキでは素晴らしいカードになる。

《水生まれの錬金術師》

Aquatic Alchemist

青赤では特に良い2マナで、青白と青黒では物足りなく感じ、青緑ではアンプレイアブルだ。このカードを使うなら攻撃したいが、ここでもまたほとんどの青系デッキがしたいこととは逆になっている。《アルコンの栄光》の助けにより素晴らしいブロックができたことも何度かありはした。ゲーム終盤では3ドローや除去、打ち消しを使いまわすことにも使える。

《ストームケルドのこそ泥》

Stormkeld Prowler

青の2マナのカードが優れていないことがわかる実例だ。能力が誘発できないとひどいカードで、また2マナのカードが何かしだすまでに5ターン目あたりまで待たなければいけないというのは、そうだな…運に頼りたくもなるだろう。このカードが活躍するゲームも間違いなくあるだろうが、平均的なケースではまず活躍しない。

《ベルーナの門番》

Beluna's Gatekeeper

2マナ域の問題の軽減を試みられる手段だが、素晴らしいものではない。これを喜んで採用したいデッキというと、フィニッシャーとしての6/5を探しているデッキもあれば、《豆の木をのぼれ》と合わせてとにかくドローしたいデッキもあるだろう。《希望ある祈祷》に対してはとても効果的で、後手ではなおさらだ。入れてもいいとは思うのだが、より良い選択肢があることをなるべく願っているだろう。

《ガドウィックの初戦》

ガドウィックの初戦

第Ⅲ章を確実に誘発させることができるなら非常にいいカードで、特に緑に対しては「呪われし者・役割トークン」をもっとも有効に使える。赤や黒を使っているなら軽量のインスタントやソーサリーを十分に持つことはごく普通で、白や緑なら極めて稀だ。特に赤と黒の除去(《塔の点火》《がぶりんご飴》《大釜への給餌》《荒ぶる炎の稲妻》)はコピーするにはうってつけである。それに対して、白と緑の除去(《取り籠め》《人狐の呪い》)には同じことが当てはまらない。

《嘲笑するスプライト》

Mocking Sprite

活躍する場面が非常に限られるカードである。青白と青緑では非常に弱いと考えていて、青赤と青黒でなら輝くときがある。これは主にコスト軽減能力が後者の組み合わせにおいてはるかに役に立つからである。より具体的に言えば、赤とのデッキでは《乱入》と非常によく合っている。黒とのデッキではクリーチャータイプのおかげで《フェアリーの剣技》《墳丘のいたずら好き》と無理なくシナジーする。

コスト軽減が《フェイの宮廷へ》を唱えるのに役立つときもあるが、問題はスプライト自身がブロックするにもダメージレースするにも向いていないということだ。攻撃的なデッキに対する問題が深刻化してしまうのだ。《密告》《コイン弾き》にも弱い。

《水の翼》

水の翼

過小評価されているカードではあるが、少なくとも多少はクリーチャー同士のコンバットをしようとするデッキである必要があり、攻撃的なデッキであればあるほど良くなる。クリーチャーを4/4にできるのはコンバットトリックとしてまずまずで、《水生まれの錬金術師》《大食の害獣》のようなクリーチャーと組み合わせれば大きなダメージを通すのにも役立つ。

絆魂を持っている状態の《墳丘のいたずら好き》に追加のパワーを与えられれば、ダメージレースをひっくり返すこともできる。呪禁で自分のクリーチャーを守れることがこのカードの用途を広げていて、まったく役に立たないカードになることは滅多にない。しかしながら、ピックの終盤まで流れてくるし、また基本的に取りたいカードがないときに取ればいいので、優先してピックする必要は決してない。

《生ける書見台》

生ける書見台

あまりプレイしたくはない2マナ域だが、ときにはそうしなければならない時もある。《トロッコの向こう見ず》《凶暴な人狐》のようなカードに容易に咎められるので、頼りがいのあるブロッカーではない。だから、私がこのカードを使おうとしているときというのは、たいていドロー付きの「魔術師・役割・トークン」が欲しい場合だ。

《錠前破りのいたずら屋》《墳丘のいたずら好き》のようなクリーチャーはどちらも「役割」による+1/+1修正によって著しく良くなり、またどちらも飛行を持っているので占術の誘発を確実に繰り返し行える。そのほかにこのカードを使う場合といえば、「協約」のために生贄に捧げられるものがとにかくもっと必要なときだ。たとえば、このデッキは守備的な2マナも「協約」に使えるものも不足しており、こういったときに《生ける書見台》は自然にフィットする。また、シナジーとしてこのカードは《必滅の死霊》の燃料にするのにも適している。

《氷結往生》

氷結往生

麻痺カウンター3つは大きいが、最終的には効果がなくなる。このカードにはうまく使えるタイミングが2つある。ブロッカーを何もできない状態にしてダメージを通したいときか、時間稼ぎをして(《氷結往生》自体のカード1枚分のロスも取り戻せるような)カードアドバンテージを得たいときだ。私自身はいくつかの赤青デッキを使っているときに最初に挙げた理由のためにのみ使ったことがあるが、チームメイトのトリスタン・ワイルドラルー/Tristan Wylde-LaRueはさまざまなデッキにこのカードを入れて満足していた。

《マーフォークの珊瑚鍛冶》

Merfolk Coralsmith

このカードは実際のところ悪くはないのだが、より優れていて代わりに入る3マナのカードがあまりに多くあるので、実際に最後にデッキに入れたのがいつだったか思い出せない。入れても悪いとは感じないだろう。このカードもまた《水の翼》と合わせて大きなダメージを与えることができる!

《水飛沫の呪文使い》

Splashy Spellcaster

2/4のボディにはやや物足りなさを感じ、このカードの効果を複数回誘発させるのは容易ではない。そのためには複数体のクリーチャーがいてかつ誘発させるための複数枚の呪文が必要でかつそれらすべてを準備して行うための時間も必要であるからで、達成するまでに踏まなければいけない手順がたくさんあるのだ。しかし、「協約」呪文が多く入っていたデッキで使ったときは、同じクリーチャーに「役割」を何度も生成し続けられるので素晴らしかった。そのデッキには《執拗な秘本探し》《塔の点火》を使いまわすためのタネが本当に必要だった。

《広がりゆく海》

広がりゆく海

盤面に何も影響を及ぼさないのに2マナかかるのは、後攻で攻撃的なデッキを相手にするときは厳しいものがあるが、「協約」を可能にするのにちょうどいいカードであり、ときには相手のマナをめちゃくちゃにしてゲームを掠め取ってしまえることもある。《備え蓄える祝賀者》の効果で使えて、《アルコンの栄光》はライフ総量が少ないところから復活できるので青白ではよりよくなる。ミシュラランドや《楽園の拡散》を使うデッキに対しては価値のあるサイドボードにもなる。

《オビラの従者》

オビラの従者

プレイアブルではあるものの盤面をあまり安定させることのできない5マナクリーチャーが青のデッキに欲しくなることはかなり稀だ。

《罠名人のスプライト》

Snaremaster Sprite

このカードを入れられるほど十分にシナジーがあったことは一度もないが、「若き英雄・役割・トークン」や《好奇心》とこれを組み合わせた青赤や青黒のデッキに負けたことは何度かある。赤青のセクションに貼ったスクリーンショットを見ればどんな場面で活躍するかがわかるだろう。

その他

Galvanic GiantMisleading MotesChancellor of Tales
Succumb to the ColdCompulsion

これらのいずれかがデッキに入るなら、青は空いてなくて違う色をドラフトすべきだったということだ。

おわりに

見てわかる通り、これらのデッキは色に関係なく構造上とても似ている。2~4枚のドロースペルと何枚かの軽い除去、何枚かのクリーチャーとゲームを締めくくれる手段になるもの数枚だ。どのスロットもさまざまな異なるカードによって埋めることが可能なので、何か特定のカードを目にすることに依存しておらず、ただ該当のカテゴリーの「何か」が必要なだけだ。

今回のガイドによって、みなさんがこういったデッキをドラフトで組み上げるためのしっかりとした理解を得られること、また今後のドラフトで成功できることを願っている。今回の記事の構成は個人的に興味深く、ドラフトのアーキタイプを理解するのに役立つと思う形で書いているので、過去に私が書いてきたものとは少々異なっている。なので気に入ったり、より有益で価値のあるドラフトガイドにするために何か考えがあればX(Twitter)で私に知らせてほしい。

それでは、また。

マッティ・クイスマ (X)

この記事内で掲載されたカード

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Matti Kuisma ワールド・マジック・カップ2016でチームの一員としてトップ8に輝いた、フィンランドのプレイヤー。 プロツアー『霊気紛争』で28位入賞を果たしたものの、2016-17シーズンはゴールドレベルに惜しくも1点届かなかった。 2017-18シーズンにHareruya Hopesに加入。2017年は国のキャプテンとしてワールド・マジック・カップに挑む。 Matti Kuismaの記事はこちら