はじめに
こんにちは。晴れる屋メディアチームです。
突然ですが、晴れる屋のスタッフには元プロゲーマーだったり現役のプロゲーマーがいることはご存じでしょうか。
こちらの動画編集スタッフ、青木 拓海(プレイヤーネーム:拓海 @harkpokepoke)さんは、元DCG(デジタルカードゲーム)の有名プロプレイヤーです。
縁あって現在、晴れる屋で働いている拓海さんですが、最近、新しくマジックを始めて、先日は初めての大会に出場したとのこと!
2ヵ月前までマジックに触れたこともなかったのに、どうして大会に出るまでになったのでしょうか。また、元プロゲーマーがマジックに触れてみて、どんな印象を持ったのかも気になるところです。
今回は拓海さんにインタビューを敢行し、赤裸々な感想を聞かせていただこうと思います!
インタビュー
マジックを始めたきっかけ
紳さん:拓海さん、本日はよろしくお願いします。
拓海:こちらこそ、よろしくお願いします。
紳さん:早速ですが、インタビュー前に1ゲームやりませんか。
拓海:え、今からですか?業務時間ですが…
紳さん:これも業務ですから。あと、千の言葉をかわすより一回ゲームするほうが分かり合えることもあります。マジックプレイヤーってそういうものなんですよ。
拓海:わかりました!
※突如として始まったゴルガリミッドレンジ(拓海) VS. ジェスカイコントロール(紳さん)。
紳さん:(押され気味だけど、こちらの戦場には《世話人の才能》と《轟く機知、ラル》が定着した。次のターンに《太陽降下》をプレイすれば、おおむね勝ちだな。)
拓海:……………。
拓海:……………。
拓海:《強迫》。手札を見せてください。
紳さん:(なにぃ!?確か、そのカードは数ターン前から手札にあってプレイしなかったカード。てっきり《喉首狙い》が腐っているだけだと思っていたのに。)
拓海:《太陽降下》を捨ててください。
紳さん:………はい。
拓海:《亭主の才能》をレベル3に。《苔森の戦慄騎士》に+1/+1カウンターをしこたま乗せます。《轟く機知、ラル》を攻撃。
紳さん:(あ。《苔森の戦慄騎士》トランプルじゃん。カワウソでチャンプブロックするつもりだったけど、貫かれるじゃん。)
紳さん:………負けました。
拓海:ありがとうございました。
紳さん:(………1戦目終わって、すぐサイドボードいじるやん。)
紳さん:もう十分です、拓海さん。サイド戦はまた今度で、インタビューお願いします。
拓海:わかりました。なんでも聞いてください。
紳さん:………すごいですね!?とても初心者の動きではありませんでした。拓海さんは紙のカードゲームをやったことがあるのですか?
拓海:1タイトルだけ、とある紙のカードゲームをやってましたが、それでも1年ぐらいしかやってません。そもそもカードゲームに初めて触れたのが大学4年生のときで、そのあと友達とプレイしていたのがDCGなので。
紳さん:カードゲームに興味をもったのが大学4年生って、珍しいですね。我々の業界的にはかなり遅咲きというか、とにかく珍しいタイプです。
紳さん:ちなみに晴れる屋に入る前、マジック:ザ・ギャザリングのことはご存じでしたか?
拓海:それはもちろんのこと。知識としてマジックのことは昔から知っていました。一般常識だと思います。
紳さん:なるほど。それでは改めて、マジックを始めたきっかけについて教えてくれますか?
拓海:………そうですね。晴れる屋で働くことになったから、というのが主な理由ではありますが。
拓海:晴れる屋で働き始めて、トロピ大塚さんの動画を編集している内に興味をもったっていう感じです。最初にMTGアリーナをやってみたんですけど、なんだかしっくりこなくて。これは紙だな、って。
紳さん:ふむふむ。それでいきなり大会に出て、成績はどうでした?
拓海:なんと、初めての大会で全勝(3-0)しちゃいました。『領界路土地スタンダード』っていうイベントだったんですけど。
紳さん:『カルロフ邸殺人事件』のスタンダード・ショーダウンですね。全勝するとカッコいい領界路土地がGETできるイベントです。晴れる屋では今、『カウボーイビバップ』とコラボしたオマージュプロモの《骨化》がもらえるショーダウンと並行して開催されているようですね。9月後半からはプロモが《軽蔑的な一撃》になるのだとか。
紳さん:それにしても、ほとんどカードの知識がないのに、いきなりゴルガリミッドレンジを組めたことに驚きです。デッキを組むとき、なにか参考にしましたか?
拓海:僕の場合、最初に晴れる屋のスタンダードメタゲームのページを見にいきました。そしたら黒緑ビートダウンっていうのが一番人気だったので、まずはそれから始めてみようかと。Tier1のデッキを使いたかったので。
紳さん:ほう。そういう始め方もいいですね。効率が良いというか、いかにもゲーマーっぽい発想です。それで、参考にしたデッキをそのままコピーしたのですか?
拓海:いえ。僕が参考にしたデッキはもともと《腐食の荒馬》が入っていなかったのですが、僕は序盤にマスト除去を要求するデッキの方が強いと思ったので、自分なりにアレンジしてから60枚のデッキリストを考えて、一気買いしました。サイドボードのカードもそのあと、買い足しましたけど。
紳さん:ちなみに、今回のデッキを組むためには《黙示録、シェオルドレッド》だったり高額カードのカードもいくつか買う必要があります。それなりの金額になるはずですが、とまどいはなかったのですか?
拓海:紙の場合、資産になるということがわかっていたので。ゲームを楽しめて、いずれは売ることもできて、半分ぐらい戻ってくれば最高じゃないですか。だから、最初に支払う金額の見たままの数字がすべて出費になるという感覚ではなくて。半分、投資みたいな。
紳さん:たしかにそういう考え方もできるかもしれません。
拓海:ちなみに今、一番好きなカードは《強迫》です。初心者の自分にとって、1ターン目に手札を見られるのはありがたいです。
紳さん:拓海さんは初心者ですけど、取り組み方がプロゲーマーですね。なんだか話を聞いていて不思議な感覚になります。初めての大会で全勝しても、納得がいくというものです。
拓海:ちなみに、これがそのときにもらった賞品の領界路土地です。
紳さん:おめでとうございます。ちなみに、実際に大会に出てみてどんな感想を持ちましたか?
拓海:とにかく初心者なので、マジック特有の「〇〇していいですか?」と相手の方に聞くクセがつかなくて。まだまだ、慣れませんね。クリーチャーを出して、相手の人になにも聞かずに攻撃してしまい、巻き戻ったり。ほかのゲームだと、自分のターンにインスタントタイミングで介入されたりしないので。
紳さん:うふふ。それはマジックあるあるですね。「〇〇フェイズに移行していいですか?」とか「〇〇を解決していいですか?」は必須のコミュニケーションです。しかし、上級者でも、そういったコミュニケーションエラーはよく起こり得ることなのですよ。気に病む必要はありません。
拓海:大会に出て思ったんですけど、マジックプレイヤーってみんなすごく優しいですよね!わからないことは教えてくれるし、カードの能力とかも丁寧に説明してくれます。
拓海:マジックって同じカードでも、ぜんぜん違うイラストやデザインだったりするじゃないですか。英語とかも読めないし。その点は正直、初心者にとって厳しい要素だと思うんですけど、プレイヤーが初心者に優しいことでカバーしてるなって。
紳さん:アートや言語の種類が多いのはオシャレポイントでもあるのです。きっと、拓海さんも別バージョンの《強迫》が欲しくなることもあるでしょう。
拓海:そうなんです。今使っている《強迫》の絵が怖すぎて、ほかのバージョンが欲しくなってきました。ところでマジックのカードって全体的にイラストが怖くないですか?
紳さん:私が使っている着物の女性イラストの《強迫》はそこまで怖くありません。最近は『ブルームバロウ』で可愛いイラストもたくさん発表されましたし、おそらく次の『ダスクモーン:戦慄の館』でもファンシーなカードがたくさん出るはずですよ。
拓海:「戦慄の館」って言っちゃってますけどね。
拓海:ただ、カードに愛着がわいてくると、怖いイラストも気にならなくなりますね。《黙示録、シェオルドレッド》とかすでに可愛いですもん。
紳さん:それは素晴らしいです。私はそのカード、1ミリも可愛いと思ったことはありません。
紳さん:話は戻りますが、大会で優しいプレイヤーに出会えてよかったですね。マジックプレイヤーが優しいのは誰もが感じていることなんです。落ち着いた大人のプレイヤーが多いからでしょうか。
拓海:はい。人とのコミュニケーションについては問題なさそうですし、DCGにはあまりない要素なので楽しくも感じますね。
拓海:あと、晴れる屋は初心者でも安心して出れる大会が多いのが嬉しいです!先日のショーダウンもそうでしたが、練習ができるというか、カジュアルよりの大会であっても勝てば晴れる屋ポイントが貰える都合上、みんな、最後まで真剣にプレイするので。捨てゲーがないというか。
紳さん:それは結構なことです。特にスタンダードは今、フレンドリーイベントなども増えています。「いきなり真剣すぎる大会に出るのは抵抗がある」という初心者の方でも気軽に遊びやすいゲームだと思いますよ。
紳さん:それでは、次を最後の質問としましょう。元プロゲーマーの忌憚のない意見として聞かせてください。
拓海:はい。
紳さん:マジックは楽しいですか?
拓海:………正直、めちゃくちゃ良いゲームだと思います。
紳さん:ほう。それは僥倖ですね。
拓海:まだ、スタンダードしかやったことないんですけど、このゲームってすごくバランスが良いと思います。多少、オーバーパワーのカードが存在したとしても、それに対抗する手段が必ず用意されていたり、メタカードも多いので。
拓海:《太陽降下》も4ターン目に狙って《強迫》プレイするだけでかなり止められる可能性が高いと思います。初手にある《強迫》を1ターン目にプレイするより、ずらして《太陽降下》が手札に入った頃合いを見てプレイするとか。使うタイミングでカードの強さを変えられるところが面白いです。
紳さん:ちょうどさっき、私が喰らったパターンですね。あれは見事でした。
拓海:あと、プレイ分岐がすごく多いのがいいですね。自分のターンで動くか、相手のターンで動くか。特にテーブルトップはなにもプレイできる呪文がなくても、とりあえず考えているフリをするだけでブラフができる。それで相手のプレイングを変えることができたり。
紳さん:お互いに顔を合わせるゲームだからこその特権ですね。
拓海:加えて、マジックは色んな遊び方が存在してるのが良いなって思います。リミテッドや統率者とか、自分の個性に合わせたゲーム性が必ず見つかるようなイメージです。
紳さん:「マジック大好きおじ」の私からすると、元プロゲーマーの分析力をもってして、そこまでの評価をいただけるのは感涙です。
拓海:土地事故だけはマジでストレス感じるんですけどね。
紳さん:マジックと土地事故は永遠のパートナーですからね。それ故に奥深いゲームになっているのだと思いますよ。
紳さん:本日は、ありがとうございました。
拓海:いえいえ、こちらこそ。
紳さん:それでは最後に、この記事を読んでくださっている方に向けて一言お願いします。
拓海:TC東京の大会で待ってます!!ぜひ、一緒に遊んでください!!
紳さん:最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
紳さん:それでは、サイド戦です。いきましょう。
拓海:え?