Just Nowスタンダード! vol.22 -《腐食の荒馬》《精鋭射手団の目立ちたがり》が躍動!海外の地域CSを制す-

紳さん

はじめに

こんにちは。スタンダード大好き人間、晴れる屋メディアの紳さんです。

先週はアメリカ・南米・東南アジアでそれぞれ『地域チャンピオンシップ』が開催されました。(ちなみに日本では韓国との共同開催で、チャンピオンズカップというプログラム名で開催されております。)

ハイレベルな戦いに勝利し、プロツアー&世界選手権の切符を手に入れたのは一体、どんなデッキでしょうか。大会結果をまとめて紹介いたします!

『US Regional Championship』

まずはアメリカで開催された『US Regional Championship』の結果から。1256名が参加する超大型大会となりました。

『US Regional Championship3』

優勝 グルールアグロ

準優勝 ボロス召集

3位 ボロス召集

4位 アゾリウスコントロール

5位 ボロス召集

6位 スライムローム

7位 アゾリウスコントロール

8位 グルールランプ

TOP8デッキリスト

ボロス召集、アゾリウスコントロールとトップメタのデッキが多くTOP8入賞を果たすなか、優勝はグルールアグロという結果でした。

優勝 「グルールアグロ」

こちらが優勝したデッキのリストです。ここ最近で誕生したデッキのなかで、殺意の高さは間違いなくトップクラスですね。

精鋭射手団の目立ちたがり巨怪の怒り蛇皮のヴェール

《精鋭射手団の目立ちたがり》を対象に《悪魔の大騒動》《巨怪の怒り》をプレイされるだけでとんでもない打点になりますが、除去の格好の的にもなります。

その誘った除去を《蛇皮のヴェール》ではじいたゲームはほとんど勝ちと言って良いのではないでしょうか。実際、かなり有利な展開です。

熊野と渇苛斬の対峙僧院の速槍逃走する暗号破り探索するドルイド

エースアタッカーの《精鋭射手団の目立ちたがり》を引けなかったとしても、ただただ強そうな赤緑果敢デッキの動きができ、安定性が高そうです。

この手のデッキは一撃を凌がれると沈黙しそうなものですが、《逃走する暗号破り》の「変装」や《探索するドルイド》の出来事面を駆使すると、そこまで息切れの心配がありません。

ウラブラスクの溶鉱炉

サイド後は軽量除去が増量されることを見越して、《ウラブラスクの溶鉱炉》でややミッドレンジ気味に戦うこともできます。

上振れすると先手3ターンキルも可能なとてもアグレッシブなデッキですね!今後の活躍も大いに期待できそうです。

注目デッキ 「グルールランプ」

TOP8にかなり面白そうなデッキが入賞しましたので、紹介させていただきます。

中心核の瞥見硬化した屑鉄喰らい装飾庭園を踏み歩くもの

2マナのランパンがスタンダードで使えるのは久しぶりとのことで、《中心核の瞥見》がフル投入されております。ドメインランプでもおなじみの《装飾庭園を踏み歩くもの》も土地を伸ばすキーパーツです。

荒野無頼団の先駆者

《荒野無頼団の先駆者》は3ターン目に力を溜めるにはもってこいのクリーチャーで、「計画」すれば4ターン目、5ターン目の爆発的な展開を望めます。では、ランプした結果なにをするのか。

早駆ける業火、カラミティ嘶くカルノサウルス峰の恐怖

除去されなければ勝ち、という超暴力的なムーブが可能です。《早駆ける業火、カラミティ》が自由に殴れたときのアドバンテージは凄まじいものがあります。

密輸人の驚き

6マナあれば手札からクリーチャーを戦場に2体送り込める《密輸人の驚き》は一撃で勝負を決めるポテンシャルがあります。《早駆ける業火、カラミティ》《峰の恐怖》が同時に戦場に出たら、ほとんどの場合は即死です。

もちろん、打ち消しや除去がないことが前提の話なので、隙を伺わないといけませんね。ちなみに、マナに余裕がある場合は《密輸人の驚き》の「放題」によって呪禁と破壊不能を付与できるので、《喉首狙い》などの単なる除去ならば回避できるかも知れません。

魂の洞窟嘶くカルノサウルス宝物庫生まれの暴君

さすがに《早駆ける業火、カラミティ》が毎回、殴れるということはなさそうですので、「隙を見せたらやるぞ!」という脅しのカードだと考えられます。

《魂の洞窟》によって打ち消されなくなった《嘶くカルノサウルス》《宝物庫生まれの暴君》でアドバンテージを得ながら盤面を制圧していく、という戦い方が本筋でしょうか。4枚採用の《魂の洞窟》はコントロールデッキを痺れさせることでしょう。

除去や置き物破壊ができる《大ドルイドの魔除け》ですが、いざとなれば《魂の洞窟》をサーチして戦場に出せる点も見逃せません。

石術の連射兄弟仲の終焉

デッキ構成的に安定性がそれほど高くないタイプのデッキと言えそうです。特に序盤はランプ用のパーツが引けないと厳しく、デッキが真価を発揮するのは5マナ、6マナ使えるようになってからなので、土地が伸びる前にどうにもならない盤面にされてしまうこともありそうです。

サイド後は《石術の連射》《兄弟仲の終焉》など、状況に応じた強い除去があるものの、これらのカードを投入すると今度は《密輸人の驚き》の働きぶりに不安が生じます。

派手なゲームプランを携えた豪快なデッキですが、見た目よりもずっと繊細なプレイが求められそうです。

華麗にクリーチャーコンボが決まった時の爽快感は最高でしょう!ぜひ、使ってみたいデッキですね!

『South American Regional Championship』

続きまして、南米で開催された『South American Regional Championship』の結果です。95名が参加しました。

『South American Regional Championship』

優勝 赤単

準優勝 エスパーミッドレンジ

3位 バントポイズン

4位 アゾリウスコントロール

5位 ボロス召集

6位 ゴルガリミッドレンジ

7位 赤単

8位 ゴルガリミッドレンジ

TOP8デッキリスト

バントポイズンを含め、かなり前のめりなデッキが入賞するなか、赤単が優勝を決めました。

優勝 「赤単」

コチラが優勝した赤単のリストです。

ウラブラスクの溶鉱炉魔女跡追いの激情抹消する稲妻焦熱の射撃

現在、主流となっている《ウラブラスクの溶鉱炉》をメインから採用しているミッドレンジに近い赤単です。同じ赤単でも、数か月前までのデッキとはアプローチがかなり違います

《魔女跡追いの激情》《抹消する稲妻》《焦熱の射撃》と、プレイヤーを対象にできない除去火力を8枚も採用しているのも最近のリストの特徴です。

大スライム、スローグルク敬慕される腐敗僧黙示録、シェオルドレッド

現在のメタゲーム的に「クリーチャー除去」が必須ということも影響しているでしょうか。

天敵である《最深の裏切り、アクロゾズ》《黙示録、シェオルドレッド》を擁する黒系のデッキもまだまだ存在しています。

レジスタンスの火、コス

サイド後もロングゲームを見据えてプレインズウォーカーを投入するプランなど、従来の赤単よりもゲームレンジをやや遅くしています。

それでも採用しているクリーチャーはいずれも前のめりな性能であり、1ターン目に《熊野と渇苛斬の対峙》からのロケットスタートがあることを考えると、「アグロデッキとしてのスピードを確保しつつ、メタゲーム上にいるフェアデッキに対して強い構成を目指した」という印象のデッキです。

こういった進化の仕方もあるんだな、と感心しました。ローテーションまで2ヵ月を切りましたが、今後も赤単は色んな形で生き残りそうですね!

『SEA Championship Final Season2 Round3』

最後に、東南アジアで開催された『SEA Championship Final Season2 Round3』の結果です。144名が参加しました。

『SEA Championship Final Season2 Round3』

優勝 ゴルガリミッドレンジ

準優勝 ディミーアミッドレンジ

3位 ボロス召集

4位 アゾリウスコントロール

5位 ディミーアコントロール

6位 バントポイズン

7位 アゾリウスコントロール

8位 スライムローム

TOP8デッキリスト

スライムロームやコントロールといったロングレンジのデッキが多く入賞するなか、ゴルガリミッドレンジが堂々の優勝を果たしました。

優勝 「ゴルガリミッドレンジ」

こちらが優勝したデッキのリストです。

腐食の荒馬苔森の戦慄騎士目ざとい新人

ゴルガリといえば3マナ圏のクリーチャーが特に強いイメージですが、《腐食の荒馬》の登場で2マナも最強クラスに充実しています。このカードは想像した以上に強かったですね。

《目ざとい新人》もそうですが、2ターン目に戦場に出て、除去されなければどんどんアドバンテージを稼ぎ続けるクリーチャーはさすがに強い!

分派の説教者名もなき都市の歩哨ドロスの魔神黙示録、シェオルドレッド

3マナ、4マナのクリーチャーにもマスト除去と言えるような性能のタレントが揃っています。《ドロスの魔神》に関しては、デメリットの付け方を間違えたとしか思えません。

《グリッサ・サンスレイヤー》もかなり強いですが、伝説ということもあってか採用は1枚と控え目です。ボロス召集のような横並べ系のデッキにチャンプブロックを許してしまい、継続したアドバンテージを得られない点がやや評価を下げたのかもしれません。

今回のリストでは攻撃するたびに能力が誘発する《分派の説教者》《名もなき都市の歩哨》が優先して採用されています。

ヴェールのリリアナ眠らずの小屋

《死人に口無し》《太陽降下》の影響を受けず、隠れたフィニッシャー枠でもある《ヴェールのリリアナ》《眠らずの小屋》の存在も大きそうです。環境的にコントロールデッキがかなり強い状況ですが、ここぞという場面でプレッシャーをかけます。

危難の道ドロスの魔神

ボロス召集相手にはサイド後の《危難の道》が刺さり、《ドロスの魔神》の支配下では横並べ戦略がアダとなるほどの大ダメージを喰らいます。

強迫腐食の荒馬

先手1ターン目《強迫》、2ターン目《腐食の荒馬》という動きはひたすら楽しい予感がします!メインのカードについては土地以外、ローテーション後に落ちるカードが1枚もなく、今後の覇者となりそうなデッキです。

おわりに

早駆ける業火、カラミティ嘶くカルノサウルス峰の恐怖

大会結果を見るに、日本と海外におけるメタゲームの違いについてはほとんどありませんでしたが、グルールランプのようなデッキがTOP8に入るのはアメリカっぽいと感じました。なんか豪快で楽しそうなお国柄というイメージです!

《早駆ける業火、カラミティ》《嘶くカルノサウルス》《峰の恐怖》を各4枚採用はなかなかすごい構成ですよね。

また、ボロス召集とアゾリウスコントロールは今回、メタられた形になりましたが、それでもTOP8に多くが入賞していて底力を感じます。次回はどんなデッキが活躍するでしょうか。それではまた!

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紳さん マジック愛に生きるフリーライターです。モダン、パイオニア、スタンダードでローグデッキを使い、勝利を目指す! 至って真剣勝負の毎日です。 紳さんの記事はこちら