■「異修羅」について語りたい
うおおおおおお!!!全マジックプレイヤーよ「異修羅」を読もう!!!!!お久しぶりです。まつがんです。
いきなりですが、今日は皆さんに久しぶりにクソデッキを紹介……ではなく、あまりにも最高に面白すぎて私が個人的に大好きなコンテンツを布教しに来ました。
それが2024年1月3日にTVアニメも放送される小説、「異修羅」 (珪素/電撃の新文芸) です!!!
……「そんなのお前の個人ブログでやれ!!!😡😡😡」と言われてしまいそうですが、晴れる屋様から「この場で布教していいよ」と言われたので (その理由は後ほど) 遠慮なしの全力で行きます。
しかし晴れる屋メディアにこの記事が載っているということは、読んでいるのは99.9%以上マジックプレイヤーでしょう。
なので、逆にマジックプレイヤーに伝わるやり方で「異修羅」の魅力をお伝えしようと思いますので、皆さまぜひお付き合いいただけると幸いです。
■「異修羅」の魅力その1:勝敗の予想が全くつかない最強トーナメント
まず「異修羅」の世界観は現代日本ではなく、人間だけでなくワイバーンやエルフ・ドワーフなど様々なファンタジー種族が存在するファンタジー世界。マジックプレイヤー的には「よくあるどっかの次元と思いねえ」って言った方が伝わりやすいかもしれません。
ともあれ物語は、「本物の魔王」の恐怖が種族問わずすべての生命あるものを支配していた絶望の時代から、その死によってヒャッハーになった様々な脅威が人々を襲う混沌と争乱の時代に移り変わり、少し経ったところから始まります。
舞台の中心となるのは、「本物の魔王」のせいで人族唯一の国家となった黄都 (こうと) 。そこで政治の実権を握る武官たち、黄都二十九官の面々は、こうした混沌に終止符を打とうとします。
「優勝した者には『本物の魔王』を討った『本物の勇者』だという栄誉を与える」という触れ込みで、各地からトーナメントに参加する強者を集めることにしたのです。
そうして開催されることとなったのが、世界各地から集められた16名の強者たちによる「六合上覧」といういわゆる最強トーナメントです。最強トーナメントというのは、マジックプレイヤーに馴染み深い概念で言えば高橋 優太とReid DukeとJean-Emmanuel DeprazとPaulo Vitor Damo da RosaとKai BuddeとJon Finkelと……を集めた世界選手権みたいなものだと思ってください。
ただし、そのトーナメントを戦う面々が少々特徴的で……その参加者の一部をマジックプレイヤーに馴染みやすいよう、なるべく身近なカードにたとえて言うならば…… (※「読んだら全然違うやんけ」と言われるかもですがあくまでイメージですのでご寛恕ください)。
こんなやつらがどうやって同じ土俵で戦うんだよと思うかもしれませんが、戦いは基本的に1対1だけれども武器・魔法・罠・仕込みすべて何でもありの全ガチです。で、死んだり戦闘不能になったら負け。わかりやすい。
じゃあ何が問題かって、こいつら全員が全員何らかの形で異能の修羅、つまり最強なんですよ。
あらすじから言葉を借りるなら「一目で相手の殺し方を見出す異世界の剣豪、音すら置き去りにする神速の槍兵、伝説の武器を三本の腕で同時に扱う鳥竜の冒険者、一言で全てを実現する全能の詞術士、不可知でありながら即死を司る天使の暗殺者」etc……がぶつかり合うわけです。つまり、その種族やジョブの頂点がさらに各々チートスキルを持ってる状態ということ。
レベル100の《漁る軟泥》とレベル100の《氷瀑の執政》とレベル100の《絶望の天使》とレベル100の《稲妻の骨精霊》が戦ったら何が起こってどっちがどう勝つか、予想ができますか???できるわけがない。
そんなやつらが16名いて、戦い方も決着の仕方も毎試合異なるわけです。勝敗の予想がつかなすぎて全試合が楽しみすぎることは言うまでもありませんね。
ちなみに「六合上覧」が始まるのはⅢ巻からで、Ⅰ巻とⅡ巻はトーナメントに参加したりしなかったりする修羅たちの顔見せと前哨戦がメインですが、別にトーナメントに参加しないやつでも登場人物どいつもこいつも規格外の化け物なので、味付けが濃すぎてトーナメント始まる前からお腹いっぱいになれます。アドレナリン出まくりのまま「六合上覧」に突入できるありがたい演出をお楽しみください。
■「異修羅」の魅力その2:テンションが究極にブチ上がる息もつかせぬ戦闘描写
ここまで紹介した「最強だらけの文字通りの異種格闘トーナメント」という物語のガワだけでもオイシイこと間違いなしの「異修羅」ですが、魅力はそれだけではありません。
特筆すべきは、「六合上覧」のその一試合ごとのあまりにもこだわり抜かれた戦闘描写。これがまたどれも超絶に格好良く、かつ美しい。
AとBが戦うとき、Aは何を思いどう攻めるのか。そしてBはどう考えてそれをかわし、あるいは受けて切り返すのか。寸秒未満の刹那における一手の読み間違いが生死を分ける中で、互いに布石を打ち、磨き抜かれた技や才能、あるいは反応で相手を上回ろうとする……やってることは肉体の戦闘でありながら頭脳の戦闘も同時に描写されることで、読者は否応なしにそのキャラクターの思考速度に同調し、結果として戦闘を主観的に追体験します。
かくして得られるのは、ジェットコースターのようなスピード感と圧倒的な臨場感。それが決着までノンストップで続きます。毎試合テンションブチ上がり間違いなしです。
そうしてたどり着いた決着は、両者に何をもたらすのか。その一試合ごとの結末がもたらすカタルシスは、没入した状態で受け取れば脳汁スプラッシュマウンテン必至です。
マジックプレイヤー的には、とりあえずハチャメチャに面白い対戦カバレージを読んでいる感覚になれると思います。それが毎試合形を変えて襲ってくる。あまりにも贅沢。
■「異修羅」の魅力その3:混迷を深めていく政治闘争、そして明かされていく謎
さらにさらに「異修羅」の魅力はまだあります。
ここまで「異修羅」は登場人物が一風変わっただけのファンタジー世界の中二バトル小説であるかのように紹介してきましたが、それだけだとマジックプレイヤーの間でもバトル作品が好きかどうかで好みが分かれるかもしれません。
ですが「異修羅」はただの中二バトル小説にはとどまりません。16名の「六合上覧」参加者には後見人としてそれぞれ黄都二十九官の「擁立者」がいます。そして「六合上覧」の裏側では、並行して「擁立者」同士の政治闘争も行われているのです。
その政治闘争は、「六合上覧」が進行するにつれどんどんと複雑化していきます。「擁立者」各人が持っている情報の差が戦略の違いにつながり、誰の戦略が上回るかという影の戦いが水面下でいくつも勃発していきます。どいつもこいつも相手の嫌がることしかしないので読めばマジックが強くなること間違いなし! (誇大広告)
そしてその中で、限られた人物しか知りえない、物語の根幹に関わるいくつもの謎が次々と解き明かされていきます。しかもその謎は「六合上覧」の参加者だけでなく、黄都に住むすべての人々の生活をも脅かしかねないほど大きなものなのです。
「六合上覧」は何のために開催されたのか?読めばわかります。
「本物の魔王」はなぜ死んだのか?読めばわかります。
そう、「異修羅」とは「六合上覧」という舞台の表と裏が目まぐるしく入れ替わる群像劇。表の戦闘も修羅だらけかと思えば、裏の政治も修羅だらけ。修羅しかいないこの世界で、本懐を遂げるのは一体誰なのか。
さあ、もう読むしかなくなってきましたね。
「『異修羅』ってクソ面白いから読んでね」の一言で済むところ大分引き伸ばした記事をここまで読んでいただきありがとうございました。アニメ化前に「異修羅」を最新刊まで読破して、ぜひ一緒にこれから増えるであろう原作未履修者をニヤニヤしながら見守る立場に回りましょう。あとついでに同作者の別作品である「超世界転生エグゾドライブ」もクソ面白いのでぜひ読んでください。こちらは上下巻なのでお手頃です。
■そんな「異修羅」のプレイマットとスリーブが、何と晴れる屋で販売予定だって???買うしかない!!!
というわけで最後にダイレクトマーケティング!この記事がここに載っている理由なのですが、何と「異修羅」のプレイマットとスリーブが2024年2月ごろに晴れる屋で販売予定とのことです!!!
これを使えばあなたもお手軽に修羅の仲間入り!ぜひ続報をお待ちください!!
■最後に:珪素先生からのコメント
また、今回の企画にあたり、「異修羅」作者でありMTGプレイヤーでもあるという珪素先生 (@keiso_silicon14) から特別にコメントをいただけましたので、合わせて掲載させていただきます。
珪素先生とMTGに関して
珪素「私が本格的にMTGをプレイし始めたのは『ラヴニカ・ブロック』の頃で、それぞれが異なる強みを持ち都市次元を支配する10個のギルドの設定に、『こんなに面白そうな世界観を作れるのか……!』と衝撃を受けたことを覚えています。当時のカードショップは今とは違って商品も本当に整理されておらず、スタンダード落ちして何ブロック経ったのかも分からないようなカードが雑然と扱われていたので、断片的に窺い知れるミラディンやファイレクシアなどの次元にもどんどん興味を惹かれ、直後の『時のらせん』で、ますますのめり込む形でハマっていきました」
珪素「もちろんプレイヤーとしてはずっと素人の域を出たことはなく、MTGから離れていた時間も長かったのですが、MTGアリーナの普及によって友達のいない私でも再びプレイできるようになり、ウーロやらオムナスがぞろぞろいた『イコリア:巨獣の棲処』環境で、青黒フラッシュでミシック45位を取れたのをめちゃくちゃ自慢したいと思っていました。自慢する機会がなかったので、今します(自慢)」
珪素「今はありがたいことに小説の仕事が忙しく、MTGをじっくり何ゲームもプレイするだけの時間がないのですが、新エキスパンションが出るたび常に情報はチェックしており、いつでも環境に追いつけるようにプレイ動画をほぼ毎日見ているので、この調子では老後の趣味でもまたMTGに戻ってくることは確実です。アグロに先手で轢き潰され、コントロールにえげつない封殺をされ、完璧な理論で組み上げたデッキが即座に破綻し、マナスクリューとマナフラッドに悶え苦しめるMTGが大好きです。これからも、末永くよろしくお願いします」
『異修羅』とマジックとのつながりに関して
珪素「『異修羅』に登場する(モブも含む)ほとんど全てのキャラクターには、二つ目の名と呼ばれる通り名がついています。この着想は、MTGの伝説のクリーチャーの大半が二つ名を持っていることから来ているのは間違いありません。特に十六修羅は『種族・クラス』という組み合わせで表現できるキャラクターで、私が想像し得る最強の伝説のクリーチャーという一面もあります」
珪素「また明らかな人外を含む多くの種族がごく普通に対等な知性体として意思疎通でき、社会を構成していたりする世界観は、私が目にしてきたファンタジー作品ではMTGくらいしかなかったので、これも私の根本的なファンタジー観として、大きく影響を受けていると思います」
珪素「細かな部分では、『異修羅』に登場する『蛇竜(ワーム)』は、ほとんど直接的にMTGを元ネタにした種族といえます。MTGも多くの作品世界を元ネタにして拡張を続けてきたコンテンツですが、少なくとも私にとってのワームは、MTGのモンスターだからです」
珪素「多少こじつけの部分も含まれますが、『異修羅』の主人公格に当たる十六修羅は、5種類の単色+10種類の二色の組み合わせ+五色でちょうど色分けできるという小ネタもあります」
十六修羅 | 色の組み合わせ |
---|---|
ソウジロウ | 赤 |
アルス | 黒 |
キア | 白青黒赤緑 |
ナスティーク | 白黒 |
シャルク | 黒赤 |
メステルエクシル | 黒緑 |
メレ | 赤緑 |
トロア | 赤白 |
リナリス | 青黒 |
ロスクレイ | 白 |
クウロ | 青 |
ルクノカ | 青赤 |
サイアノプ | 緑青 |
ウハク | 緑白 |
ツー | 緑 |
ヒロト | 白青 |