はじめに
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
先週なかば、MOの強豪・Hamuda氏がアゾリウスアグロを使用し、『Standard Challenge』で立て続けに優勝しました。
召集系のデッキでおなじみの1マナクリーチャーと《威厳あるバニコーン》の組み合わせが想像以上に強力です。《マネドリ》は実質的に飛行を持った《バニコーン》として運用ができ、《鋼の熾天使》は状況に応じて《バニコーン》に飛行や絆魂を付与するなど、対処が難しいクロックを押しつけます。
有力な新アーキタイプが続々と登場するなか、週末の大会ではどんなデッキが活躍したのでしょうか。気になる結果をチェックします!
8/16(金)『Standard Challenge 32』#1
8/16(金)は『Standard Challenge 32』が2回開催されました。まずは40名が参加した1回目の結果から。
8/16(金)『Standard Challenge 32』#1
優勝 ディミーアミッドレンジ
準優勝 白単ミッドレンジ
3位 グルール雄姿
4位 ラクドスリザード
5位 アゾリウスコントロール
6位 版図ランプ
7位 版図ランプ
8位 ボロスハツカネズミ
前回の記事で注目デッキとして取り上げたTulio_Jaudy氏の《忠実な馬、フォーチュン》を採用した白単ミッドレンジが準優勝しています。
- 2024/08/13
- Just Nowスタンダード!vol.27 -《世話人の才能》が大躍進!ジャパンオープン優勝はボロスコントロール-
- 紳さん
Tulio_Jaudy氏はパイオニアでも白単で優勝しており、現在、ノリに乗っているプレイヤーです。
安定した強さをキープしているディミーアミッドレンジが優勝しましたが、ここでは3位に入賞したグルール雄姿に注目したいと思います。
グルール雄姿
こちらが3位に入賞したデッキのリストです。なんと、この構成で《精鋭射手団の目立ちたがり》が不採用です。どんな意図があるでしょうか。
爆発的な攻撃力を誇る《精鋭射手団の目立ちたがり》ですが、《亭主の才能》とより相性が良いのは《心火の英雄》《熾火心の挑戦者》といった「雄姿」持ちのクリーチャーです。手札が尽きた状態でも《亭主の才能》さえあれば毎ターン能力を誘発させることができ、アグロデッキでありながら継戦能力が高い構成となっております。
ハツカネズミに二段攻撃やトランプルを付与できる《多様な鼠》をはじめとし、《弱者の力》や《岩面村》などハツカネズミ・シナジーを持つカードが各4枚フル投入され、《精鋭射手団の目立ちたがり》を解雇するのに十分なバリューを持たせているようです。
《蛇皮のヴェール》によってクリーチャーを守りつつ強化するムーブは雄姿とも相性がよく、《痛烈な質問》は雄姿を誘発させながらブロッカーを排除できる強力な除去となります。
一見すると従来の《精鋭射手団の目立ちたがり》を採用したグルール果敢とほぼ同じコンセプトのデッキに思えますが、《亭主の才能》のカードパワーをより活かすために開発された新しいアーキタイプともいえるでしょう。地味ながら《亭主の才能》がもたらす護法も、ハツカネズミたちの大躍進に一役買っていそうです。
8/16(金)『Standard Challenge 32』#2
つづいて、63名が参加した2回目の結果です。
8/16(金)『Standard Challenge 32』#2
優勝 ボロス召集
準優勝 版図ランプ
3位 ディミーアミッドレンジ
4位 ラクドスリザード
5位 版図ランプ
6位 版図ランプ
7位 ラクドスリザード
8位 ボロスハツカネズミ
優勝はボロス召集、準優勝は版図ランプとなりました。ラクドスリザードも2名入賞と安定した成績を残しています。
ここでは、同プレイヤーが1回目の大会でも入賞していた8位のボロスハツカネズミを紹介していきます。
ボロスハツカネズミ
2大会連続入賞となったnumberonenoob氏のデッキです。
意図せずハツカネズミデッキの紹介がつづいてしまいましたが、現在、リザード(トカゲ)と並ぶ大注目の種族です。
ハツカネズミ全体を強化するカードが3種類採用され、「雄姿」を持つクリーチャーも多く、岩山炎・トークンを強く運用することができます。
《狂気の一齧り》はいかにもハツカネズミ・シナジーがありそうなイラストですが、能力的なボーナスはありません。とはいえ、雄姿を誘発させながら除去ができる強力なカードです。
《多様な鼠》は自軍のほとんどのクリーチャーを対象にとることができ、このデッキの鍵となるシステムクリーチャーです。《イラクサの護衛》はハツカネズミの枠を減らさずに置き物対策ができる優秀なクリーチャーです。
現環境は《亭主の才能》《世話人の才能》《ウラブラスクの溶鉱炉》が強く、置き物に触れないと不安です。今回のデッキには《イラクサの護衛》がサイドにも2枚採用され、今後も注目のメタカードとなりそうです。
1マナを立たせておく必要はありますが、《一時的封鎖》を対処できるのも大きいですね。
8/17(土)『Standard Challenge 32』
それでは最後に、73名が参加した土曜日の大会結果をチェックしていきます。
8/16(金)『Standard Challenge 32』#2
優勝 白単コントロール
準優勝 ディミーアミッドレンジ
3位 グルール果敢
4位 ラクドスリザード
5位 版図ランプ
6位 版図ランプ
7位 ゴルガリミッドレンジ
今度はしっかりとディミーアミッドレンジを倒し、Tulio_Jaudy氏の新しい白単コントロールが優勝となりました。
白単が強いのか、Tulio_Jaudy氏が強いのか。おそらく両方ですが、安定した成績を残し続けています。
白単コントロール
こちらが優勝したデッキのリストです。《開拓地の探求者》と《忠実な馬、フォーチュン》が不採用となり、「喊声」を持つ《血滾りの福音者》が4枚フル投入されました。全体的にクリーチャーの採用枚数が見直され、コントロールよりの構成となっております。
土地を含め、デッキ内の大半のカードがなんらかのトークンを生成することができ、《世話人の才能》が定着すればリソースに困ることはなさそうです。
ただし、逆に考えると《世話人の才能》はどうしてもプレイしたいカードです。《人参ケーキ》の占術や《優雅な談話室》の諜報、《噴水港》のドローを駆使し、早めに《世話人の才能》にたどり着くためのプレイングが求められます。
気になるボロスコントロールとの差別化ですが、メタゲーム的にどのデッキも《ウラブラスクの溶鉱炉》対策をしてくると考えた場合、この白単コントロールの構成が活きてきます。《血滾りの福音者》や各種プレインズウォーカーは《ウラブラスクの溶鉱炉》と違い、戦場に出て即座に破壊されたとしても、確実にトークンを生成することができます。
また、《噴水港》と《ミレックス》を合わせて6枚採用しながら、4ターン目に《跳ねる春、ベーザ》や《大天使エルズペス》をプレイするためのを安定して確保できるのも白単ならではです。
ボロスの場合、マナベースをどうしても《戦場の鍛冶場》に頼ることになりますが、現スタンダード環境はアグロデッキが多く、土地からダメージを受けているとライフがもたない可能性が高いです。
失ったライフに関しては《稲妻のらせん》でカバーできるかもしれませんが、《亭主の才能》が大暴れしている現状、3点ダメージによる除去の信頼度にも疑問が残ります。《軍備放棄》はソーサリータイミングという弱点があるものの、1マナであらゆるクリーチャーを追放できる点が魅力です。
この白単コントロールの台頭が今後、どのようにメタゲームに影響してくるか注目したいですね。
おわりに
今回は比較的新しいデッキを中心に紹介してきましたが、「版図ランプ」「ボロス召集」「ディミーアミッドレンジ」「ゴルガリミッドレンジ」といったデッキも健在で、安定した成績を残しています。
アグロからコントロールまでさまざまなアーキタイプが活躍しており、飛びぬけて優位なデッキはまだ存在しておらず、とてもバランスが取れたメタゲームが構築されていると考えて良さそうです。
今度はどんなデッキが活躍するでしょうか。次回の大会結果もお楽しみに!