『東西モダン最強決定戦2024』クイックインタビュー
2024年6月22日(日)、東と西で同時開催となる『モダン東西最強決定戦2024』の戦いの火蓋が切って落とされた。
6月14日に『モダンホライゾン3』が発売されて間もない、まったく新しいモダン環境を強豪プレイヤーたちはどのように分析し、この日の戦いに挑んだのだろうか。
ここでは東の会場、晴れる屋TC東京に集まった総勢289名のプレイヤーたちに話を聞いてみたいと思う。
※敬称略、五十音順で紹介させていただきます。
小坂 和音
新モダン環境、現時点でのベストデッキは何だと思いますか
小坂:難しい質問ですが、現時点ではボロスエネルギーだと思います。
小坂:また、現環境はナドゥコンボとルビーストームの活躍が目立っていますが、この2つのデッキに対して有効なサイドボードのカードがボロスカラーに揃っています。逆にナドゥコンボとルビーストームはサイド後にメタカードを乗り越えるのがキツい印象です。
『モダンホライゾン3』の発売後、最初の印象よりも評価が上がったカードはなんですか
小坂:たくさんありますが、《火の怒りのタイタン、フレージ》と《ナカティルの最下層民、アジャニ》の評価は上がりましたね。ボロスエネルギーが強いことが判明し、ボロスカラーのデッキに入りうるカードが軒並み評価を上げました。《火の怒りのタイタン、フレージ》は実際に使ってみて想像以上に強かったです。
高橋 優太
新モダン環境、現時点でのベストデッキは何だと思いますか
高橋:オンラインの結果なども見てもわかるのですが、ボロスエネルギー・ルビーストーム・エルドラージトロンの3つは抜けていると思います。
高橋:そんななかで、私は自分が使っている《超能力蛙》デッキがベストだと思っていますね。
高橋:《超能力蛙》には《サイカトグ》のような強さがあります。すぐにタフネスを4にでき、《稲妻》や《火の怒りのタイタン、フレージ》で落とされることもありません。
高橋:ただし、《電気放出》だけは本当に強くて、《超能力蛙》でもやられてしまう場合があるんです。《電気放出》の強さは《稲妻》を超えましたね。
『モダンホライゾン3』の発売後、最初の印象よりも評価が上がったカードはなんですか
高橋:《火の怒りのタイタン、フレージ》です。今回、同じ質問をされたほとんどのプレイヤーが名前を挙げるのではないでしょうか。
高橋:まさか、ここまでデッキを選ばすに、いろんなデッキに採用されるとは思いませんでした。考えてみれば盤面に触ることができるタイタンが弱いわけもなく……《稲妻のらせん》を撃った直後に6/6が着地したら、だいたいのフェアデッキには勝てますよね
原根 健太
新モダン環境、現時点でのベストデッキは何だと思いますか
原根:ジェスカイコントロールだと考えます。
原根:クリーチャーデッキに対して強く、《火の怒りのタイタン、フレージ》も採用でき、現環境のベストデッキと言えるのではないでしょうか。
原根:ただし、ジェスカイコントロールが有力ということ気がついたのはここ1~2日の話であり、仕上げるまでに時間が足りませんでした。今日の大会で私がボロスエネルギーを選択したのは、一番練度が高いデッキだったからです。
『モダンホライゾン3』の発売後、最初の印象よりも評価が上がったカードはなんですか
原根:まず《火の怒りのタイタン、フレージ》ですね。
原根:これまでのタイタンが強力過ぎたせいで一見して弱く見えました。しかし、実際は有力デッキであるボロスエネルギーやジェスカイコントロールに採用でき、環境からタフネス3のクリーチャーの生存権を奪うほどに強力です。
原根:あとは《不安定な護符》ですかね。単体だと強さがわかりにくいのですが、デッキに入れて実際に使ってみるとエネルギーシナジーがありながら、ダメージソースとしてもかなり優秀で、本来赤いデッキが苦手な長期戦でも戦えるカードだと思います。
原根:そのほか、《ネクロドミナンス》は《魂の撃ち込み》が発見されたことで評価が上がりましたね。
平山 玲(解説)
新モダン環境、現時点でのベストデッキは何だと思いますか
平山:ジェスカイコントロールですね。
平山:現モダン環境で勝つためには、ルビーストームやナドゥコンボに対して、「より早いスピードで倒すか」「妨害するか」のどちらかをやらなければなりません。
平山:ジェスカイコントロールなら、1ターン目に《語りの調律》、2ターン目に《空の怒り》ですべてを流すことが可能です。《手甲》《ウルザの物語》《根の壁》《ルビーの大メダル》《モンスーンの魔道士、ラル》といったコンボパーツたちを軒並み処理できます。《空の怒り》って本当にすごいカードなんですよ!
『モダンホライゾン3』の発売後、最初の印象よりも評価が上がったカードはなんですか
平山:《モンスーンの魔道士、ラル》ですね。
平山:最初は《遵法長、バラル》に毛が生えた程度のカードだと思っていましたが、裏返ったらゲームに勝つし、想像以上に強かったです。《ルビーの大メダル》だけであればTier3止まりであったルビーストームをトップメタへと押し上げ、現在のメタゲームを作り上げたのは《モンスーンの魔道士、ラル》だと思います。
松浦 拓海
新モダン環境、現時点でのベストデッキは何だと思いますか
松浦:私も使っているボロスエネルギーだと思います。
松浦:まず、デッキ内のほとんどのカードが『モダンホライゾン3』のカードであり、カードパワーが高いです。そして、ルビーストームやナドゥコンボに対して有効なメタカードをサイドボードに用意できるのが強みですね。
松浦:ボロスエネルギーで特に強いと思うカードは《電気放出》で、《喜ぶハーフリング》のような厄介なクリーチャーを倒しながらエネルギーを貯めることができたり、将来的に《有翼の叡智、ナドゥ》を落とせるなど、使い勝手が良いです。
『モダンホライゾン3』の発売後、最初の印象よりも評価が上がったカードはなんですか
松浦:《魂の導き手》ですね。このカードは想像している以上に強力でした。
松浦:1ターン目に《魂の導き手》、2ターン目に《色めき立つ猛竜》といった動きでいきなり《鏡割りの寓話》が戦場に出ることもあったり、かなり強力なカードです。飛行を付与できる能力もすごくて、《敏捷なこそ泥、ラガバン》の攻撃を通すことができたり、活躍する場面が多いですね。
松本 友樹
新モダン環境、現時点でのベストデッキは何だと思いますか
松本:大会にもよると思うのですが、今回のような新環境初期のお祭りイベントでは、自分も使っているナドゥコンボ、そしてルビーストームのような押しつけが強いデッキがベストなのではないかな、と思います。
松本:ナドゥコンボに対しては《過酷な指導者》など、話題になっている対策カードはあるのですが、ナドゥコンボ側にも対策カードを対処するためのカードがありますし、実際にナドゥコンボがどのような動きのバリエーションがあって、なにを止めればコンボが完全に止まるのか、しっかりと理解しているプレイヤーが現時点では少ないと思うんです。
松本:このまま研究が進んで、プロツアーのような舞台でナドゥコンボやルビーストームが勝てるのかと言われると疑問は残りますが、現時点ではこれらがベストデッキだと考えます。
『モダンホライゾン3』の発売後、最初の印象よりも評価が上がったカードはなんですか
松本:《ウギンの迷宮》です。2マナ土地としてトロンのようなデッキで使うにしても、7マナ以上のエルドラージを刻印するようではベストな動きではないし、弱いと思っていました。
松本:しかし、実際に使ってみて、あるいは使われてみると《運命を貪るもの》の占術のような能力や、《コジレックの命令》のように器用に使えるカードが活躍して、《ウギンの迷宮》によって失ったアドバンテージも取り返せることがわかりました。それらのエルドラージ関連のカードも含めて、《ウギンの迷宮》は最初の印象よりもかなり評価が上がりましたね。
松原 雄介
新モダン環境、現時点でのベストデッキは何だと思いますか
松原:ルビーストームです。現環境はルビーストームやナドゥコンボなど3ターン目までに勝負が決まる環境だと考えておりまして、3ターン目までなにもできないデッキはチャンスが少ないと感じています。
松原:分かりやすい例がリビングエンドで、3ターン目にとても強力な動きができるデッキですが、逆に3ターン目まで盤面に干渉することができないデッキでもあるので、そこが現環境では厳しいポイントかなと思います。
松原:対して、ルビーストームはサイドボード含めてできることが多く、たとえストームを止められても《火の怒りのタイタン、フレージ》などでフェアに戦うこともできますし、現環境のベストかな、と。
松原:ただ、自分は今回、性に合っているということでエルドラージトロンを持ち込みました。《ウギンの迷宮》のおかげで2ターン目に《三なる宝球》が置けるなど、早いターンからコンボデッキを止めることができます。
『モダンホライゾン3』の発売後、最初の印象よりも評価が上がったカードはなんですか
松原:《火の怒りのタイタン、フレージ》です。
松原:フェアデッキに対して強いことは言うまでもないのですが、ストームデッキミラーでも活躍するカードで、ライフを安全域に保つことで、相手のストーム回数の要求値を高めることができるなど、隙がありません。