はじめに
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
新スタンダード環境がやってきました!
まだ『ブルームバロウ』は発売前ですが、すでに各地で新環境の大会が開催されております。来週あたりから新カードをたくさん採用したデッキもちらほらと登場することでしょう。
前環境のトップティアデッキに注目をすると、まずドメインランプはトライランドと《装飾庭園を踏み歩くもの》を失いました。
そのほか、ボロス召集は《ヴォルダーレンの美食家》を。アゾリウスコントロールは《放浪皇》と《記憶の氾濫》を。そして、すべてのデッキが《未認可霊柩車》を失いました。
はたして今、強いデッキはなんでしょうか?そして、各デッキの採用カードはどのように変わったのか。最新の大会結果をチェックしましょう!
7/26(土)『Standard Challenge 32』#1
7/26(土)はMOにて『Standard Challenge 32』が2回開催されました。まずは37名が参加した1回目の結果から。
7/26『Standard Challenge 32』#1
優勝 ドメインランプ
準優勝 ドメインランプ
3位 ボロス召集
4位 グルール果敢
5位 オルゾフミッドレンジ
6位 ゴルガリミッドレンジ
7位 ディミーアミッドレンジ
8位 シミックアーティファクト
この大会ではドメインランプが優勝&準優勝を独占しました。3位にボロス召集と、まずは前環境の流れをそのまま受け継いだような結果となっております。
優勝 「ドメインランプ」
こちらが優勝したデッキのリストです。
《稲妻のらせん》《古のヤギ角》《怒りの大天使》を各4枚ずつ採用し、ライフをなるべく安全な水準に保ちながら《偉大なる統一者、アトラクサ》に繋げようという意図が見てとれます。
《古のヤギ角》は土地こそ増えないものの、マナを増やしながらライフ回復ができる優れたマナアーティファクトです。《偉大なる統一者、アトラクサ》を唱えたときに4点のライフ回復が見込めるのは強力で、《古のヤギ角》を複数設置できればさらに効果が倍増する点も見逃せません。
ローテーション後も白の優秀な除去カードは健在で、単なるランプデッキというよりは除去コントロールのような形のデッキです。
気になるマナベースですが、諜報ランドを12枚採用とさすがに少し苦しそうな構成です。これまでのドメインランプはトライランド2枚を連続して置きつつ、2ターン目に白1マナで《力線の束縛》を構えるという動きができていました。
《寓話の小道》が新加入したことはプラス要素ですが、この土地も4ターン目以降でないと真価を発揮せず、序盤を支えるカードではありません。
今後は「3ターン目まで盤面にまったく干渉できない」というケースも頻出することが予想され、アグロデッキ相手に後手で勝ちきれるかどうかは不安の種となりそうです。
また、今大会ではライフ回復戦略がハマったようですが、『ブルームバロウ』で《陽背骨のオオヤマネコ》という悪魔のようなカードが新登場したことも気になります。
とはいえ、カードパワーは随一のデッキです。障害をすべてを乗り越え、ドメインランプが新環境でもトップメタとなるのでしょうか。
注目デッキ 「シミックアーティファクト」
8位に入賞したシミックアーティファクトは、ゴルガリミッドレンジのようにローテーションの影響をほとんど受けなかったアーキタイプです。
地図・トークンや食物・トークンを強力なクリーチャーに変えるこのデッキは、パワフルでありながら継戦能力がとても高いデッキといえます。
さらに、《謎めいた外套》や《アガサの魂の大釜》+《高波エンジン》《ジンジャーブルート》のシナジーによる「ブロックされない」能力の付与も強力で、フェアデッキ同士の対戦では無類の強さを発揮します。
- 2024/7/15
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また、前環境では最終的に黒系のミッドレンジが覇権を握りました。環境のベスト除去カードである《喉首狙い》がこのデッキ相手には腐り、メタゲーム的な立ち位置もかなり良いです。
目の上のタンコブであった《告別》が環境から消えたことも追い風となりました。《兄弟仲の終焉》は健在ですが、アーティファクト対策が甘いデッキが増えれば、このデッキが台頭することは容易に想像がつきます。
7/26(土)『Standard Challenge 32』#2
それでは続いて、50名が参加した2回目の大会結果を見ていきましょう。
7/26『Standard Challenge 32』#2
優勝 ボロス召集
準優勝 ドメインランプ
3位 アゾリウスアーティファクト
4位 ゴルガリミッドレンジ
5位 ドメインランプ
6位 黒単
7位 ボロス召集
8位 ディミーアミッドレンジ
この大会でもやはり、ドメインランプとボロス召集が有力なアーキタイプとなりました。ここではボロス召集がドメインランプを退けています。
優勝 「ボロス召集」
こちらが優勝したデッキのリストです。《遠眼鏡のセイレーン》を4枚採用するためだけに青がタッチされております。
黄金ムーブの「2ターン目イーオス」を実現するために、《ヴォルダーレンの美食家》の穴を埋められるクリーチャーは《遠眼鏡のセイレーン》しかいません。
もちろん、3色目をタッチすることでマナベースにやや不安が残ります。少なくとも《ヴォルダーレンの美食家》が使えたときよりはデッキの安定度が下がっていることは間違いないでしょう。
しかし、《遠眼鏡のセイレーン》は飛行を持っている点が有能です。これまでは育て上げた《内なる空の管理人》か、もしくは《血滾りの福音者》が生成するコウモリ・トークンぐらいしか飛行クリーチャーはいませんでした。
1/1といえども《門道急行の事件》や《戦導者の号令》でパワーが上がれば、飛行クロックとしてそれなりの信頼ができます。採用する価値は十分にあるのではないでしょうか。
ちなみに、ほかのボロス召集のリストでは新環境になって《ヨーティアの前線兵》を3枚、4枚と採用するリストを多く見かけました。「2ターン目イーオス」こそできませんが、《上機嫌の解体》を安定して2ターン目にプレイすることはできそうです。
なんだかんだで新環境も強そうなボロス召集。今後、どのようなアプローチのデッキが誕生するのか楽しみですね。
注目デッキ 「アゾリウスアーティファクト」
3位に入賞したアゾリウスアーティファクトは、これまでにあまりなかったかなり攻撃的な構成でした。
デッキの狙いとしては先述したシミックアーティファクトに近いものがあります。手掛かり・トークンや地図・トークンを《生命ある象形》や《泥棒隼の事件》でクリーチャー化する動きは強そうです。
また、《ノーンの審問官》が生成する培養器・トークンは最初から+1/+1カウンターが乗っているため、ほかのトークンよりもクリーチャー化したときのバリューが高く、3ターン目に《生命ある象形》をプレイすると7/6という巨大なクリーチャーで殴りかかることができます。これは楽しそう!
さらに、シミックアーティファクトと比べると攻撃力の面で劣る代わりに、白い除去カードを使えるのがこのデッキの強みといえそうです。
ミシュラランドが強いのもアゾリウスカラーの良いところですね。《不穏な投錨地》は飛行で殴りながら地図・トークンを生成するため、このデッキと完全に噛み合っている優秀な土地です。
新環境は《生命ある象形》が強いのかもしれませんね。シミックアーティファクトともども、今後の活躍に注目したいデッキです。
7/27(日)『Standard Challenge 32』
それでは最後に46名が参加した日曜日の大会結果を見ていきましょう。
7/27『Standard Challenge 32』
優勝 ボロス召集
準優勝 ドメインランプ
3位 犯行現場の再現
4位 ゴルガリミッドレンジ
5位 犯行現場の再現
6位 ドメインランプ
7位 ボロス召集
8位 アゾリウスアーティファクト
この大会でもボロス召集とドメインランプは強かったようです。3位と5位にあまり見かけない《犯行現場の再現》を使ったデッキが入賞しています。
注目デッキ 「犯行現場の再現」
3位に入賞したデッキのリストです。《大いなる扉、マツァラントリ》はかなり珍しいカードですが、3枚も採用されています。
やや珍しいカードがたくさん採用されているものの、デッキの狙い自体はものすごくシンプルです。
《侵攻の伝令、ローナ》《蒐集家の保管庫》《大いなる扉、マツァラントリ》などでルーティングし、墓地に置かれたカードを《犯行現場の再現》で踏み倒して唱えることで勝利を狙います。
構造としてはリアニメイトデッキとほぼ同じで、実際に《ギックスの残虐》も3枚採用されています。しかし、《犯行現場の再現》は一般的なリアニメイト呪文と違い、ソーサリーやインスタントといったパーマネント以外のカードも釣り上げることが可能です。実際は追放したカードのコピーを唱えているので、釣り上げていないのですが。
ともあれ、4ターン目に《犯行現場の再現》が決まると《多元宇宙の突破》 → 《陰謀の解明者》と繋がり、とんでもないビッグターンになる可能性を秘めています。
《偉大なる統一者、アトラクサ》を出すだけでもかなり強そうですが。
このデッキが台頭した背景には《未認可霊柩車》のスタン落ちも影響していそうです。トライランドがなくなって世界魂ランプも数を減らし、墓地対策が甘くなることが予想されるので、かなり良いデッキ選択だったのではないでしょうか。
白絡みのデッキであれば《安らかなる眠り》や《クチルの側衛》など選択肢がありますが、それ以外の色では汎用的な墓地対策カードが《魂標ランタン》ぐらいで、性能的に採用を見送りたくなります。
スタンダードにはほかにも《陰湿な根》や《もがく出現》を軸とした墓地利用デッキがあり、この手のデッキが頻繁に活躍するようであれば、またサイドボードに多くの墓地対策カードを見かけることになるでしょう。
ガードが固くなる前にぜひ、一度使ってみたいデッキですね!
おわりに
大会の結果をみて、いかがでしたでしょうか。今回は新環境が始まったばかりで、なかなか新しいデッキを持ち込むための準備が足りなかったかもしれませんね。
現状はドメインランプとボロス召集が圧倒的なパフォーマンスをみせていますが、きっとここから動物たちの逆襲が始まると思います。
今回の結果をみると「打ち消しをたくさん積んだデッキ」が活躍していないので、コンボデッキに大きなチャンスがありそうです。特に《ジェスカイの隆盛》とほぼ同じコンボが狙える《渓間の洪水呼び》には注目したいですね。
次回の大会結果もお楽しみに!それでは、また。