はじめに
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
来月、7月26日(金)にはスタンダード最新セット『ブルームバロウ』のプレリリースが始まり、同時にスタンダード環境がローテーションを迎えます。
トップメタのデッキを支え続けたこれらのカードが使えなくなり、代わりにまったく新しいカードたちが新スタンダードを盛り上げることになるでしょう。
さて、巡りに巡ったメタゲームもいよいよ最終局面を迎えております。最新の大会結果を確認しながら、現スタンダード環境で好成績を残しているデッキをチェックしましょう!
6/14(金)『Standard Challenge 32』#1
6/14(金)はマジックオンラインにて『Standard Challenge 32』が2回開催されました。まずは34名が参加した1回目の結果から。
6/14『Standard Challenge 32』#1
優勝 ディミーアミッドレンジ
準優勝 赤単
3位 赤単
4位 赤単
5位 オルゾフミッドレンジ
6位 オルゾフミッドレンジ
7位 ディミーアミッドレンジ
8位 アゾリウスコントロール
赤単が猛威を振るうなか、優勝したのはディミーアミッドレンジでした。新興勢力のオルゾフミッドレンジもTOP8に2名を送り込む活躍を見せています。
優勝 「ディミーアミッドレンジ」
こちらが優勝したデッキのリストです。メインから《ヴェールのリリアナ》が採用されており、対ミッドレンジや対コントロールを意識した構成になっております。
序盤から軽い飛行クリーチャーを戦場に送り込み、《ヨーグモスの法務官、ギックス》でドロー重ねながら、豊富な手札でバックアップされたクロックパーミッションを完遂させます。これぞディミーア、という手堅い戦略です。
低マナ域に優秀なハンデス、打ち消し、クリーチャー除去が揃い、隙がありません。対戦相手からすれば、これらの妨害を乗り越えながら「飛行クリーチャーによるクロック」と「奥義までのカウントダウンを続ける《ヴェールのリリアナ》」の両方を対処しなければならず、難しいゲームとなります。
《黙示録、シェオルドレッド》のライフ回復能力、《最深の裏切り、アクロゾズ》の絆魂は赤単やボロス召集といったアグロデッキ対策にもなります。パワー4で殴りかかることができるミシュラランドも終盤戦は強力です。
現スタンダード環境における有力なフェアデッキはたくさんありますが、《太陽降下》という環境を定義づける全体除去に対して一番強く対抗できるのがディミーアミッドレンジです。
ハンデスと打ち消しという2つの軸で妨害ができるため、《太陽降下》を簡単に許すようなことがありません。エスパーミッドレンジでも同じことは言えますが、マナベースの安定性がディミーアミッドレンジに劣ります。
アグロに始まり、アゾリウスコントロール、ドメインランプといった遅いゲームレンジのデッキに対しても対等以上に戦えることから、現スタンダード環境でもっとも有力なデッキと考えられています。
6/14(金)『Standard Challenge 32』#2
続いて、36名が参加した2回目の結果です。
6/14『Standard Challenge 32』#2
優勝 ディミーアミッドレンジ
準優勝 オルゾフミッドレンジ
3位 ゴルガリミッドレンジ
4位 オルゾフミッドレンジ
5位 オルゾフミッドレンジ
6位 赤単
7位 グルール果敢
8位 ドメインランプ
ここでも優勝はやはりディミーアミッドレンジでしたが、準優勝を含めてTOP8に3名が入賞したオルゾフミッドレンジに注目していきたいと思います。
準優勝 「オルゾフミッドレンジ」
こちらが準優勝したデッキのリストです。ちなみに4位と5位のデッキもほぼ同じ構成で、最近人気のアーキタイプのようです。
優秀な黒のクリーチャーに加え、白のパワーカードによるトークン+全体強化がシンプルながら強力な戦略となります。
環境的にディミーアミッドレンジが優位ではあるものの、戦場に出た《婚礼の発表》や《忠義の徳目》はディミーアカラーで対処することが難しく、その弱点をつけるのはオルゾフミッドレンジの強みとなります。
また、赤単やボロス召集がサイドに忍ばせている代表的なメタカード、《石術の連射》がオルゾフミッドレンジにはほとんど効きません。ひと仕事終えた《放浪皇》をなんとか処理できる程度で、バリューはかなり下がります。
ここは《策謀の予見者、ラフィーン》が主戦力のエスパーミッドレンジと大きく差がつくポイントと言えるでしょう。
逆にサイド後は赤単やボロス召集、グルール果敢といった赤いデッキを黙らせます。
また、《強迫》《ヴェールのリリアナ》《敵意ある調査員》によるハンデス戦略はコントロールやランプ系のデッキに対して優位に働きそうです。
長きにわたってエスパーミッドレンジが環境の覇者となり続けていましたが、ここにきて「真のミッドレンジの王者」と呼ぶべきデッキが誕生したのかもしれませんね。
とはいえ、ローテーション後は《婚礼の発表》と《放浪皇》を失うことになるため、このデッキを使うとしたら今が旬となるでしょう。
6/23(土)『スタンダード神挑戦者決定戦トライアル』
最後に、晴れる屋TC東京で行われた『スタンダード神挑戦者決定戦トライアル』の優勝デッキを紹介したいと思います。
優勝 「ディミーアフライング」
こちらがトライアルを勝ち抜いたセキ タカユキさんのデッキです。セキさんには7月13日(土)に行われる『第27期スタンダード神挑戦者決定戦』にて、1byeを得た状態で参加する権利が与えられます。本番も頑張ってください!
さて、奇しくも今回取り上げた3つの大会の優勝デッキはすべてディミーアミッドレンジとなりました。いずれのデッキにも《フェアリーの黒幕》《大洞窟のコウモリ》が各4枚採用されており、このコンビは今後もよく見かけることになりそうです。
しかし、よく見るとセキさんのデッキは通常のディミーアミッドレンジとコンセプトが違うようです。必須と思われた《腐食の荒馬》は不採用で、メインから採用されているクリーチャーはすべて飛行を持っています。
マジックにおいて、飛行クリーチャーに+1/+1カウンターがたくさん乗ることは超強いことです。そして、自分のターンにカードを2枚以上引くことで《プロフトの映像記憶》はそれを可能にします。
このデッキに採用されているクリーチャーはただ飛行を持っているだけではなく、墓地に置かれた《フェアリーの夢泥棒》はドローに変換できますし、《蒸気核の学者》は戦場に出るだけでカードを2枚引くなど、ドローを促進させる能力を持っています。
そして、《アモンケットへの侵攻》はカードを引きながら対戦相手の手札を攻め、裏返ることで墓地にあるいずれかのクリーチャーの4/4のコピーとして戦場に出る恐ろしいパーマネントです。
この手のリアニメイト的なカードを使う場合は、ついつい《偉大なる統一者、アトラクサ》のようなカードを採用したくなりますが、デッキの安定性が下がりそうです。
冷静に考えると、4/4の《大洞窟のコウモリ》や《蒸気核の学者》が出るだけで十分すぎるほど強いことがわかります。
もちろん、対戦相手の墓地に《偉大なる統一者、アトラクサ》が落ちればビッグチャンスですし、《アモンケットへの侵攻》はどうあっても強いカードですね。
《ドラニス遺跡》は滅多に見ない土地ですが、,でクリーチャーに+1/+1カウンターを2個も乗せてしまう、見るからにヤバい土地です。
「このターンに戦場に出て人間でないクリーチャー」という条件はあってないようなもので、実は超強い土地なのでは!?なぜ今まで、使われてこなかったのでしょうか。
《プロフトの映像記憶》はパイオニアのイゼットフェニックスで採用されることもあり、カードパワーの高さは折り紙つきです。《帳簿裂き》があっという間に怪物サイズへと成長する場面を私は何度も確認しました。
新時代の飛行デッキ、ぜひ使用感を味わってみたいですね!
おわりに
慣れ親しんだスタンダードのデッキが使えるのも、残すところ1ヵ月となりました。みなさん、思い残したことはありませんか?
「あのカード、買ったきり1回も使わなかったなぁ」なんて悔いを残さないようにしましょう。(今見ると、超強そうなカードがたくさんありますね)
そして、来月7/26日(金)からは『ブルームバロウ』の新カードたちが活躍する新スタンダードへと突入します。ローテーションまでラストスパート!
今からでも新デッキを作ってスタンダードを楽しみましょう。それでは、また!