神が選ぶ『サンダー・ジャンクションの無法者』注目カードトップ3!

晴れる屋メディアチーム

『サンダー・ジャンクションの無法者』へようこそ!

新セット『サンダー・ジャンクションの無法者』がまもなく発売されます!先週はプレリリースもあり、早速リミテッドや新たなデッキを組んだりして楽しんだことでしょう!

ただ魅力的なカードばかりの『サンダー・ジャンクションの無法者』を見ると、どんなカードやデッキが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩んでしまう方も多いかと思います。

そこで、各構築フォーマットを代表する実力者である「神」のみなさんに、『サンダー・ジャンクションの無法者』で注目するカードトップ3!を聞いてみました!

■「神」とは?

晴れる屋が主催している、『神決定戦』という大会の暫定王者。スタンダード・パイオニア・モダン・レガシー・ヴィンテージ・パウパー・統率者・リミテッドの8フォーマットそれぞれで行われており、予選大会(挑戦者決定戦)と決勝大会(神決定戦)を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。

詳しくはこちらをご覧ください。→『神決定戦』特設ページ

各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、鋭い意見が飛び交いました。「神」の目にはなにが映り、なにを考えたのでしょうか。

◆第26期スタンダード神:矢島 広道

矢島 広道

『サンダー・ジャンクションの無法者』カードセット全体の印象

刺し背の恐怖

アウトローというだけあり、使ってみたくなる斬新なデザインのカードが多い印象です。特に新メカニズム「計画」は、マナを立てて構えている相手に対して使用することで、優位に立ち回れそうで面白いと感じました。ただし、私の好きなカウンター呪文はこれにより一層使いにくいものになってしまいそうです……(笑)

『サンダー・ジャンクションの無法者』スタンダード注目カードトップ3!

3位:《幻影の干渉》

幻影の干渉

スタンダードに何枚か存在するおまけ付きの《火消し》。今までは《かき消し》が1番メジャーでしたが、その地位を脅やかしそうな1枚。序盤は2マナカウンター、中盤はかつての《エリマキ神秘家》的な運用も可能となかなか強そうです!

2位:《三歩先》

三歩先

おまけ付きの《取り消し》。実質モードが7種があるため、歴代の《取り消し》亜種のなかでも革新的に強そうです。なにより《魂の洞窟》があるスタンダードではカウンターが不遇ですが、カウンター以外のモードが強いのも評価が高いです。3位の《幻影の干渉》と一緒に構えるのは青使いとしてはエクスタシーな体験になりそうです!

1位:《大魔導師のイモリ》

大魔導師のイモリ

初見では踏み倒すスペルがコスト3以下かと思いましたが、なんと無制限。条件こそ厳しいですが、達成したときのリターンがデカ過ぎる!《多元宇宙の突破》などを踏み倒して気持ち良くなっちゃいましょう!!

◆第13期パイオニア神:松原 雄介

松原 雄介

『サンダー・ジャンクションの無法者』カードセット全体の印象

アティインの英雄、ワイリー・デューク首謀者、オーコケラン・ザ・キッド

セット全体を通しての印象としては、西部劇のような世界観で新鮮さを感じています。今までMTGのストーリーは、いわゆるヒーロー的なキャラクターの視点で描かれることが多かったように思いますが、今セットはさまざまな次元の悪役がそろい踏みで、悪役たちが主人公な点ものユニークなセットです。

「ビックスコア」の存在によってセット全体のパワーレベルが高く、さながら『パイオニアホライゾン』的なパックになっていると感じます。”悪さ”できそうなカードも多く、新環境ではユニークなコンボデッキなどが出てくるのではないかと期待できます。

『サンダー・ジャンクションの無法者』パイオニア注目カードトップ3!

3位:《密輸人の驚き》

密輸人の驚き

さまざまなデッキで使用が期待できる1枚です。既存デッキのアブザンパルヘリオンでは、インスタントタイミングで墓地を肥やしながら《大牙勢団の総長、脂牙》を探すことができ、3つ目のモードで脂牙を守れるため相性が良いです。

大牙勢団の総長、脂牙産業のタイタン偉大なる統一者、アトラクサ

新規のデッキで想像されるのはランプ系デッキで、1-2段目のモードを8マナ払って使用すれば、インスタントタイミングでサーチしながらクリーチャーを2体まで踏み倒して戦場に送り出すことができます。インスタントで展開できることで、全体除去に対抗しやすくなるのが優れている点です。

2位:《軍団の成形機械》

軍団の成形機械

《アーティファクトの魂込め》系のデッキで使用が期待できる1枚です。ソーサリータイミングではありますが、どこにでも2点を撃ち込むことができ、血・トークンや地図・トークンを3/3のゴーレム・トークンに変換することができます。

インスタントタイミングでもゴーレム・トークンを生成する能力は使用できるので、相手がアーティファクト除去を使用する際に損させられる器用さもあります。さながら、アーティファクトデッキ専用の《砕骨の巨人》のような期待感があります。

1位:《精鋭射手団の目立ちたがり》

精鋭射手団の目立ちたがり

赤系のアグロデッキで幅広く使用が期待できる1枚です。2マナで1/2・速攻・飛行というスペックに、《祭り壊し》のようなインスタント・ソーサリーに反応してパワーを+2する能力を有しています。

魔術師の稲妻

また、ウィザードであるため《魔術師の稲妻》を運用しやすくなります。「計画」もユニークな能力で、たとえば対戦相手がマナを立ててターンを返してきたとき、除去やカウンターを構えている様子があれば計画してマナの構え損をさせつつ、次ターン以降2アクションしてテンポの優位を得ることができます。

◆第26期モダン神:内藤 圭佑

内藤 圭佑

『サンダー・ジャンクションの無法者』カードセット全体の印象

早いものでまた新セットの季節がやってきました!ざっと見た感じでは、全体的にカードパワーは高めな印象を受けました。モダンで使えそうなカードもそれなりにありそうです。

鉄道の喧嘩屋富と力の剣

今回のキーワード能力である「計画」は、事前に計画をしておくことで後のターンにマナを払わず唱えられるので、打ち消し呪文やバックアップ呪文を構えたいデッキとは相性バッチリです。また「ビッグスコア」という出現率は低いけど強力なカードが出る枠があるということで、ワクワク感はいつもの2倍です!

『サンダー・ジャンクションの無法者』モダン注目カードトップ3!

3位:《エイヴンの阻む者》

エイヴンの阻む者

《呪文捕らえ》に似た妨害系のクリーチャーですが、すべての呪文を対象にできる点と、追放したターンには絶対に唱えなおすことができないという点でこちらのほうが使い勝手は良さそうです。モダンでは最近あまり見ないですが、デス&タックス系のデッキに入れてみたくなりますね。

魂の洞窟原始のタイタン

打ち消されない呪文に対しても有効なので、《魂の洞窟》経由の《原始のタイタン》を追放できると幸せな気持ちになれそうです。もちろん、これ自身が2/2飛行と最低限のスペックを持っているので、変に温存せずにテンポ重視で適当なスペルに対して唱えても大丈夫です。

2位:《失われた十手》

失われた十手

あの《梅澤の十手》が軽くなって帰ってきました!ただマナコストも装備能力も1マナずつ軽くなったので、能力は本家に比べてマイルドになっています。それでも3つの能力を状況にあわせて選べるのは十分に強力!マナコストが1になったことで、《ウルザの物語》からサーチできるのも見逃せません。

ウルザの物語硬化した鱗オゾリス

当時の”十手ゲー”と呼ばれる環境を体験してきた身としては若干の物足りなさはありますが、本家ほど強力にするわけにはいかないと思うので良調整だと思います。とりあえず、すべての能力が噛み合う鱗親和あたりに入れてみるのはいかがでしょうか?

1位:《精鋭射手団の目立ちたがり》

精鋭射手団の目立ちたがり

つ、強い……!《小柄な竜装者》も真っ青のスペック。令和のカードパワーを感じますね!よくある《窯の悪鬼》系のクリーチャーですが、それらのなかでも断トツで歴代最強だと思います。

理由は、このカードが持つ「計画」にあります。従来この手のクリーチャーは序盤に出したいが、強力であるがゆえにすぐに除去されてしまうのが悩みの種でした。

対抗呪文救済の波濤ミシュラのガラクタ

しかし、このカードはフルマナオープンの状態で唱えることができます。青であれば打ち消し呪文、緑や白であれば呪禁系の呪文を十分に構えることができるのです。

モダン以外でもさまざまなフォーマットで使われることが予想されますが、少なくともモダンではイゼット果敢には確実に採用されると思います。クリーチャーでない呪文であれば誘発するので、《ミシュラのガラクタ》で強化されるのもグッド。正直、非の打ち所が見つかりません。

◆第25期レガシー神:廣田 貴志

廣田 貴志

『サンダー・ジャンクションの無法者』カードセット全体の印象

再覚醒したジェイス密輸人の驚き身代わり合成機

ストーリーではジェイス、メカニズムからは「放題」などの強力なキーワード能力、収録カードの中からは「ビッグスコア」、再録カードの数々。すべてにおいてワクワクするセットになっていると思います。

レガシー以外でも、あらゆるフォーマットで変化があるのではないかととても気になるところですが、今回はこの強力なセットのなかでも「統率者セット」「ビッグスコア」「通常セット」から1枚づつピックアップしたいと思います。

『サンダー・ジャンクションの無法者』レガシー注目カードトップ3!

3位:《精霊の噴火》

精霊の噴火

まずは統率者セットから。ANTなどのストームデッキに入っていた《巣穴からの総出》に似たカードではありますが、赤ストームなどのデッキからのフィニッシュ手段としても強力だと思います。ストーム2〜3とそこまで稼がなくても4/4飛行・果敢を2〜3体出しつつ、相手に対応を迫らせた上で手札を温存できるのでかなり厄介なカードです。

2位:《失われた十手》

失われた十手

次はビックスコアから。「十手は強い!」「いや、名前に騙されるな!」といった意見もありますが、《梅澤の十手》じゃなくても強くない?

1マナだし、クリーチャーのサイズがデカくなって《オークの弓使い》に除去されることもなくなるし、最後はライフを詰められる上に、マナを伸ばすor《リシャーダの港》みたいな起動型能力を持った土地使い回せる……強くない?

《ウルザの物語》から出てくるのはもちろんで、デス&タックスとかにも入ると思うんですが!ぶっちゃけ2位にはしたけどどうなんだい!?今セットで1枚は持っておきたいカードNo.1です!

1位:《大魔導師のイモリ》

大魔導師のイモリ

レガシーでも禁止になった《戦慄衆の秘儀術師》に似たような能力があり、ダメージが通りさえすれば逆転不可能なほどのアドバンテージを稼ぐ能力はあります。ただ《オークの弓使い》にブロックされると……というのはありますが、逆説的に《オークの弓使い》《大魔導師のイモリ》側が積みますので微々たるものでしょう。

ロリアンの発見

たとえば《ロリアンの発見》などを0マナでフラッシュバックでもしようものなら……。そして、レガシーならではのカードのポテンシャルとして青いカードであるということ。これだけで他色のカードよりアドバンテージがすでに存在しています。こういったカードが強くなるような環境は好きなので、ぜひ活躍してもらいたいと思って期待してます。

◆第23期ヴィンテージ神:石坂 ケビン

石坂 ケビン

『サンダー・ジャンクションの無法者』カードセット全体の印象

こんにちは。ヴィンテージ神の石坂ケビンです。新しいセットは面白いですね。自分はアメリカ人なので、国の文化がMTGで見られるのは嬉しいです。

セットの全体的な印象ですが、今回はちょっと弱めな感じ?(ヴィンテージやる人の目線)。『モダンホライゾン3』が6月にくるので、カードパワーは低めになっているかもしれません。

精神壊しの罠活性の力王冠泥棒、オーコ書庫の罠

自分はあんまりイラストバリエーションこだわらないタイプなんですが、今回の新聞ぽいショーケース版(「速報」カード)が結構好きです。ヴィンテージでも見かけるのは《精神壊しの罠》《活性の力》《王冠泥棒、オーコ》《書庫の罠》ぐらいかな。オーコは特にかっこよくできていると思います。

では、注目するカードを紹介したいと思います。

『サンダー・ジャンクションの無法者』ヴィンテージ注目カードトップ3!

3位:《最後の決戦》

最後の決戦

これは2マナで《ウルザの物語》トークンを流せるカードです。《激しい叱責》と少し似ていますね。白単イニシアチブで使えるかもしれません。破壊不能を与える部分もたまに役に立ちそうです。白ベースのデッキが《ウルザの物語》対策に困っているなら、このカードの採用を検討する甲斐があるかもしれません。

2位:《三歩先》

三歩先

これはジュエルショップに入るかもしれません。ジュエルショップは《意志の力》のピッチコストになれる青いカードが欲しいところですが、問題はカードパワーです。《三歩先》はカウンターになれる、《切望の宝石》をコピーできる、よく余りがちなマナでカードを引けると良い点が多いですが、マナコストがかなり重いです。とはいえ、一応検討するべきカードでしょう。

1位:《限りない強欲》

限りない強欲

ドゥームズデイを使うプレイヤーとして、興味深いカードです。3マナの《伝国の玉璽》として使うのはあんまり美味しくないですが、《暗黒の儀式》から3枚引けるし、《暗黒の儀式》を2枚使って5マナで唱えたら《悪魔の教示者》+2枚ドローとなります。ナイス。

最後の審判

ただ3点ライフを払うのはかなりキツイです。《最後の審判》を唱えたいので、ライフはかなり限られています。1枚くらいなら使ってみたいですが、それ以上入れるのは欲張りかもしれません。

黙示録、シェオルドレッド

しかし、《黙示録、シェオルドレッド》と合わせれば、デメリットがなくなります。相手に強制ドローもでき、直接9点ダメージを飛ばすことでフィニッシャーになりえます。実質3つ目のモードですね。《黙示録、シェオルドレッド》は今ドゥームズデイと(たまに)《鏡に願いを》ストームで使われていますので、《限りない強欲》はぴったりフィットするかもしれません。

◆第4期パウパー神:長谷川 翔一

長谷川 翔一

(※編注:現パウパー神・片山さんのご都合が合わなかったため、第4期パウパー神の長谷川さんに執筆していただきました)

『サンダー・ジャンクションの無法者』カードセット全体の印象

お久しぶりです、元パウパー神の長谷川です。前回から引き続きになりますが、今回もお声かけいただき最新セットの注目カードをレビューすることになりました!

金貸しザメ骨塚の冒涜者無謀なる従僕

今回のセットテーマは「無法者」!!!ということで、コモンにもなかなかにクセの強いカードたちがそろっています。特にシナジー面が重視されたカードが多い印象を受けました。

その関係で本セットのコモンは直近のセットに比べてやや弱めに設計されており、単体がものすごく強いというよりは何かのサポートとして活躍するいぶし銀系のカードが多くなっているように思います。

爆発的な脱線訓練されたエイリンクス駅馬車の警備兵ハードブリスルの略奪者

フィーチャーされている能力も、本流セットでは『アモンケット』以来の「砂漠」、キッカーの亜種でモードが選べる「放題」、クリーチャーに搭乗する「騎乗」、先のターンへプレイを予約できる「計画」、ただ相手を対象にするだけで達成できる「悪事を働く」といったユニークかつ大胆なアプローチのギミックが多いです。西部劇モチーフさながらに”じゃじゃ馬”なやつらをいかに乗りこなすか!?プレイヤーの腕の見せどころです。

そんな『サンダー・ジャンクションの無法者』の注目カードへ、Hi-yo!!!!

『サンダー・ジャンクションの無法者』パウパー注目カードトップ3!

3位:《幻影の干渉》

幻影の干渉

最初に紹介するのは新能力「放題」を持ったインスタントです。効果自体は《火消し》か2/2の瞬速・飛行を出すというシンプルなものですが、放題によってこれらの効果を組み合わせられる点が個人的には評価が高いです。

序盤は2マナ要求カウンターとして妨害しつつ、余裕が出てきた後半ではインスタントタイミングでフライヤーを展開しながら「放題」でカウンターすることで1:2交換が取れる、と考えると結構やれそうな気がしますよね。

記憶の壁献身的な精霊術士焦点の喪失

インスタントなので《記憶の壁》《献身的な精霊術士》で回収することもできますし、後半に腐りがちな不確定カウンターがクリーチャーとして運用できるので、ブリンク系のフィニッシャーとしても検討できるかもしれません。ライバルの《焦点の喪失》がかなり強力なのでなかなか難しいところではありますが、期待したい1枚です!

2位:《街道筋の強奪》

街道筋の強奪

続いては「計画」持ちのドロースペルです。よくある《苦しめる声》かと思ったら、なんとこのカードを唱える際の追加コストを必要としていません。しかも「土地 or 手札を捨てることを選べばドロー」なので何もしないことも選べる少し変わった効果になっています。

《弧光のフェニックス》《トロウケアの敷石》など相性がいいカードも多いですが、0マナで撃てるドローが出たとなれば何か悪用できないかと考えたくなるのがパウパー民というものです。

窯の悪鬼変異原性の成長ティムールの激闘ケッシグの炎吹き

《窯の悪鬼》から計画した《街道筋の強奪》《変異原性の成長》+《ティムールの激闘》で20点叩き込むもよし、計画スペルを貯めて《ケッシグの炎吹き》などでバーンするストームチックなデッキも面白そうですし、夢があるカードだなと思います。

嵐の乗り切り略奪する破戒僧

個人的には、このカードでストーム数を伸ばして《嵐の乗り切り》+《略奪する破戒僧》でフィニッシュするストームデッキが楽しそうなので組んでみたいと思います。手札に来た《略奪する破戒僧》を捨てて《発掘》で釣ったりできるのが嬉しい!

1位:《瑞々しいオアシス》を始めとした砂漠土地サイクル

鋸歯の痩せ地瑞々しいオアシス浸食された渓谷

すごく無難に思われてしまうかもしれませんが、第1位は戦場に出たときにダメージを飛ばす2色砂漠土地サイクルです!!この土地は本当にすごいと思っていて、パウパーでは革命的なカードになるかもしれません。『アモンケット』時代の《陽焼けした砂漠》も結構強かったですが、それが2色土地になるとは……。

素直に使うなら2色のアグロデッキで使う方法です。例を挙げるとブラッドバーンに採用するのが分かりやすく、デッキの土地スロットで1~2点入れられるようになるので勝利へ近づくというもの。モダンのバーンでよく言う「相手はショックランドで2点は入るだろう」という考えに近いイメージですね。

記憶の壁幽霊のゆらめき陽景学院の使い魔

僕が推したい使い方は「《幽霊のゆらめき》を使うコンボデッキで、土地のスロットにフィニッシャーが入れられる」というものです。《幽霊のゆらめき》は土地もブリンクすることができるカードなので、過去にも《茨森の滝》をブリンクして回復したりしていましたが、今後はこれをブリンクし続けることで勝つことができるようになりました。

《記憶の壁》+《幽霊のゆらめき》で3マナ毎に1点与えられますし、《陽景学院の使い魔》やトロンランドが場にあればターン中に複数回撃つことも難しくないでしょう。ほかのフィニッシャーと違い土地であることで対処も難しいですし、《輪作》でサーチできたりと複数枚採用しなくてもいいメリットもありそうです。

2色ランドで勝利につながるカードはなかなか出ないと思うので特に注目しています!

◆第7期統率者神:髙橋 龍司

髙橋 龍司

『サンダー・ジャンクションの無法者』カードセット全体の印象

今回は全体的にカードパワーが高く、競技的な統率者戦でも使われそうなカードが多い印象です。しかしながら、汎用性が高くてどのデッキにも入るといったカードは少なく、シナジーを活かした特定のデッキで輝くいわゆるオリカ的なカードが多いように感じました。

むかつき限りない強欲呪文探求者

新しいキーワード能力である「放題」は、《むかつき》のライフ損失を抑えられたり《呪文探求者》からサーチできるところなどに期待が寄せられています。もう1つ新しいメカニズムである「悪事を働く」にも注目していますが、そちらは注目カードのほうで解説していきます。

『サンダー・ジャンクションの無法者』統率者注目カードトップ3!

3位:《雷音のドレイク》

雷音のドレイク

こちら統率者セットのカードなのですが、よくあるスペル軽減の能力に加え、統率者を唱えた分だけインスタントかソーサリーをコピーできる起動型能力を持っているので、「共闘」持ちのジェネラルとの相性の良さに注目しています。

序盤の立ち上がりからテンポ良く手を進められ、最終的にサーチ呪文や追加ターン呪文をコピーできれば勝ちも目前ですし、除去やドロースペルをコピーするだけでも悪くないように思います。

トレストの密偵長、エドリック織り手のティムナ

最近の統率者戦では《オークの弓使い》がよく使われているので、タフネスが1しかないところは心許ないですが、飛行であることや軽減能力を活かせるデッキであれば試して良いスペックに感じます。《トレストの密偵長、エドリック》《織り手のティムナ》がジェネラルのデッキで活躍が見込まれます。

2位:《自由放浪団の見張り》

自由放浪団の見張り

タップイン、ターン1制限という縛りはあるものの、「悪事を働く」だけで土地が伸ばせるのは脅威に感じました。統率者戦ですと《意志の力》《忍耐》などのレガシーでよく見かける強力なピッチスペルに加え、《激情の後見》《致命的なはしゃぎ回り》《精神的つまづき》などまで使用できるので手軽に「悪事を働く」ことができます。

永遠の造り手、ラシュミ

このカードは《永遠の造り手、ラシュミ》をジェネラルに据えたデッキとの相性がピカイチで、「悪事」を働いているだけで自分はアドバンテージを取りつつどんどんマナが伸びていき、気づけば相手は疲弊していることでしょう。3/3到達というスペックも偉く、対戦相手の《織り手のティムナ》《鋭い目の航海士、マルコム》に対するブロッカーとしても役に立ちそうです。

1位:《死のディーラー、マルチェッサ》

死のディーラー、マルチェッサ

ほかの「悪事」で誘発するものはたいていターン1制限がありましたが、これにはそれがなくジェネラルとして注目しています。

死の国からの脱出タッサの神託者偏向はたき殺し

グリクシスカラーなので《死の国からの脱出》《タッサの神託者》《リスティックの研究》などのパワーカードが使える恵まれた色でありつつ、自身の能力も優秀で《偏向はたき》《殺し》《断絶》などの競技的な統率者戦でよく使われる汎用的なカードに追加で1マナを支払えばアドバンテージが得られるのは破格。

再活性動く死体

墓地も肥えるので《再活性》《動く死体》で墓地に落としたクリーチャーを釣ることができるほか、相手の墓地のクリーチャーを対象に取ると「悪事を働く」こともできるのが非常に噛み合っていて面白いです。

波破りの海馬大魔導師の名誉教授

妨害をたくさん入れて《波破りの海馬》《大魔導師の名誉教授》なんかと併用してあげたら、コントロール的な構築も可能なように思います。欠点をあげるとすれば、《宝石の睡蓮》の恩恵を受けられないなどがありますが、《オークの弓使い》《波乱の悪魔》など統率者戦でも強力なカードと気軽にシナジーを組めるのは今後に期待できるジェネラルです。

◆第17期リミテッド神:行弘 賢

行弘 賢

『サンダー・ジャンクションの無法者』カードセット全体の印象

みなさん、こんにちは!このたびリミテッド神になりました行弘です!

王冠泥棒、オーコ適合の結節点

今回の『サンダー・ジャンクションの無法者』は「速報」カードと「ビッグスコア」カードにより、以前にもましてレアがデッキに入るリミテッド環境になりそうなのですが、通常枠のレアカードはミドルレンジのクリーチャーが多く、1枚でリミテッドを壊すカードは少なく感じました。

一方で、ビッグスコアや速報を含めた神話レアには脅威的なカードが多くあります。レア以上のカードが多くデッキに入ることになるので、「1枚で勝つ」というよりは「複数のレアカードをデッキになじませる」工夫が必要で、ただただレアをプレイするだけでは勝てなさそうな印象です。

リミテッドを壊さないカードが少ないと評した通常レアですが、そのなかでも今回はリミテッドで活躍しそうな今後よく見かけるであろうレアのトップ3を選んでいきたいと思います。

『サンダー・ジャンクションの無法者』リミテッド注目カードトップ3!

3位:《砂塵の憎悪》

砂塵の憎悪

序盤は2/3飛行と申し分ない性能をしつつ、中盤以降はターンこそ跨ぐものの4/5飛行かつ魂絆持ちとゲームを決定づける性能になる、アーキタイプを選ばない非常に使いやすい単色レアです。

2位:《落星の学者、ロクサーヌ》

落星の学者、ロクサーヌ

レア環境においてマナサポートは大切な役割を果たしますが、《落星の学者、ロクサーヌ》《隕石》というもともと5マナ相当のマナサポートカードを出たときと攻撃時に生成することができます。そのうえ「隕石」は2点ダメージを与える効果もあるので、盤面やライフにも干渉することができたりと通常レアとは思えない性能のクリーチャーです。

1位:《乱伐者、ボニー・ポール》

乱伐者、ボニー・ポール

マナシンボルこそそこそこ縛りがあるものの、場に出た際にゲームを決定づけるトークンを生成しつつ、自身も到達を持ち6/5と優れたスタッツを持ちます。自身でなくてもクリーチャーが攻撃するとカードが引けるため、場に出たターンからカードを引くこともできます。盤面と手札どちらも充実させることができる、非常に強力なクリーチャーです。

新環境を楽しもう!

「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点から、各フォーマットの『サンダー・ジャンクションの無法者』の注目カードをレビューしてもらいました!

目を引くような強いカードが多く、どんなデッキを組むか考えるのが楽しいですね!彼らの意見を参考に新たな戦力とともに新環境へと踏み出しましょう!

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