はじめに
こんにちは、Hareruya Prosの松浦(@ura_frst)です。
今回は6月に行われた『東西モダン最強決定戦2024』とプロツアー『モダンホライゾン3』に参加してきましたので、練習過程や大会当日を軽く振り返りながら、新デッキであるボロスエネルギーを解説していこうと思います。また、この2つの大会を通じて苦戦したナドゥコンボへの改善案も検討しました。
調整過程
今回も森山ジャパンのメンバーと練習をしました。いつも通り楽しく練習に取り組めたのでよかったです。
『モダンホライゾン3』が発売されてから、まずはMOの大会で好成績を収めていたグルール果敢を試しました。土地を切り詰めているデッキなのでマリガンや事故が多く、デッキとしては好きになれませんでしたが、新戦力であるエネルギー関連のカードの強さには目を見張るものがあると感じました。これらをほかのデッキで使えないかと模索したところ、新カード満載のボロスエネルギーが結果を残していたのでそれを回してみることに。
実際に回してみると、《色めき立つ猛竜》や《ナカティルの最下層民、アジャニ》による序盤の圧倒的な展開力と除去が豊富なことによる対応力の高さ、《火の怒りのタイタン、フレージ》や《不安定な護符》による粘り強さなど、今までのボロスカラーのデッキではありえないようなとんでもない強さだと感じたので、自分好みに細部を調整して『東西モダン最強決定戦』に参加しました。
『東西モダン最強決定戦2024』
■予選ラウンド(7-1-1)
バントナドゥ 〇✕〇
ジャンドサーガ ✕〇〇
ライブラリーアウト ✕〇✕
鱗ナドゥ 〇✕〇
ジェスカイコントロール 〇〇
ブリーチエムラ 〇〇
アミュレットタイタン ✕〇〇
レンアンドオムナス 〇✕〇
ID
■決勝ラウンド
ディミーアマークタイド(高橋さん) 〇〇
ボロスエネルギー(小坂さん) ✕〇〇
ナドゥコンボ(松本さん) ✕✕
なんと9勝2敗で準優勝!優勝まであと一歩でしたが、好成績を収めることができました。
参加者289人とかなり盛り上がっていてとても楽しかったので、今後もこのような大型イベントが開かれることが楽しみですね。対戦した方にも「プロツアー頑張ってください!」や「記事見てます!」と声をかけていただきました。神決定戦などほかの晴れる屋のイベントでもそういったことが増えていてとても励みになります。ありがとうございます!
この大会で好成績を残せたことで、プロツアーにもボロスエネルギーで参加しようと考えていましたが、決勝でもストレートで負けたナドゥコンボとの相性が悪いことがとても気になりました。そこで、チームメンバーの行弘さんが調整していたマルドゥエネルギーの《思考囲い》がジェスカイコントロールやナドゥなど各種コンボに強いということから、マナベースに負荷はかかりますが自分も《思考囲い》を採用してマルドゥエネルギーでプロツアーに参加することを決めました。
プロツアー『モダンホライゾン3』
1日目
2-1
— Takumi Matsuura (@ura_frst) June 28, 2024
1パック目と2パック目の初手両方とも黒の2/2/2だったw pic.twitter.com/StAiwrKKle
1-1で《骨の皇帝》をピック、そこから緑の《日を浴びる繁殖鱗》がいっぱい流れてきたりで気づいたら緑黒になってました。3パック目では3-2で《黄泉帰る悪夢》、3-6ぐらいで《大食の幼生、グリスト》が流れてきて最強になりました。
1回戦を土地2枚でストップと土地しか引かない事故で一瞬で負けましたが、残り2試合は危なげなく勝利できました。対戦相手のデッキに対して《呪われた匪賊》がとてもよく刺さったのが勝因で、墓地から回収したりして出し続けました。
■構築ラウンド(2-3)
ジェスカイコントロール 〇
バントナドゥ ✕
ジェスカイコントロール 〇
4色ナドゥ ✕
4色ナドゥ ✕
1日目は4-4で終了。相性の悪いナドゥとたくさん当たってしまいました。ナドゥ使用者の2日目進出率が非常に高かったので、2日目もナドゥコンボだらけだと絶望しながら寝ました。
2日目
3-0!!!やったぜ!!! pic.twitter.com/6sbDYIznQv
— Takumi Matsuura (@ura_frst) June 29, 2024
1-1は《電気放出》を取りましたが、1-2で赤のめぼしいカードがなく青緑の《噛み付く虚空袋》をピック。1日目と同じく緑の《日を浴びる繁殖鱗》がいっぱい取れました。自分はこのカードを高く評価しているのですが、もしかしたら周りの人より評価が高すぎるのかもしれません。
2パック目の2手目で《穢すもの、ウラモグ》をピックしたりして青緑エルドラージに突き進んでいった結果、《コジレックの命令》や《永遠のこだま》が流れてきたりして楽しい青緑エルドラージが完成しました。
《永遠のこだま》を貼ったときの威力がとんでもなかったり、序盤押し込まれたライフを《フレイアリーズの信奉者》で大量にゲインして耐えた試合もありました。1日目も両面カードの《玻璃翼の恩寵》が活躍した試合があったので、これらの両面カードサイクルはとても重要だと改めて思いました。
■構築ラウンド(2-3)
バントナドゥ ✕
4色ナドゥ 〇
黒単ネクロ 〇
ジェスカイコントロール ✕
バントナドゥ ✕
ドラフト5-1・構築4-6のトータル9-7で大会を終えました。ドラフトに関しては前回のプロツアーから2連続で5-1!連続して好成績を残すことができました。ドラフトが課題だと思って練習方法を意識して取り組んでいたので、今回の2日目のようなアグレッシブではないデッキで3-0できたり、結果が出たことが嬉しいです。
ドラフトに関してここ2回のプロツアー練習で意識していたことは、各色の組み合わせの強弱を練習段階でしっかり理解して本番で行う戦略を数パターンに絞り、その絞った戦略の重要なポイント「ピックと戦い方の両方」を理解することでした。
数パターンであれば、発売からプロツアー本番までの短い期間でも理解を深めることができると感じています。実際に本番では、初手や最初のほうの流れてきたカードによって用意してきた戦略の1つに参入し、練習通りに立ち回ることができました。用意する戦略を増やせるように、引き続き次のプロツアーや世界選手権に向けてリミテッドのスキルを上げていきたいです。
構築ラウンドに関しては、ナドゥの強さを甘く見すぎていたことが問題でした。相性が悪いことは大会前から分かってはいましたが、まさか当日6試合も対戦することになるとは思わず。
ナドゥ以外のデッキに対して互角以上に戦えると思ってこのデッキを選択しましたが、結果としてはナドゥをもっと強く意識する必要がありました。ナドゥ以外のデッキには戦えると考えているならば、ほかのデッキに対するサイドカードを減らしてナドゥ専用になってしまってもいいので《減衰のマトリックス》など、過剰と言われてしまうぐらいもっと大量にカードを用意してナドゥに勝ちに行くべきだったと感じています。
当日はストームやトロンなどと対戦しなかったので、10試合で1度も《減衰球》と《ドラニスの判事》をサイドインしませんでした。この2種類はストームやトロンの専用枠として採用していたので、ここまでナドゥが圧倒的ならばナドゥの専用枠にするべきでした。
今後は使用率2~3割が予想されるトップメタに対して、甘い考えを持って大会に臨むのはやめようということを学びました。
ボロスエネルギー解説
ここからはボロスエネルギーの解説をしていきます。プロツアーではマルドゥにして《思考囲い》を採用しましたが、ボロスエネルギーと戦い方はほぼ変わりません。
メインデッキ
《魂の導き手》
最強の1マナ域です。弱いことが書いてありません。自身が攻撃していなくてもトリガーするので、前のターンまでにエネルギーが溜まっていれば、ほかのクリーチャーを飛ばすこともできます。状況によっては、相手が用意していたはずのブロッカーを飛び越えることも少なくないです。
《敏捷なこそ泥、ラガバン》
このデッキは軽いカードが多いので、宝物・トークンの価値が非常に高いです。1マナの除去も多く入っているため、《敏捷なこそ泥、ラガバン》の攻撃を通すことも難しくありません。
《魂の導き手》で飛ばすとすごいことになります。また「疾駆」で出せばエネルギーが毎ターン1ずつ増え続ける状態に。普通に出すよりも「疾駆」で出し続けるほうが強い場面もたまにあるので覚えておきましょう。攻撃が通らないことがこのカードの弱点なので、ダメージの通りやすい1ターン目のアクションとしては最高です。
《ナカティルの最下層民、アジャニ》
シンプルにカードパワーが高いです。伝説のクリーチャーですが、2枚目を引いてもレジェンド・ルールでアジャニが死亡して変身できるので腐ることがあまりありません。
赤いパーマネントがあるときの[0]能力はとても強力で、自分から猫に除去を撃って変身させにいくことも多いです。あまり考えずに[0]能力を使ってしまいがちですが、[-4]の能力も実は強いので場合によっては猫がいなくても[+2]しておいたほうが良いこともあります。
《色めき立つ猛竜》
最強のカードです。《霊気拠点》や《魂の導き手》がいるときに出せれば2ターン目から3マナのカードを唱えられるため、今回のリストだとなるべくエネルギーが3個になるときに出すことが多いです。
例えば《敏捷なこそ泥、ラガバン》は先手のほうが明らかに強いカードですが、このカードは先手で《ナカティルの最下層民、アジャニ》や《鏡割りの寓話》をめくって圧倒的な展開をすることもあります。後手でも除去をめくって序盤に出てきたクリーチャーを処理したり、先制攻撃でけん制したりと安定して強いです。
《火の怒りのタイタン、フレージ》
最強です。手札からプレイするときは1マナ重い《稲妻のらせん》ではありますが、墓地から帰ってきたときは、モダンのカードプールでも1番と言っても差支えないようなフィニッシャーになります。本体にもダメージを飛ばせるので、序盤のクリーチャーや《稲妻》などと合わせて相手のライフをバーンデッキのように削り切ることも多々あります。
このデッキは《栄光の闘技場》、フェッチランド、諜報ランドなど土地も含めてこのカードを軸に構成されています。墓地から帰ってきた《火の怒りのタイタン、フレージ》が攻撃すると基本的にはゲームに勝利できるので、このカードを「脱出」させることを目標にほかのカードをプレイしていきます。
「4枚は多いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、引いてるのと引いてないのでは違いすぎるので4枚採用しています。諜報ランドでうっかり落とせたりしたときはとんでもないです。
《鏡割りの寓話》
手札の入れ替えが《火の怒りのタイタン、フレージ》と相性がよく、《色めき立つ猛竜》からめくれて唱えたときはすごいです。ですが、モダンの環境的に3ターン目に《鏡割りの寓話》を出すと返しにコンボを決められたり、裏面でコピーして強いクリーチャーが入っていなかったりで、ネガティブな要素もいろいろあったので2枚に抑えています。
今後の禁止改定などで《鏡割りの寓話》が強いミッドレンジ~コントロールぐらいの速度のデッキが増えるなら、増量するのもアリだと思います。少し前の項目で触れていますが、サイド後はサイドインしたカードでコンボをけん制しながら、手札を入れ替えつつ盤面を構築できるのでメイン戦よりも強く使えると思います。
《稲妻》
先手で《色めき立つ猛竜》からめくれても本体に撃てます。1マナ除去として《敏捷なこそ泥、ラガバン》をバックアップしたり、《ナカティルの最下層民、アジャニ》の変身を誘発させたり、《火の怒りのタイタン、フレージ》や《不安定な護符》と合わせてバーンダメージで勝つパターンも取れたりと用途が広いです。また、軽いので相手に撃って《火の怒りのタイタン、フレージ》を早く「脱出」させることも可能です。つまり、デッキにフィットしています。
《電気放出》
強すぎる1マナ除去です。《稲妻》と違って本体には飛びませんが、同じく《敏捷なこそ泥、ラガバン》や《ナカティルの最下層民、アジャニ》と相性が良いです。
エネルギーを得られるので除去として機能するだけでなく、《魂の導き手》でいきなり飛行を付与したり、《不安定な護符》や《色めき立つ猛竜》でリソースに換えたり、《静牢》の維持コストにもなります。いろんなカードとシナジーするため、デッキの強さを引き上げてくれるカードです。
《静牢》
土地以外のパーマネントならなんでも追放できるので、火力で倒しにくいクリーチャーやアーティファクト、エンチャントなど幅広く対処できます。特に相手の《火の怒りのタイタン、フレージ》を追放できるため、ミラーマッチで重要なカードになってきます。また、トークンを追放したときは維持する必要がないのにエネルギーは出るのでお得です。
自分で維持するか墓地に送るかを決められるので、《火の怒りのタイタン、フレージ》の「脱出」コストが1枚足りないときはあえて払わないのも手です。ほかにも、別のアクションにエネルギーを使うほうが有益なら、エネルギーを支払わずに生け贄にささげることも選択肢になります。
エネルギーを支払うタイミングが、よくあるアップキープではなく戦闘前メインフェイズの開始時で忘れやすいので注意する必要があります。特にトップで強いカードを引いて嬉しいときに忘れやすいです(体験談)。
《不安定な護符》
初見だとリミテッドっぽいカードに見えますが、手札以外から唱えたときに1点入る効果が意外と強力で、重なったときのダメージ量がすごいので採用するなら多めに採用したいカードです。《火の怒りのタイタン、フレージ》の「脱出」や《色めき立つ猛竜》でも誘発するので、最後の数点をこのカードで削り切ることは多いです。
《電気放出》などで余ったエネルギーの使い先としても非常に優秀です。アドバンテージを取りながらダメージを稼いでいくので、高速コンボ以外の相手には大体強いです。アーティファクトなので処理されずらく、《ナカティルの最下層民、アジャニ》の裏面の赤いパーマネントの条件としても適しています。
《思考囲い》
東西戦のときの60枚でメインデッキは満足していましたが、ナドゥに対しての勝率を上げるために採用しました。どのカードも減らしたくなくて選べなかったので、プロツアーでは《敏捷なこそ泥、ラガバン》《稲妻》《不安定な護符》《静牢》を1枚ずつ減らしたリストになりました。
プロツアー本番では、相手の手札に《有翼の叡智、ナドゥ》が2枚あったりで役に立たない試合もありましたが、ジェスカイコントロールの《一つの指輪》を捨てさせて手札を枯渇させたりと活躍した試合も多かったです。
ただ、3色になった分ショックランドが増えているのでミラーマッチなどライフを攻めてくるデッキ相手には少し耐性が落ちています。環境次第では採用しなくても全然いいと思うので、今後《有翼の叡智、ナドゥ》が禁止改定などによっていなくなれば採用されなくなるかもしれません。
《霊気拠点》
エネルギーが1つ出るだけですが、それがとても強いので4枚採用です。4枚以外は考えられません。序盤に1枚置けるだけで《色めき立つ猛竜》から3マナのカードをプレイできますし、《魂の導き手》《霊気拠点》《ナカティルの最下層民、アジャニ》で2ターン目に3/4飛行が殴りだします。中盤以降に1エネルギーしかない状態でトップしても、《不安定な護符》がカード1枚分になったりと相性のいいカードが多すぎます。
《栄光の闘技場》
赤マナしか出ないので序盤は不安定なカードではありますが、「脱出」した《火の怒りのタイタン、フレージ》や《湧き出る源、ジェガンサ》が速攻で攻撃するという動きで勝ちまくったので2枚に増量しました。《湧き出る源、ジェガンサ》は相棒なので再現性が高く、1枚置いてあるかどうかで試合が変わります。また、能力で2マナ出るので《敏捷なこそ泥、ラガバン》+《色めき立つ猛竜》のように分けて出すと、2体とも速攻を付けて攻撃することもできます。実際に《敏捷なこそ泥、ラガバン》と《湧き出る源、ジェガンサ》が両方速攻になったことで勝った試合もありました。
諜報ランド
《火の怒りのタイタン、フレージ》と相性が良すぎます。運よく《火の怒りのタイタン、フレージ》を落とせることはもちろんですが、諜報ランドの2枚目によって墓地の枚数が足りて《火の怒りのタイタン、フレージ》を「脱出」させられるパターンが多すぎたので2枚採用しています。
フェッチランド
マルドゥ型ではショックランドを3種類の計3枚採用する必要があるため8枚に抑えられていますが、ボロス型ならショックランドを3枚採用する理由がほぼないので、白が絡んでいるフェッチランドを1枚増量して9枚採用することをオススメします。《火の怒りのタイタン、フレージ》の「脱出」コストになる、諜報ランドを持ってこれる、《血染めの月》を入れるときに《平地》を持ってこれるなど、これらの理由でなるべく多くのフェッチランドを採用したいです。
サイドボーディングガイド
ここからは、いくつかのマッチアップに対しての戦い方を書きながらサイドボードの解説をしていきます。
今回はプロツアーで使った構築ではなく、これらの大会を経て今後使おうと思っているリストでのサイドボードガイドになります。ストームがプロツアーで振るわなかったので使用者が減ると思い、対策カードである《減衰球》や《ドラニスの判事》の採用を見送っています。
ボロスエネルギー
vs. ボロスエネルギー(先手)
vs. ボロスエネルギー(後手)
ミラーマッチでは《ナカティルの最下層民、アジャニ》や《色めき立つ猛竜》をお互い出し合う関係で、《敏捷なこそ泥、ラガバン》の攻撃が一切通らないのでサイドアウトします。それ以外のカードはあまり腐る場面も少なく、サイドに専用のカードを用意していない限りあまりサイドアウトしません。マルドゥの場合は《思考囲い》もライフが痛かったり、盤面に影響を与えないのでサイドアウトします。
《火の怒りのタイタン、フレージ》を定着させることをお互い目指すので、墓地対策を入れて「脱出」を阻止します。また《静牢》や《鏡割りの寓話》《不安定な護符》、相手の墓地対策などに触れる《摩耗/損耗》をも入れます。
プロツアーで使ったリストだと《思考囲い》と《敏捷なこそ泥、ラガバン》の7枚をサイドアウトしたいのと、手札以外からカードを唱えられないのが地味に厄介なので、簡単に除去されてしまいますが《ドラニスの判事》もサイドインします。
今後使おうとしているリストでは、先ほどの抜きたい7枚のカードをすべて入れ替えることができないので、もしメタゲームが変わってミラーやジェスカイコントロールが多いなら《陽光浄化者》を2枚ほど取るのがよいと思います。
エネルギー対策として《陽光浄化者》が強いといわれていますが、ミラーマッチでは《火の怒りのタイタン、フレージ》が一番重要です。このカードではフレージを止めることができないので、出したけど相手のフレージに圧倒されてしまったり、相手に出されたけどフレージで勝つということが何回かあったので過信は禁物です。
ジェスカイコントロール
vs. ジェスカイコントロール
サイドアウト候補として《電気放出》や《静牢》が挙げられます。《静牢》は相手の《火の怒りのタイタン、フレージ》や《一つの指輪》にも対処できますが、《空の怒り》で流れてしまうのでサイドアウトして別のカードにそれらの対処は頼りましょう。
相手の《火の怒りのタイタン、フレージ》が墓地から帰ってきてしまうと完全に詰んでしまうので墓地対策をサイドイン。《血染めの月》は大体クリティカルヒットするのでサイドインします。
《電気放出》や《稲妻》は、相手の《空の怒り》に対応して自分の《ナカティルの最下層民、アジャニ》の猫・トークンに撃って変身させることができるので、全体除去を撃たれそうなときは1マナ構えて準備しておきましょう。
《空の怒り》ですべて吹き飛ばされてしまうので不利だと思われがちですが、ボロスエネルギーは粘り強いので全体除去の後に《一つの指輪》などでカードを引かれさえしなければ、《火の怒りのタイタン、フレージ》などで逆転することが多いので自分は不利だとは思っていません。
実際にプロツアーでは3試合で2-1でした。マルドゥ型だと《一つの指輪》などのキーカードを《思考囲い》で落とすことができるのは良い点です。
黒単ネクロドミナンス
vs. 黒単ネクロドミナンス
相手のデッキに《オークの弓使い》が入ってる場合は《敏捷なこそ泥、ラガバン》を抜きます。
《摩耗/損耗》は《ネクロドミナンス》を1マナで処理できるためサイドインします。この試合は《ネクロドミナンス》や《一つの指輪》などを止めることができれば一瞬で勝ちます。また、全速力でライフを詰めてこれらのドロー呪文を最大限に使わせないことが重要になります。
《思考囲い》が入っているマルドゥ型は、キーカードを対処できる確率が上がっているので相当有利だと感じています。
ナドゥコンボ
vs. ナドゥコンボ
このデッキが一番苦手なデッキです。プロツアーでは相性を改善することができずに、6試合で1勝5敗という無残な結果に終わってしまいました。本番では相手が《ウルザの物語》を使っている関係で《血染めの月》をサイドインしていましたが、それ以外の展開であまり活躍しなかったので《血染めの月》をサイドインするのをやめました。
《敏捷なこそ泥、ラガバン》と《ナカティルの最下層民、アジャニ》は、相手のクリーチャー群を突破できずあまり活躍しなかったのでサイドアウトしています。
《摩耗/損耗》も効果的なカードですが、2マナ構えるのが大変だったり、《手甲》を2枚プレイされて無駄になったり、《コーの先導》は止まらなかったり、《色めき立つ猛竜》でめくれても唱えられなかったり……と微妙な場面がいろいろとあったのでサイドインしていません。
帰国後にどうやったら勝てるのか検討したところ、専用のサイドカードをひたすら用意して出しまくるという策を思いついたので、《過酷な指導者》を4枚、《減衰のマトリックス》を3枚と大量に入れて試しました。
モダンチャレンジで試した結果は、3回対戦して2勝1敗と少し改善したように思います。1枚だと乗り越えられてコンボを決められてしまうこともありましたが、2枚プレイできれば対処されずに勝つことができました。1枚目を引く確率が上がるのもよいですね。
使用者がある程度いるデッキだとナドゥ以外相性の悪い相手はいないと考えているので、今後大型大会に出るならこのリストのようにナドゥに対してひたすらカードを用意するという戦法を取りそうです。
おまけ
今回のプロツアーはオランダのアムステルダムで開催されました!
ご当地の美味しい物が食べれるかなと思ったりしていましたが、大会が長引いて終わったのが21時ぐらいになっていたり、お店が超混んでたりで近くのマクドナルドに2回も行きました。日本と変わらず提供速度も味も安心感がありました。どこの国にもあるっていいですよね。
うひょーw pic.twitter.com/q5AeQ39Pwc
— Takumi Matsuura (@ura_frst) June 26, 2024
プロツアーの前日受付のパーティーでも、ハンバーガーが用意されていて非常に美味しかったです。この数日間でバーガーを食べ過ぎてしまったので、日本ではしばらくハンバーガーを食べることはなさそうです。
これ食べ放題なの最高すぎる! pic.twitter.com/kYeQpTQ0eJ
— Takumi Matsuura (@ura_frst) June 27, 2024
会場の朝ごはんうまい pic.twitter.com/KOMu2NIsL9
— Takumi Matsuura (@ura_frst) June 28, 2024
パンよりごはん派ですが、プロツアー会場の朝ごはんはパンです。パンもたまに食べるとすごくおいしく感じます。もし日本でプロツアーが開かれたら、朝ごはんは卵かけご飯とか納豆ご飯とかになるんでしょうか?
ということで、今回は9勝7敗とギリギリ勝ち越しというなんともいえない成績でしたが、ドラフトを好成績で終えられたことは非常に満足でした。
次のプレミアイベントは、10月の静岡で開催されるパイオニアの『チャンピオンシップカップファイナル』と、ラスベガスで行われるドラフトとスタンダードの『世界選手権』です。特に『世界選手権』は去年初日落ちという悔しい結果に終わっているので、少しでも良い成績を残せるようにいつも以上に頑張りたいところです。
7月は『スタンダード神挑戦者決定戦』や『モダン神挑戦者決定戦』だったり、準優勝で終わった『東西モダン最強決定戦2024』の東代表として参加するエキシビションイベントがあったり、個人的にはイベントが盛りだくさん!プロツアー練習もひと段落したので配信も再開していきます。ぜひ、そちらもよろしくお願いします!
それでは!
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