はじめに
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
『スタンダード神挑戦者決定戦』に参加された128名のみなさん、お疲れ様でした!おかげで今回も素晴らしい大会となりました。
それでは最新のスタンダード大会結果をチェックしていきましょう!
3/30(土)『第26期スタンダード神挑戦者決定戦』
まずは『第26期スタンダード神挑戦者決定戦』の結果です。
『第26期スタンダード神挑戦者決定戦』
優勝 4色レジェンズ
準優勝 ディミーアミッドレンジ
TOP4 ゴルガリミッドレンジ
TOP4 ゴルガリミッドレンジ
TOP8 ディミーアミッドレンジ
TOP8 ティムールランプ
TOP8 ティムールランプ
TOP8 5色世界魂ランプ
この日、シェア率3位となったボロス召集はTOP8に残れず。ゴルガリミッドレンジは使用者7名の内、2名がTOP4入賞とメタゲーム的には勝ち組となりました。
しかし、意外にもスイスラウンドを1位で駆け抜け、そのままの勢いで優勝したのは《大スライム、スローグルク》を軸に据えた4色レジェンズでした。
優勝 「4色レジェンズ」
見事、神への挑戦権を得た原 康貴さんはプロツアー出場経験もある強豪プレイヤーです。
とはいえ、4色レジェンズの勝ち上がりは誰も予想できなかったのではないでしょうか。
現役プロをはじめ、元スタンダード神など猛者が揃った今回のTOP8シングルエリミネーションにおいて、メタ外とはいえ《大スライム、スローグルク》を甘く見ていたプレイヤーは1人もいなかったことでしょう。
しかし、《大スライム、スローグルク》と「魂力」土地のループはわかっていても止めようのない強ムーブであったことも事実です。伝説のクリーチャーがひしめくこのデッキでは魂力土地は1マナのスペルに等しく、《大スライム、スローグルク》が手札→戦場→墓地を行ったり来たりすることで、半永久的に使いまわすことができます。
今大会では、この「スライムローム」と呼ばれるギミックの前に多くのミッドレンジ(フェアデッキ)が沈んでいくことになりました。
《侵攻の伝令、ローナ》は《太陽の執事長、インティ》や《伝説の秘宝》とも抜群の相性です。デッキを円滑に回しながらアドバンテージ面、テンポ面でも大きなメリットをもたらします。
現スタンダードはランプやコントロール系のデッキが多く活躍する環境ですが、このデッキ相手にリソース勝負を挑むのは得策ではないでしょう。
ティムールランプの必殺技である大量マナからの《世界魂の憤怒》はやや気になりますが、サイド後は《軽蔑的な一撃》で打ち消したり、《未認可霊柩車》でランプを妨害したりと対策されているようです。
かくして4色レジェンズは快進撃を続け、神の前に立ちはだかることになります。
3/31(日)『第26期スタンダード神決定戦』
いざ、神の座へ。『第26期スタンダード神決定戦』は4色レジェンズの原さんとスタンダード神・矢島 広道さんの戦いになりました。
神のデッキ 「ディミーアミッドレンジ」
神・矢島さんが選択したデッキは独自にチューンナップしたディミーアミッドレンジでした。なお、矢島さんは前日の挑戦者決定戦に出場できない都合上、調整のためにパイオニアの大会にこのデッキを持ち込み、4-1という成績を残したそうです。このエピソードからも地力の高さがうかがえます。
メインから3枚投入された《顔を繕う者、ラザーヴ》は墓地対策をしながらアドバンテージ源となり、いざとなれば《黙示録、シェオルドレッド》に化けることもできるユーティリティなカードです。最近はティムールランプのような墓地利用デッキの台頭もあり、メタゲームにも合っています。
また、メインから3枚の《ヴェールのリリアナ》が採用され、《踊る影、魁渡》と合わせて4枚のプレインズウォーカーが投入されています。特に《ヴェールのリリアナ》は挑戦者決定戦のTOP4に入賞した2つのゴルガリミッドレンジのどちらにも2~3枚メイン採用されており、今大会のキーカードでした。
《ヴェールのリリアナ》はボロス召集のようなデッキとは相性が良くありませんが、ランプやコントロール系のデッキに対して強く立ち回ることが可能です。《策謀の予見者、ラフィーン》を後手3ターン目に対処しながら盤面を返しうる数少ないカードでもあります。
もちろん、トップメタであるボロス召集や赤単など、アグロを完全に無視したデッキ構成というわけでもありません。
サイドには《ぎらつく氾濫》が3枚控えており、メインに3枚採用の《黙示録、シェオルドレッド》と2枚採用の《最深の裏切り、アクロゾズ》からは高速デッキに対してもライフレースで優位に立とうとする強い意志を感じます。
サイドには3枚の《未認可霊柩車》。《大スライム、スローグルク》相手にフル投入してもおかしくないカードですが、矢島さんは1枚も投入しませんでした。「《大スライム、スローグルク》の対処方法は心得ている」ということなのでしょう。
見事、3-0ストレート勝利で防衛成功となりました!おめでとうございます!
次回、神討ちに挑むのはこの記事を読んでくださっているアナタかもしれません。
3/31(日)『Standard Challenge 64』
それでは最後に、91名のプレイヤーが参加した『Standard Challenge 64』の結果をお伝えします。
3/31(日)『Standard Challenge 32』
優勝 ティムールランプ
準優勝 ティムールランプ
3位 ティムールランプ
4位 ティムールランプ
5位 ボロス召集
6位 エスパーミッドレンジ
7位 アゾリウスコントロール
8位 ディミーアコントロール
1位~4位をティムールランプが独占する結果となりました。
スタンダード神挑戦者決定戦の結果と合わせて考えれば、現環境のトップメタと評価するのが妥当でしょうか。
優勝 「ティムールランプ」
優勝したデッキのリストです。《ドッペルギャング》や《樹海の幻想家、しげ樹》といったカードがサイドに回り、これまで3枚採用が主流であった《強靭の徳目》がついに4枚フル投入されました。
メインに2枚採用の《好奇心の神童、ケラン》に加え、サイドからは《削剥》が3枚とかなりアーティファクト破壊を意識した構成となっております。おそらく狙いは《未認可霊柩車》でしょう。
また、《温厚な襞背》は墓地対策と置き物破壊が同時にできる強力なクリーチャーです。ライフ回復もできるため、アグロデッキに対してサイドインする機会もありそうです。
メインの《吸血鬼の復讐》もおなじみのカードになりました。どうしても《間の悪い爆発》が間に合わないデッキに対するお守り的な存在であり、地味に血・トークンを《好奇心の神童、ケラン》の攻撃時誘発でドローに変えられたりと面白い活躍をします。
フェアデッキに強いデッキであることは言うまでもなく、さらに《未認可霊柩車》やアグロまでもが対策され、いよいよ向かうところ敵なしというポジションになってまいりました。
そんな状況ですが、前日に85名の参加によって行われた『Standard Challenge 32』で3位に入賞したディミーアコントロールがティムールランプに強そうなデッキ構築をしていたのが気になります。
根本的に《世界魂の憤怒》や《強靭の徳目》を打ち消せるだけでなく、《強迫》でコンボパーツを落とした上で《死人に口無し》をプレイできる点が優秀だと思いました。
準備段階で《事件現場の分析者》や《復活した精霊信者、ニッサ》を出してきたところを一網打尽にしながら、うまくいけば《世界魂の憤怒》を手札・ライブラリー・墓地からすべて追放することができます。そうなればさすがに勝ちとなるでしょうし、そこまで叶わなくとも《事件現場の分析者》を根こそぎ追放できるだけでも及第点と言えそうです。
ティムールランプがこのままメタゲームを独走するような展開であれば、ディミーアコントロールだけに限らず、《死人に口無し》を採用できそうな黒系のデッキに今後は注目が集まりそうです。
おわりに
今月はいよいよ『サンダージャンクションの無法者』が発売され、スタンダードも新環境を迎えます。
『カルロフ邸殺人事件』環境を締めくくる最後のメタゲームに注目です。それでは次回の大会結果をお楽しみに!