今年印象に残っているカードは?
2023年も残すところあとわずかとなりました。振り返ってみれば、今年はたくさんのセットが発売され、さまざまなカードが各フォーマットを賑わせました。
ここ数年はカードパワーの上昇がすさまじいこともあり、大きな爪跡を残したカードがいっぱい!みなさんも印象に残ったカードがいろいろとあるのではないでしょうか?
そこで今回は、年末のお忙しいなかご協力いただけた、スタンダード・モダン・レガシー神に今年印象に残ったカードトップ3を聞いてみました!
今年発売されたセット
『イクサラン:失われし洞窟』
『ドクター・フー』
『エルドレインの森』
『統率者マスターズ』
『指輪物語:中つ国の伝承』
『機械兵団の進軍:決戦の後に』
『機械兵団の進軍』
『ファイレクシア:完全なる統一』
『ドミナリア・リマスター』
◆第25期スタンダード神:矢島 広道
今年のスタンダードの印象
今年はスタンダードフォーマットにおいて大変革が起きました。そう、ローテーション期間が変更され、3年分のセットで遊べるフォーマットになったのです。
今まではマナベースが秋に一旦リセットされるのが通例でしたが、『ニューカペナの街角』の3色土地やスローランドに代表される強力なマナベースがそのまま使用できます。また2年間で日の目を見なかったカードも、今後のセットのカードとの組み合わせで活躍が見られるかもしれません。
個人的には《八百長試合》を筆頭とする「秘匿」サイクルに密かに期待しています(笑)。今後も激動が予想されるスタンダード環境に目が離せません!
今年印象に残ったカード トップ3!
3位:《放浪皇》
白含む4マナ立っているだけで、存在を意識せざるを得ないプレインズウォーカーです。だいぶ慣れてはきましたが、いまだに瞬速による隙のない強力さは健在です。このカード1枚の影響で、「警戒」の価値が高くなっていると言っても過言ではありません。
スタンダードでは秋にお別れできると思っていましたが……なんとあと1年付き合うことになってしまいました。お祈りしながらの攻撃宣言はまだしばらく続きそうです。
2位:《黙示録、シェオルドレッド》
説明不要の高スペッククリーチャー。
「スタンダード最強クリーチャーは?」と聞かれてコイツが浮かんでくる人は多いのではないでしょうか。高いスタッツと強力な誘発型能力で、スタンダードだけでなくヴィンテージまで大活躍です。このカードの登場をきっかけにスタンダードの黒の強さが目立ってきたのが印象的です。
スタンダードでの禁止もチラつきますが、除去耐性がないことでギリギリバランスが取れているような気がします。
1位:《太陽降下》
全体追放ラス+ブロッカーを用意される理不尽。おかしい!!!(笑)。クリーチャー戦略に対する現スタンダートでもっとも強いメタカードだと思います。このカードの影響で、本来強力なはずの『イクサラン:失われし洞窟』で登場した神サイクルが持つ死亡誘発の印象が薄くなってしまっています。
私がスタンダードを始めた5年前は、追放除去が少なく《再燃するフェニックス》も活躍できていたと思うと、クリーチャー好きの私としては、ちょっと複雑な気分になります。近々禁止を食らいそうな最強のラス(全体除去)ですが、果たしてスタンダードを完走できるのでしょうか!?
◆第25期モダン神:内藤 圭佑
今年のモダンの印象
モダン環境においては、今年は激動の1年だったと思います。その要因のひとつは『指輪物語:中つ国の伝承』の発売です。
《オークの弓使い》の登場でラクドス想起はより強力なデッキへと変貌し、《一つの指輪》の登場はトロンやアミュレットタイタンのデッキパワーを大きく引き上げました。全体的なデッキパワーが底上げされたため、発売前と発売後ではモダンはまったく別のゲームになったと言っても過言ではないかもしれません。
今年印象に残ったカード トップ3!
3位:《オークの弓使い》
『指輪物語:中つ国の伝承』で登場した1枚。今やモダンを遊んでいてこのカードを見ない日はありません。場に出たときの1点飛ばす能力により、タフネス1のクリーチャーを牽制し、迂闊にドローソースを使おうものならその分ダメージ&成長。黒ければとりあえず入れておけと言われるほどの強力なカードです。
相手の《オークの弓使い》を倒すには、こちらも《オークの弓使い》を使うのが一番簡単なのでそれも納得です。間違いなく、今年を代表する1枚ですね。
2位:《豆の木をのぼれ》
登場は『エルドレインの森』という比較的新しいセットなのですが、登場直後からモダンにおいて常に話題になり続けていました。
まず場に出たときのキャントリップにより、仮に破壊されても損をしないのが素晴らしく、《孤独》や《激情》といった5マナ以上のピッチカードとの相性も抜群!さらには《断片無き工作員》などの「続唱」カードで、必ず《豆の木をのぼれ》にアクセスできる構築にしてアドを取りまくるのもヨシ!《豆の木をのぼれ》を2枚3枚場に出せればもはや負ける気はしない!常に手札いっぱい夢いっぱいですね!!
……よって《豆の木をのぼれ》は禁止になりました。
1位:《一つの指輪》
こちらも『指輪物語:中つ国の伝承』で登場した凶悪カードの1枚。発売当初こそ、そこまで注目されていなかったものの、大型のモダンの大会でいざ使われると瞬く間にその強さが認知され、急激に需要も上がっていきました。
まず、唱えて場に出たときの「プロテクション(すべて)を得る」の意味が分かりません(笑)。これにより事実上1ターン稼ぐことができるので、追加ターンを得ているような感覚になります。
一応、申し訳程度にアップキープにライフを失うのですが、カードを引ける量に対しては微々たるものです。それに、カードを引くだけ引いてライフルーズがキツくなれば、2枚目の《一つの指輪》を出して貼り替えてしまえば良いのです!何枚引いても嬉しい伝説のカード。最強は間違いなく君さ。
◆第24期レガシー神:廣田 貴志
今年のレガシーの印象
今年は禁止改定もあり、新しいセットが出るたびにメタゲームも変わったことでせわしない1年間だった印象です。デッキパーツは変わらないが単純に強化されたデッキ、新しいデッキタイプの出現、レガシー特有のコンボデッキ、神挑戦者決定戦のトップ8ですべてのデッキが違うアーキタイプになるなど、去年のデルバー最強とは違って、より緊張感溢れるフォーマットになったと思いました。
今年印象に残ったカード トップ3!
3位:《再活性》
《偉大なる統一者、アトラクサ》という強力なフィニッシャーの出現、そして《表現の反復》の禁止によるデルバーの弱体化にともない、再びリアニメイトデッキが頭角を現わしてきました。
ほかにも《再活性》は、モダンでもおなじみの《悲嘆》を使った「ディミーア想起」や、多種多様なクリーチャーを使いこなす「職工エルフ」に採用されたりと、昔ながらの強力なカードが今年は再熱したなと思います。相手の墓地からも釣り上げられるのでレガシー特有の動きも多く、よく見かけたカードでした。
2位:《オークの弓使い》
もしかすると、このカードが原因でレガシーを休止する人もいたのではないでしょうか?禁止、禁止と言われるくらい強力かつ腹立たしい。レガシーの環境がこの1枚で大きく変わりました。
まず《オークの弓使い》の登場でグリクシスデルバーが出現し、スニークショーから《グリセルブランド》が消滅しました。さらには、8 Cast・デス&タックスも衰退……かと思いきやこれらのデッキがオークを積んでくる始末。
うまくメタゲームが回り回って、どのデッキタイプも強くいられる逆にいい環境になったのではないかとすら思ったりもしますが、レガシー民は少なからずこう思ってるはずです。
1位:《時を超えた英雄、ミンスクとブー》
今年のはじめにあった『第21期レガシー神決定戦』で、あの高野選手を打ち破って見事神になった清田選手が《時を超えた英雄、ミンスクとブー》を使っていました。その大活躍ぶりに1日で晴れる屋の在庫が枯れた!なんて話も聞こえてきたほどです。
なんといってもキルターンの速さ。殴ってよし、投げても良し、出た次のターンには実質ゲームエンド!4マナ最強プレインズウォーカー《精神を刻む者、ジェイス》を一気に過去のものにするほどの破壊力がありました。最近では見かけることも少なくなりましたが、私自身このカードに何度も助けられたので、今年1年を代表するカードなら間違いなくこれ!
今年もありがとうございました
各フォーマットの神に2023年を振り返ってもらいました!
みなさんにも共感できるカードや、ほかにこんなカードが印象に残ったなどいろいろあるかと思います。
来年はどんなヤバいカードが環境を動かすのか楽しみですね。それではよいお年を。