『東西モダン最強決定戦』 西エリア 決勝カバレージ

晴れる屋メディアチーム

モダン環境には、過去2度の『革命』が起きた。

レンと六番否定の力

『モダンホライゾン』

一度目は、《レンと六番》《否定の力》による革命。

敏捷なこそ泥、ラガバンウルザの物語悲嘆

『モダンホライゾン2』

2度目は、《敏捷なこそ泥、ラガバン》《ウルザの物語》、インカーネーション・サイクルによる革命。

そして3度目は、2024年6月14日にやってきた。『モダンホライゾン3』の発売である。

ウギンの迷宮色めき立つ猛竜有翼の叡智、ナドゥ

『モダンホライゾン3』

誰もが予想していた革命はエルドラージ、エネルギー、《有翼の叡智、ナドゥ》。しかし、本当の革命は姿をひそめ、予想の影から暗黒の如く出現した。

マッチアップ

堀 雅貴の黒単ネクロドミナンス

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堀 雅貴

ネクロドミナンス不憫な悲哀の行進魂の撃ち込み

堀 雅貴が使用するのは「黒単ネクロドミナンス」。

古のエンチャント《ネクロポーテンス》の調整版《ネクロドミナンス》の名を冠するこのデッキには、黒の強力なカードがこれでもかと詰め込まれている。ライフを大量に支払って手札を補充することができ、大量の手札から《不憫な悲哀の行進》《魂の撃ち込み》でライフを大量回復することも可能だ。

不敬者破りボガートの獲物さらい

また、あらたに追加されたスペルランドは《悲嘆》《魂の撃ち込み》のピッチスペルになれる土地でありながらマナフラッド受けでもあり、潤滑油的な役割となるのだ。

田中 隆のエルドラージ・トロン

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田中 隆

ウギンの迷宮運命を貪るものコジレックの命令

田中 隆が使用するのは「エルドラージトロン」。

『モダンホライゾン3』による強化の恩恵を最も受けたといっても過言ではない、トロンの亜種。モダン環境に現れた用途不問の2マナ土地、《ウギンの迷宮》によりモダンにおいても1ターン目《虚空の杯》X=1や2ターン目《三なる宝球》が可能となった。 《エルドラージの寺院》《ウギンの迷宮》のおかげで、ウルザ土地すら並べず完勝することもある。

『モダンホライゾン3』によって覚醒したデッキと、強化されたデッキ。 TC大阪モダン環境の代表、そのトップを掴み取るのは果たしてどちらか。

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堀 雅貴(左)、田中 隆(右)

ゲームの模様

Game1

先手の堀がノーマリガン、田中が1マリガンでゲーム開始。

……の前に、田中が手札からカードを公開する。アップキープ開始時にライブラリーの上から4枚を見て、うち1枚をライブラリーの上に置いてもよい――『モダンホライゾン3』からのニューホープ、《運命を貪るもの》だ。

運命を貪るもの

これに対し、堀はさっそくフェッチを切って《沼》を置き、《思考囲い》。黒のデッキから”ご挨拶”。公開された田中の手札は《ウルザの鉱山》2枚《ウルザの塔》《全ては塵》《探検の地図》。ウルザ土地が揃っていないのを見た堀は、迷わず《探検の地図》を捨てる。

田中のターン。待ちに待ったライブラリー4枚を確認する時間だが――なんと田中はそのいずれも選ばず、すべて追放した。というのも、確認した4枚の中には、探している《ウルザの魔力炉》や、それを探す手段がなかったのだ。置いても「よい」という選択肢を有効活用したといえる。

虚空の杯オークの弓使い

ただ、その後のドローでも欲しい土地を引けなかった田中は、ひとまず《ウルザの鉱山》を設置してターンエンド。堀もまた、《湿地の干潟》を置くのみに留まりエンド。返しのターン、《ウルザの塔》を盤面に出した田中は、X=1で《虚空の杯》を唱え、堀の動きを縛りにかかる。だが、堀も負けじとエンド前に《オークの弓使い》。受け取ったターン、『オーク動員』で呼び出されたトークンと共に攻撃を仕掛け、田中のライフを削りはじめる。

ボガートの獲物さらいボガートの沼地

戦闘後メインフェイズに、堀は《ボガートの獲物さらい》を裏面の土地《ボガートの沼地》としてタップイン。これも『モダンホライゾン3』からの、細やかだがありがたい強化の一つだ。

さて、田中としては早々に3種類のウルザ土地を揃えたいところだが、未だ《ウルザの塔》を置いてターンを渡すのみ。かなり苦しい流れである。 堀は好機とばかりに、さらにオークで攻撃。

一つの指輪

そして、1枚のカードが堀を一気に優勢に傾けた。モダンどころかレガシーでも大活躍する強力なアーティファクト――《一つの指輪》である。

毎ターンアドバンテージをもたらす置物により、戦況は変わる。《一つの指輪》をタップしてドローする堀を見て、田中は自分のペースを取り戻したいところだが、置いた土地は《エルドラージの寺院》

ターンをもらった堀は指輪の呪いで1点のライフを失うが、大した痛手ではない。堀が盤面に繰り出したのは、偉大なる法務官の一角《黙示録、シェオルドレッド》

一つの指輪黙示録、シェオルドレッド

堀はドローするだけでライフを得て、田中はドローで命を削られる。しかも堀の方には、《一つの指輪》による追加のドローまで付いてくる。悪夢のような光景だ。 これに対し、田中は《黙示録、シェオルドレッド》が着地する前に《コジレックの命令》を唱える。こちらも『モダンホライゾン3』で参戦し、柔軟な動きでトロンデッキを1ランク上の段階に引き上げたナイスなカードだ。

コジレックの命令

選ばれたモードは「エルドラージ・落とし子・トークン生成」と「占術3+1ドロー」。トークンを3体生成した田中は、危険すぎる状況ながら、ひとまず安心した様子である。返したターンで指輪を起動され、《黙示録、シェオルドレッド》でライフを回復されるが、田中はなお冷静。次ターンに落とし子を生贄に捧げて唱えたのは、ゲーム開始時から手札にあった《全ては塵》

全ては塵

堀は土地と《一つの指輪》以外のパーマネントを生贄に捧げる羽目になるも、次の自ターンで《一つの指輪》で3枚のカードをドロー、 4マナで《悲嘆》を唱えた。公開された手札は《虚空の杯》《再誕世界、エムラクール》《運命を貪るもの》。堀が選んだのは《運命を貪るもの》

「――間違えた」

つぶやいたのは掘。彼は本当なら、このカードを出してから《悲嘆》を唱えるつもりだったのだ――

ダウスィーの虚空歩き

――同じく『モダンホライゾン2』で黒を強化した《ダウスィーの虚空歩き》。 これで堀のハンデスは、相手のカードを奪う手段にもなった。どうにかして再度盤面をリセットするか強力なフィニッシャーを叩きつけたい田中だが、土地を出すことしかできない、もどかしい時間が続く。

堀はその隙を見逃さず、《悲嘆》《ダウスィーの虚空歩き》で攻撃して、田中のライフを5に減らす。

続けざまに指輪にカウンターを載せてドロー、《オークの弓使い》を再び送り込んで1点。そして手札から2枚の黒のカードを追放して、《魂の撃ち込み》による4点で押し込む!

魂の撃ち込み

《全ては塵》後もカードを供給し続けた指輪がクロックと火力を供給、みごと1ゲーム目を勝利した。

Game2

談笑を交えつつサイドボードを入れ替え、ゲームは2戦目へ。双方ノーマリガンで開始。

ここでも田中は《運命を貪るもの》を公開。デッキの上の4枚は《コジレックの命令》《再誕世界、エムラクール》×2、《ウギンの迷宮》。田中は《コジレックの命令》をデッキトップに置き、《ウルザの魔力炉》から《探検の地図》を置いてターンを渡す。一方堀はというと、《マラキールのぬかるみ》をタップインしてエンド。先程とは打って変わって、静かなスタートだ。

減衰球

田中も《ウルザの鉱山》を置いてターンエンド。次のターンからは7マナが田中の戦場に産み出される状況だが、堀がそれを許すはずがない。戦場に設置されたのは、呪文の連打と多量のマナの生成を許さない《減衰球》だ!

これでプランの変更を余儀なくされた田中は、《探検の地図》から《ウルザの塔》を持ってくるのをやめた。代わりに手札に引き込んだのは、トロンデッキの“プランB”、すなわち《ウルザの物語》である。

 
ウルザの物語

自ターンに《ウルザの物語》を置いてターンエンドした田中に対し、堀はフェッチを切り、《ダウスィーの虚空歩き》→想起コスト+《減衰球》の1マナで《悲嘆》を唱えて一気に攻勢をかける。

《悲嘆》のハンデス誘発に対し、田中は《コジレックの命令》をX=1で唱えた。モードは1ゲーム目と変わらず「落とし子・トークン生成」と「占術1+1ドロー」で、トークンを1体生成したうえでデッキトップを変更せずに1ドロー。

三なる宝球

ここで《悲嘆》が解決。田中の手札は《ウギンの迷宮》×2、《エルドラージの寺院》《運命を貪るもの》×2、《三なる宝球》。少し考えた末に、堀は《三なる宝球》は捨てさせてターンエンド。

受け取ったターン……田中はどうにも複雑な様子で、《エルドラージの寺院》を置いてエンド。これに対し堀はハンデスで選択肢を狭めようと《思考囲い》を唱えた。 だがこれが、思いもよらない事態を引き起こす。

再誕世界、エムラクール

なんと田中、《再誕世界、エムラクール》を引いてしまっていた!田中はマッドネスで《再誕世界、エムラクール》を唱える機会を得るが、そのコストが支払えない。《再誕世界、エムラクール》は墓地に置かれることになり、《ダウスィーの虚空歩き》に捕まってしまう!

つまり――思いがけず、堀は対戦相手のフィニッシャーを奪い取ったのである!</p>

とんでもない事態に直面し、田中の表情にも焦りが浮かぶ。エンド前に《ウルザの物語》《構築物トークン》を戦場に出して、さらに第3章の能力で《地獄料理書》を戦場に出し、自らの最終兵器に対する解答を考えるも、ターンを渡すほかない。

屍呆症

返しのターン、堀はもちろん《再誕世界、エムラクール》で攻撃。一撃で田中のライフを8まで詰めてしまう。それどころか、堀は確実な勝利を手に入れるべく《屍呆症》を唱え、《ウルザの塔》を宣言する。(対戦終了後、堀は「《一つの指輪》を宣言しておくべきだった」と振り返っていた)

ウルザ土地のひとつを完全にデッキから引き抜かれてしまった田中は、あきらめずに《コジレックの命令》のドローと通常のドローで逆転の一手を探すも、ここで万策尽きた!

 

 『東西モダン最強決定戦』西日本代表、優勝は堀 雅貴! おめでとう!

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ウィザーズ・オブ・ザ・コースト東京オフィスで開催される、「東vs西エキシビションチームマッチ」に招待されるトップ3。
日下部 恭平(3位)・堀 雅貴(優勝)・田中 隆(準優勝)

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