モダンリーガルとなる再録カード
6月14日発売の特殊セット『モダンホライゾン3』にはエキサイティングな新カードがたくさん収録されますが、再録によって初めてモダンリーガル(モダン環境で使用可能)となる既出のカードもたくさん登場します。
その数、全42種類。今回、新たにモダンリーガルとなる再録カードたちを一覧にしてまとめましたので、何かのお役に立てれば幸いです。
ちなみに、『モダンホライゾン3』に収録予定の全カードは公式のカードイメージギャラリーにて確認することができます。
また、今回の再録によって初めてモダンリーガルとなるカードにつきましては、「通常版のテキスト欄に初出セットのエキスパンション・シンボルの透かしが入っている」という特徴がありますので、注目です。
白:6種類
注目カード:《護衛募集員》
《護衛募集員》はタフネス2以下のクリーチャーをなんでもサーチできる強力なクリーチャーです。
オルゾフブリンクでは、《孤独》や《悲嘆》がサーチ可能です。そのままピッチでキャストしてから《儚い存在》に繋げることができ、デッキがやりたい動きの再現性が大幅に上がります。
デス&タックスでは対戦相手にとって一番クリティカルな働きをするクリーチャーをサーチします。いざとなれば《石鍛冶の神秘家》のようなフィニッシャーを呼ぶこともでき、序盤から終盤まで活躍してくれそうです。
注目カード:《オアリムの詠唱》
《オアリムの詠唱》の再録はオールインコンボデッキにとって朗報です。特に色が合っている「アドグレイス」などでは採用する価値が十分にあります。
これまでもコンボを始める前の露払いとして《沈黙》を唱えるといったプレイが行われてきましたが、《オアリムの詠唱》はキッカーを支払うことで実質的に《濃霧》のような役割を果たし、コンボ始動ターンまでの延命がしやすくなります。
また、フェアデッキに対してはアップキープ開始時に《オアリムの詠唱》を唱えることで「なにもさせない」ターンを作り出すことが可能です。
青:5種類
注目カード:《河童の砲手》
レガシーでは8-Castなどで大活躍中のカードですので、鳴り物入りでモダンデビューすることになりました。カードパワーの高さは言わずもがなです。
モダンでは親和系のデッキ全般での採用が検討され、最強のフィニッシャーとして君臨しそうです。《身代わり合成機》から出てくる構築物・トークンの方がパワーが高いこともあるでしょうが、《河童の砲手》には護法とブロックされない能力があります。
一方、《河童の砲手》本体は親和を持っていません。「即席」によってアーティファクトをタップすることで 換算できるとはいえ、0マナアーティファクトが大量にあるレガシーほど楽に唱えたりはできなさそうです。
《メムナイト》や《羽ばたき飛行機械》のような単体ではカードパワーが低いクリーチャーをどこまで許容して採用できるかなど、デッキビルダーの腕の見せ所となりそうですね。
黒:6種類
注目カード:《生き埋め》
ライブラリーからクリーチャーを最大3体まで探して墓地に置けるという、強烈なカードです。3マナのソーサリーなので一見、悠長に思えますが、コンボ系のデッキでは決め手になります。
ゴルガリヨーグモスで採用されている《アガサの魂の大釜》との相性が抜群で、《生き埋め》で《スランの医師、ヨーグモス》や《飢餓の潮流、グリスト》を墓地に置きつつ、《歩行バリスタ》のようなシルバーバレットしたカードまでまとめて一度にサーチすることが可能です。当然、すぐに大釜で煮込むことになります。
これまでにも《召喚の調べ》によるサーチから必要なクリーチャーを持ってきてフィニッシュという動きはありましたが、《生き埋め》から即勝利というルートも視野に入りました。《若き狼》が戦場にいる状態で《歩行バリスタ》を《アガサの魂の大釜》で煮込めば、ほとんどの場合は勝ちになりそうです。
《外科的摘出》や《根絶》は厄介ですが、《生き埋め》は3枚ものカードを墓地に落とせるので、めげずにセカンドプラン、サードプランへと向かうことが可能です。
そのほか、《弧光のフェニックス》や《デミリッチ》を墓地にまとめて3枚落として、すべて復活させるような面白コンボデッキが爆誕する可能性も見逃せません。
赤:5種類
注目カード:《溶融》
レガシーではわずか1マナで《虚空の杯》《金属モックス》《オパールのモックス》などをまとめて吹き飛ばせる強力なアーティファクト対策カードでした。モダンではどうでしょうか。
ハンマータイムのようなデッキにはこの上ない対策カードとして使えそうです。X=1の《溶融》で主力のほとんどを破壊でき、なおかつ《救済の波濤》で防がれるようなことがありません。逆にハンマータイム側は『モダンホライゾン3』以降で大幅なデッキ改善を求められそうです。
親和系のデッキに対する対策としては、やや《溶融》では不十分なところがありますが、X=3で唱えられれば《身代わり合成機》をトークンもろとも破壊できますし、《河童の砲手》や《思考の監視者》の登場を遅らせることができそうです。
アーティファクト対策カードとして強すぎもせず、ちょうどいいバランスに収まっているのではないでしょうか。ハンマータイムがどうしても苦手という方にはオススメのカードです。
緑:5種類
注目カード:《枝分かれの進化》
鱗親和などのデッキでは、追加の《硬化した鱗》として《枝分かれの進化》が採用される可能性があります。+1/+1カウンターがクリーチャーに置かれたり移動するたびに倍々に増えていくので、カードパワー自体は《硬化した鱗》よりも強力です。
3マナという重さがネックではありますが、《電結の荒廃者》のような「接合」クリーチャーとのシナジーが凄まじく、かなり楽しいロマン枠のカードとして人気が出そうな予感がします。
例えば《アガサの魂の大釜》で《歩行バリスタ》を煮込んだ場合、《電結の荒廃者》や《微光蜂、ザーバス》が戦場にいるととんでもないことがおきます。次々と自壊しながら「接合」で+1/+1カウンターが倍々に増えていく様子は、さながら近未来SF映画のラストシーンを鑑賞している気分になるでしょう。
モダンには《硬化した鱗》でしか味わえない興奮があると思いますが、《枝分かれの進化》はそれを上回る感動を私たちに与えてくれるはずです。
多色:2種類
注目カード:《巨大なるカーリア》
天使・デーモン・ドラゴンファンの皆様、お待たせしました。《巨大なるカーリア》がついにモダンリーガルとなって登場します。速攻はマナーとして必須なので、なんらかのブーツを必ずご用意ください。
手札から《残虐の達人》を攻撃した状態で出すことで即死となるコンボはあまりにも有名ですが、《セラの使者》や《グリセルブランド》も最強クリーチャーの一角です。これらがタダで戦場に出せるなんて、《巨大なるカーリア》の巨大さが身に沁みますね。
パイオニアで永い研究の末に《傲慢な血王、ソリン》から《血管切り裂き魔》を戦場に出すコンボが発見されたように、モダンでもきっとなんらかの天使orデーモンorドラゴンを戦場に出すコンボが発見されるでしょう。
除去や打ち消しのことを考える必要はありません。フェッチを切ってからの《致命的な一押し》で《巨大なるカーリア》が堕ちることも恐れるに足りぬことです。私たちには《オアリムの詠唱》があるのですから。
無色・アーティファクト:8種類
注目カード:《ルビーの大メダル》
各色あらゆる呪文のコストを下げるという強力な能力を持ったアーティファクト、大メダルシリーズがモダンリーガルとなりました。特に注目したいのが《ルビーの大メダル》で、ストーム系のデッキの新たな選択肢となり得ます。
これまでは《遵法長、バラル》や《研究所荒らしの事件》にその役割をまかせていました。しかし、《研究所荒らしの事件》はモダンでは重すぎましたし、バラルはすべての憎しみと除去を一身に受けすぎて安定性がありません。《ルビーの大メダル》はアーティファクトなので《遵法長、バラル》よりは対処されにくく、メインではアーティファクトにまったく触ってこないデッキも多くあります。
《遵法長、バラル》と違い、青の呪文にまで影響を及ぼすことはないのですが、赤の呪文コストが下がるだけでストームは十分、勝利への道が拓けています。
また、《ルビーの大メダル》の性能を活かし、ドローソースも赤の呪文のみで完結させた「赤単ストーム」のようなデッキが成立する可能性もありますね。新カードの《炎の踊り手、アシュリング》も強そうです。
かなりテクニカルな動きをしますが、3ターンキルは当たり前という尖ったデッキになるのではないでしょうか。
土地:5種類
注目カード:《ファイレクシアの塔》
今回、モダンリーガルとなる最注目カードが《ファイレクシアの塔》です。
伝説の土地
:を加える。
,クリーチャー1体を生け贄に捧げる:を加える。
ラクドス想起などでは1ターン目から《悲嘆》をピッチキャストし、《ファイレクシアの塔》ですぐ黒2マナに変換することで《ダウスィーの虚空歩き》や《腐食の荒馬》などに繋げることができます。《悲嘆》によって唯一の除去を手札から捨て去ってしまえば、かなり有利な展開と言えそうです。
少しもったいないですが、《オークの弓使い》なども生け贄用のクリーチャーが作れるので、悪くない選択肢です。《ファイレクシアの塔》があれば《まだ死んでいない》が手札にないときでも、気軽に《悲嘆》を投げ捨てられますね。
1ターン目《思考囲い》、2ターン目に《悲嘆》ピッチキャストから黒2マナに変換して《鏡割りの寓話》や《ヴェールのリリアナ》といったムーブも強そうです。ラクドス想起のみならず、黒が絡むデッキであれば、どんなデッキでも採用の可能性があるところがすごいですね。
今回は再録されるカードをまとめて紹介しましたが、強力な新カードもたくさんあります!『モダンホライゾン3』の発売をお楽しみに!