『モダンホライゾン3』リミテッドについて知っておくべきこと

Marcio Carvalho

Translated by Takumi Yamasaki

原文はこちら
(掲載日 2024/06/19)

はじめに

やあ!今回は『モダンホライゾン3』のリミテッドについて語っていくことにしよう!

これは『モダンホライゾン』シリーズの3つ目のセットで、スタンダードやパイオニアでは使えないが、モダンやレガシー、ヴィンテージのような古いフォーマットで活躍するカードを収録したセットだ。それを考慮すると、このセットのカードパワーは非常に高く、それはリミテッドでも同様である。

再誕世界、エムラクール穢すもの、ウラモグ崩壊した現実、コジレック

このセットではエルドラージ・トリオが再登場する。エムラクール・ウラモグ・コジレックが復活し、それらに続くほかの大型エルドラージ・クリーチャーも満載だ。

この記事では『モダンホライゾン3』のメカニズムや能力など基本的なことを説明し、リミテッドで優秀なカードや好きな色、アーキタイプ、そしてこのセットで最も強力だと思われるカードを紹介しよう。

メカニズム

リミテッドに関して言えば、『モダンホライゾン3』はプレイするのが簡単なセットではない。このセット特有の新しいメカニズムがないにもかかわらず、以前のセットからの古いメカニズムがたくさんあるので、それらを把握する必要があるのだ。

NulldrifterGuide of SoulsSpringheart NantukoCrabomination

「滅殺」「エネルギー・カウンター」「授与」「昇殿」「順応」「現出」「脱出」「督励」など、さまざまなメカニズムを持つカードが数多く存在する。これらのカードに馴染みがなかったり、どのように機能するのかわからなかったりする場合は、リアルでプレイしているのであればお近くのジャッジに、オンラインでプレイしているのであればGathererを利用しよう。

無色マナ

冠雪の荒地

このセットで「無色マナ」について語るのは重要で、もしマジックに5色のパイ(白・青・黒・赤・緑)以外の色があるとすれば、それは無色マナだろう。唱えるために無色マナを必要とするカードが多く存在し、このマナは《荒地》や無色マナを生成するマナ源によってのみ生成される。

コジレックの命令

《コジレックの命令》のような無色呪文は、唱えるために無色マナを必要とする。『モダンホライゾン3』のリミテッドで無色マナを用意するためには、《冠雪の荒地》や無色マナを出せる土地をピックする必要があり、シールドであれば開封したプール内にあるものだけしか使用できない。

両面カード

『モダンホライゾン3』には、『ゼンディカーの夜明け』で登場した土地としても呪文としてもプレイできるサイクルがある。これらのカードはその汎用性から非常に優れているだけでなく、このフォーマットのリミテッドで成功するための鍵となる。

不敬者破り橋仕掛けの戦い根絶やし根鎮圧光線

《不敬者破り》《橋仕掛けの戦い》《根絶やし根》《鎮圧光線》など、このサイクルのカードは序盤に必要な土地と終盤に唱える呪文を確実に確保してくれる。通常リミテッドでは、40枚のデッキに17枚の土地カードを使うことが推奨されているが、両面カードを使う場合はこれらを土地枠として使うことを推奨する。

各色のトップコモン

新しいメカニズムについて説明したところで、ここでは各色のお気に入りのコモンについて話そうと思う。コモンはリミテッドで一番多く使われるカードなので、特に注意を払う必要がある。今回のデザイン・チームはカードの汎用性に多くの配慮をし、同じカードでも多くの選択肢やプレイの方法を与えてくれたおかげで、さまざまな戦略が生まれるようになっていると感じる。

一見したところ、白のコモン・クリーチャーは多くのことができ、戦場に出るときや攻撃するときにプレイヤーにいくつかの選択肢を与えてくれる。

呪い金のスリス閃いた発明者

その良い例が、《光袖会の収集者》を彷彿とさせる《呪い金のスリス》だ。《閃いた発明者》もまた戦場に出たときにエネルギーを生み出せる優秀なコモン・クリーチャーで、このエネルギーは《呪い金のスリス》が攻撃するときにも使うことができるので、先制攻撃を付与してブロックさせづらくすることが可能だ。

Aerie Auxiliary

《空からの援軍》は「支援2」で自分のクリーチャーに+1/+1カウンターを置くことができる飛行クリーチャーで、+1/+1カウンターが置かれたときに何らかの能力を発揮するクリーチャーや、アグレッシブな戦略でとても活躍してくれる。

卑しき者の排斥犬の陰影

《卑しき者の排斥》は序盤は軽量除去として使用でき、「キッカー」することで手堅い除去にもなる。個人的な白のトップコモンは《犬の陰影》で、《平和な心》と似たようなエンチャントだが瞬速があり、自分のクリーチャーに付ければ「陰影鎧」で守ることが可能だ。

血清の幻視家

全体的に青にはテンポの良いカードがそろっており、ゲーム終盤で重い呪文をプレイできるだけでなく、追加でカードをドローすることもできる。《血清の幻視家》はほかのセットであればアンコモン級のカードだが、『モダンホライゾン3』ではただ単に優れたコモンクリーチャーだ。

霊気の撃ち込み

《霊気の撃ち込み》は基本的に《誤算》と同じ働きをするが、必要とあればすでにあるエネルギーを消費してさらにマナを要求できるし、対戦相手にマナを支払うだけの土地がなければエネルギーを節約することもできる。

ひどい出来

《ひどい出来》にはかなり驚かされた。古くから青にはあまり良い除去がなく、対戦相手に選択肢を与えることは通常望むことではない。しかし、土地でないパーマネントなら何でも対象にできることと、このセットには大型のエルドラージ・クリーチャーがウロウロしているという事実が、このカードをかなりまともなものにしている。

小物の極み

《小物の極み》は青に適したもうひとつの除去で、戦闘中に相手のクリーチャーを弱体化させるだけでなく、必要なら追放して戦場からどかすこともできる。

絶息枯死と開花

黒はリミテッドの除去担当としてよく知られている。《絶息》はアップグレードされた《殺害》であり、リミテッドにおいて《殺害》はすでに最高級の除去として使われていた。このカードが、このセットで最高のコモンのひとつであることは間違いない。

《枯死と開花》はそれほど悪いカードではない。マイナス修正の除去でありながら、使用後にクリーチャーを強化できるのは優秀だ。特に、+1/+1カウンターが置かれたときに何らかの能力を発揮するクリーチャーとの相性がいい。

Dreamdrinker Vampire呪われた匪賊

《夢呑みの吸血鬼》は絆魂を持つ汎用性の高いクリーチャーであり、序盤のクロックとしても頼もしく「順応」戦略にも合っている。

《呪われた匪賊》は出たときに互いにクリーチャーを生け贄にさせる能力を持つが、トークンを生け贄にできないというのはエルドラージ・落とし子・トークンを出すカードの多いこのセットでは非常に重要だ。自身を生け贄に捧げることも多いが、それでもまあまあのコモンクリーチャーである。

刷新された使い魔悪臭のガルガンチュア

《刷新された使い魔》は優秀な飛行クリーチャーで、シールドよりもアーティファクトをピックで集められるドラフト向きのカードだろう。

《悪臭のガルガンチュア》は、自分のクリーチャーに+1/+1カウンターを置けるデッキと相性が良く、カードを引きつつ盤面で存在感を放てるサイズであるのはコモンクリーチャーとして優秀だ。

グレイブディグ

《グレイブディグ》もかなり良いカードで、序盤にプレッシャーをかけたければ2/2のゾンビを生成でき、墓地からクリーチャーを回収することでアドバンテージも得られる。「双呪」によりどちらも実行できる選択肢があるのもうれしい。

赤のコモンはそれほど好きになれなかった。クリーチャーのカードパワーが低く、除去は良いものもあるが盤面の大型クリーチャーを対処することができない。

虚空襲い熾火魔道士、スコア

とはいえ、赤をプレイするならデッキに迎え入れたいカードもある。《虚空襲い》《現実を砕くもの》の小型版で、「キッカー」すれば速攻とトランプルを持つ5/3のクリーチャーになる。

《熾火魔道士、スコア》は好きな対象に4点ダメージを与えられるクリーチャーで、ブリンクできるようなギミックがデッキにあればさらに活躍してくれるだろう。

牙持つ炎電気放出

《牙持つ炎》《電気放出》は赤の基本的な除去で、どちらも中型までのクリーチャーを除去するのには非常に役立つが、サイズの大きいエルドラージを使う相手だと苦戦する。

恐ろしい襲撃

緑はコモン枠に優秀なクリーチャーが多いが、除去呪文は少し欠けている。《恐ろしい襲撃》は緑で使える唯一のコモン除去でかなり優秀だ。

日を浴びる繁殖鱗エルドラージの再利用者

クリーチャーについて言えば、《日を浴びる繁殖鱗》は「順応」で3/3になりつつ、後続の大型エルドラージに繋げやすくなる落とし子・トークンを生成する非常に優秀な2マナ域だ。《エルドラージの再利用者》は3マナ3/3と手堅いカードで、唱えたときと死亡したときに落とし子・トークンを残す。

進化の証人ベラドンナのドライアド

《進化の証人》はとても優秀な3マナ域で、「順応」で4/3にしつつ墓地からパーマネントを戻せるだけでなく、ほかのカードで追加のカウンターを置ければさらにパーマネントを回収することができる。

《ベラドンナのドライアド》は色マナと無色マナを生み出せるマナクリーチャーであり、接死があるのでブロッカーとしても非常に優れている。

巨大な戦慄面ニクス生まれのハイドラ

このセットのリミテッドは少しゲームが長引く傾向にあるが、《巨大な戦慄面》があれば6/6のトランプル・クリーチャーを場に用意できるだけでなく、+6/+6&トランプル修正を与える装備品の側面もあるので、ロングゲームを制する武器となるだろう。

授与」は一般的にリミテッドで強力なメカニズムであり、《ニクス生まれのハイドラ》はそれをよく表している。《巨大な戦慄面》もそうだが、これらのカードは停滞した盤面を突破するのに役立つ。

土地

Tranquil LandscapeShattered LandscapeBountiful Landscape

『モダンホライゾン3』には、無色マナ源にもなり基本土地をサーチできる10枚のフェッチランドサイクルがある。無色を含めれば4色分の色を確保することができるため、リミテッドでは非常に重要なカードだ。

無色マナ源の重要性は前述した通りで、最低でも2種類以上の土地をサーチできるのであれば、リミテッドのデッキではできるだけ多く採用すべきだろう。ゲーム終盤では「サイクリング」により新しいカードに変換することもできる。

カラーランキング

ここでは、このセットの色を好きなものから嫌いな色の順にランキングしていく。これはあくまでこのセットのコモンについてのファーストインプレッションであり、この環境をもっとプレイするにつれて変化していくことだろう。

絶息Wither and Bloom

1位は黒だ。コモンに2つの優秀な除去呪文があり、さまざまなアーキタイプと相性が良いというのが、この色をプレイしたいと思わせるのに十分だからだ。

Basking BroodscaleTemperamental OozewaggColossal Dreadmask

緑を2位にしたのは、コモンに除去呪文があまりないにもかかわらず、優秀なクリーチャーカードがたくさんあるからだ。アンコモンまで見れば除去呪文の不足は多少改善されるし、より多くの除去が使えるいくつかの色とうまく組み合わせられると思う。

Dog UmbraExpel the UnworthyAerie Auxiliary

次点で白だ。コモンに非常に強力な除去があり、優秀なクリーチャーがいる。

Aether SpikeSerum VisionaryBrainsurge

青はテンポの良いカードや打ち消し、そしてドロー呪文などがあるが4位におさまった。

Galvanic DischargeVoidpouncerSkoa, Embermage

赤は最下位で、コモンがほかの色に比べると少し物足りない印象だ。しかし、もし赤のカードプールが充実していたり、ドラフトで赤が空いていると感じたならその道を進むべきだ。

アーキタイプ分析とランキング

この章では『モダンホライゾン3』に存在するアーキタイプを分析し、それぞれのゲームプランについて話そうと思う。現時点でのお気に入りアーキタイプから、あまり好みではないアーキタイプまで順位付けする。これもこのセットでの最初の分析であり、リミテッドの研究が進めば変わることだろう。

1位 黒緑順応 BG

このアーキタイプはかなり強力で、「順応」でクリーチャーを強化していくことを基本としている。

力漲る腹拵え骨の皇帝

プレイする上で覚えておきたいのは、すでに+1/+1カウンターが乗っているクリーチャーは「順応」できないが、《力漲る腹拵え》などほかのカードでカウンターを置いた場合、《骨の皇帝》のようにカウンターが置かれた際に能力が誘発するカードであれば、再びその能力が誘発するということだ。

呪われたウォンバット

《呪われたウォンバット》はこのアーキタイプをよく表しているカードで、自分のパーマネントに追加で+1/+1カウンターを置くことができる。この色の組み合わせは堅実なミッドレンジ戦略を取ることができ、『モダンホライゾン3』リミテッドで最もパワフルなアーキタイプになると思う。

2位 緑白授与 GW

金之尾の教練者象形の精霊ニクス生まれのハイドラ

「授与」はリミテッドにおいて素晴らしいメカニズムであり、エンチャントしたクリーチャーに修正を与えるだけでなく、そのクリーチャーが死亡した場合は「授与」していたエンチャントがクリーチャーとなって戦場に残る。これによって得られるアドバンテージはとても大きいだろう。

《金之尾の教練者》《象形の精霊》《ニクス生まれのハイドラ》は、ぜひともこのアーキタイプでプレイしたいカードだ。

3位 緑青エルドラージ GU

虚構漂い捻じくれた謎守り噛み付く虚空袋

このアーキタイプは大型クリーチャーのためにランプすることがすべてであり、《虚構漂い》《捻じくれた謎守り》などがその大きな見返りとなってくれる。デッキを機能させるためにマナを生み出し手助けしてくれるのが、《噛み付く虚空袋》だ。また十分な落とし子・トークンがいれば、エルドラージのBIG3(コジレック・ウラモグ・エムラクール)を唱えることも不可能なミッションではないだろう。

4位 白黒サクリファイス WB

マリオネットの見習い飢饉の祖、シルゲンガー犠牲

白黒サクリファイスは、クリーチャーが死亡するのを利用してアドバンテージを得ようとするデッキだ。キーカードは《マリオネットの見習い》で、《飢饉の祖、シルゲンガー》《犠牲》のようなカードに加えて大量の除去との組み合わせが、このアーキタイプを良いものにする。

(※編注:《マリオネットの見習い》にはテキストの訂正が公式からお知らせされています)

5位 赤緑エルドラージ RG

巨人の先兵ウンパスの逸脱者のたうつ蛹

いくつかあるエルドラージのアーキタイプのなかでも、より攻撃的なのがこの赤緑エルドラージだ。このアーキタイプは大型クリーチャーをプレイしようとしてる一方で、落とし子・トークンを大量に生み出すことも狙う。《巨人の先兵》《ウンパスの逸脱者》《のたうつ蛹》などがデッキに採用したいカードだ。

6位 黒赤アーティファクト BR

頭蓋槌刷新された使い魔エーテリウムのプテラマンダー

黒赤アーティファクトは「親和(アーティファクト)」で呪文を軽く唱えつつ、生体武器や軽い装備品でアグレッシブに動くアーキタイプだ。《頭蓋槌》《刷新された使い魔》《エーテリウムのプテラマンダー》は、このアーキタイプをよく表しているカードだろう。

7位 赤白エネルギーアグロ RW

電達ゴブリングレムリンの小走り魂の導き手

赤白は「エネルギー・カウンター」をサポートとして使いながら攻めるアーキタイプだ。私の見解では、エネルギーメカニズムはこのセットの主役ではなく、《電達ゴブリン》のように速攻を付与したり、《グレムリンの小走り》がクリーチャーを強化したりするための補助的なメカニズムに過ぎない。

《魂の導き手》はドラフトに限らず、『モダンホライゾン3』リミテッドでプレイするすべての赤白デッキに欲しいカードだ。

8位 青黒3ドロー UB

こそこそサクサク忌まわしき影紡ぎ妬み渇きの神

このアーキタイプは、カードを3枚以上引くことで唱えるコストや能力の起動コストが軽くなるなど、何らかのボーナスを得られるカードのために大量のカードを引こうとする。毎ターン大量にドローできるわけではないが、一般的にリミテッドではカードを引くことは良いことであり、ついでに除去や打ち消しで盤面を制圧しようというわけだ。

《こそこそサクサク》《忌まわしき影紡ぎ》《妬み渇きの神》は、青黒をプレイする際によく採用することになるカードだろう。

9位 白青エネルギー WU

魂火の使者謎の門のガーゴイルエレクトロゾア

白青は回避能力を持つクリーチャーをプレイしながら、細かくアドバンテージを稼ぐために「エネルギー・カウンター」をサポートとして利用する。そこまで悪い戦略ではなく、デッキによっては飛行クリーチャーを止めるのに苦労するだろう。《魂火の使者》《謎の門のガーゴイル》《エレクトロゾア》は、白青を組むときにでよく見かけることになるだろう。

10位 青赤エネルギー UR

サイクロプスの超伝導師イゼットの発電装置反復された稲妻

「エネルギー」メカニズムが脇役であるほかのアーキタイプとは異なり、青赤ではエネルギーが主役になろうとしている。ただ、エネルギーを使って得られる見返りがあまり魅力的ではないので、メインの戦略としてはそこまで機能しないだろう。《サイクロプスの超伝導師》《イゼットの発電装置》《反復された稲妻》などがこのアーキタイプを代表するカードだ。

強力カード トップ10

ここでは、リミテッドをプレイする上で個人的に気に入っているカードについて紹介する。これらのカードは、ドラフトの際にぜひともパックから引き当てたいカードだ。ただ『モダンホライゾン3』には優秀なカードが多くあるので、ランクインしなかったカードの中にもたくさん強力なカードがある。

10位 《春心のナントゥーコ》

春心のナントゥーコ

「授与」とクリーチャーをコピーする能力が組み合わさることで、このクリーチャーは非常にやっかいなものになる。もし除去できなければ、多くのコピーされたクリーチャーの前に敗北することだろう。トップ10入りするには十分な強さがあるカードだ。

9位 《崩壊した現実、コジレック》

崩壊した現実、コジレック

《崩壊した現実、コジレック》適したデッキにおいてとても強力なフィニッシャーになる。適したデッキというのは、このカードを唱えるために必要なだけの落とし子・トークンやマナ加速を中心に構築されたデッキだ。

唱えた後は非常に頼もしく、自分の手札2枚を5/4のクリーチャーに変身させつつ、対戦相手の手札を2枚奪い去って2/2にしてしまう。これにより、相手が隠し持っていた除去を無力化できるかもしれないし、こちらはカードを4枚もドローできる。このカードを解決できたゲームは、おそらく勝てるだろう。

8位 《毒の濁流》

毒の濁流

リミテッドにおいて《神の怒り》のような全体除去は非常に強力であり、《毒の濁流》はわずか3マナしかかからない。特に相手が予想しておらず、1体以上のクリーチャーを除去できたときは格別だ。

7位 《探偵のフェニックス》

探偵のフェニックス

赤をプレイしたい理由がここにある。《探偵のフェニックス》は速攻を持つ飛行クリーチャーではなく、墓地から「授与」でプレイすることが可能だ。序盤から終盤まで活躍し、多くのゲームで勝利を持ち帰ることができるだろう。

6位 《再鍛の刃、ラエリア》

再鍛の刃、ラエリア

《再鍛の刃、ラエリア》はヴィンテージキューブや統率者戦で遊んでいる人にはおなじみの顔だと思う。もしこのカードを知らなければ、出会ったときに自分の側にいることを祈るだけでいい。そのくらいかなり強力なクリーチャーであり、対処できなければアドバンテージを大量に稼がれて、あっという間に手がつけられなくなってしまう。

5位 《忌まわしきカニ》

忌まわしきカニ

対戦相手の手札から1枚奪ったうえで、追放した3枚のカードから1枚をタダで唱えられる6マナ・5/5のクリーチャー。このカードと奪った呪文をプレイすることで実質3:1交換になる無茶苦茶なカードだ。しかも「現出」という最高のおまけまでついている。

4位 《ナカティルの最下層民、アジャニ》

ナカティルの最下層民、アジャニナカティルの最下層民、アジャニ

序盤から戦場に3/3分のクリーチャーを並べられるだけでなく、簡単な条件で破壊的に強いプレインズウォーカーへと変身もできる。とにかく使わせてくれ。

3位 《火の怒りのタイタン、フレージ》

火の怒りのタイタン、フレージ

《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の妹とこのセットで出会うことになったが、《火の怒りのタイタン、フレージ》《ウーロ》と同じくらい強力だ。戦場に出たときと攻撃したときに《稲妻のらせん》を撃ちこむことができ、「脱出」能力があるため対処が非常に難しい。

2位 《孤独》

孤独

『モダンホライゾン2』で初めて登場したこのカードは、今セットのパックでほかの4種類のエレメンタルとともに「スペシャルゲスト・カード」として出現する。公式の記事によると「プレイ・ブースター64パックに1枚の割合で、コモン1枚の代わりに出現する」そうで、セットには10種類のスペシャルゲスト・カードがあるため引き当てるのは簡単なことではない。

とはいえ、《孤独》は瞬速で除去ができる3/2の絆魂クリーチャーであり、ただただ素晴らしいカードだ。

1位 《激情》

激情

《激情》がモダンで禁止されているのには理由があり、リミテッドにおいてもその力を発揮するのは不思議ではないだろう。私が選ぶ「このセットで強力なカード1位」に輝いたが、このカードもスペシャルゲスト・カードであり、前述した通り引き当てるのは非常に難しい。

おわりに

『モダン・ホライズン3』は壮大な旅路のようだ。数々の能力とカードのプレイ方法があり、これから長い間多くのプレイヤーを魅了することだろう。この環境は、よりアグレッシブなデッキや攻めるアーキタイプだとしてもゲームが長引く傾向にあると考えている。そのため、盤面の停滞を打破するカードに重点を置くことが大事になってくる。

もうひとつ考慮すべきことは、コモンのフェッチランドによって色のタッチがしやすいことだ。これらの土地を特に意識することで、異なる色の強力なカードを使う可能性が広がる。

また『モダンホライゾン3』は300種類以上のカードが収録された大型セットであり、確実に構築フォーマットにおいて重要な役割を果たすだろう。リミテッドにおいても、これまでの『モダンホライゾン』シリーズと同じくらい楽しめるに違いない。

このセットのリミテッドについて、少しでも理解が深まったのなら幸いだ。また次のセットで会おう!

マルシオ・カルヴァリョ (X)

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Marcio Carvalho ポルトガル出身のプレイヤーで、Hareruya Latinの一員。 優れた技能と環境分析能力の高さからリミテッドフォーマットのスペシャリストとして知られており、2015-2016シーズンには "ドラフトマスター" の称号を獲得した。 Magic Onlineで287枚もの《掴み掛かる水流》をピックした逸話はあまりにも有名で、どんな環境であれ研究を怠ることなく日々研鑽を詰んでいる。 Marcio Carvalhoの記事はこちら